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嗤う悪魔
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俺達は着替えを済ませ朝食を食べてそれぞれの支度を始めた
美樹香は一度支店に戻って荷物を纏めてから地元へ帰る手続きを
するそうだ。
朝一で実家に電話して両親に事情を説明したら
早く帰ってくるように言われたって。
俺は会社に電話を入れ、今日まで休むことを伝えた。
そして東京に帰ってから、その足で光徳銀行の東京本店に向かった。
別に詳細を話すつもりはない。
前日の京都支店の事件を本店が知らないわけがないのだ
だから人事に関して融通の利く責任者と話が出来るように受付でお願いした
まぁお願いと言ってもこれは脅迫だ。
責任者が黙って頷くか・・・または死ぬかだ
・・・馬鹿ならすぐ殺すつもりだった。
その後の事は考えてない、流れに任せれば良いだけだ。
相談室で対応に出て来た次長さんは俺の話を聞いて頷いてくれた
結果、琴宮さんは元々希望していた地元の支店勤務に戻される事になった。
他に話す事は何もない・・・理解力のある人で良かった。
不思議なのは俺の顔は割れているはずなのに警察を始めとした捜査の手が
全く周りに及んでいない事だ。国家からすれば俺は殺人犯の化物だ・・・
ちょっといくら何でも肩透かしを食らっている
まぁ俺としては面倒にならなければワザワザ事を荒立てるつもりはないけど
だけど、いずれ敵となるだろう国家に対して
見せしめを用意する必要があると思った。
俺の周囲や美樹香に絶対に手を出させない為の
・・・・恐怖を・・・刷り込む必要がある
だから・・次は・・・
藤堂竜巳の親、平和の党、党首 藤堂影十郎だ
東京23区内某所 藤堂邸
昔ながらの古風な佇まいに大きな日本庭園
巨大な門と塀に囲まれた大邸宅。
雇われている黒服のボディーガードは日本中から集められた精鋭揃い。
その辺の暴力団なら避けて通るレベルだ
そこに舞風が現れる。
ジャリッ
「ここだよな、藤堂邸?」
門の前に着くとインターホンと監視カメラがあった
マイクに向かって声を掛ける。
「すみませーん、藤堂影十郎さんにお話があるんですけど~?」
ギギギイィィィ~
門が開いた・・
(うわぁ~自動なんだ。)
中に入るとズラリと黒服の厳つい人達が出迎えてくれたよ
どこの暴力団事務所だよ・・・・壮観だな・・・・
「えっと・・俺、舞風広志って言いうんですけど」
「息子さんの竜巳さんの件で藤堂影十郎さんにお話があって来ました~」
「しばらくお待ちください、今、係りの者が確認に行きましたので」
頬に傷のある図体のでかい四角い顔のおっさんが説明してくれた
ドスの利いた低い声だ・・・はっはっは~一般人ならビビって恐縮するよね
ガラガラ~
誰か出て来た
スタスタスタ....
ペコリ
「ようこそおいで下さいました、舞風広志様ですね」
「藤堂が会ってお話がしたいとおっしゃっております」
「どうぞ中へお入りください」
何か偉く丁寧にお辞儀されて案内してもらった。
「あっ、そうですか、どもども。」
「お邪魔しまぁ~す」
黒服たちに囲まれて、のこのこと中へ通される俺
靴を脱いでピカピカに磨かれた廊下を歩く
「どうぞこちらへ。」
だだっ広い応接室へ通された
ピシャッ・・・
高そうな調度品がズラリと並べて置いてある。
請われてソファーに座って待っていると
テレビで見た事のある顔、藤堂影十郎が杖を突いて入って来た
タンッ
(あぁ!顔を見て思い出した、そうそう何度かテレビで見た事あるよ)
メイドさんに支えられて俺の前のソファーに座ると俺をギョロリと睨んだ
さすが政治家で党首やっているだけあるね、80歳過ぎているのに凄い威圧感だ。
「君が舞風広志君か、わざわざ来てもろうて、すまないね。」
「こちらの方からお呼びしようかと思うとった所じゃった。」
「あぁ、そうですか、なら丁度良かったですね♪」
ススッ・・・コトッ
「どうぞ」
「あっすみません、ありがとうございます」
メイドさんが俺にコーヒーを出してくれた
(わーい、本物のメイドさんだよ~♪)
心の中で万歳する俺、落ち着け。
(でも・・・何か盛ってある可能性って高いんだろうな?・・・・)
「君の事は京都の件で知らせを受けていてね」
「いろいろと・・・見させてもらった。」
「まぁ、今の所、公にはされておらんが・・君の望みは何かね?」
ジロリ・・・
応接室の中と言っても部屋の中はズラリと20人程の黒服が周りを囲んでいる
いいね~この緊迫感・・・これだよ、これこれ。
「あ、はい、用件はですね・・・・」
俺は亜空間から竜巳の生首を取り出しテーブルの上に無造作に置いた
ドンッ!
