欲情列車

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…しかもここは、満員の電車の中。

そんな有り得ない状況の中で惟臣はただ声を出さないように堪えている事しか出来ない。

抵抗する事も逃げることも許されない。

ただされるがままに屈辱に震えるだけ。

…そんな中にいて、惟臣は信じ難い快感を意識し始めていた。

惟臣は正直セックスが好きではなかった。

勿論性欲がない訳ではないし彼女に欲情する事もあった。

…けれどその果ての行為を一度も楽しいと思った事はなかった。

年相応の独りよがりな行為に後にはいつも虚しさだけが残った。