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完結編
19 蜜月
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先に桃香が部屋に通される。中は広々として明るい。
「素敵! こんなに広いの? お家みたい! ううん、うちよりも広い!」
ふかふかのベッドのスプリングを確かめ、高い天井を見上げる。
「あ、こっちソファーがある!」
嬉しそうに部屋を行ったり来たりする桃香を黒彦は微笑ましく眺める。
「ほら、ここから夜景が見えるよ」
最上階の部屋から二人は夜景を眺める。小さな平和な町がキラキラ輝き、宝石箱をひっくり返したようだった。
「綺麗……」
「鈴木さん――」
桃香は振り返り、黒彦に抱擁される。そっと目を閉じると温かい唇が重ねられる。
「今夜はゆっくり君と過ごしたい」
「店長……。こんな素敵なお部屋……。ありがとうございます」
「いいんだ」
今夜とうとう結ばれるのだと思い、桃香は体温が上昇して汗ばんできた。
「あの、私、シャワーしてきます」
「そう。俺は後にするよ」
バスルームにと思った桃香が「あっ」と声を出す。
「どうかした?」
「着替え、なくて……」
「大丈夫だよ。全部ランドリーサービスに出せばいいから。バスローブを羽織っておくといい」
「そうなんですね」
下着もいいのだろうかと考えたが、家でシャワーを浴びた後、新品の下着を穿いてきたので出してしまうことにした。
浴室も広く清潔で明るい。浴槽も大きかった。
「お湯溜めたらよかったかなあー」
横目で浴槽を見ながら桃香は熱いシャワーを浴びる。
「ダメだな。ドキドキしてすぐのぼせちゃいそう」
もうすでに心臓の鼓動は高まっている。全身を流し桃香は上等なバスローブを羽織って部屋に戻った。照明が少し落とされていてうすぼんやりとした明るさになっている。
夜景を見ている黒彦が振り向き「何か飲む?」と聞く。
「え、と。お水はあるんでしょうか」
「うん」
冷えた水を桃香が受け取ると黒彦は「ゆっくりしてて」と笑んでバスルームに向かった。
ふわふわするベッドに桃香は潜り込む。
「すごい気持ちいい。なんか雲の中みたいだなあ」
触り心地を確かめながら横たわる。ハッと身体を起こし「歯磨きしとこう」とまたウェットエリアに向かった。
じっとベッドの中で待っていると黒彦がそっと入ってきた。横たわる後ろから髪を撫でられ、抱きしめられる。
黒彦の手は桃香のバスローブの腰紐を解き外した。肩を出され、そこに口づけられ、段々と背中を露出される。うなじにキスされ桃香は、はあっと熱いため息をこぼす。
黒彦は柔らかくて軽い布団を剥ぎ、バスローブの紐を解き半裸になった。そして桃香を上に向かせる。半裸になった黒彦の身体は引き締まっているが厚みがあり、桃香は見るのが恥ずかしいくらいだった。口づけが全身に降ってくる。
いつもの優しいキスが激しさに変わっていて、桃香も夢中で応じる。全身に黒彦の指と唇と舌が這わされると、もう全身が甘く痺れてひどく身体の中心が疼いた。
片足を持ち、脛に唇を這わせ、黒彦は桃香の疼いている花芯にそっと触れる。周囲の花弁をやさしく撫でながら、羽が触れるようなタッチで花芯を撫でる。すでに彼女の愛液で濡れて光っている。温かいぬかるみのような泉に指を滑り込ませ、ゆるゆるかき混ぜながら、足を降ろし、花芯に口づける。軽く口づけをするたびに桃香の身体はビクビク跳ねる。挿入した指が愛液ですっかり濡れ、とろけた様な桃香を見て黒彦は身体を重ねる。
「ん――」
身体の中に熱く硬い起立が入ってくるのを感じた桃香は、もう声を我慢することは出来なかった。
「あ、ん、も、気持ちい、いっ」
「ああ――」
しばらく重なり合ったのち、ゆっくりと黒彦が動き始める。
「う、あぅぅっ――」
初めて身体を重ねるはずなのに桃香は素晴らしい快感を得る。記憶を上書きされてはいるが、彼女の身体は黒彦の愛撫を記憶しているのだ。動きが早くなり黒彦が息を荒くし始めるころ「だ、だめ、も、もうっ! んんんっ!」桃香は身震いして全身を桜色に染め達する。
「う、く、もう、俺も――」
黒彦もぶるっと身震いをして桃香の身体に沈み込んだ。荒い息をしながら桃香の頬を撫で、口づけを交わす。
「君はなんて感度がいいんだ」
「はぁはぁはぁ。わ、私、こんなになったこと、今まで、なかった――」
「そうなのか。俺もこんなに気持ちがいいと思ったのは初めてだ」
「恥ずかしい。こんなに乱れてしまって……」
「いや。すごく可愛かった。夢中になりそうだ」
「店長……」
「疲れた?」
「い、いえ」
「嫌だったら断ってくれていい」
「はい」
「もう一度いいかな?」
「え、も、もう一回ですか?」
「うん。嫌?」
「嫌じゃ、ないです。あっ! うっ、ん――」
起立が引き抜かれる感覚に、桃香は身震いする。
「ちょっと待ってて」
素早く黒彦は避妊具を付け替え、挿入を試みる。
「あんっ!」
「今度はゆっくり長く繋がっていたい……」
黒彦が中に入ってくると身体の快感と同時に安心感も得る。
「ずっと、ずっとこうしていたい……」
「ああ、ずっと――」
唇が腫れあがるのではないかと思うほどキスをする。黒彦がゆっくりとした動きで達するまでに桃香は3回絶頂を得ていた。
その頃にはさすがに桃香の体力はなくなり、黒彦の後戯を最後まで味わうことなく眠りに落ちていた。彼女の寝顔を眺めて黒彦もこれまでにない満足感を得ている。
こうして二人は心身ともに結ばれ愛し合うようになった。
夕食を食べ終えて、桃香は食器を下げる。
「すごく美味しかった」
「よかったー」
黒彦も食器を下げ「俺が洗おう」と桃香の手を止める。
「いいですよー。ちゃちゃっとやっちゃいます」
「いや。きっと君は疲れてしまうだろうから」
「え?」
素早く桃香の唇をふさぎ舌を滑り込ませる。
「ん、んっ」
「抱きたい」
「え、あ、あの」
「ダメかな」
「ダメ、じゃないです」
「そのエプロン姿にそそられてしまった」
「あ、こ、これ――」
黒彦と恋人同士になったことを理沙たちに告げると、みんなからお祝いだとエプロンを渡された。胸の部分はハート形でレースがいっぱいついているものだった。布地の部分よりも透けたレース部位の方が多く、あまりエプロンとして用をなさないのではないかと思った桃香だが、せっかくプレゼントしてくれたので使ったのだ。
エプロンの説明をしようと思う前に、もう黒彦の慣れた手つきで濡らされ、喘ぐしかできなかった。
「腰、こっちに向けて――」
「あ、ああ――」
テーブルに手をついた桃香の後ろから黒彦はゆっくり入ってくる。全て挿入しつくされると、後ろから激しく突き上げられすぐにでも桃香は達してしまいそうだった。
「もう、ダメ、激し――」
達する寸前、黒彦に花芯を優しくこすられた。
「きゃああんっ!」
「う、あ、きつ――」
快感の爆発が一気に起こったようで桃香は目の前が真っ白になった気がした。気が付いて身体を起こすとキッチンは綺麗に片付いていて温かいお茶が淹れられていた。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「赤斗が太るのもわかるな。あいつも毎日こんなふうに食事をしているからな」
「ええ、茉莉ちゃんのご飯、美味しいですもんね」
「でも健康のためにあまり太らないように身体を動かさないと」
「ですね」
「じゃまた後で――」
「え? 後で?」
艶っぽい黒彦の微笑みに桃香はゴクリと息をのむ。結ばれたばかりの二人は、まるで発情期のように快感を貪るのだった。
「素敵! こんなに広いの? お家みたい! ううん、うちよりも広い!」
ふかふかのベッドのスプリングを確かめ、高い天井を見上げる。
「あ、こっちソファーがある!」
嬉しそうに部屋を行ったり来たりする桃香を黒彦は微笑ましく眺める。
「ほら、ここから夜景が見えるよ」
最上階の部屋から二人は夜景を眺める。小さな平和な町がキラキラ輝き、宝石箱をひっくり返したようだった。
「綺麗……」
「鈴木さん――」
桃香は振り返り、黒彦に抱擁される。そっと目を閉じると温かい唇が重ねられる。
「今夜はゆっくり君と過ごしたい」
「店長……。こんな素敵なお部屋……。ありがとうございます」
「いいんだ」
今夜とうとう結ばれるのだと思い、桃香は体温が上昇して汗ばんできた。
「あの、私、シャワーしてきます」
「そう。俺は後にするよ」
バスルームにと思った桃香が「あっ」と声を出す。
「どうかした?」
「着替え、なくて……」
「大丈夫だよ。全部ランドリーサービスに出せばいいから。バスローブを羽織っておくといい」
「そうなんですね」
下着もいいのだろうかと考えたが、家でシャワーを浴びた後、新品の下着を穿いてきたので出してしまうことにした。
浴室も広く清潔で明るい。浴槽も大きかった。
「お湯溜めたらよかったかなあー」
横目で浴槽を見ながら桃香は熱いシャワーを浴びる。
「ダメだな。ドキドキしてすぐのぼせちゃいそう」
もうすでに心臓の鼓動は高まっている。全身を流し桃香は上等なバスローブを羽織って部屋に戻った。照明が少し落とされていてうすぼんやりとした明るさになっている。
夜景を見ている黒彦が振り向き「何か飲む?」と聞く。
「え、と。お水はあるんでしょうか」
「うん」
冷えた水を桃香が受け取ると黒彦は「ゆっくりしてて」と笑んでバスルームに向かった。
ふわふわするベッドに桃香は潜り込む。
「すごい気持ちいい。なんか雲の中みたいだなあ」
触り心地を確かめながら横たわる。ハッと身体を起こし「歯磨きしとこう」とまたウェットエリアに向かった。
じっとベッドの中で待っていると黒彦がそっと入ってきた。横たわる後ろから髪を撫でられ、抱きしめられる。
黒彦の手は桃香のバスローブの腰紐を解き外した。肩を出され、そこに口づけられ、段々と背中を露出される。うなじにキスされ桃香は、はあっと熱いため息をこぼす。
黒彦は柔らかくて軽い布団を剥ぎ、バスローブの紐を解き半裸になった。そして桃香を上に向かせる。半裸になった黒彦の身体は引き締まっているが厚みがあり、桃香は見るのが恥ずかしいくらいだった。口づけが全身に降ってくる。
いつもの優しいキスが激しさに変わっていて、桃香も夢中で応じる。全身に黒彦の指と唇と舌が這わされると、もう全身が甘く痺れてひどく身体の中心が疼いた。
片足を持ち、脛に唇を這わせ、黒彦は桃香の疼いている花芯にそっと触れる。周囲の花弁をやさしく撫でながら、羽が触れるようなタッチで花芯を撫でる。すでに彼女の愛液で濡れて光っている。温かいぬかるみのような泉に指を滑り込ませ、ゆるゆるかき混ぜながら、足を降ろし、花芯に口づける。軽く口づけをするたびに桃香の身体はビクビク跳ねる。挿入した指が愛液ですっかり濡れ、とろけた様な桃香を見て黒彦は身体を重ねる。
「ん――」
身体の中に熱く硬い起立が入ってくるのを感じた桃香は、もう声を我慢することは出来なかった。
「あ、ん、も、気持ちい、いっ」
「ああ――」
しばらく重なり合ったのち、ゆっくりと黒彦が動き始める。
「う、あぅぅっ――」
初めて身体を重ねるはずなのに桃香は素晴らしい快感を得る。記憶を上書きされてはいるが、彼女の身体は黒彦の愛撫を記憶しているのだ。動きが早くなり黒彦が息を荒くし始めるころ「だ、だめ、も、もうっ! んんんっ!」桃香は身震いして全身を桜色に染め達する。
「う、く、もう、俺も――」
黒彦もぶるっと身震いをして桃香の身体に沈み込んだ。荒い息をしながら桃香の頬を撫で、口づけを交わす。
「君はなんて感度がいいんだ」
「はぁはぁはぁ。わ、私、こんなになったこと、今まで、なかった――」
「そうなのか。俺もこんなに気持ちがいいと思ったのは初めてだ」
「恥ずかしい。こんなに乱れてしまって……」
「いや。すごく可愛かった。夢中になりそうだ」
「店長……」
「疲れた?」
「い、いえ」
「嫌だったら断ってくれていい」
「はい」
「もう一度いいかな?」
「え、も、もう一回ですか?」
「うん。嫌?」
「嫌じゃ、ないです。あっ! うっ、ん――」
起立が引き抜かれる感覚に、桃香は身震いする。
「ちょっと待ってて」
素早く黒彦は避妊具を付け替え、挿入を試みる。
「あんっ!」
「今度はゆっくり長く繋がっていたい……」
黒彦が中に入ってくると身体の快感と同時に安心感も得る。
「ずっと、ずっとこうしていたい……」
「ああ、ずっと――」
唇が腫れあがるのではないかと思うほどキスをする。黒彦がゆっくりとした動きで達するまでに桃香は3回絶頂を得ていた。
その頃にはさすがに桃香の体力はなくなり、黒彦の後戯を最後まで味わうことなく眠りに落ちていた。彼女の寝顔を眺めて黒彦もこれまでにない満足感を得ている。
こうして二人は心身ともに結ばれ愛し合うようになった。
夕食を食べ終えて、桃香は食器を下げる。
「すごく美味しかった」
「よかったー」
黒彦も食器を下げ「俺が洗おう」と桃香の手を止める。
「いいですよー。ちゃちゃっとやっちゃいます」
「いや。きっと君は疲れてしまうだろうから」
「え?」
素早く桃香の唇をふさぎ舌を滑り込ませる。
「ん、んっ」
「抱きたい」
「え、あ、あの」
「ダメかな」
「ダメ、じゃないです」
「そのエプロン姿にそそられてしまった」
「あ、こ、これ――」
黒彦と恋人同士になったことを理沙たちに告げると、みんなからお祝いだとエプロンを渡された。胸の部分はハート形でレースがいっぱいついているものだった。布地の部分よりも透けたレース部位の方が多く、あまりエプロンとして用をなさないのではないかと思った桃香だが、せっかくプレゼントしてくれたので使ったのだ。
エプロンの説明をしようと思う前に、もう黒彦の慣れた手つきで濡らされ、喘ぐしかできなかった。
「腰、こっちに向けて――」
「あ、ああ――」
テーブルに手をついた桃香の後ろから黒彦はゆっくり入ってくる。全て挿入しつくされると、後ろから激しく突き上げられすぐにでも桃香は達してしまいそうだった。
「もう、ダメ、激し――」
達する寸前、黒彦に花芯を優しくこすられた。
「きゃああんっ!」
「う、あ、きつ――」
快感の爆発が一気に起こったようで桃香は目の前が真っ白になった気がした。気が付いて身体を起こすとキッチンは綺麗に片付いていて温かいお茶が淹れられていた。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「赤斗が太るのもわかるな。あいつも毎日こんなふうに食事をしているからな」
「ええ、茉莉ちゃんのご飯、美味しいですもんね」
「でも健康のためにあまり太らないように身体を動かさないと」
「ですね」
「じゃまた後で――」
「え? 後で?」
艶っぽい黒彦の微笑みに桃香はゴクリと息をのむ。結ばれたばかりの二人は、まるで発情期のように快感を貪るのだった。
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