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第0章
第0章8幕
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おはようございます。
起きました。
もう20時ですが。
昨日はお風呂に入らず寝てしまい、起きてすぐ<Imperial Of Egg>にログインしてしまったので、一応シャワーだけ浴びておきました。
<Imperial Of Egg>にログインするとちょうどお客さんが来ていました。
「あっチェリーさん! こんばんわ」
「こんばんわー」
レーナンとまりりすの二人です。
「こんばんわ<転生>クエストいかがでしたか?」
「クリアできました!」
「私もクリアできました! ありがとうございます!」
「いえいえ。お二人の実力ですよ。おめでとうございます」
「今日はその報告にいらしたんですか?」
「それもありますけど実はご相談がございまして……」
私なんかに相談? なんだろう。
「はい。何でしょうか?」
「『マスティア』の先着クエストに一緒にいってもらえませんか?」
『攻殻都市 マスティア』ですか。最近全く行ってませんでしたし、行きますか。
「『マスティア』最近行っていなかったのでいいですよ。どんな内容のクエストですか?」
「『3人パーティーを組み、大富豪ゲーナーシュの武芸者として、決闘大会に出て優勝せよ。賞金100万金 副賞【プリズムコート】』です」
「なるほど。【プリズムコート】いい性能ですね。まりりすさんにぴったりですね」
「もともと大会の優勝賞品の【バルボッテダガー】が欲しくて参加しようと思ったんですけど、このクエストの報酬もよかったので受けてしまって……でも僕らコンビなので……」
「なるほど。久々の決闘、腕が鳴ります。ですが戦術はお二人で考えてください。あと私はギリギリまで戦闘に参加しません。それでもよろしいですか?」
「もちろんです! 最初から当てにするようなことは考えていませんでしたので!」
うわーいい子。私なら絶対「後は任せた」の作戦です。
「決闘のルールはご存知ですか?」
「はい! 『武器の変更は可能とポーション類を含むアイテムの使用禁止』ですよね?」
「そうですね。大丈夫そうなので行きましょうか。お二人は転移系魔法で飛べますか?」
「お恥ずかしながら二人とも転移できなくて……」
あぁなるほど。ここからだと恐ろしく遠いですもんね。
「最近魔法系上げているので私のMPなら3人で行けますね」
【ゲートブック】を取り出し、代わりに【神器 プルトーン】をしまいます。
【ゲートブック】と【神器 エレシュキガル】の消費MP減少が合計で100%になるのでMPを消費ほとんど消費しないで転移できます。【神器】凄い。
「≪ワープ・ゲート≫準備できたら入ってください。『マスティア』の『工業区』に飛びます」
「「ありがとうございます」」
二人がくぐったのを確認し、私も門に入ります。
「ここが『マスティア』ですか」
「はい。この辺は『工業区』なので鉄パイプしか見えませんが少し行けば『商業区』に着きます」
「オイルとか売ってるのかな?」
「そりゃないと思うよ」
「いえ。売っていますよ?」
「「えっ?」」
「良いオイルらしいですよ。昔NPCから買ったことあります」
「短刀系でしたら進化するのにオイルが必要なので、余裕があったら買っておくといいかもしれませんね」
「わかりました」
多少レクチャーしながら『商業区』へ歩いていると、見慣れたギルドメンバーが歩いています。
「ジュンヤ。こんばんわ」
ジュンヤがばっと振り返ります。
「おっチェリーじゃん。オイル買いに来たの?」
本当にオイル売ってるんだ……と後ろから聞こえてきました。
「違うよ。レーナンさんとまりりすさんと決闘大会にでるために来たよ」
「なにぃ?」
ジュンヤが結構驚いています。どうしたんだろう。
「ジュンヤ?」
「いや悪い。俺もそれ出るんだわ。あたったらよろしくな」
「まじか。勝ち目薄。手加減して」
「抜かせ。また今日もこてんぱんにしてやるよ。頭洗ってまってな」
「それは身だしなみ」
「そこの二人もよろしく頼むわ。多分俺の連れとそんなにレベル差なさそうだし。いい勝負しようぜ」
「「はい! がんばります!」」
そういうとジュンヤは決闘大会が行われる闘技場に向かっていきました。決闘大会明日なのに。やる気満々だね。
「ジュンヤがいるなら勝てないかも。もし負けたらジュンヤを恨んで」
「そんなに強い人なんですか?」
