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11 救世主
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「お前もかなりデカい胸だな。お前もついでに俺たちの餌食になるがいい!」
ザーガルトは当然だが死んだフリ。
おそらく隙をついて逃げるつもりだろう。
ベルジャミが勝てないような相手に私が勝てるわけがない。
「この子だけでも逃してほしいです。お願いします! 私はどうなってもいいですから!」
「……ダメよ。むしろこれは私の罰だから……ジーナだけでも逃げて」
こんなときにも名前がバレないように気を使ってくれるなんて本当に良い子だ……。
出会い方がこんなんじゃなければ、きっととても仲の良い親友になっていただろう。
「バカ女が! どっちも魅力的な体なのに逃すわけがねーだろ。とっととやっちまうか!」
あー、もうダメだ。今回は演技じゃなくてガチなんだから。
私達が襲われそうになったときだった……。
「おい、この子たちは俺の大事なお客様なんだよ……」
──ボガッドガッ!!
──バギッボギッ!!
「ぐふぅ……」
「うふぇ……」
まさかの瞬殺……。
倒したのは私たちのよく知っている人だ。
「「マスター!」」
「すまない。魔道具で証拠映像を残すために少々遅れてしまった」
いや、そういう問題じゃない。
助けてもらったことに感謝する前に、マスターに対してとても驚いているのだから。
「マスターこんなに強かったの!?」
「私より圧倒的に強い……しかもこれは演技じゃなくて本物の強さ……」
「筋トレが趣味でな。細マッチョを目指したらこうなっていただけだよ」
それだけじゃないだろう! 秘密主義のマスターは他にも何か絶対にやっているはずだ。
それにしてもこんなにガタイが違うのにあっさりと勝てるなんて……。
ともあれ助かったのだ。
「ありがとうマスター。あなたが来てくれなかったら私たちは今頃……」
「なぁに、大事な常連さんをこんなバカどもに連れ去られたくなかっただけ。とは言ってもこれは俺も予想外だったけどな」
マスターは苦笑いをしながら、伸びている二人を引きずって人目が多い路上へ連れ出した。
すぐ近くに警備兵がいたので、応援を呼んでもらって現行犯で連れていってもらった。
その後、ザーガルトも捕まえようとしたのだが……まさかの土壇場に紛れて裏から逃げ出していたのである。
とは言っても、この王都内のどこへ逃げるというのだろうか。
あまり焦ることもないだろう。
それよりも、助かったことへの喜びとマスターへの感謝の気持ちが溢れていた。
ザーガルトは当然だが死んだフリ。
おそらく隙をついて逃げるつもりだろう。
ベルジャミが勝てないような相手に私が勝てるわけがない。
「この子だけでも逃してほしいです。お願いします! 私はどうなってもいいですから!」
「……ダメよ。むしろこれは私の罰だから……ジーナだけでも逃げて」
こんなときにも名前がバレないように気を使ってくれるなんて本当に良い子だ……。
出会い方がこんなんじゃなければ、きっととても仲の良い親友になっていただろう。
「バカ女が! どっちも魅力的な体なのに逃すわけがねーだろ。とっととやっちまうか!」
あー、もうダメだ。今回は演技じゃなくてガチなんだから。
私達が襲われそうになったときだった……。
「おい、この子たちは俺の大事なお客様なんだよ……」
──ボガッドガッ!!
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「ぐふぅ……」
「うふぇ……」
まさかの瞬殺……。
倒したのは私たちのよく知っている人だ。
「「マスター!」」
「すまない。魔道具で証拠映像を残すために少々遅れてしまった」
いや、そういう問題じゃない。
助けてもらったことに感謝する前に、マスターに対してとても驚いているのだから。
「マスターこんなに強かったの!?」
「私より圧倒的に強い……しかもこれは演技じゃなくて本物の強さ……」
「筋トレが趣味でな。細マッチョを目指したらこうなっていただけだよ」
それだけじゃないだろう! 秘密主義のマスターは他にも何か絶対にやっているはずだ。
それにしてもこんなにガタイが違うのにあっさりと勝てるなんて……。
ともあれ助かったのだ。
「ありがとうマスター。あなたが来てくれなかったら私たちは今頃……」
「なぁに、大事な常連さんをこんなバカどもに連れ去られたくなかっただけ。とは言ってもこれは俺も予想外だったけどな」
マスターは苦笑いをしながら、伸びている二人を引きずって人目が多い路上へ連れ出した。
すぐ近くに警備兵がいたので、応援を呼んでもらって現行犯で連れていってもらった。
その後、ザーガルトも捕まえようとしたのだが……まさかの土壇場に紛れて裏から逃げ出していたのである。
とは言っても、この王都内のどこへ逃げるというのだろうか。
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それよりも、助かったことへの喜びとマスターへの感謝の気持ちが溢れていた。
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