「これをお返しに来ました♪」
凄いだろ?亜空間の中って、ほんとに時間停止するんだぜ。
テーブルの上に置いた竜巳の首からは血がドクドクと滴りテーブルをすぐに赤く染めた
ヒクッ!! ザワザワザワ
そりゃ黒服達は引くよね。
「今日はですねぇ・・・戦争をしに来ました~」
「どうします?・・・今すぐ始めますか?」
ニコッ
思いっきり皮肉った笑顔を見せてやった。
周りにピリピリした緊張が奔っているのが分かる
今にも拳銃取り出して俺を撃ち殺さんとしている殺気がまるわかりだ
メイドさんもブルブル怯えていて声も出せないってとこかな?
(大丈夫だよ・・俺、女性は殺さないから・・・)
藤堂影十郎は表情を変えず目の前に置かれた竜巳の生首を見ていた
そりゃ怒るよね。自身が高齢で授かった
目に入れても痛くない息子をこんなにされたんじゃ
だ~か~らぁ~、待っているんだよ?・・・早く逆上してくれってね。
俺はすぐにでも、ここにいる全員を蹂躙したくてウズウズしているんだ。
それを感づかれない様に平静を装って藤堂影十郎を見ていた。
・・・・スッ
老いた手で竜巳の頭を掴むと胸に抱き寄せる影十郎
肩を震わせ目から涙が落ちている
「すまなかったね・・・舞風君、息子が迷惑かけてしまったようじゃ」
「・・・・・・・・・」
「少々、甘やかし過ぎてしまった・・・これは儂の罪じゃよ・・・」
(はぁああ?何言っているんだよ!!・・肩透かしも良いとこだ)
「そいつに大勢の人が迷惑かけられて大切なもの奪われたんですよ?」
「まさか済まなかった、だけで終わらせるつもりですか?」
ガタッガタガタガタッ!!
周りの黒服達が一斉に構えた
「待てぃっ!!」
影十郎が叫んで威圧した、思わず黒服達が固まる
「・・・もはや死んでしまっては儂からはもう何もしてやれん」
「君の気の済むようにしてくれ・・・儂にはもう希望が見えんのじゃ・・・」
正直、年寄り泣かせてどうするって話だ
最悪な気分だ・・俺が悪者かよ!・・違うだろうが!!
「だったら竜巳がやった事の尻拭いあんたが全部するって事で良いんですか?」
「・・・分かった」
チッ・・・・・
「じゃあ平和の党を解散してください」
「・・・しても良いが・・・」
「党の支持者達はバラバラになって国中が混乱する事になるじゃろう・・・」
「必要悪って奴ですか?」
「儂は・・・そういった国民達の代表の1人にすぎんのじゃ」
ギリリッ・・・
これ以上話し合っても意味はない・・・敵対しないなら俺には何も出来ない
これじゃあまるで俺が老人を虐めているようじゃないかよ!!
俺は虐めをする奴がこの世界で一番、最低のクズだと思っている。
俺を蔑んであざ笑い、敵対し、不利な状況に追い込み、
俺が愛する人を傷つける相手だからこそ
そいつらをなぶり殺しにするのが楽しいんだ
・・・これは魔人の本質だ。
だけど攻撃もしない無抵抗の者に手は出せないだろっ!!
「わかりました、俺は消えます・・・でもケジメは付けてください」
「気が変わったらいつでも俺を殺しに来て良いですよ。」
「その時は遠慮なく皆殺しに来ますから・・・」
「・・・じゃあ」
スタスタスタ....