「強いなんてもんじゃないよ。<槍最強>とか言われてるくらいだし。レベルも私より10以上上かな」
サーっと二人の顔から血の気が引いていく気配がします。
「勉強だと思って気楽に行きましょう」
「「はい……」」
「とりあえず宿屋を予約しましょうか」
「そうですね」
ということで『商業区』の一等地にある『宿屋 腕まかせ』にやってきました。
三人分の料金を支払い、即時ログアウトが可能な状態にしておきます。
VR化前の最後の決闘大会ということもあり、宿屋も混んでいました。
「VR化前最後のPvP大会になっちゃうのか……ちょっとさみしいです」
「言われてみればそうですね。でもVRでやってもきっと楽しいと思いますよ!」
「まりりすさん。ありがとうございます。明日は全力で頑張りましょうね」
「はい!」
「レーナンさんも頑張りましょうね」
「はい!」
「私も頑張ります」
二人はこの後作戦を練ったり、最終調整をするとのことでしたので、邪魔しないように宿屋に引きこもることにしました。
勝ち進んだとしても決勝の相手はジュンヤです。
今までの戦績は20戦0勝20敗です。
暗殺者系としては今まで負け続けてきましたが、今回は魔法系も選択肢にあるので、勝てなくても大ダメージで動けなくするくらいはしてやります。
最初に暗殺系で行って、いつも通りと思わせたところで魔法で仕留めましょう。
ブラフとして【ナイトファング】だけ装備し、左手には【神器 プルトーン】をリング形態で装備しましょう……
と考えていると、起きたばっかりなのですが眠くなってきました。明日の夜からのイベントなので寝坊はしないと思いますが念のため、念のために仮眠しておくことにしましょう。念のためです。
パーティーチャットで寝ることを二人に伝えておきます。
「ごめんなさい。少し眠くなってしまったので、いったん落ちます。明日のイベントまえには必ずログインしますので安心してください。おやすみなさい」
「おやすみなさい」と二人から返事が来るのを確認した私は、ログアウトし、ベッドまでのそのそと歩いていきました。
はっと目が覚めると6時になっていました。
朝の6時ではありません。夜の6時です。
時計代わりの携帯端末をみて飛び起きた私は、あと2時間ほどあることに気付き、多少の落ち着きを取り戻します。
焦った……ほんとに焦りました。20時間近く寝てしまうのは予想外です。
ちょうどお腹の虫がエサを欲しているようなので自動調理機に『温めて』と声をかけておきます。
数分後、ほかほかのご飯が出てきたので部屋にもっていき、動画サイトで私の好きなテーブルトークRPGのリプレイ動画を見ながらもぐもぐと食べます。
今日<Imperial Of Egg>遊んだらスクリーンショットを見直して、思い出巡りの旅をしようと考えながら食べていると携帯端末に着信が入ります。
「チェリーこんばんわ! おっと……?チェリーさんはおはようなのかなー?」
「こんばんわエルマ。どうしたの?」
「特にね用はないんだけどね! 今日『マスティア』でやるPvP大会にでるんでしょ?」
「ジュンヤから聞いたの?」
「んーにゃ。トトカルチョの表見てたらチェリーの名前あったから!」
「……私に賭けないでね。ジュンヤに勝てる気がしない」
「もう遅い! 財産全ツッパ! 負けたら呪う!」
「嘘でしょ……」
「うん! 嘘! でもチェリーに賭けたのはほんとだよ! おねぇさんに楽に儲けさせてね!」
「善処するよ」
「じゃぁ会場で応援してるねー!」
「うん。またね」
「またねー」
気が重い……でもやれるだけのことはやります。
エルマの財産ごっそり減ると思いますが。
いざとなったらジュンヤを締め上げて回収すればいいでしょう。私とエルマ二人掛かりなら殺れる……。
ではごはんも食べ終わったので<Imperial Of Egg>にログインします。
宿屋にログインして部屋からでます。
二人とももう来てるかな?
「こんばんわ。いまログインしました」
「あっこんばんわ!」
まりりすから返事が返ってきます。
「レーナンはお風呂に行きました!」
「了解です。準備は万端ですか?」
「はい。緊張してますが大丈夫です!」
「いまはどちらにいますか?」
「武器と防具の耐久度回復に『ポンドバーグ』に来ています」
「『ポンドバーグ』ですか、知らないお店ですが探して行きますね」
「まってます」
「では」
宿屋を出発し、『ポンドバーグ』という店を探してうろうろします。
前来たときにはなかったプレイヤーのお店が結構あり、新鮮な気持ちで探検できました。
あっあそこかな?
