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92 バダサンプ
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朱京湖ことラージハニは数日の旅の末、王に拝謁することになった。兵士に囲まれて王宮にはいり、王に拝謁する。跪き下を向いていたラージハニに「顔をあげよ」と声がかかる。
王の顔を見てラージハニは驚いた。
「あ、あなたは!?」
「そうだ。私はいまや王なのだ」
大臣の息子であったはずのバダサンプが王位についている。いつの間に王位を簒奪したのだろうか。
「王には世継ぎができなかったのだ。それで私が王位につくことになったのだよ」
政権交代が穏やかに行われたはずはなかった、秘密裏に高官が何人も抹殺されているはずだ。考えられないほど、卑劣なやり方で王位についたであろうことは想像がつく。華夏国にいた時ですら、西国はどんどん税が重くなっていき庶民、それ以下の奴隷が苦しんでいる噂は聞いていた。
「さて、そなたは私の妃となる。喜べ」
「なっ!」
立ち上がろうとしたラージハニを二人の兵士が抑えた。
「よいよい。すぐに婚礼を上げよう。支度をさせよ」
ラージハニは引きずられるように兵士に連れていかれ、花嫁の支度をされることになった。
沐浴のためにラージハニは兵士から、王宮に仕えている侍女たちに引き渡される。石でできた浴槽に水が張られ香り高い花びらが散らさせている。侍女たちに衣を脱がされ、手を引かれ水につかる。特に何もすることなく浸かっていると、また侍女たちに手を取られ浴槽から出される。身体を柔らかい布で拭きあげられるままじっとしていると「こちらは何でしょうか?」とラージハニの胸元を見る。首から小瓶がぶら下がっている。
「これは、美肌を保つ水よ。沐浴の後に肌に塗るものなの」
「あの、失礼ですが、中身を確かめさせていただいて宜しいでしょうか?」
「あら、怪しいかしら?」
「その、一応確認しないと……」
木の蓋をとり瓶の中身を手のひらにとろりと出す。
「ほら。なめてみましょうか?」
ラージハニはぺろりと舐めた後、全身に塗り始める。すっかり中身を出してしまい首筋から胸元、腰から足首まで身体中に塗る姿に侍女たちは大丈夫だろう判断しそのままにした。
「では、こちらを」
今度は真紅の衣装を身に着ける。婚礼衣装のようで豪華さが増している。
「美しいですわ!」
侍女たちの感嘆の声にラージハニは苦笑する。もう若い娘ではないのだ。美しい装いや豪華な髪飾りを嬉しくは思わなかった。髪と化粧を整えられたのち、また王宮に連れていかれる。
王座ではバダサンプがふんぞり返ってラージハニ待っていた。若いころと変わらず、蛇のようにいやらしい目つきと、西国人にしては酷薄な薄い唇を歪めて笑っている。
「待ちかねたぞ。さあ王妃よ。こちらへ」
ラージハニは王座の隣へ座らされる。
「さあ、わしは王妃を得た。皆で祝うがよい」
大臣や兵士から歓声が上がると、バダサンプは立ち上がり、ラージハニの手を取った。
「どこへ?」
嫌悪感で吐き気がするが、我慢して尋ねる。
「もちろん、寝室だ」
「今から祝宴では?」
「ああ、そうだ。ほかのものはわしらを祝う」
「では、わたくしたちもここで祝いを受けねばならないでしょう?」
「そんなことは後でいい。そんなことよりもそなたを早くわしのものにせねばな」
いやらしく笑いバダサンプはラージハニの肩をがっちりと抱えるように、強引に引きずって寝室に向かった。ラージハニが無理やり連れていかれる姿に、誰もが見て見ぬふりをし、祝宴を続けた。
しばらく引きずられるまま歩き、広い寝室へと連れていかれた。柔らかい寝具が敷き詰められた寝台に、ラージハニは投げ出されるように寝かされる。抵抗しても傷つけられるだけだろうことはわかっている。ラージハニは歯を食いしばってバダサンプにされるがままになっている。
「やっと手に入れた。これで望むものをすべて手に入れた。フッフッフフ」
「王になったなら、もっと若くて美しい女をいくらでも望めるはずでしょう?」
「ああ、そうだ。国中の女すべてわしのものにできる。だがわしはお前がいいのだ」
バダサンプの這う指に嫌悪しながら、ここまでなぜ執着されなければならないのか疑問を口に出す。
「知りたいか?」
「ええ」
「わしの本当の身分はもっとも最下層の不可触民なのだ」
「え!?」
「驚いたか? 一番下どころか、人としても扱われないわしが今や国の王なのだ」
「なぜ……」
「顔が、大臣の息子と顔が似てたのさ」
バダサンプは当時ラージハニの父と政敵であった大臣の跡取り息子と入れ替わっていたのだ。
「お前をやっと手に入れた」
ラージハニに記憶はないが、バダサンプは彼女から施しを受けた。その時、バダサンプは恋をする。西国の花と呼ばれた美しい彼女に恋しない者はいないだろう。バダサンプは一生、不可触民としてゴミのような人生を送るのだと思っていたし、その生き方以外想像したこともなかった。ただ人生の岐路は誰にでも訪れる。
バダサンプが町の清掃をしていた時だった。若い男が頭から血を流して倒れている。金持ちの息子が一本裏道に入ったために襲われたのだろう。若く背格好の似ている男は、バダサンプにそっくりだった。同じ顔の男の服装と、自分の服とは言えないのようなぼろ布を交換してみる。
「死んでるんだからもらってもいいだろう」
丸裸で路上に転がすと、まるで自分が死んでいるみたいだった。気分が良くないと思い、自分のぼろを着せておいた。しばらく初めて着る上等な服を楽しんだ後、金に換えるつもりだった。しかし大臣の息子を探しに来ていた使用人にそのまま息子として屋敷へ連れていかれた。
「そのままわしは大臣の息子として過ごしてきたのだ」
「そんな……」
「身分の高いものは馬鹿なのか? 息子が入れ替わったことにも気づかなかった。しかもどんどん実権が奪われて行っていることにもだ」
思い出しただけでも面白いと乾いた笑い声を立てる。確かに多忙な高官僚は、子供の教育は教育係にまかせっきりでかまう暇はない。ラージハニもあまり父や母、兄や姉と密な過ごし方はしたことがない。
「どうして暴政をしくの? 最下層の民の気持ちがわかるのだったら――」
「フハハハッ。やはり身分の高いものは愚かだな。わしはもう民の支配者なのだぞ? 民の気持ちなど分かったからどうだというんだ。ゴミはゴミのままでいいのだ」
「――。昔わたくしと間違えた華夏国の女はどうしたの?」
「華夏国の女? さあ、忘れたな。おそらく奴隷を欲しがっていた隊商にでも売ったのだろう」
「――晶鈴……」
「さあ、もうおしゃべりは良いだろう。不可触民が戦士階級の女を手に入れるのだ」
何を言っても無駄なのは最初から分かっていた。美しい都(ラージハニ)は静かに大蛇(バダサンプ)に蹂躙されるのを待つ。
「さて、王妃よ、交わろうではないか」
ラージハニの全身を味わったのちバダサンプはにやりと笑った。しかし次の瞬間「う、ぐっ」と胸をおさえた。
「く、な、なんだ。うっ、ぐ、ひゅっ、ぶっ」
目をむき、口から泡を吐き出した。顔は青くなっり赤くなったり変化が激しい。
「み、水、を」
喉が膨れ上がっているようで、呼吸もままならないバダサンプは、喉を掻きむしり寝台に臥せる。しばらくぴくぴくと手足の指が痙攣を起こしていたがそれも消えた。
ラージハニはバダサンプのまだ生暖かい手首に指を置き脈を診る。もう脈を打つ音は聞こえなかった。
彼女は、華夏国を出る前に医局長、陸慶明から毒を調合してもらっていた。それも少量ですぐ効果のあるものではなく、多量に服用することで効果があるものをだ。
バダサンプが執拗な愛撫を施すだろうとラージハニは予想して、その毒を身体中に塗っておいた。
寝台の近くにある水瓶を見つけ、ラージハニは頭から水をかぶる。
「もっと洗いたいわ」
ふらふらと寝室から出たところを、兵士に取り押さえられた。
王の顔を見てラージハニは驚いた。
「あ、あなたは!?」
「そうだ。私はいまや王なのだ」
大臣の息子であったはずのバダサンプが王位についている。いつの間に王位を簒奪したのだろうか。
「王には世継ぎができなかったのだ。それで私が王位につくことになったのだよ」
政権交代が穏やかに行われたはずはなかった、秘密裏に高官が何人も抹殺されているはずだ。考えられないほど、卑劣なやり方で王位についたであろうことは想像がつく。華夏国にいた時ですら、西国はどんどん税が重くなっていき庶民、それ以下の奴隷が苦しんでいる噂は聞いていた。
「さて、そなたは私の妃となる。喜べ」
「なっ!」
立ち上がろうとしたラージハニを二人の兵士が抑えた。
「よいよい。すぐに婚礼を上げよう。支度をさせよ」
ラージハニは引きずられるように兵士に連れていかれ、花嫁の支度をされることになった。
沐浴のためにラージハニは兵士から、王宮に仕えている侍女たちに引き渡される。石でできた浴槽に水が張られ香り高い花びらが散らさせている。侍女たちに衣を脱がされ、手を引かれ水につかる。特に何もすることなく浸かっていると、また侍女たちに手を取られ浴槽から出される。身体を柔らかい布で拭きあげられるままじっとしていると「こちらは何でしょうか?」とラージハニの胸元を見る。首から小瓶がぶら下がっている。
「これは、美肌を保つ水よ。沐浴の後に肌に塗るものなの」
「あの、失礼ですが、中身を確かめさせていただいて宜しいでしょうか?」
「あら、怪しいかしら?」
「その、一応確認しないと……」
木の蓋をとり瓶の中身を手のひらにとろりと出す。
「ほら。なめてみましょうか?」
ラージハニはぺろりと舐めた後、全身に塗り始める。すっかり中身を出してしまい首筋から胸元、腰から足首まで身体中に塗る姿に侍女たちは大丈夫だろう判断しそのままにした。
「では、こちらを」
今度は真紅の衣装を身に着ける。婚礼衣装のようで豪華さが増している。
「美しいですわ!」
侍女たちの感嘆の声にラージハニは苦笑する。もう若い娘ではないのだ。美しい装いや豪華な髪飾りを嬉しくは思わなかった。髪と化粧を整えられたのち、また王宮に連れていかれる。
王座ではバダサンプがふんぞり返ってラージハニ待っていた。若いころと変わらず、蛇のようにいやらしい目つきと、西国人にしては酷薄な薄い唇を歪めて笑っている。
「待ちかねたぞ。さあ王妃よ。こちらへ」
ラージハニは王座の隣へ座らされる。
「さあ、わしは王妃を得た。皆で祝うがよい」
大臣や兵士から歓声が上がると、バダサンプは立ち上がり、ラージハニの手を取った。
「どこへ?」
嫌悪感で吐き気がするが、我慢して尋ねる。
「もちろん、寝室だ」
「今から祝宴では?」
「ああ、そうだ。ほかのものはわしらを祝う」
「では、わたくしたちもここで祝いを受けねばならないでしょう?」
「そんなことは後でいい。そんなことよりもそなたを早くわしのものにせねばな」
いやらしく笑いバダサンプはラージハニの肩をがっちりと抱えるように、強引に引きずって寝室に向かった。ラージハニが無理やり連れていかれる姿に、誰もが見て見ぬふりをし、祝宴を続けた。
しばらく引きずられるまま歩き、広い寝室へと連れていかれた。柔らかい寝具が敷き詰められた寝台に、ラージハニは投げ出されるように寝かされる。抵抗しても傷つけられるだけだろうことはわかっている。ラージハニは歯を食いしばってバダサンプにされるがままになっている。
「やっと手に入れた。これで望むものをすべて手に入れた。フッフッフフ」
「王になったなら、もっと若くて美しい女をいくらでも望めるはずでしょう?」