俺はそのまま部屋を出て玄関を開け門をくぐった。
「うが、あああっっ!!!!」
ブォン!!
グバキャァッ!!
一発のパンチを門に打ち込んだ
頑丈な門が爆散し粉々に弾け飛んだ
馬鹿な黒服が銃を一発でも撃ってくれたら、それを合図に皆殺しに出来るのに・・・
振り返っても黒服共は俯くばかりだ・・・
くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!
*** 行き場を失った歯がゆさに舞風の瞳は赤く染まっていた ***
その足で街中へと消えて行く・・・何なんだよ、この敗北感は!!
霊魂は不滅であり永遠である・・・・・・
例え間違いを犯しても死ねば何度でも転生して成長していく・・
それを知っているから命自体にそれほどの価値がないってわかる
いや明確には価値ある命と価値のない命がある
自然界に平等はない
正義を決めるのは正しい理論ではなく絶対的な暴力だけだ!
それを否定する間は怯え続け搾取されるしかない
否定する福助は俺を殺して見せろ!
俺の前に立った時点で魔界に送ってやるから!
止め処ない思考が俺の頭をグルグル駆け巡る
この気色悪い吐き気を何処へぶつければ良いんだ
藤堂家を蹂躙して集まって来るマスコミども、警察や空中ヘリ
野次馬連中、俺を笑いに来る全員を喰い殺すつもりだったんだ・・
この家を中心に周囲を血の海に変える予定だった・・・
そして会議、会議で一向に動かない政治家共を笑いたかった
全ては・・・俺に対して手を出せば
どうなるかという事を思い知らせるつもりだったのに・・・
「糞がーーーーーっ!!!消化不良だ!」
【 己が深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ 】
ポツッ・・ポツポツッ・・ザーーーーー
(出来過ぎだろ・・・何が雨だよ)
雨に打たれ、俺はただ歩き続けた
相変わらず、警察も公安も俺の周りには何の気配もない
おかしいだろ?・・こんなの・・絶対あり得ないだろっ!!
「なんなんだよこれ!!」
「うわぁああああああああーーーーーーっ!!」
・・・・・・そして一日が終わったんだ
美樹香は一度支店に戻って荷物を纏めてから地元へ帰る手続きを
するそうだ。
朝一で実家に電話して両親に事情を説明したら
早く帰ってくるように言われたって。
俺は会社に電話を入れ、今日まで休むことを伝えた。
そして東京に帰ってから、その足で光徳銀行の東京本店に向かった。
別に詳細を話すつもりはない。
前日の京都支店の事件を本店が知らないわけがないのだ
だから人事に関して融通の利く責任者と話が出来るように受付でお願いした
まぁお願いと言ってもこれは脅迫だ。
責任者が黙って頷くか・・・または死ぬかだ
・・・馬鹿ならすぐ殺すつもりだった。
その後の事は考えてない、流れに任せれば良いだけだ。
相談室で対応に出て来た次長さんは俺の話を聞いて頷いてくれた
結果、琴宮さんは元々希望していた地元の支店勤務に戻される事になった。
他に話す事は何もない・・・理解力のある人で良かった。
不思議なのは俺の顔は割れているはずなのに警察を始めとした捜査の手が
全く周りに及んでいない事だ。国家からすれば俺は殺人犯の化物だ・・・
ちょっといくら何でも肩透かしを食らっている
まぁ俺としては面倒にならなければワザワザ事を荒立てるつもりはないけど
だけど、いずれ敵となるだろう国家に対して
見せしめを用意する必要があると思った。
俺の周囲や美樹香に絶対に手を出させない為の
・・・・恐怖を・・・刷り込む必要がある
だから・・次は・・・
藤堂竜巳の親、平和の党、党首 藤堂影十郎だ
東京23区内某所 藤堂邸
昔ながらの古風な佇まいに大きな日本庭園
巨大な門と塀に囲まれた大邸宅。
雇われている黒服のボディーガードは日本中から集められた精鋭揃い。
その辺の暴力団なら避けて通るレベルだ
そこに舞風が現れる。
ジャリッ
「ここだよな、藤堂邸?」
門の前に着くとインターホンと監視カメラがあった
マイクに向かって声を掛ける。
「すみませーん、藤堂影十郎さんにお話があるんですけど~?」
ギギギイィィィ~
門が開いた・・
(うわぁ~自動なんだ。)
中に入るとズラリと黒服の厳つい人達が出迎えてくれたよ
どこの暴力団事務所だよ・・・・壮観だな・・・・
「えっと・・俺、舞風広志って言いうんですけど」
「息子さんの竜巳さんの件で藤堂影十郎さんにお話があって来ました~」
「しばらくお待ちください、今、係りの者が確認に行きましたので」
頬に傷のある図体のでかい四角い顔のおっさんが説明してくれた
ドスの利いた低い声だ・・・はっはっは~一般人ならビビって恐縮するよね
ガラガラ~
誰か出て来た
スタスタスタ....
ペコリ
「ようこそおいで下さいました、舞風広志様ですね」
「藤堂が会ってお話がしたいとおっしゃっております」
「どうぞ中へお入りください」
何か偉く丁寧にお辞儀されて案内してもらった。
「あっ、そうですか、どもども。」
「お邪魔しまぁ~す」
黒服たちに囲まれて、のこのこと中へ通される俺
靴を脱いでピカピカに磨かれた廊下を歩く
「どうぞこちらへ。」
だだっ広い応接室へ通された
ピシャッ・・・
高そうな調度品がズラリと並べて置いてある。
請われてソファーに座って待っていると
テレビで見た事のある顔、藤堂影十郎が杖を突いて入って来た
タンッ
(あぁ!顔を見て思い出した、そうそう何度かテレビで見た事あるよ)
メイドさんに支えられて俺の前のソファーに座ると俺をギョロリと睨んだ
さすが政治家で党首やっているだけあるね、80歳過ぎているのに凄い威圧感だ。
「君が舞風広志君か、わざわざ来てもろうて、すまないね。」
「こちらの方からお呼びしようかと思うとった所じゃった。」
「あぁ、そうですか、なら丁度良かったですね♪」
ススッ・・・コトッ
「どうぞ」
「あっすみません、ありがとうございます」
メイドさんが俺にコーヒーを出してくれた
(わーい、本物のメイドさんだよ~♪)
心の中で万歳する俺、落ち着け。
(でも・・・何か盛ってある可能性って高いんだろうな?・・・・)
「君の事は京都の件で知らせを受けていてね」
「いろいろと・・・見させてもらった。」
「まぁ、今の所、公にはされておらんが・・君の望みは何かね?」
ジロリ・・・
応接室の中と言っても部屋の中はズラリと20人程の黒服が周りを囲んでいる
いいね~この緊迫感・・・これだよ、これこれ。
「あ、はい、用件はですね・・・・」
俺は亜空間から竜巳の生首を取り出しテーブルの上に無造作に置いた
ドンッ!
「これをお返しに来ました♪」
凄いだろ?亜空間の中って、ほんとに時間停止するんだぜ。
テーブルの上に置いた竜巳の首からは血がドクドクと滴りテーブルをすぐに赤く染めた
ヒクッ!! ザワザワザワ
そりゃ黒服達は引くよね。
「今日はですねぇ・・・戦争をしに来ました~」
「どうします?・・・今すぐ始めますか?」
ニコッ
思いっきり皮肉った笑顔を見せてやった。
周りにピリピリした緊張が奔っているのが分かる
今にも拳銃取り出して俺を撃ち殺さんとしている殺気がまるわかりだ
メイドさんもブルブル怯えていて声も出せないってとこかな?
(大丈夫だよ・・俺、女性は殺さないから・・・)
藤堂影十郎は表情を変えず目の前に置かれた竜巳の生首を見ていた
そりゃ怒るよね。自身が高齢で授かった
目に入れても痛くない息子をこんなにされたんじゃ
だ~か~らぁ~、待っているんだよ?・・・早く逆上してくれってね。
俺はすぐにでも、ここにいる全員を蹂躙したくてウズウズしているんだ。
それを感づかれない様に平静を装って藤堂影十郎を見ていた。
・・・・スッ
老いた手で竜巳の頭を掴むと胸に抱き寄せる影十郎
肩を震わせ目から涙が落ちている
「すまなかったね・・・舞風君、息子が迷惑かけてしまったようじゃ」
「・・・・・・・・・」
「少々、甘やかし過ぎてしまった・・・これは儂の罪じゃよ・・・」
(はぁああ?何言っているんだよ!!・・肩透かしも良いとこだ)
「そいつに大勢の人が迷惑かけられて大切なもの奪われたんですよ?」
「まさか済まなかった、だけで終わらせるつもりですか?」
ガタッガタガタガタッ!!
周りの黒服達が一斉に構えた
「待てぃっ!!」
影十郎が叫んで威圧した、思わず黒服達が固まる
「・・・もはや死んでしまっては儂からはもう何もしてやれん」
「君の気の済むようにしてくれ・・・儂にはもう希望が見えんのじゃ・・・」
正直、年寄り泣かせてどうするって話だ
最悪な気分だ・・俺が悪者かよ!・・違うだろうが!!
「だったら竜巳がやった事の尻拭いあんたが全部するって事で良いんですか?」
「・・・分かった」
チッ・・・・・
「じゃあ平和の党を解散してください」
「・・・しても良いが・・・」
「党の支持者達はバラバラになって国中が混乱する事になるじゃろう・・・」
「必要悪って奴ですか?」
「儂は・・・そういった国民達の代表の1人にすぎんのじゃ」
ギリリッ・・・
これ以上話し合っても意味はない・・・敵対しないなら俺には何も出来ない
これじゃあまるで俺が老人を虐めているようじゃないかよ!!
俺は虐めをする奴がこの世界で一番、最低のクズだと思っている。
俺を蔑んであざ笑い、敵対し、不利な状況に追い込み、
俺が愛する人を傷つける相手だからこそ
そいつらをなぶり殺しにするのが楽しいんだ
・・・これは魔人の本質だ。
だけど攻撃もしない無抵抗の者に手は出せないだろっ!!
「わかりました、俺は消えます・・・でもケジメは付けてください」
「気が変わったらいつでも俺を殺しに来て良いですよ。」
「その時は遠慮なく皆殺しに来ますから・・・」
「・・・じゃあ」
スタスタスタ....
俺はそのまま部屋を出て玄関を開け門をくぐった。
「うが、あああっっ!!!!」
ブォン!!
グバキャァッ!!
一発のパンチを門に打ち込んだ
頑丈な門が爆散し粉々に弾け飛んだ
馬鹿な黒服が銃を一発でも撃ってくれたら、それを合図に皆殺しに出来るのに・・・
振り返っても黒服共は俯くばかりだ・・・
くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!
*** 行き場を失った歯がゆさに舞風の瞳は赤く染まっていた ***
その足で街中へと消えて行く・・・何なんだよ、この敗北感は!!
霊魂は不滅であり永遠である・・・・・・
例え間違いを犯しても死ねば何度でも転生して成長していく・・
それを知っているから命自体にそれほどの価値がないってわかる
いや明確には価値ある命と価値のない命がある
自然界に平等はない
正義を決めるのは正しい理論ではなく絶対的な暴力だけだ!
それを否定する間は怯え続け搾取されるしかない
否定する福助は俺を殺して見せろ!
俺の前に立った時点で魔界に送ってやるから!
止め処ない思考が俺の頭をグルグル駆け巡る
この気色悪い吐き気を何処へぶつければ良いんだ
藤堂家を蹂躙して集まって来るマスコミども、警察や空中ヘリ
野次馬連中、俺を笑いに来る全員を喰い殺すつもりだったんだ・・
この家を中心に周囲を血の海に変える予定だった・・・
そして会議、会議で一向に動かない政治家共を笑いたかった
全ては・・・俺に対して手を出せば
どうなるかという事を思い知らせるつもりだったのに・・・
「糞がーーーーーっ!!!消化不良だ!」
【 己が深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ 】
ポツッ・・ポツポツッ・・ザーーーーー
(出来過ぎだろ・・・何が雨だよ)
雨に打たれ、俺はただ歩き続けた
相変わらず、警察も公安も俺の周りには何の気配もない
おかしいだろ?・・こんなの・・絶対あり得ないだろっ!!
「なんなんだよこれ!!」
「うわぁああああああああーーーーーーっ!!」
・・・・・・そして一日が終わったんだ
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