4.5分歩いて『ポンドバーグ』を見つけることができました。
「おじゃまします」
「へいらっしゃぁあああああああい」
うお。凄い気迫です。
「こちらは『ポンドバーグ』でお間違いないですか?」
「へい! そうございやす! 食事ですか!? 修理ですか!? 制作ですか!? 筋肉ですか!?」
最後に謎の質問がありましたので乗ってみます。
「では筋肉で」
「へええええい毎度おおおおおお!!」
そう言って店主が、「筋肉おまちいいいい!」と叫んでいます。
ハイテンションですねここの店主。
目の前にドカッと置かれた〔マッスルガーゴイルの筋肉〕を見ているとまりりすがこちらにきました。
「あっ……筋肉頼んじゃったんですね」
「はい」
「あの……私もです……」
机の上にインベントリから取り出した〔マッスルガーゴイルの筋肉〕をおくまりりすにちょっと吹き出しそうになりました。
20分ほど話しているとレーナンが返ってきたようです。
「チェリーさんと『ポンドバーグ』にいるよ」
「食事屋さんかな? 探して行ってみる」
そう言ったレーナンが来るまでまちます。
暇なのでまりりすが持ち掛けてきた賭けに乗ってみます。
「レーナンが来て筋肉を頼むに1万金!」
「食事に1万金賭けます」
しばらくしてレーナンがやってきました。
「おじゃまします」
「へいらっしゃぁあああああああい」
「ぶぅお」
あっちょっとひいてますね。
「食事ですか!? 修理ですか!? 制作ですか!? 筋肉ですか!?」
「食事で」
ッシャァとリアルでもガッツポーズします。
「まりりすさん、私の勝ちですね」
「くー……負けました……」
と掛け金を頂こうとしたらちょうどレーナンが席に着きました。
「あの店主の気迫すごかった」
「だよね」
「ですよね」
あっそうだ。
「レーナンさん準備はできてますか?」
「もちろんです!気合バンバン入ってますよ!」
「よかったです」
少し作戦について聞いているとレーナンが注文した食事が届きます。
「へい! おまちどおおおおおおおさまぁああああ!! 〔マッスルガーゴイルの筋肉〕でございますううううう!」
……はぁっ?
「「一緒じゃねぇか!!」」
色々な出来事がありましたが合流できたので良しとします。
あと30分ほどで大会が始まりますので、会場に向かうことにします。
to be continued...
起きました。
もう20時ですが。
昨日はお風呂に入らず寝てしまい、起きてすぐ<Imperial Of Egg>にログインしてしまったので、一応シャワーだけ浴びておきました。
<Imperial Of Egg>にログインするとちょうどお客さんが来ていました。
「あっチェリーさん! こんばんわ」
「こんばんわー」
レーナンとまりりすの二人です。
「こんばんわ<転生>クエストいかがでしたか?」
「クリアできました!」
「私もクリアできました! ありがとうございます!」
「いえいえ。お二人の実力ですよ。おめでとうございます」
「今日はその報告にいらしたんですか?」
「それもありますけど実はご相談がございまして……」
私なんかに相談? なんだろう。
「はい。何でしょうか?」
「『マスティア』の先着クエストに一緒にいってもらえませんか?」
『攻殻都市 マスティア』ですか。最近全く行ってませんでしたし、行きますか。
「『マスティア』最近行っていなかったのでいいですよ。どんな内容のクエストですか?」
「『3人パーティーを組み、大富豪ゲーナーシュの武芸者として、決闘大会に出て優勝せよ。賞金100万金 副賞【プリズムコート】』です」
「なるほど。【プリズムコート】いい性能ですね。まりりすさんにぴったりですね」
「もともと大会の優勝賞品の【バルボッテダガー】が欲しくて参加しようと思ったんですけど、このクエストの報酬もよかったので受けてしまって……でも僕らコンビなので……」
「なるほど。久々の決闘、腕が鳴ります。ですが戦術はお二人で考えてください。あと私はギリギリまで戦闘に参加しません。それでもよろしいですか?」
「もちろんです! 最初から当てにするようなことは考えていませんでしたので!」
うわーいい子。私なら絶対「後は任せた」の作戦です。
「決闘のルールはご存知ですか?」
「はい! 『武器の変更は可能とポーション類を含むアイテムの使用禁止』ですよね?」
「そうですね。大丈夫そうなので行きましょうか。お二人は転移系魔法で飛べますか?」
「お恥ずかしながら二人とも転移できなくて……」
あぁなるほど。ここからだと恐ろしく遠いですもんね。
