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第二章
51 鉱山送りの協力要請
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「ダスフォールの処罰は鉱山送りにするのだが……」
「それでアルガルデ王国へ届けようというのですね」
私が居候させてもらっている公爵家にデインヒール陛下が訪ねてきたのです。
相変わらず陛下に対しての護衛がいませんが、王都が再び平和に戻ったということですね。
私も随分とこの国の常識に慣れてきたものです。
「うむ。リリーナ嬢はアルガルデ出身だからな。あちらの国の王族と関わりが有れば協力をお願いしたいのだ」
襲撃に関しては無事に解決しました。
処罰に関してもほとんどの人間が処刑ですが、ダスフォール殿下だけはそれができなかったのです。
「承知しました」
「度々すまぬ。この国にそのような処罰もないからな……」
「いえ、実はこうなることを予測していたので、すでにアルガルデ王国の方へ伝書鳩を出しています。処罰の協力要請に関してもしっかりと記載していますし、今のサージェント国王陛下でしたら信頼できますよ」
「他国に協力を求めてしまって情けない。やはり我が国もこれを機に防衛面や囚人対策もしっかりと立てねばなるまいな」
今までは平和でしたが、急にこのような大規模な襲撃にあってしまったのです。
心配になるのも無理はないでしょう。
もちろん防衛を強化することに反対はしませんでしたが。
「ダスフォール元殿下を連れて行くにあたって、陛下も一緒にご挨拶に行ってみてはいかがでしょうか?」
「私もか!?」
「以前私がアルガルデにいたときに、サージェント陛下とお話をさせていただいた際に発言されておりました。『今後自国だけでなく、他国とも交友を結びたい』と」
「願ったり叶ったりだ」
陛下の目がギラギラと輝いているようです。
「リリーナ嬢よ、其方には毎回頼んでばかりで申し訳ないのだが、今回アルガルデに向かうにあたり、一緒に来ていただけないだろうか?」
「ならば私も同伴致します!」
後ろに控えていたライカル様が割って会話に入ってきました。
「リリーは私の大事なお方ですからな。王都の外は危険がつきまといます。私がリリーをお守りしたいのです!」
「ライカル様……」
真剣な表情で言っているライカル様を見ていてうっとりとしてしまいました。
「勿論構わぬ。今回は新たに結束した狙撃部隊も何人か連れて行き、万全の体制とろうと思っておる」
「ほう。リリーが集めてくれた優秀な部隊ですな。早速護衛部隊が活躍することになるとは、さすがリリーだ」
「それは言い過ぎですよ。部隊を作るにあたって陛下達の協力があったからこそ出来たので」
何かと持ち上げようとしてくださるので、そこは遠慮しておきます。
私だけで成し遂げたことではないですからね。
「相変わらずリリーナ嬢は律儀で遠慮深いのだな。もっと自身の成し遂げたことを誇りげに思っても良いと思うが」
「私が一人で全てを解決させたらそうさせていただきますね」
軽くあしらいましたが、絶対に無理でしょうね。
私はあくまで提案と対策を進めただけです。
動いたり協力してくれる仲間がいたからこそ上手くいっているのですから。
さて、久しぶりにアルガルデへ行くことになりました。
王都の外は危険が多いと言うのは間違いないですから、私も新たな対策をいくつかしておこうかと思います。
「それでアルガルデ王国へ届けようというのですね」
私が居候させてもらっている公爵家にデインヒール陛下が訪ねてきたのです。
相変わらず陛下に対しての護衛がいませんが、王都が再び平和に戻ったということですね。
私も随分とこの国の常識に慣れてきたものです。
「うむ。リリーナ嬢はアルガルデ出身だからな。あちらの国の王族と関わりが有れば協力をお願いしたいのだ」
襲撃に関しては無事に解決しました。
処罰に関してもほとんどの人間が処刑ですが、ダスフォール殿下だけはそれができなかったのです。
「承知しました」
「度々すまぬ。この国にそのような処罰もないからな……」
「いえ、実はこうなることを予測していたので、すでにアルガルデ王国の方へ伝書鳩を出しています。処罰の協力要請に関してもしっかりと記載していますし、今のサージェント国王陛下でしたら信頼できますよ」
「他国に協力を求めてしまって情けない。やはり我が国もこれを機に防衛面や囚人対策もしっかりと立てねばなるまいな」
今までは平和でしたが、急にこのような大規模な襲撃にあってしまったのです。
心配になるのも無理はないでしょう。
もちろん防衛を強化することに反対はしませんでしたが。
「ダスフォール元殿下を連れて行くにあたって、陛下も一緒にご挨拶に行ってみてはいかがでしょうか?」
「私もか!?」
「以前私がアルガルデにいたときに、サージェント陛下とお話をさせていただいた際に発言されておりました。『今後自国だけでなく、他国とも交友を結びたい』と」
「願ったり叶ったりだ」
陛下の目がギラギラと輝いているようです。
「リリーナ嬢よ、其方には毎回頼んでばかりで申し訳ないのだが、今回アルガルデに向かうにあたり、一緒に来ていただけないだろうか?」
「ならば私も同伴致します!」
後ろに控えていたライカル様が割って会話に入ってきました。
「リリーは私の大事なお方ですからな。王都の外は危険がつきまといます。私がリリーをお守りしたいのです!」
「ライカル様……」
真剣な表情で言っているライカル様を見ていてうっとりとしてしまいました。
「勿論構わぬ。今回は新たに結束した狙撃部隊も何人か連れて行き、万全の体制とろうと思っておる」
「ほう。リリーが集めてくれた優秀な部隊ですな。早速護衛部隊が活躍することになるとは、さすがリリーだ」
「それは言い過ぎですよ。部隊を作るにあたって陛下達の協力があったからこそ出来たので」
何かと持ち上げようとしてくださるので、そこは遠慮しておきます。
私だけで成し遂げたことではないですからね。
「相変わらずリリーナ嬢は律儀で遠慮深いのだな。もっと自身の成し遂げたことを誇りげに思っても良いと思うが」
「私が一人で全てを解決させたらそうさせていただきますね」
軽くあしらいましたが、絶対に無理でしょうね。
私はあくまで提案と対策を進めただけです。
動いたり協力してくれる仲間がいたからこそ上手くいっているのですから。
さて、久しぶりにアルガルデへ行くことになりました。
王都の外は危険が多いと言うのは間違いないですから、私も新たな対策をいくつかしておこうかと思います。
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