健多くん

ソラ

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番外編

⑥★

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鳴人に『離さない』って言われるとゾクゾクする。

『俺のモノ』って言われるのが何よりも嬉しい。

全部あげたいだなんて偉そうなこと言って、本当は全部奪ってほしいんだ。

鳴人が生まれた日。

それは神様が僕に鳴人をプレゼントしてくれた日。

こんなにも激しくて、こんなにもたくさんの愛を注いでくれる人を。

ふいに胸の奥が痺れるくらい痛んで、たまらなくなって。

溢れてくる言葉を止められなかった。

「好き・・・好きだ、鳴人・・・!」

しがみつく僕の背中を支えながら鳴人が挿入ってくる。

全部、僕のモノ。

低い声も、長い指も、僕のナカにあるものも。

意地悪な性格も、エッチなところも、ドロドロになるまで甘やかせてくれる時間も。

誰にも譲らないから。

夏帆さんにだって、他の誰にだって。

「あッ!お、っきぃ・・・ッ!」

「美味いか?」

「うんっ・・・もっと・・・」

「これじゃどっちが今日の主役かわかんねえな」

奥を力強く突きながら言われたから顔が真っ赤になった。

そのうえ硬く張り出した逞しい先端が一番感じる前立腺を狙って擦り出して、今度は気持ち良すぎて頭に血が上った。

耳の奥でザーザー血が駆け巡る音。

鳴人と触れ合うたびに自分が生きてるって実感する。

でもこのままじゃ本当にどっちが主役かわからないから。

「んッ・・・うぅッ!」

「ッ、なんだいきなり・・・!」

精一杯鳴人を呑み込んだ場所を引き絞る。

少しでも感じてほしくて。

死んじゃうんじゃないかってくらい息を荒げて、僕は貫かれたまま腰を振った。

「はぁッ、は、あんっ、はぁんッ」

「健多っ・・・」

ナカの鳴人がもっと大きくなって、それが嬉しくてさらに締め上げた。

自分が気持ちよくなることよりも鳴人が気持ちよくなるように。

なのに、感じてる鳴人を見ると僕まで頭が真っ白になってきて。

逞しい腰が小さく震えたかと思うと、唇を熱い息で塞がれた。

苦しいのと感じるのでいっぱいいっぱいになりながら僕も鳴人の舌を味わう。

途端に、カラダの奥に愛しい人の一部が溢れるほど注ぎこまれた。

その感触に僕の腰も震えて、漏らしたみたいに射精してしまう。

「ぁ、ふッ」

ビクン、と跳ねあがる下半身が力の入った腹筋に当たって擦れた。

濡れた肌と僕の恥ずかしい性器が擦れ合って粘着質な音をたてる。

いつまでも引かない快感の余韻に浸っていると、さっき吐き出したはずの鳴人がまたナカで膨らんだ。

「んッ、もう・・・?」

「しかたねえだろ・・・お前があんなことするから」

クチュクチュと自分の出したものを掻き混ぜながら、鳴人が頬を伝う汗を拭う。

「淫乱」

「う、うるさいっ」

その淫乱が好きで好きでたまんないのはドコのどいつだ!

「俺を悦ばせようとしたのはわかった。だけどあんまりあんなことするなよ」

「ぁッ・・・な、んで?ヨくなか、った?」

「違う。すげー良かった。でも」

「でも・・・?」

それはもう真剣な顔で。

「若いうちはまだいい。けどあんなこと、歳とってからやったら血管きれるぞ」

「・・・・・この、バカぁッ!」

誰が将来高血圧になる予定だとか、誰が歳とってからこんなに激しいセックスするかとか、ツッコみたいところは山のようにあるのに。

鳴人が小刻みにイイトコロばっかり弄るから、その後が全然続かなくて。

何度も何度も交わった後には喋る力もないまま、いつもみたいに鳴人に抱きしめられた。








大切な人の誕生日は、自分にとっても大切な一日になる。
僕たちはまだ一緒に生きていく決意をしたばかりだけど、こうして鳴人の誕生日を迎えるたびにあの約束を思い出そう。



『貴方の最期の瞬間、その瞳にうつるのは、僕』



FIN.
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