33 / 71
第一章
33 試作品が完成
しおりを挟む
「試作品ですが、麻酔薬できました」
空気に触れないように、瓶の中に厳重に保管しています。皮膚に触れただけで直ぐに眠ってしまう麻酔ですからね。
「もう出来たのか。相変わらずリリーナ嬢は素晴らしい。試作品と言ったが完成品ではないのか?」
「そうですね。ミスはないと思いますが、まだ効果を試していませんので……」
効果は個人差がありますが、概ね六時間は眠ったままになってしまうでしょう。
実験するのは私自身で、睡眠前にしようと思っています。
「すまない、人体実験用の囚人を用意と言いたいのだが、生憎囚人が我が国にはいないのだよ」
平和で良いことだと思います。
「それは問題ありませんよ。私自身が就寝前に試しますから」
「なんと!?」
「身体に害を及ぼす成分は全く入っていませんので問題ありませんよ。それに自身でやってみないと判断できませんから」
毒を浴びるわけではありませんからね。
とはいえ万が一ということもありますし、周りに迷惑をかけるわけにはいきません。
「せめて私が実験のモニターになろう」
「絶対にダメです!」
慌てて否定しておきます。
「過去に人体に害のない実験を何度かやったことがあるので気にしないでください」
そういえばサフランお姉様とザグロームにまで私の実験を横取りされて、結果がわからずボツにしてしまった薬品がありましたね。
あれは効果が出るまでやたらと時間がかかるものでしたが、そろそろでしょうか。
「害がないのならば目を瞑るか。それにしても完成品ではないにせよ、まさか僅か半日で完成してしまうとは」
デインヒール陛下は驚いたような表情をしています。
「素材を混ぜるだけですからね。シンザーン殿下やライカル様が素材を迅速に用意してくださったおかげです」
「シンザーンもライカル殿もそうだが、オービルジェ王国のためにここまで協力してくれて感謝する」
シンザーン様は足りない素材を部下と共に集めて、ライカル様は水鉄砲を民衆の皆様に緊急配布してもらったのです。
「年に一度の開催にもかかわらず、緊急開催として明日から連日射撃大会を行えるなんてすごいですね」
「こういう娯楽は皆楽しみにしてくれているからな。だが、主旨を言わなくてよかったのか?」
ライカル様には、あくまで娯楽開催として全員に水鉄砲を配って欲しいとお願いしたのです。
「はい。現状私の予測というだけなので、戦争になるとは限りませんからね。不謹慎ですが、これだけ動いていただいたのに何も起こらなかったら私はどうお詫びしていいやら……」
国を動かしてしまうくらいのことをやってしまったのです。
今までの傾向から察するに間違いはないと思いますが確実ではありません。
責任は被るつもりでいますが。
「何を心配しているのだ? リリーナ嬢よ、少し勘違いをしているようだな」
「え?」
「たとえ戦争にならずともリリーナ嬢の功績は無駄でもないし、むしろ国をより良くするためのことだと思っておる。我が国は今まで防衛という要素がゼロであった。国の防御を上げるいい機会だと思っておる」
陛下の優しい言葉を聞いて安堵のため息をはきました。
「お気遣いありがとうございます」
「気遣うも何も、むしろ感謝だ。リリーナ嬢が来てくれなければ国が滅んだかもしれんしな」
流石に大袈裟な気もしますけれど。
「ところで、明日から連日開催する射撃大会、リリーナ嬢も参加するだろう?」
「私もですか!?」
今回は訓練のようなものだが、名目上は娯楽です。
こういった大会に参加したことが全くないので、正直楽しみではあります。
折角ですので私も参加しましょうか。
ルールを確認した上で作戦を徹底的に考えてなんとか脱落は回避したいですね。
空気に触れないように、瓶の中に厳重に保管しています。皮膚に触れただけで直ぐに眠ってしまう麻酔ですからね。
「もう出来たのか。相変わらずリリーナ嬢は素晴らしい。試作品と言ったが完成品ではないのか?」
「そうですね。ミスはないと思いますが、まだ効果を試していませんので……」
効果は個人差がありますが、概ね六時間は眠ったままになってしまうでしょう。
実験するのは私自身で、睡眠前にしようと思っています。
「すまない、人体実験用の囚人を用意と言いたいのだが、生憎囚人が我が国にはいないのだよ」
平和で良いことだと思います。
