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10 聖女なのか確認してみた
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「このお方が……ホルスタ殿下……」
「兄上は二年前のパーティーの最中に毒を盛られてしまってな。未だ犯人の足取りも捉えることもできずこうして昏睡が続いているのだよ……」
こんな状況で考えてしまうのはどうかと思うが、兄弟揃ってイケメンだ……。
ジュエル殿下もよく見れば恐さを除けばイケメンなのだが、眠っている姿のホルスタ殿下もカッコいい。
目を開けた姿を想像しただけで胸がキュンキュンしてしまいそうだ。
おっと、そんなこと思っているなんてジュエル殿下に知られたら怒られてしまうからな。
聖女なのかどうかは曖昧だが、今回は自分の可能性にかけてホルスタ殿下を昏睡から治してみたい。
これをきっかけに私は変わるんだ!
目を瞑って両手を合わせて願った。
『どうか、ホルスタ殿下の身体の中に侵入している毒や問題のある物質を取り除いて健康な身体になって目が覚めますように……』
今度は目を開けるのが恐い。
もしこれで目を覚まさなければジュエル殿下に合わせる顔がないからだ。
だが、ビクビクしている私の肩に手を充てられる感覚があって、ビックリして目を開いてしまった。
「ひゃーーーっ!!」
「おっとすまぬ。脅かすつもりはなかったのだが」
「ジュ……ジュエル殿下でしたか……。すみません、私ってば本当に臆病なので」
この情けない性格はなんとかしたい。
何度も頭を下げたり上げたりして、ジュエル殿下に申し訳ないと言う気持ちを伝えた。
「アイリスはコント師みたいだな」
「そんな……」
「いや、別に嫌いではない。ただ、周りにアイリスのような者はいないのでな。個性があって良いと私は思うが」
「うぅ……」
ジュエル殿下は思ったことをそのまま言ってしまうようだ。
これは義父様もそうだったが、ジュエル殿下の場合、何故か刺々しさが感じられない。
むしろ、何故かはわからないが愛情のようなものを感じてしまうのだ。
「うう……ここは……」
「兄上!!!!!!」
「ひぃぃっ!!」
びっくりした。
ジュエル殿下がこれでもかというくらいの大声を出すものだから、私は驚いた勢いで床に凹たれてしまった。
「う……うそ、本当に目覚めた……」
これはユメなのではないだろうかと疑ってしまう。
今回ばかりは偶然でもなんでもない。
私が祈って叶ったと判断するしかないだろう。
「たしか……私は……」
「お気を確かに! 兄上の誕生会にて毒を盛られしまい、長い間眠り続けていました。しかし、ここにいる聖女アイリスが兄上を救ってくれたのです!」
え!?
二人の王子がほぼ同時に視線をこちらへ向けてきた。
二人とも顔が整っているのでかっこいい。
……いや、今はそういうことじゃなくて!
「そうか、助かったぞアイリス殿。ひとまず礼を」
「い、いえいえ! ジュエル殿下が私のことを聖女なんじゃないかって思ってくださったからですよ」
「ほう……」
「なんだと!?」
「ひっ……」
またしてもジュエル殿下の声を聞いてビビってしまう。
「脅かしているつもりはないのだが……。アイリスよ、もっと誇っていいことなのだぞ? 兄上の命を救ったことがどれだけ素晴らしいことか」
「いえ、でもここへ連れてきてくれたのはジュエル殿下ですし、私はただやってみただけですから。とにかく目が覚めてよかったですよね!」
「アイリス殿には頭を下げねばな」
「私もです。アイリス、この度は本当に感謝する」
王子二人が頭を下げてきた。
二人とも私に感謝の眼差しが絶えない。
嬉しい気分なのは間違いないが、それよりもどうしてこんなに感謝されるのかがわからなかった。
「兄上は二年前のパーティーの最中に毒を盛られてしまってな。未だ犯人の足取りも捉えることもできずこうして昏睡が続いているのだよ……」
こんな状況で考えてしまうのはどうかと思うが、兄弟揃ってイケメンだ……。
ジュエル殿下もよく見れば恐さを除けばイケメンなのだが、眠っている姿のホルスタ殿下もカッコいい。
目を開けた姿を想像しただけで胸がキュンキュンしてしまいそうだ。
おっと、そんなこと思っているなんてジュエル殿下に知られたら怒られてしまうからな。
聖女なのかどうかは曖昧だが、今回は自分の可能性にかけてホルスタ殿下を昏睡から治してみたい。
これをきっかけに私は変わるんだ!
目を瞑って両手を合わせて願った。
『どうか、ホルスタ殿下の身体の中に侵入している毒や問題のある物質を取り除いて健康な身体になって目が覚めますように……』
今度は目を開けるのが恐い。
もしこれで目を覚まさなければジュエル殿下に合わせる顔がないからだ。
だが、ビクビクしている私の肩に手を充てられる感覚があって、ビックリして目を開いてしまった。
「ひゃーーーっ!!」
「おっとすまぬ。脅かすつもりはなかったのだが」
「ジュ……ジュエル殿下でしたか……。すみません、私ってば本当に臆病なので」
この情けない性格はなんとかしたい。
何度も頭を下げたり上げたりして、ジュエル殿下に申し訳ないと言う気持ちを伝えた。
「アイリスはコント師みたいだな」
「そんな……」
「いや、別に嫌いではない。ただ、周りにアイリスのような者はいないのでな。個性があって良いと私は思うが」
「うぅ……」
ジュエル殿下は思ったことをそのまま言ってしまうようだ。
これは義父様もそうだったが、ジュエル殿下の場合、何故か刺々しさが感じられない。
むしろ、何故かはわからないが愛情のようなものを感じてしまうのだ。
「うう……ここは……」
「兄上!!!!!!」
「ひぃぃっ!!」
びっくりした。
ジュエル殿下がこれでもかというくらいの大声を出すものだから、私は驚いた勢いで床に凹たれてしまった。
「う……うそ、本当に目覚めた……」
これはユメなのではないだろうかと疑ってしまう。
今回ばかりは偶然でもなんでもない。
私が祈って叶ったと判断するしかないだろう。
「たしか……私は……」
「お気を確かに! 兄上の誕生会にて毒を盛られしまい、長い間眠り続けていました。しかし、ここにいる聖女アイリスが兄上を救ってくれたのです!」
え!?
二人の王子がほぼ同時に視線をこちらへ向けてきた。
二人とも顔が整っているのでかっこいい。
……いや、今はそういうことじゃなくて!
「そうか、助かったぞアイリス殿。ひとまず礼を」
「い、いえいえ! ジュエル殿下が私のことを聖女なんじゃないかって思ってくださったからですよ」
「ほう……」
「なんだと!?」
「ひっ……」
またしてもジュエル殿下の声を聞いてビビってしまう。
「脅かしているつもりはないのだが……。アイリスよ、もっと誇っていいことなのだぞ? 兄上の命を救ったことがどれだけ素晴らしいことか」
「いえ、でもここへ連れてきてくれたのはジュエル殿下ですし、私はただやってみただけですから。とにかく目が覚めてよかったですよね!」
「アイリス殿には頭を下げねばな」
「私もです。アイリス、この度は本当に感謝する」
王子二人が頭を下げてきた。
二人とも私に感謝の眼差しが絶えない。
嬉しい気分なのは間違いないが、それよりもどうしてこんなに感謝されるのかがわからなかった。
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