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ルリナは再会する

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 社交界当日。
 この国の貴族ほぼ全員が王宮に集合しているような状況で、大勢の人でごった返し状態だ。
 これだけ人がいるにも関わらず、最も会いたくなかった人とは簡単に遭遇してしまうものである。

「なぜルリナが社交界にいる!?」

 公爵が比較的大きめの声で私を威嚇してきた。
 当然、周りにいた貴族たちも視線が私たちに向く。

「お久しぶりですね……。私は社交界に出席する権利を得たのでいるまでです」
「バカなことを言うでない。お前は貴族界から追放したはずだ。そのドレスやアクセサリーはどこから手に入れた? まさか盗みまでするようになって社交界に図々しく出ているわけではあるまいな?」

 お父様はわけのわからないことを平気で言ってくる。
 だが、さすが信頼を得ているだけのことはあるなぁ。
 聞いていた周りの貴族たちは、お父様の話しか耳を傾けていないように見える。

「以前公爵様が追放したと言っていた子供は彼女なのですね」
「とても学力がないというふうには見えませんが……。公爵殿が追放させるくらいなのだから、相当頭の悪い人間なのでしょうな」
「あれ、あの者は最近王宮にウロウロといているような……」

 私が初めてお茶会に参加したときは右も左もわからない状況だった。
 だが、今はハッキリとわかる。
 思ったよりも、お父様の耳に全てを傾けているわけではなさそうだ。

 私が堂々とした発言と変な言葉遣いをしなければ、今までの誤解が解けるかもしれない。
 ニルと婚約を果たすためにも、この件も解決したほうがいいだろう。

「お父様は――」
「私のことをお父様と呼ぶでない。正式に親と子の縁も切っているのだからな」
「では、公爵様。あなたが言っていたように、私は聖なる力をもった聖女であります。そのため、社交界に出席する権利をニルワーム第三王子よりいただきました」
「ばかな……お前がなぜ、そのような口調を……?」
「これもニルワーム様たちから教育を受けたおかげです」

 周りがザワザワとしはじめていた。

「噂話とは随分違うような……。たしか、どんなに教育をしても全く身につかなかったと聞いていたが……」
「そもそも、聖女を追放するか普通……?」
「いや、でもあの公爵殿が間違った発言などするとは……」
「でも現実にそこの少女はなんの違和感もないし、勇しくも見えてしまうが……」

 公爵は私に対して、初めて冷や汗のようなものを見せてきた。
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