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第4章 精霊駆動
第4章29幕 人形<doll>
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いつも通りの装備に戻し、結界の設定をクールタイムなし、ペナルティーなし、消費なしの状態に設定し、ダメージ計測用の人形を2体出しました。
こちらはゴーレムと違い戦闘行動などはとれませんが、壊れない……というか、一瞬で回復するメリットがあります。
デメリットはダメージ計測用と言っているのに数値的なダメージが判定できないことでしょうか。火力お化けがそのうち壊してくれることを期待しましょう。
二人で新しいスキルの考察や、武器の使い道を模索していると、ログインしてきた愛猫姫とエルマが同時にやってきました。
先ほど私の訓練中にステイシーがチャットで場所を教えたみたいですね。
「おはよ!」
「おは、よう」
「おはよー」
「おはよ。二人も人形使う?」
「折角だし使おっかな」
「マオは、初めて。どう、すれば、いいの?」
「普通に魔法とか当てて使用感試すだけだから」
「わかった、わ。なら、マオ、の分も、頂戴」
「おっけー。じゃぁ追加で二つだすねー」
私は北側、ステイシーは南側の人形を使っていたので、開いていた東側と西側に出したようです。エルマが東側を使い、愛猫姫が西側を使用し、各々、感触を確かめます。
んー。
私は頭の中で唸ります。
≪グラビティーコントロール≫を≪リバース・マジック≫して上空に浮くまではいいんですよね。≪スライド移動≫で横に動けるけど、上下の移動ができない。
んー。
何か方法ないですかね。
そう考えながらスキルの一覧を眺めます。
少し頭を捻り、いろいろと考えてみましたが、特にこれといった方法が思いつかなかったので、試行回数を増やすという暴力に出ます。
「≪グラビティーコントロール≫」
重力を制御というより、低重力状態にして、落下速度を落とす魔法というかんじなんですよね。何か見落としがあるかもしれません。
色々試行錯誤しましたがこちらの魔法では落下をスムーズにするしかできませんでした。
「≪リバース・マジック≫」
こちらを発動すると、落下するはずの身体がふわふわと上方に浮き上がります。
移動速度が遅いですが、多少の高さなら気にならないでしょう。
問題は止まれないこと、なんですよね。
「≪スライド移動≫」
私の代名詞にもなっている≪スライド移動≫を発動すると、横方向の移動に制約がなくなります。
しかし、どう頑張っても現在いる地点を平面化してそこの上を滑っている感じなのでうまく上昇速度をあげることができません。
あっ。
上空から見ていた愛猫姫のスキルの試し撃ちを見て一つ思い付いたことがあります。
ちょっとやってみましょうか。
「≪ウィンド・サステイン≫」
両手に生成した風の球体が一定量の風を風を噴き出します。
あっ。一応、わずかに上昇してますね。
思ったほどの速度はありませんが。
…………。
失敗ですね。
下から見上げたエルマが爆笑しているのでこれは封印しましょう。今後いい方法を見つけたら取り入れることにしましょう。
≪リバース・マジック≫を解き、スルスルと地面に下りていきます。
コツとかかとが地面に着き、足元がふらふらします。重力操作系の魔法の最大のデメリットは、解除後に身体的なバランスを一時的に失ってしまうことかもしれませんね。
臨んだ結果が得られなかった少しの不快感を人形に攻撃することで解消します。
右手の【神器 エレシュキガル】を外し、【春野】を装備し、弾を撃ちまくります。
使ってみて分かったのですが、弾を生成する際に使用するMP量を増やせば、威力が上がりますし、射出するときの消費MPも増やせば威力が上がることがわかりました。しかし、普通に魔法を撃つのに比べて消耗が大きく、私には合わない武器かもしれませんね。発動が非常に速いというメリットはありますが。
属性を指定しないで普通に撃つだけなら何にも勝る速度がありますからね。
実践では本当に使えそうもないですね。一番めんどくさいのは右手にブレスレット形態で装備している【神器 エレシュキガル】を外してポケットに入れるか、全部転換してしまうかのどちらかですからね。
念のため余っていた装備登録スロットに『ガンナー』と記載し、いつでも転換できるようにはしておきます。
そう私達が各々試行錯誤やストレス発散をしているとサツキがやってきました。
「すまない。待たせたね。自主訓練とは殊勝な心がけだね。開いている人形はあるかい?」
「私の使っていいよ」
「そうかい? すまないね」
そう言ってサツキは二つの魔銃を取り出しくるくると指で回します。
「≪サンダー・ショット≫、≪ファイヤー・ショット≫」
くるくると回したままスキルを発動し、次の瞬間、指先で回転したままの魔銃から珠が発射されます。
余談ですが、銃は弾で魔銃は珠とか玉っていうそうですよ。VR化でチャットの機会も減りましたし、あまり意味のない話ですが。
と、そんなことを考えてしまうほど鮮やかなサツキの射撃技術に見惚れてしまいます。
「普通に今のはすごすぎる」
「たしかに、変態のお仲間さんかな?」
私とエルマのほめているのかどうか怪しい言葉にサツキは指で回していた魔銃を上空に投げながら答えます。
「こういう奇術的なのも好きでね。修めているよ。無論そちらはリアルの方なんだけれど」
言い切ると両手をクロスして魔銃を掴み、逆手で握った右手の魔銃と順手で握った左手の魔銃から同時に放ちます。
「≪ショット≫」
右手の小指で引かれた引き金と左手の人差し指で引かれた引き金を見た瞬間、タンタンと軽快な音が響き、東側の人形と西側の人形を撃ちぬきます。
「まぁこんなものだろうね」
口を開けたまま、状況の理解に苦しむ私とエルマにサツキが再び声をかけてきます。
「ワタシに言わせてもらえば君たち二人も十分変態だよ」
変態の部分を一文字ごとに区切り、わかりやすく発音していました。
「いい武器だね。本当にスキル数だけ多くしてくれたようだ。さてこの後は案内所でクエストを見繕うってステイシーから聞いているけど、どうするんだい?」
呆然という状態から立ち直った私は、貸し切りの時間を確認します。
「あと5分くらいで貸し切り終わっちゃうから、もう案内所に行く?」
「おーっと。もうそんな時間だったかー。いこうかー」
「じゃぁ最後に一発おっきいのかましてくる!」
「マオ、は満足」
エルマはとととっと駆け出し、人形に向かって属性をエンチャントしていた魔法剣でスパーンと斬り、こちらに戻ってきました。
「すっきり!」
「よかったー。じゃぁ向かおう」
そう言ったステイシーについて私達は闘技場を出ました。
数分ほど歩くと案内所に着きます。
「ようこそ。こちらは『エレスティアナ』案内所『アクアンティア』支部でございます。国単位の大きな依頼でしたらこちらでも受注できます。地域依頼はこちらでのみの受注となります」
私達が案内所に入ると、カウンターの向こう側に座っていた男性が立ち上がり、そう説明をしてくれます。
「地域のクエストを受けたいんだが」
「かしこまりました。こちらがカタログになります。しかし、あまりいい依頼はないかもしれません」
「まぁ見て決めるとするよ」
そう言ってカタログを受け取ったサツキが開いている机を指さしたのでそちらに座り、カタログを眺めます。
4人で頭を突き合わせ、カタログを隅から隅まで見ていくのですが、カウンターの男性の言っているように、あまりいいものはないように感じました。
ちなみに愛猫姫は本の世界に浸かっています。
「本都の方の依頼も見させてもらったほうがいいかな?」
「そうだね。すまないがチェリー受け取りに行ってもらえるかい?」
「いいよ」
私は席を立ちあがり、カウンターの方へと歩いていきます。
「すいません」
「はい。如何しました?」
「えっと。本都の方の依頼も見たいのでカタログ見せてもらってもいいですか?」
「構いませんよ。どうせこちらで依頼を受ける人は多くありませんので」
「そうなんですか?」
「ええ。本都から伝達のあるクエストは基本危険なものですからね。副都市だからと侮られて、詳細すら書かれていないことがありますから」
「それはひどいですね」
「仕方ありません。そういう国家になってしまったのです」
「すいません。なるべく地域クエストを受けたかったのですが……」
「気にしないでください。あっ。では面白いクエストがございます。こちらなのですが……」
そう言って彼が提示してきたクエストは、私達に、特にサツキには有効な気がしたので、その紙を持ってみんなのところへ戻りました。
to be continued...