「それは問題ありませんよ。私自身が就寝前に試しますから」
「なんと!?」
「身体に害を及ぼす成分は全く入っていませんので問題ありませんよ。それに自身でやってみないと判断できませんから」
毒を浴びるわけではありませんからね。
とはいえ万が一ということもありますし、周りに迷惑をかけるわけにはいきません。
「せめて私が実験のモニターになろう」
「絶対にダメです!」
慌てて否定しておきます。
「過去に人体に害のない実験を何度かやったことがあるので気にしないでください」
そういえばサフランお姉様とザグロームにまで私の実験を横取りされて、結果がわからずボツにしてしまった薬品がありましたね。
あれは効果が出るまでやたらと時間がかかるものでしたが、そろそろでしょうか。
「害がないのならば目を瞑るか。それにしても完成品ではないにせよ、まさか僅か半日で完成してしまうとは」
デインヒール陛下は驚いたような表情をしています。
「素材を混ぜるだけですからね。シンザーン殿下やライカル様が素材を迅速に用意してくださったおかげです」
「シンザーンもライカル殿もそうだが、オービルジェ王国のためにここまで協力してくれて感謝する」
シンザーン様は足りない素材を部下と共に集めて、ライカル様は水鉄砲を民衆の皆様に緊急配布してもらったのです。
「年に一度の開催にもかかわらず、緊急開催として明日から連日射撃大会を行えるなんてすごいですね」
「こういう娯楽は皆楽しみにしてくれているからな。だが、主旨を言わなくてよかったのか?」
ライカル様には、あくまで娯楽開催として全員に水鉄砲を配って欲しいとお願いしたのです。
「はい。現状私の予測というだけなので、戦争になるとは限りませんからね。不謹慎ですが、これだけ動いていただいたのに何も起こらなかったら私はどうお詫びしていいやら……」
国を動かしてしまうくらいのことをやってしまったのです。
今までの傾向から察するに間違いはないと思いますが確実ではありません。
責任は被るつもりでいますが。
「何を心配しているのだ? リリーナ嬢よ、少し勘違いをしているようだな」
「え?」
「たとえ戦争にならずともリリーナ嬢の功績は無駄でもないし、むしろ国をより良くするためのことだと思っておる。我が国は今まで防衛という要素がゼロであった。国の防御を上げるいい機会だと思っておる」
陛下の優しい言葉を聞いて安堵のため息をはきました。
「お気遣いありがとうございます」
「気遣うも何も、むしろ感謝だ。リリーナ嬢が来てくれなければ国が滅んだかもしれんしな」
流石に大袈裟な気もしますけれど。
「ところで、明日から連日開催する射撃大会、リリーナ嬢も参加するだろう?」
「私もですか!?」
今回は訓練のようなものだが、名目上は娯楽です。
こういった大会に参加したことが全くないので、正直楽しみではあります。
折角ですので私も参加しましょうか。
ルールを確認した上で作戦を徹底的に考えてなんとか脱落は回避したいですね。
23
お気に入りに追加
4,839
あなたにおすすめの小説
私はどうしようもない凡才なので、天才の妹に婚約者の王太子を譲ることにしました
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
フレイザー公爵家の長女フローラは、自ら婚約者のウィリアム王太子に婚約解消を申し入れた。幼馴染でもあるウィリアム王太子は自分の事を嫌い、妹のエレノアの方が婚約者に相応しいと社交界で言いふらしていたからだ。寝食を忘れ、血の滲むほどの努力を重ねても、天才の妹に何一つ敵わないフローラは絶望していたのだ。一日でも早く他国に逃げ出したかったのだ。

婚約を解消してくれないと、毒を飲んで死ぬ? どうぞご自由に
柚木ゆず
恋愛
※7月25日、本編完結いたしました。後日、補完編と番外編の投稿を予定しております。
伯爵令嬢ソフィアの幼馴染である、ソフィアの婚約者イーサンと伯爵令嬢アヴリーヌ。二人はソフィアに内緒で恋仲となっており、最愛の人と結婚できるように今の関係を解消したいと考えていました。
ですがこの婚約は少々特殊な意味を持つものとなっており、解消するにはソフィアの協力が必要不可欠。ソフィアが関係の解消を快諾し、幼馴染三人で両家の当主に訴えなければ実現できないものでした。
