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4 飢え死にしそう
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「はぁ……。これからどうしたらいいのよ……」
行くあてもなく、自分の足だけを使って街中をさまよう。
数年規模の異常気象の影響で、一歩でも貧民街方面へ出てしまえば、フリンデルの言っていたとおりに何をされるかわかったものじゃない。
だからと言ってこのまま貴族エリアにいたままでは、明日もあの家に行かなければならないだろう。
「あぁ……おなかすいた、喉も乾いた……」
体力もろくにない私にとって、目的もないまま歩き続けること自体が厳しいものだった。
乾燥しきっているこの辺りの気候と暑さのせいで、追い討ちをかけるように体力を奪っていく。
やがてその場でへたり込んだ。
「フリンデルが本当に聖女なら、早く雨をふらしてよ……。ずぶ濡れになったって構わないから」
偽聖女だとわかっているのに、私は嫌味たらしく願ってしまう。
もちろんその後も雨など降る気配はない。
むしろ、ここ数週間雨など降っていないのだ。
私はその場でついに倒れ、目を瞑って神頼みをしてしまう。
「はぁ……。神様……、どうか大雨を、そして体力の回復できそうな木の実でも草でも……どうか」
ははは……。
もう私は死んでしまうのだろう。
だからこそ最後に悪あがきのような行動をするんだろうな。
だが……。
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
「え? 雲? それに、あれは……」
今まで雲一つなかった街に、いきなり大雨が降りはじめた。
私の身体に容赦無く雨が降ってくるので、すぐに手の平で雨水を溜めたり、ハンカチに雨水を吸い込ませてそれを飲む。
「まさかフリンデルが雨を降らせたとでもいうの!?」
しかも、私のすぐ近くにある木のそばからキノコが生えてきたのだった。
もしかしたら私は助かるかもしれない……。
キノコの生食いにすら抵抗がなくなっている。
クリヴァイム家では、義父様からの嫌がらせでよく生食いを強要させられたことがあり、何度もお腹を下した経験がある。
だが、今まで不思議なことにお腹を下す程度で済んでいるのだ。
私には体力はないが、食道関係の機能は頑丈らしい。
そのため、お腹がすいていた私にとってはキノコの生食いなど問題はなかった。
食事もろくにできなかった私の教訓として、『食べられるときに食べる!』というものがある。
人が滅多に通らなさそうな場所なので、今のうちにお腹に詰め込んでしまおう。
天からの恵みをありがたくいただいた。
正直に言うと苦いし美味しいとは思えないが、お腹も少しは満たされてきたので、私にとっては満足だ。
だがバクバクと勢いよく食べている最中、良からぬことが起きてしまった。
「君! 雨が珍しいからといってそんなにずぶ濡れになってまで……」
「え……あ……う……ムシャムシャ──」
言葉にしたくても出せなかった。
私の口の中にはキノコで一杯だったのだから。
今口を開けてしまえば、勢い余って頬張ったキノコが出てきてしまう大惨事になりかねない。
「な……何を食べているのだ?」
「ひょ……ひょうひょうおまひふははい(少々お待ちください)」
「う……うむ」
急いで口の中のものをお腹へ送り込んだ。
慌てていたので声のする主の顔を直視していなかったのだが、顔を見てさらに驚いてしまった。
このお方に待ってくださいなどと言ってしまったことに後悔している。
声をかけてきた彼は、この国の王子なのだから。
行くあてもなく、自分の足だけを使って街中をさまよう。
数年規模の異常気象の影響で、一歩でも貧民街方面へ出てしまえば、フリンデルの言っていたとおりに何をされるかわかったものじゃない。
だからと言ってこのまま貴族エリアにいたままでは、明日もあの家に行かなければならないだろう。
「あぁ……おなかすいた、喉も乾いた……」
体力もろくにない私にとって、目的もないまま歩き続けること自体が厳しいものだった。
乾燥しきっているこの辺りの気候と暑さのせいで、追い討ちをかけるように体力を奪っていく。
やがてその場でへたり込んだ。
「フリンデルが本当に聖女なら、早く雨をふらしてよ……。ずぶ濡れになったって構わないから」
偽聖女だとわかっているのに、私は嫌味たらしく願ってしまう。
もちろんその後も雨など降る気配はない。
むしろ、ここ数週間雨など降っていないのだ。
私はその場でついに倒れ、目を瞑って神頼みをしてしまう。
「はぁ……。神様……、どうか大雨を、そして体力の回復できそうな木の実でも草でも……どうか」
ははは……。
もう私は死んでしまうのだろう。
だからこそ最後に悪あがきのような行動をするんだろうな。
だが……。
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
「え? 雲? それに、あれは……」
今まで雲一つなかった街に、いきなり大雨が降りはじめた。
私の身体に容赦無く雨が降ってくるので、すぐに手の平で雨水を溜めたり、ハンカチに雨水を吸い込ませてそれを飲む。
「まさかフリンデルが雨を降らせたとでもいうの!?」
しかも、私のすぐ近くにある木のそばからキノコが生えてきたのだった。
もしかしたら私は助かるかもしれない……。
キノコの生食いにすら抵抗がなくなっている。
クリヴァイム家では、義父様からの嫌がらせでよく生食いを強要させられたことがあり、何度もお腹を下した経験がある。
だが、今まで不思議なことにお腹を下す程度で済んでいるのだ。
私には体力はないが、食道関係の機能は頑丈らしい。
そのため、お腹がすいていた私にとってはキノコの生食いなど問題はなかった。
食事もろくにできなかった私の教訓として、『食べられるときに食べる!』というものがある。
人が滅多に通らなさそうな場所なので、今のうちにお腹に詰め込んでしまおう。
天からの恵みをありがたくいただいた。
正直に言うと苦いし美味しいとは思えないが、お腹も少しは満たされてきたので、私にとっては満足だ。
だがバクバクと勢いよく食べている最中、良からぬことが起きてしまった。
「君! 雨が珍しいからといってそんなにずぶ濡れになってまで……」
「え……あ……う……ムシャムシャ──」
言葉にしたくても出せなかった。
私の口の中にはキノコで一杯だったのだから。
今口を開けてしまえば、勢い余って頬張ったキノコが出てきてしまう大惨事になりかねない。
「な……何を食べているのだ?」
「ひょ……ひょうひょうおまひふははい(少々お待ちください)」
「う……うむ」
急いで口の中のものをお腹へ送り込んだ。
慌てていたので声のする主の顔を直視していなかったのだが、顔を見てさらに驚いてしまった。
このお方に待ってくださいなどと言ってしまったことに後悔している。
声をかけてきた彼は、この国の王子なのだから。
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