こちらはゴーレムと違い戦闘行動などはとれませんが、壊れない……というか、一瞬で回復するメリットがあります。
デメリットはダメージ計測用と言っているのに数値的なダメージが判定できないことでしょうか。火力お化けがそのうち壊してくれることを期待しましょう。
二人で新しいスキルの考察や、武器の使い道を模索していると、ログインしてきた愛猫姫とエルマが同時にやってきました。
先ほど私の訓練中にステイシーがチャットで場所を教えたみたいですね。
「おはよ!」
「おは、よう」
「おはよー」
「おはよ。二人も人形使う?」
「折角だし使おっかな」
「マオは、初めて。どう、すれば、いいの?」
「普通に魔法とか当てて使用感試すだけだから」
「わかった、わ。なら、マオ、の分も、頂戴」
「おっけー。じゃぁ追加で二つだすねー」
私は北側、ステイシーは南側の人形を使っていたので、開いていた東側と西側に出したようです。エルマが東側を使い、愛猫姫が西側を使用し、各々、感触を確かめます。
んー。
私は頭の中で唸ります。
≪グラビティーコントロール≫を≪リバース・マジック≫して上空に浮くまではいいんですよね。≪スライド移動≫で横に動けるけど、上下の移動ができない。
んー。
何か方法ないですかね。
そう考えながらスキルの一覧を眺めます。
少し頭を捻り、いろいろと考えてみましたが、特にこれといった方法が思いつかなかったので、試行回数を増やすという暴力に出ます。
「≪グラビティーコントロール≫」
重力を制御というより、低重力状態にして、落下速度を落とす魔法というかんじなんですよね。何か見落としがあるかもしれません。
色々試行錯誤しましたがこちらの魔法では落下をスムーズにするしかできませんでした。
「≪リバース・マジック≫」
こちらを発動すると、落下するはずの身体がふわふわと上方に浮き上がります。
移動速度が遅いですが、多少の高さなら気にならないでしょう。
問題は止まれないこと、なんですよね。
「≪スライド移動≫」
私の代名詞にもなっている≪スライド移動≫を発動すると、横方向の移動に制約がなくなります。
しかし、どう頑張っても現在いる地点を平面化してそこの上を滑っている感じなのでうまく上昇速度をあげることができません。
あっ。
上空から見ていた愛猫姫のスキルの試し撃ちを見て一つ思い付いたことがあります。
ちょっとやってみましょうか。
「≪ウィンド・サステイン≫」
両手に生成した風の球体が一定量の風を風を噴き出します。
あっ。一応、わずかに上昇してますね。
思ったほどの速度はありませんが。
…………。
失敗ですね。
下から見上げたエルマが爆笑しているのでこれは封印しましょう。今後いい方法を見つけたら取り入れることにしましょう。
≪リバース・マジック≫を解き、スルスルと地面に下りていきます。
コツとかかとが地面に着き、足元がふらふらします。重力操作系の魔法の最大のデメリットは、解除後に身体的なバランスを一時的に失ってしまうことかもしれませんね。
臨んだ結果が得られなかった少しの不快感を人形に攻撃することで解消します。
右手の【神器 エレシュキガル】を外し、【春野】を装備し、弾を撃ちまくります。
使ってみて分かったのですが、弾を生成する際に使用するMP量を増やせば、威力が上がりますし、射出するときの消費MPも増やせば威力が上がることがわかりました。しかし、普通に魔法を撃つのに比べて消耗が大きく、私には合わない武器かもしれませんね。発動が非常に速いというメリットはありますが。
属性を指定しないで普通に撃つだけなら何にも勝る速度がありますからね。
実践では本当に使えそうもないですね。一番めんどくさいのは右手にブレスレット形態で装備している【神器 エレシュキガル】を外してポケットに入れるか、全部転換してしまうかのどちらかですからね。
念のため余っていた装備登録スロットに『ガンナー』と記載し、いつでも転換できるようにはしておきます。
そう私達が各々試行錯誤やストレス発散をしているとサツキがやってきました。
「すまない。待たせたね。自主訓練とは殊勝な心がけだね。開いている人形はあるかい?」
「私の使っていいよ」
「そうかい? すまないね」
そう言ってサツキは二つの魔銃を取り出しくるくると指で回します。
「≪サンダー・ショット≫、≪ファイヤー・ショット≫」
くるくると回したままスキルを発動し、次の瞬間、指先で回転したままの魔銃から珠が発射されます。
余談ですが、銃は弾で魔銃は珠とか玉っていうそうですよ。VR化でチャットの機会も減りましたし、あまり意味のない話ですが。
と、そんなことを考えてしまうほど鮮やかなサツキの射撃技術に見惚れてしまいます。
「普通に今のはすごすぎる」
「たしかに、変態のお仲間さんかな?」
私とエルマのほめているのかどうか怪しい言葉にサツキは指で回していた魔銃を上空に投げながら答えます。
「こういう奇術的なのも好きでね。修めているよ。無論そちらはリアルの方なんだけれど」
言い切ると両手をクロスして魔銃を掴み、逆手で握った右手の魔銃と順手で握った左手の魔銃から同時に放ちます。
「≪ショット≫」
右手の小指で引かれた引き金と左手の人差し指で引かれた引き金を見た瞬間、タンタンと軽快な音が響き、東側の人形と西側の人形を撃ちぬきます。
「まぁこんなものだろうね」
口を開けたまま、状況の理解に苦しむ私とエルマにサツキが再び声をかけてきます。
「ワタシに言わせてもらえば君たち二人も十分変態だよ」
変態の部分を一文字ごとに区切り、わかりやすく発音していました。
「いい武器だね。本当にスキル数だけ多くしてくれたようだ。さてこの後は案内所でクエストを見繕うってステイシーから聞いているけど、どうするんだい?」
呆然という状態から立ち直った私は、貸し切りの時間を確認します。
「あと5分くらいで貸し切り終わっちゃうから、もう案内所に行く?」
「おーっと。もうそんな時間だったかー。いこうかー」
「じゃぁ最後に一発おっきいのかましてくる!」
「マオ、は満足」
エルマはとととっと駆け出し、人形に向かって属性をエンチャントしていた魔法剣でスパーンと斬り、こちらに戻ってきました。
「すっきり!」
「よかったー。じゃぁ向かおう」
そう言ったステイシーについて私達は闘技場を出ました。
数分ほど歩くと案内所に着きます。
「ようこそ。こちらは『エレスティアナ』案内所『アクアンティア』支部でございます。国単位の大きな依頼でしたらこちらでも受注できます。地域依頼はこちらでのみの受注となります」
私達が案内所に入ると、カウンターの向こう側に座っていた男性が立ち上がり、そう説明をしてくれます。
「地域のクエストを受けたいんだが」
「かしこまりました。こちらがカタログになります。しかし、あまりいい依頼はないかもしれません」
「まぁ見て決めるとするよ」
そう言ってカタログを受け取ったサツキが開いている机を指さしたのでそちらに座り、カタログを眺めます。
4人で頭を突き合わせ、カタログを隅から隅まで見ていくのですが、カウンターの男性の言っているように、あまりいいものはないように感じました。
ちなみに愛猫姫は本の世界に浸かっています。
「本都の方の依頼も見させてもらったほうがいいかな?」
「そうだね。すまないがチェリー受け取りに行ってもらえるかい?」
「いいよ」
私は席を立ちあがり、カウンターの方へと歩いていきます。
「すいません」
「はい。如何しました?」
「えっと。本都の方の依頼も見たいのでカタログ見せてもらってもいいですか?」
「構いませんよ。どうせこちらで依頼を受ける人は多くありませんので」
「そうなんですか?」
「ええ。本都から伝達のあるクエストは基本危険なものですからね。副都市だからと侮られて、詳細すら書かれていないことがありますから」
「それはひどいですね」
「仕方ありません。そういう国家になってしまったのです」
「すいません。なるべく地域クエストを受けたかったのですが……」
「気にしないでください。あっ。では面白いクエストがございます。こちらなのですが……」
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