6 / 8
6 事情聴取
しおりを挟む
「ダルム……話があります」
「みんな揃って何事だ? 俺はもう少し寝てたかったんだが」
仕事もせずに夕方までぐーたら寝る行為もこの際しっかりと言わないとダメかもしれないな。
「フェンフェン、悪いけれどさっき言ってたこともう一度話してくれる?」
「え……? は、はい。今日は魔術師さんのところで病気を診てもらってて、治療にお金がたくさん必要なので今からでも働こうかと……」
「良いことではないか! さすがフェンフェンだ! だが無理はするな。働かずともしっかりとジューリアから年棒として金をもらっておけば良いんだから」
どうして毎回こんな身勝手な発言ができるんだろうか。本気で離婚をしたくなってしまうほどストレスが溜まっている……。
「本当に病気を診てもらったのね?」
「えぇ……」
「おかしいわよね……今日って水曜日。法律でどこの魔術医院も緊急機関以外休業なはずなのよね」
「──!?」
たとえファーラー達が目撃しなかったとしても嘘はバレている。
それにしてもこんなボロを出すとは思わなかったけど。
「それから、賭博場からあなたと男が二人で出てきてそのまま二人きりになれる店に入っていったそうね」
「そ……それは……」
「何だとおおぉぉ!?」
珍しくダルムが発狂するような大声を出した。
流石にここまで嘘をついていたのだから当然だろう。
「フェンフェン!! お前不倫していたのかよ!!」
「ち……違う! お金に困ってカモを捕まえただけで……」
「でもそういう店に行ったってことはそういうことをしたんだろ!! この浮気女!」
まるで自分が不倫されたような言い方で怒っているんだが……まさか。
いや、すぐにボロを出すダルムならあり得るかもしれない。
カマをかけてみるか。
「ダルムも落ち着いてください。フェンフェン、あなたも不倫していたと疑われても仕方がないのだからしっかり謝ったほうがいいわよ」
「ごめんなさい……でも本当にお金がなくて……」
「ふざけるなよ。俺以外の男と関係を持ちやがって……」
はい、簡単にボロが出た。
流石にもう我慢などできるものか!
「別れましょう。離婚します」
「は!? ジューリア! 気は確かなのか!?」
自分がボロを出したことを気がついていないらしい。
「不倫行為って最低なんでしょう!?」
「当たり前だ! だが俺は不倫などしないぞ! だからこうして幼馴染だから怒ってるんだ!」
「でも俺以外の男と関係を持ったら嫌なのでしょう?」
「当然だ! 俺のもの……あ!」
ようやく気がついたようだ。どこまで間抜けな夫なんだろう……。
ぐーたらダラダラして何もしないできたから脳がおかしくなったのだろうか。
「みんな揃って何事だ? 俺はもう少し寝てたかったんだが」
仕事もせずに夕方までぐーたら寝る行為もこの際しっかりと言わないとダメかもしれないな。
「フェンフェン、悪いけれどさっき言ってたこともう一度話してくれる?」
「え……? は、はい。今日は魔術師さんのところで病気を診てもらってて、治療にお金がたくさん必要なので今からでも働こうかと……」
「良いことではないか! さすがフェンフェンだ! だが無理はするな。働かずともしっかりとジューリアから年棒として金をもらっておけば良いんだから」
どうして毎回こんな身勝手な発言ができるんだろうか。本気で離婚をしたくなってしまうほどストレスが溜まっている……。
「本当に病気を診てもらったのね?」
「えぇ……」
「おかしいわよね……今日って水曜日。法律でどこの魔術医院も緊急機関以外休業なはずなのよね」
「──!?」
たとえファーラー達が目撃しなかったとしても嘘はバレている。
それにしてもこんなボロを出すとは思わなかったけど。
「それから、賭博場からあなたと男が二人で出てきてそのまま二人きりになれる店に入っていったそうね」
「そ……それは……」
「何だとおおぉぉ!?」
珍しくダルムが発狂するような大声を出した。
流石にここまで嘘をついていたのだから当然だろう。
「フェンフェン!! お前不倫していたのかよ!!」
「ち……違う! お金に困ってカモを捕まえただけで……」
「でもそういう店に行ったってことはそういうことをしたんだろ!! この浮気女!」
まるで自分が不倫されたような言い方で怒っているんだが……まさか。
いや、すぐにボロを出すダルムならあり得るかもしれない。
カマをかけてみるか。
「ダルムも落ち着いてください。フェンフェン、あなたも不倫していたと疑われても仕方がないのだからしっかり謝ったほうがいいわよ」
「ごめんなさい……でも本当にお金がなくて……」
「ふざけるなよ。俺以外の男と関係を持ちやがって……」
はい、簡単にボロが出た。
流石にもう我慢などできるものか!
「別れましょう。離婚します」
「は!? ジューリア! 気は確かなのか!?」
自分がボロを出したことを気がついていないらしい。
「不倫行為って最低なんでしょう!?」
「当たり前だ! だが俺は不倫などしないぞ! だからこうして幼馴染だから怒ってるんだ!」
「でも俺以外の男と関係を持ったら嫌なのでしょう?」
「当然だ! 俺のもの……あ!」
ようやく気がついたようだ。どこまで間抜けな夫なんだろう……。
ぐーたらダラダラして何もしないできたから脳がおかしくなったのだろうか。
78
お気に入りに追加
537
あなたにおすすめの小説

罠に嵌められたのは一体誰?
チカフジ ユキ
恋愛
卒業前夜祭とも言われる盛大なパーティーで、王太子の婚約者が多くの人の前で婚約破棄された。
誰もが冤罪だと思いながらも、破棄された令嬢は背筋を伸ばし、それを認め国を去ることを誓った。
そして、その一部始終すべてを見ていた僕もまた、その日に婚約が白紙になり、仕方がないかぁと思いながら、実家のある隣国へと帰って行った。
しかし帰宅した家で、なんと婚約破棄された元王太子殿下の婚約者様が僕を出迎えてた。

相手不在で進んでいく婚約解消物語
キムラましゅろう
恋愛
自分の目で確かめるなんて言わなければよかった。
噂が真実かなんて、そんなこと他の誰かに確認して貰えばよかった。
今、わたしの目の前にある光景が、それが単なる噂では無かったと物語る……。
王都で近衛騎士として働く婚約者に恋人が出来たという噂を確かめるべく単身王都へ乗り込んだリリーが見たものは、婚約者のグレインが恋人と噂される女性の肩を抱いて歩く姿だった……。
噂が真実と確信したリリーは領地に戻り、居候先の家族を巻き込んで婚約解消へと向けて動き出す。
婚約者は遠く離れている為に不在だけど……☆
これは婚約者の心変わりを知った直後から、幸せになれる道を模索して突き進むリリーの数日間の物語である。
果たしてリリーは幸せになれるのか。
5〜7話くらいで完結を予定しているど短編です。
完全ご都合主義、完全ノーリアリティでラストまで作者も突き進みます。
作中に現代的な言葉が出て来ても気にしてはいけません。
全て大らかな心で受け止めて下さい。
小説家になろうサンでも投稿します。
R15は念のため……。

勝手にしなさいよ
棗
恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

愛人をつくればと夫に言われたので。
まめまめ
恋愛
"氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。
初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。
仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。
傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。
「君も愛人をつくればいい。」
…ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!
あなたのことなんてちっとも愛しておりません!
横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。
※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…


【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前
地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。
あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。
私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。
アリシア・ブルームの復讐が始まる。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる