3 / 3
僕はドラキュラ 第三話(完結)
しおりを挟む
見薬さんは、僕に無理やり行為を強いることはなかった。
僕に見薬さんのものを入れることはなかった。……僕は、それでも良かったんだけれど。
見薬さんは、僕のいく姿を見てすごく興奮したみたいで、ギンギンだったので、僕は見薬さんも出してしまうことをすすめた。
僕の手でも、そっと触ってみると、見薬さんはその上から手を重ねて、見薬さんのを擦った。
とても大きく膨らんで、固くて、触っていても興奮する。じっと見惚れてしまう。
「あっ、く……っ!」
見薬さんは先ほどの濡れたタオルを取って、先端に被せたあとで、いった。
だから、見薬さんのがいったところは、見れなかった。
きっと僕のほどは飛ばなかっただろうと思ったけれど、自分がすごく飛ばしたのを思い出し、僕はまた頬が熱くなった。
同時に、見薬さんの飛ばすのも、ちょっと見たかったなと思ってしまった。
そんなことを思うと、僕の股間は何度でも熱くなる。
最初からえらく好きものだと思われても、変態だと思われるだけだと思うので、隠しておくことにした。
僕たちが少し休んでいると、見薬さんが言った。
「……晶人くん。男の人と付き合ったことある?」
「ないです……」
女の子とは、高校時代に告白されて付き合ったけど、本当に三か月くらいで別れてしまった。
キスくらいはしたけど、セックスは本当に全くしなかった。ムラムラしなかったのだ。
「じゃ、俺と付き合ってくれる?」
見薬さんは言う。ベッドで、僕の隣で仰向けになりながら。僕のことを、見詰めている。
僕は嬉しい。けれど、先ほど、エッチなことをする前にあった1割の不安が、今度は9割ほどに膨らんだ。
僕にはある理由があるのだ。
「……見薬さん。それ、僕、無理かもしれなくて……」
「え……、何で?」
「僕、実は病気があるんです。」
そう言うと、見薬さんは、僕のことを怪訝な顔で見た。
性病、というわけではない。僕はそれを黙って行為に及ぶほど、卑劣なやつじゃない。
僕は思い切って言う。
「僕、実は日光アレルギーなんです。昼間、紫外線を浴びると肌が痒くなるんです」
そう、僕の秘密はこれだった。
仕事が夜からなのも、このせいだった。
専門学校を卒業して、会社に勤めたこともあったのだけれど、職場の理解が難しかったのと、昼間にあまり日光に当たると、自分の体調が思わしくなかったのだ。
何とか乗り切ろうと思ったのだが、いつも気にしている自分が辛くて、1年ほどで退職してしまった。
その後も、いくつか仕事をしてみようと思ったのだが、シフトが朝や昼間もやって欲しいというところが多くて、今の職場に落ち着くまで結構悩んだのだ。
今の現場は、シフトが夜だけでいいと言ってくれているので、助かっているのだ。
そうして僕は、あのディスカウントストアで働いている。
「……日焼け止めも、塗るんですけど。やっぱり強い時はきつくて。体調もすぐれなくなるし。
だから、付き合っても昼間とか、会えなくなると思うんです」
「そうなんだ……」
「だから、見薬さんの思うような付き合いができるかは……」
僕はそう言って、ベッドの上で起き上がり、毛布で身体をきゅっと丸めた。
――身体だけでもいい。
僕は、そう思っている。
見薬さんとのセックスは、気持ち良さそうだ。今日みたいなことも、その先ももっと、してもいい。
だから、会うのは夜だけで。
そうすれば、見薬さんもしたいことは出来るし、僕だって体調も、……心も楽かもしれない。
……肌が赤くなったり、ぶつぶつになったり、醜くなった時に、見薬さんに見られなくて済む。
僕がそう思っていると、見薬さんが起き上がって言った。
「それでも、いいよ」
「え」
僕は思いがけない言葉を聞いて、彼の顔を見る。
見薬さんは、とても優しい表情をしている。焦げ茶色の瞳は透き通って、髪の毛はふわふわして、温かそうだ。
僕の黒い髪とはえらく違う。
きっと、染めてるんだろうけど。
最初、ちょっとチャラいのかも、もしかして、遊んでる中年なのかと思ったのは、内緒だ。
イヤラしいオジさんかもしれない、なんて思ったのも、内緒だ。
だって、僕と付き合いたいと言うのだ。
見薬さんは、僕をぎゅっと抱き締めて、言った。
「君が良ければ、付き合って欲しい。……どうかな。俺、晶人よりは大分年上だけど……」
ちょうど10、上だ。
「年寄りだと思わなければ、付き合って……」
そう、お願いごとのように言うので、僕は、また、数回こくこくと頷いた。
「嬉しい!」
そうすると、見薬さんはぎゅうと僕のことを抱き締める力を、強めた。
その後で、僕の肌を撫でる。それは優しく。
「……こんなに白い肌なのに、可哀想だな」
「……昔からだから、別に」
可哀想がられるのは、嫌だったけれど、見薬さんの言うことだと、すっと入って来る。
僕は見薬さんの腕の中で、何だかほっとしていた。
「大事にさせて。……夜しか会えなくても、いいよ」
そうかなあ。それでいいのかなあ。
きっと、物足りなくなるよ。
僕はそう心の中で彼を非難していたけれど、反面、とても嬉しかったのだ。
ドラキュラの僕を、好きになってくれる人がいた。
だからだ。
END
僕に見薬さんのものを入れることはなかった。……僕は、それでも良かったんだけれど。