「ああ、そうだ。国中の女すべてわしのものにできる。だがわしはお前がいいのだ」
バダサンプの這う指に嫌悪しながら、ここまでなぜ執着されなければならないのか疑問を口に出す。
「知りたいか?」
「ええ」
「わしの本当の身分はもっとも最下層の不可触民なのだ」
「え!?」
「驚いたか? 一番下どころか、人としても扱われないわしが今や国の王なのだ」
「なぜ……」
「顔が、大臣の息子と顔が似てたのさ」
バダサンプは当時ラージハニの父と政敵であった大臣の跡取り息子と入れ替わっていたのだ。
「お前をやっと手に入れた」
ラージハニに記憶はないが、バダサンプは彼女から施しを受けた。その時、バダサンプは恋をする。西国の花と呼ばれた美しい彼女に恋しない者はいないだろう。バダサンプは一生、不可触民としてゴミのような人生を送るのだと思っていたし、その生き方以外想像したこともなかった。ただ人生の岐路は誰にでも訪れる。
バダサンプが町の清掃をしていた時だった。若い男が頭から血を流して倒れている。金持ちの息子が一本裏道に入ったために襲われたのだろう。若く背格好の似ている男は、バダサンプにそっくりだった。同じ顔の男の服装と、自分の服とは言えないのようなぼろ布を交換してみる。
「死んでるんだからもらってもいいだろう」
丸裸で路上に転がすと、まるで自分が死んでいるみたいだった。気分が良くないと思い、自分のぼろを着せておいた。しばらく初めて着る上等な服を楽しんだ後、金に換えるつもりだった。しかし大臣の息子を探しに来ていた使用人にそのまま息子として屋敷へ連れていかれた。
「そのままわしは大臣の息子として過ごしてきたのだ」
「そんな……」
「身分の高いものは馬鹿なのか? 息子が入れ替わったことにも気づかなかった。しかもどんどん実権が奪われて行っていることにもだ」
思い出しただけでも面白いと乾いた笑い声を立てる。確かに多忙な高官僚は、子供の教育は教育係にまかせっきりでかまう暇はない。ラージハニもあまり父や母、兄や姉と密な過ごし方はしたことがない。
「どうして暴政をしくの? 最下層の民の気持ちがわかるのだったら――」
「フハハハッ。やはり身分の高いものは愚かだな。わしはもう民の支配者なのだぞ? 民の気持ちなど分かったからどうだというんだ。ゴミはゴミのままでいいのだ」
「――。昔わたくしと間違えた華夏国の女はどうしたの?」
「華夏国の女? さあ、忘れたな。おそらく奴隷を欲しがっていた隊商にでも売ったのだろう」
「――晶鈴……」
「さあ、もうおしゃべりは良いだろう。不可触民が戦士階級の女を手に入れるのだ」
何を言っても無駄なのは最初から分かっていた。美しい都(ラージハニ)は静かに大蛇(バダサンプ)に蹂躙されるのを待つ。
「さて、王妃よ、交わろうではないか」
ラージハニの全身を味わったのちバダサンプはにやりと笑った。しかし次の瞬間「う、ぐっ」と胸をおさえた。
「く、な、なんだ。うっ、ぐ、ひゅっ、ぶっ」
目をむき、口から泡を吐き出した。顔は青くなっり赤くなったり変化が激しい。
「み、水、を」
喉が膨れ上がっているようで、呼吸もままならないバダサンプは、喉を掻きむしり寝台に臥せる。しばらくぴくぴくと手足の指が痙攣を起こしていたがそれも消えた。
ラージハニはバダサンプのまだ生暖かい手首に指を置き脈を診る。もう脈を打つ音は聞こえなかった。
彼女は、華夏国を出る前に医局長、陸慶明から毒を調合してもらっていた。それも少量ですぐ効果のあるものではなく、多量に服用することで効果があるものをだ。
バダサンプが執拗な愛撫を施すだろうとラージハニは予想して、その毒を身体中に塗っておいた。
寝台の近くにある水瓶を見つけ、ラージハニは頭から水をかぶる。
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