「最近魔法系上げているので私のMPなら3人で行けますね」
【ゲートブック】を取り出し、代わりに【神器 プルトーン】をしまいます。
【ゲートブック】と【神器 エレシュキガル】の消費MP減少が合計で100%になるのでMPを消費ほとんど消費しないで転移できます。【神器】凄い。
「≪ワープ・ゲート≫準備できたら入ってください。『マスティア』の『工業区』に飛びます」
「「ありがとうございます」」
二人がくぐったのを確認し、私も門に入ります。
「ここが『マスティア』ですか」
「はい。この辺は『工業区』なので鉄パイプしか見えませんが少し行けば『商業区』に着きます」
「オイルとか売ってるのかな?」
「そりゃないと思うよ」
「いえ。売っていますよ?」
「「えっ?」」
「良いオイルらしいですよ。昔NPCから買ったことあります」
「短刀系でしたら進化するのにオイルが必要なので、余裕があったら買っておくといいかもしれませんね」
「わかりました」
多少レクチャーしながら『商業区』へ歩いていると、見慣れたギルドメンバーが歩いています。
「ジュンヤ。こんばんわ」
ジュンヤがばっと振り返ります。
「おっチェリーじゃん。オイル買いに来たの?」
本当にオイル売ってるんだ……と後ろから聞こえてきました。
「違うよ。レーナンさんとまりりすさんと決闘大会にでるために来たよ」
「なにぃ?」
ジュンヤが結構驚いています。どうしたんだろう。
「ジュンヤ?」
「いや悪い。俺もそれ出るんだわ。あたったらよろしくな」
「まじか。勝ち目薄。手加減して」
「抜かせ。また今日もこてんぱんにしてやるよ。頭洗ってまってな」
「それは身だしなみ」
「そこの二人もよろしく頼むわ。多分俺の連れとそんなにレベル差なさそうだし。いい勝負しようぜ」
「「はい! がんばります!」」
そういうとジュンヤは決闘大会が行われる闘技場に向かっていきました。決闘大会明日なのに。やる気満々だね。
「ジュンヤがいるなら勝てないかも。もし負けたらジュンヤを恨んで」
「そんなに強い人なんですか?」
「強いなんてもんじゃないよ。<槍最強>とか言われてるくらいだし。レベルも私より10以上上かな」
サーっと二人の顔から血の気が引いていく気配がします。
「勉強だと思って気楽に行きましょう」
「「はい……」」
「とりあえず宿屋を予約しましょうか」
「そうですね」
ということで『商業区』の一等地にある『宿屋 腕まかせ』にやってきました。
三人分の料金を支払い、即時ログアウトが可能な状態にしておきます。
VR化前の最後の決闘大会ということもあり、宿屋も混んでいました。
「VR化前最後のPvP大会になっちゃうのか……ちょっとさみしいです」
「言われてみればそうですね。でもVRでやってもきっと楽しいと思いますよ!」
「まりりすさん。ありがとうございます。明日は全力で頑張りましょうね」
「はい!」
「レーナンさんも頑張りましょうね」
「はい!」
「私も頑張ります」
二人はこの後作戦を練ったり、最終調整をするとのことでしたので、邪魔しないように宿屋に引きこもることにしました。
勝ち進んだとしても決勝の相手はジュンヤです。
今までの戦績は20戦0勝20敗です。
暗殺者系としては今まで負け続けてきましたが、今回は魔法系も選択肢にあるので、勝てなくても大ダメージで動けなくするくらいはしてやります。
最初に暗殺系で行って、いつも通りと思わせたところで魔法で仕留めましょう。
ブラフとして【ナイトファング】だけ装備し、左手には【神器 プルトーン】をリング形態で装備しましょう……
と考えていると、起きたばっかりなのですが眠くなってきました。明日の夜からのイベントなので寝坊はしないと思いますが念のため、念のために仮眠しておくことにしましょう。念のためです。
パーティーチャットで寝ることを二人に伝えておきます。
「ごめんなさい。少し眠くなってしまったので、いったん落ちます。明日のイベントまえには必ずログインしますので安心してください。おやすみなさい」
「おやすみなさい」と二人から返事が来るのを確認した私は、ログアウトし、ベッドまでのそのそと歩いていきました。
はっと目が覚めると6時になっていました。
朝の6時ではありません。夜の6時です。
時計代わりの携帯端末をみて飛び起きた私は、あと2時間ほどあることに気付き、多少の落ち着きを取り戻します。
焦った……ほんとに焦りました。20時間近く寝てしまうのは予想外です。
ちょうどお腹の虫がエサを欲しているようなので自動調理機に『温めて』と声をかけておきます。
数分後、ほかほかのご飯が出てきたので部屋にもっていき、動画サイトで私の好きなテーブルトークRPGのリプレイ動画を見ながらもぐもぐと食べます。
今日<Imperial Of Egg>遊んだらスクリーンショットを見直して、思い出巡りの旅をしようと考えながら食べていると携帯端末に着信が入ります。
「チェリーこんばんわ! おっと……?チェリーさんはおはようなのかなー?」
「こんばんわエルマ。どうしたの?」
「特にね用はないんだけどね! 今日『マスティア』でやるPvP大会にでるんでしょ?」
「ジュンヤから聞いたの?」
「んーにゃ。トトカルチョの表見てたらチェリーの名前あったから!」
「……私に賭けないでね。ジュンヤに勝てる気がしない」
「もう遅い! 財産全ツッパ! 負けたら呪う!」
「嘘でしょ……」
「うん! 嘘! でもチェリーに賭けたのはほんとだよ! おねぇさんに楽に儲けさせてね!」
「善処するよ」
「じゃぁ会場で応援してるねー!」
「うん。またね」
「またねー」
気が重い……でもやれるだけのことはやります。
エルマの財産ごっそり減ると思いますが。
いざとなったらジュンヤを締め上げて回収すればいいでしょう。私とエルマ二人掛かりなら殺れる……。
ではごはんも食べ終わったので<Imperial Of Egg>にログインします。
宿屋にログインして部屋からでます。
二人とももう来てるかな?
「こんばんわ。いまログインしました」
「あっこんばんわ!」
まりりすから返事が返ってきます。
「レーナンはお風呂に行きました!」
「了解です。準備は万端ですか?」
「はい。緊張してますが大丈夫です!」
「いまはどちらにいますか?」
「武器と防具の耐久度回復に『ポンドバーグ』に来ています」
「『ポンドバーグ』ですか、知らないお店ですが探して行きますね」
「まってます」
「では」
宿屋を出発し、『ポンドバーグ』という店を探してうろうろします。
前来たときにはなかったプレイヤーのお店が結構あり、新鮮な気持ちで探検できました。
あっあそこかな?
4.5分歩いて『ポンドバーグ』を見つけることができました。
「おじゃまします」
「へいらっしゃぁあああああああい」
うお。凄い気迫です。
「こちらは『ポンドバーグ』でお間違いないですか?」
「へい! そうございやす! 食事ですか!? 修理ですか!? 制作ですか!? 筋肉ですか!?」
最後に謎の質問がありましたので乗ってみます。
「では筋肉で」
「へええええい毎度おおおおおお!!」
そう言って店主が、「筋肉おまちいいいい!」と叫んでいます。
ハイテンションですねここの店主。
目の前にドカッと置かれた〔マッスルガーゴイルの筋肉〕を見ているとまりりすがこちらにきました。
「あっ……筋肉頼んじゃったんですね」
「はい」
「あの……私もです……」
机の上にインベントリから取り出した〔マッスルガーゴイルの筋肉〕をおくまりりすにちょっと吹き出しそうになりました。
20分ほど話しているとレーナンが返ってきたようです。
「チェリーさんと『ポンドバーグ』にいるよ」
「食事屋さんかな? 探して行ってみる」
そう言ったレーナンが来るまでまちます。
暇なのでまりりすが持ち掛けてきた賭けに乗ってみます。
「レーナンが来て筋肉を頼むに1万金!」
「食事に1万金賭けます」
しばらくしてレーナンがやってきました。
「おじゃまします」
「へいらっしゃぁあああああああい」
「ぶぅお」
あっちょっとひいてますね。
「食事ですか!? 修理ですか!? 制作ですか!? 筋肉ですか!?」
「食事で」
ッシャァとリアルでもガッツポーズします。
「まりりすさん、私の勝ちですね」
「くー……負けました……」
と掛け金を頂こうとしたらちょうどレーナンが席に着きました。
「あの店主の気迫すごかった」
「だよね」
「ですよね」
あっそうだ。
「レーナンさん準備はできてますか?」
「もちろんです!気合バンバン入ってますよ!」
「よかったです」
少し作戦について聞いているとレーナンが注文した食事が届きます。
「へい! おまちどおおおおおおおさまぁああああ!! 〔マッスルガーゴイルの筋肉〕でございますううううう!」
……はぁっ?
「「一緒じゃねぇか!!」」
色々な出来事がありましたが合流できたので良しとします。
あと30分ほどで大会が始まりますので、会場に向かうことにします。
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