そしてそんなソフィアは『家の都合』を優先するため、素直に力を貸してくれはしないと考えていました。
そこで二人は毒を用意し、一緒になれないなら飲んで死ぬとソフィアに宣言。大切な幼馴染が死ぬのは嫌だから、必ず言うことを聞く――。と二人はほくそ笑んでいましたが、そんなイーサンとアヴリーヌに返ってきたのは予想外の言葉でした。
「そう。どうぞご自由に」
【完結】無能な聖女はいらないと婚約破棄され、追放されたので自由に生きようと思います
黒幸
恋愛
辺境伯令嬢レイチェルは学園の卒業パーティーでイラリオ王子から、婚約破棄を告げられ、国外追放を言い渡されてしまう。
レイチェルは一言も言い返さないまま、パーティー会場から姿を消した。
邪魔者がいなくなったと我が世の春を謳歌するイラリオと新たな婚約者ヒメナ。
しかし、レイチェルが国からいなくなり、不可解な事態が起き始めるのだった。
章を分けるとかえって、ややこしいとの御指摘を受け、章分けを基に戻しました。
どうやら、作者がメダパニ状態だったようです。
表紙イラストはイラストAC様から、お借りしています。

見知らぬ子息に婚約破棄してくれと言われ、腹の立つ言葉を投げつけられましたが、どうやら必要ない我慢をしてしまうようです
珠宮さくら
恋愛
両親のいいとこ取りをした出来の良い兄を持ったジェンシーナ・ペデルセン。そんな兄に似ずとも、母親の家系に似ていれば、それだけでもだいぶ恵まれたことになったのだが、残念ながらジェンシーナは似ることができなかった。
だからといって家族は、それでジェンシーナを蔑ろにすることはなかったが、比べたがる人はどこにでもいるようだ。
それだけでなく、ジェンシーナは何気に厄介な人間に巻き込まれてしまうが、我慢する必要もないことに気づくのが、いつも遅いようで……。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

「平民との恋愛を選んだ王子、後悔するが遅すぎる」
ゆる
恋愛
平民との恋愛を選んだ王子、後悔するが遅すぎる
婚約者を平民との恋のために捨てた王子が見た、輝く未来。
それは、自分を裏切ったはずの侯爵令嬢の背中だった――。
グランシェル侯爵令嬢マイラは、次期国王の弟であるラウル王子の婚約者。
将来を約束された華やかな日々が待っている――はずだった。
しかしある日、ラウルは「愛する平民の女性」と結婚するため、婚約破棄を一方的に宣言する。
婚約破棄の衝撃、社交界での嘲笑、周囲からの冷たい視線……。
一時は心が折れそうになったマイラだが、父である侯爵や信頼できる仲間たちとともに、自らの人生を切り拓いていく決意をする。
一方、ラウルは平民女性リリアとの恋を選ぶものの、周囲からの反発や王家からの追放に直面。
「息苦しい」と捨てた婚約者が、王都で輝かしい成功を収めていく様子を知り、彼が抱えるのは後悔と挫折だった。


義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!
ユウ
恋愛
10歳の頃から伯爵家の嫁になるべく厳しい花嫁修業を受け。
貴族院を卒業して伯爵夫人になるべく努力をしていたアリアだったが事あるごと実娘と比べられて来た。
実の娘に勝る者はないと、嫌味を言われ。
嫁でありながら使用人のような扱いに苦しみながらも嫁として口答えをすることなく耐えて来たが限界を感じていた最中、義妹が出戻って来た。
そして告げられたのは。
「娘が帰って来るからでていってくれないかしら」
理不尽な言葉を告げられ精神的なショックを受けながらも泣く泣く家を出ることになった。
…はずだったが。
「やった!自由だ!」
夫や舅は申し訳ない顔をしていたけど、正直我儘放題の姑に我儘で自分を見下してくる義妹と縁を切りたかったので同居解消を喜んでいた。
これで解放されると心の中で両手を上げて喜んだのだが…
これまで尽くして来た嫁を放り出した姑を世間は良しとせず。
生活費の負担をしていたのは息子夫婦で使用人を雇う事もできず生活が困窮するのだった。
縁を切ったはずが…
「生活費を負担してちょうだい」
「可愛い妹の為でしょ?」
手のひらを返すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる