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9 逆襲開始!!
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本当は私の家にカフェ友として、ベルジャミを招き入れる予定だった。
だが、路上で会ったのなら話は早い。
早速さっき話した計画を実行しようと思う。
ちなみに、マスターも陰で隠れて見張ってくれている。
このために営業中の店を閉めてまで協力してくれているのだ。
「何しているの? 就活?」
「お……おう、そうだ」
「あれれー? ザーガルトとジュリアーナって知り合いだったのー?」
「あ……あぁ、まあそう……だが」
とっても焦っている。
彼のこんな表情今まで見たこともない。
「ベルジャミは初めてよね。紹介するわね──」
「おい待て待て待て待て!! とにかく待て」
私はイヌかよ!?
愛情が冷めきった後、これほど旦那に対しての視線が変わってしまうのかと驚いてしまう。
そして今までの私が熟、バカらしくなってしまうのだ。
「そもそもお前たちどこで知り合った!?」
「え? 行きつけの店でよく会う親友だけど」
「はぁぁ!?」
ここまで焦るとは思わなかった。
脂汗みたいなものはダラダラ流しているし、表情も亡霊を見たかのような目をしている。
私たちは亡霊じゃないが。
「ねぇ聞いて聞いてジュリアーナ。私、この人に命救われたのよ」
「あら、私もそうよ」
「あーーーー! あーーーーー! 今その話をするな」
旦那は鳥か!? ギャーギャーうるさいからとっとと進めてしまおう。
「チンピラに襲われているところを助けられてそっから恋仲になって結婚したの」
「え……嘘でしょ!? 私も三ヶ月前くらいにチンピラに襲われているところを助けられて今恋仲のつもりだったんだけど……」
じろりとザーガルトを二人で睨むが、もはや固まっている。
この男、極度の緊張や窮地に陥ると固まるらしい。
「詳しく話を聞きましょうか! ザーガルト!」
「あなた、恋人も妻もいないって言ってたわよね!?」
「……」
完全に固まっているので、ベルジャミが強引に首元を掴んでグイグイと引っ張って連れて行った。
人目につかないように裏路地へ。
♢
「さて、どういうことか説明してもらえるかしら。不倫してたってわけ?」
「……」
「なんで黙っているのよ? 私でも倒せなかった強い不良から助けてくれたあなたなら、そんな態度にならないはずだと思うんだけど」
「……」
黙秘権など通用するわけがない。
「なんか言ったらどうなの? 本当に離婚よ!?」
「う……うるさい……」
「は……?」
「うるさいと言っているのだ! ジュリアーナ、お前は黙っていろ!」
怒鳴られてしまった。
今までは黙るしかできなかったが、今は違う。
なんとでも言い返す。
「黙るわけないでしょう! なんで私の親友と不倫してんのよ!?」
「うるさい! 俺はベルジャミを愛しているんだから仕方がない。お前など金のなる木としてしか見てねーんだよ」
「な……」
流石にこのように言われると傷つく、むしろ侮辱だろう。
「だからさ、ベルジャミ。これからは俺と共に二人で生活していこうではないか。こんな奴は所詮胸だけでかい金だけの女。そんな奴と親友なんかやめたほうがいいぞ」
これはマズい……絶対にマズい……。
無言でベルジャミがザーガルトの元へゆっくりと歩いて行った。
あぁ……終わった。
だが、路上で会ったのなら話は早い。
早速さっき話した計画を実行しようと思う。
ちなみに、マスターも陰で隠れて見張ってくれている。
このために営業中の店を閉めてまで協力してくれているのだ。
「何しているの? 就活?」
「お……おう、そうだ」
「あれれー? ザーガルトとジュリアーナって知り合いだったのー?」
「あ……あぁ、まあそう……だが」
とっても焦っている。
彼のこんな表情今まで見たこともない。
「ベルジャミは初めてよね。紹介するわね──」
「おい待て待て待て待て!! とにかく待て」
私はイヌかよ!?
愛情が冷めきった後、これほど旦那に対しての視線が変わってしまうのかと驚いてしまう。
そして今までの私が熟、バカらしくなってしまうのだ。
「そもそもお前たちどこで知り合った!?」
「え? 行きつけの店でよく会う親友だけど」
「はぁぁ!?」
ここまで焦るとは思わなかった。
脂汗みたいなものはダラダラ流しているし、表情も亡霊を見たかのような目をしている。
私たちは亡霊じゃないが。
「ねぇ聞いて聞いてジュリアーナ。私、この人に命救われたのよ」
「あら、私もそうよ」
「あーーーー! あーーーーー! 今その話をするな」
旦那は鳥か!? ギャーギャーうるさいからとっとと進めてしまおう。
「チンピラに襲われているところを助けられてそっから恋仲になって結婚したの」
「え……嘘でしょ!? 私も三ヶ月前くらいにチンピラに襲われているところを助けられて今恋仲のつもりだったんだけど……」
じろりとザーガルトを二人で睨むが、もはや固まっている。
この男、極度の緊張や窮地に陥ると固まるらしい。
「詳しく話を聞きましょうか! ザーガルト!」
「あなた、恋人も妻もいないって言ってたわよね!?」
「……」
完全に固まっているので、ベルジャミが強引に首元を掴んでグイグイと引っ張って連れて行った。
人目につかないように裏路地へ。
♢
「さて、どういうことか説明してもらえるかしら。不倫してたってわけ?」
「……」
「なんで黙っているのよ? 私でも倒せなかった強い不良から助けてくれたあなたなら、そんな態度にならないはずだと思うんだけど」
「……」
黙秘権など通用するわけがない。
「なんか言ったらどうなの? 本当に離婚よ!?」
「う……うるさい……」
「は……?」
「うるさいと言っているのだ! ジュリアーナ、お前は黙っていろ!」
怒鳴られてしまった。
今までは黙るしかできなかったが、今は違う。
なんとでも言い返す。
「黙るわけないでしょう! なんで私の親友と不倫してんのよ!?」
「うるさい! 俺はベルジャミを愛しているんだから仕方がない。お前など金のなる木としてしか見てねーんだよ」
「な……」
流石にこのように言われると傷つく、むしろ侮辱だろう。
「だからさ、ベルジャミ。これからは俺と共に二人で生活していこうではないか。こんな奴は所詮胸だけでかい金だけの女。そんな奴と親友なんかやめたほうがいいぞ」
これはマズい……絶対にマズい……。
無言でベルジャミがザーガルトの元へゆっくりと歩いて行った。
あぁ……終わった。
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