見薬さんは、僕のいく姿を見てすごく興奮したみたいで、ギンギンだったので、僕は見薬さんも出してしまうことをすすめた。
僕の手でも、そっと触ってみると、見薬さんはその上から手を重ねて、見薬さんのを擦った。
とても大きく膨らんで、固くて、触っていても興奮する。じっと見惚れてしまう。
「あっ、く……っ!」
見薬さんは先ほどの濡れたタオルを取って、先端に被せたあとで、いった。
だから、見薬さんのがいったところは、見れなかった。
きっと僕のほどは飛ばなかっただろうと思ったけれど、自分がすごく飛ばしたのを思い出し、僕はまた頬が熱くなった。
同時に、見薬さんの飛ばすのも、ちょっと見たかったなと思ってしまった。
そんなことを思うと、僕の股間は何度でも熱くなる。
最初からえらく好きものだと思われても、変態だと思われるだけだと思うので、隠しておくことにした。
僕たちが少し休んでいると、見薬さんが言った。
「……晶人くん。男の人と付き合ったことある?」
「ないです……」
女の子とは、高校時代に告白されて付き合ったけど、本当に三か月くらいで別れてしまった。
キスくらいはしたけど、セックスは本当に全くしなかった。ムラムラしなかったのだ。
「じゃ、俺と付き合ってくれる?」
見薬さんは言う。ベッドで、僕の隣で仰向けになりながら。僕のことを、見詰めている。
僕は嬉しい。けれど、先ほど、エッチなことをする前にあった1割の不安が、今度は9割ほどに膨らんだ。
僕にはある理由があるのだ。
「……見薬さん。それ、僕、無理かもしれなくて……」
「え……、何で?」
「僕、実は病気があるんです。」
そう言うと、見薬さんは、僕のことを怪訝な顔で見た。
性病、というわけではない。僕はそれを黙って行為に及ぶほど、卑劣なやつじゃない。
僕は思い切って言う。
「僕、実は日光アレルギーなんです。昼間、紫外線を浴びると肌が痒くなるんです」
そう、僕の秘密はこれだった。
仕事が夜からなのも、このせいだった。
専門学校を卒業して、会社に勤めたこともあったのだけれど、職場の理解が難しかったのと、昼間にあまり日光に当たると、自分の体調が思わしくなかったのだ。
何とか乗り切ろうと思ったのだが、いつも気にしている自分が辛くて、1年ほどで退職してしまった。
その後も、いくつか仕事をしてみようと思ったのだが、シフトが朝や昼間もやって欲しいというところが多くて、今の職場に落ち着くまで結構悩んだのだ。
今の現場は、シフトが夜だけでいいと言ってくれているので、助かっているのだ。
そうして僕は、あのディスカウントストアで働いている。
「……日焼け止めも、塗るんですけど。やっぱり強い時はきつくて。体調もすぐれなくなるし。
だから、付き合っても昼間とか、会えなくなると思うんです」
「そうなんだ……」
「だから、見薬さんの思うような付き合いができるかは……」
僕はそう言って、ベッドの上で起き上がり、毛布で身体をきゅっと丸めた。
――身体だけでもいい。
僕は、そう思っている。
見薬さんとのセックスは、気持ち良さそうだ。今日みたいなことも、その先ももっと、してもいい。
だから、会うのは夜だけで。
そうすれば、見薬さんもしたいことは出来るし、僕だって体調も、……心も楽かもしれない。
……肌が赤くなったり、ぶつぶつになったり、醜くなった時に、見薬さんに見られなくて済む。
僕がそう思っていると、見薬さんが起き上がって言った。
「それでも、いいよ」
「え」
僕は思いがけない言葉を聞いて、彼の顔を見る。
見薬さんは、とても優しい表情をしている。焦げ茶色の瞳は透き通って、髪の毛はふわふわして、温かそうだ。
僕の黒い髪とはえらく違う。
きっと、染めてるんだろうけど。
最初、ちょっとチャラいのかも、もしかして、遊んでる中年なのかと思ったのは、内緒だ。
イヤラしいオジさんかもしれない、なんて思ったのも、内緒だ。
だって、僕と付き合いたいと言うのだ。
見薬さんは、僕をぎゅっと抱き締めて、言った。
「君が良ければ、付き合って欲しい。……どうかな。俺、晶人よりは大分年上だけど……」
ちょうど10、上だ。
「年寄りだと思わなければ、付き合って……」
そう、お願いごとのように言うので、僕は、また、数回こくこくと頷いた。
「嬉しい!」
そうすると、見薬さんはぎゅうと僕のことを抱き締める力を、強めた。
その後で、僕の肌を撫でる。それは優しく。
「……こんなに白い肌なのに、可哀想だな」
「……昔からだから、別に」
可哀想がられるのは、嫌だったけれど、見薬さんの言うことだと、すっと入って来る。
僕は見薬さんの腕の中で、何だかほっとしていた。
「大事にさせて。……夜しか会えなくても、いいよ」
そうかなあ。それでいいのかなあ。
きっと、物足りなくなるよ。
僕はそう心の中で彼を非難していたけれど、反面、とても嬉しかったのだ。
ドラキュラの僕を、好きになってくれる人がいた。
だからだ。
END
0
お気に入りに追加
11
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説





寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる