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24 聖女の力を証明してみた 後編

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「フリンデルはよく見ていなさい。あなたに出来なかったことを私がやってみるから」
「へ?」
『私に繋がれし手錠よ、変形し私の元から剥がれ地面に落ちなさい』

 少しだけ待つと、手錠は徐々に変形していき、やがて輪の面積が広くなり私は安易に手錠から抜け出すことができた。

「な……なんで!?」
「ほう、素晴らしい。さすがアイリスだ」
「アイリス様が善人でホッとしていますよ……」

「これでわかった? フリンデルは聖女ではないの! 思い込みで街の人たちから金品を貰ってしまった犯罪行為をしていたのよ」
「そ……そんなことって……」

 さすがにショックを隠しきれないようだ。
 聖女だと本気で思っていたが故に犯罪をしてしまったのだからショックは大きいだろう。
 だが、後悔してももう遅い。
 義父様が捕らわれた段階ですでにフリンデルは聖女ではないということが証明されていたようなもの。
 それなのに懲りずに聖女だと名乗ったのだから……。

「ふむ、釈明の余地はないであろう。再び牢へ連れていけ」
「ははっ!」
「……」

 フリンデルは無言のまま、扉の先にある地下牢へと連れていかれた。

「良かったのかね? 妹なのだろう?」
陛下は心配そうに聞いてきた。
いやいや、一国の王様がそんな不公平感出しちゃダメでしょ。

「もしもここで解放したら、フリンデルの場合また同じことを繰り返すと思いますが」
「そうか……ならば金品を騙し取った罪は償わなければなるまい」

 これで私には身寄りは完全に失った。
 ジュエル殿下と本当の婚約ができればいいのに。

「やはり、アイリスとジュエルの結婚式は早急に行ったほうが良いかもしれぬ」
「え!?」
「偽聖女がこうも出現されては困るからな。それに、アイリスが聖女だと国をあげて証明すればこのような問題も早期解決するであろう」

 聖女と証明してくださるのは良いんだけれど、それと結婚式にどう結びつくのかがわからない。
 私は覚悟を決めて、演技はいつまで続ければ良いのか聞くことにした。

「あの……陛下。ジュエル殿下との婚約は──」
「うむ。アイリスほどの聖女としての実績があれば民衆も貴族も文句は言えまい」

 と、いうことは……。
 今まで釣り合わないから無理だと思っていたのは私の勘違いで、本当にジュエル殿下と婚約の上結婚式までするということだったのか……。

「ひ、ひぃぃぃいいいーーーー!!」

 私は頭の中がジュエル殿下でいっぱいになってパニックになってしまった。
 これは現実なのだろうか。
 嬉しすぎて心臓がバックンバックン鳴っているし破裂しそうだ。
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