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ジェミニの女 好奇心の章
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「ちょっとチセちゃん。どういうつもり?」
「今度ラブホ特集するんで調査ですよ。ほら一人じゃ入りにくいじゃないですかあ」
「いやいや。『ミートゥー』でそんな特集しないでしょ?」
「やっぱばれました?でも、こんなとこで揉めてたら変に思われますよ?早くこっちこっち」
強引に手を引かれホテル内に入ってしまった。ため息をついているとチセは楽しそうに部屋のパネルを眺め声を掛けてくる。
「見てみて、かわいいー。せんせ?今頃のラブホってエッチするだけじゃないんですよ?カラオケとか映画とか。パーティーだってできるし。全然嫌らしくないでしょう?」
「まあ今どきはそうだよね」
先月牛島夫妻とのラブホテルでの出来事を思い出しぼんやり答えると「あ、なんか。先生、最近来た事ありそうな言い方ですね」鋭く突っ込まれた。
「いや、なんか、なにかのニュースで見た気がして……」
しどろもどろの僕に不審な目を向けて
「ふーん。ま、いいですけど。ここ行きますよー」
とお構いなしで部屋を選びさっさと行ってしまった。――帰るとまずいだろうか。見失わないようについていった。
クリーム色の扉を開きチセは中から手を振って「はやくはやく」と僕を急かす。
ため息混じりに頷いて中に入った。
「うわっ」
あまりの明るさに目がくらんだ。
「これぐらい明るいと真昼間の公園って感じですね」
笑いながらチセは大きなやはりクリーム色のベッドに座ってスプリングを確かめながら弾んだ。
「そうだねえ。いきなり昼間になったような気分だよ」
部屋を見渡しているとチセはクローゼットから何やら衣装を取り出してくる。
「どう?せんせ。似合う?」
ナース服だ。
「んん?コスプレ?」
「そうそう、ここコスプレありみたい。ほらまだありますよー」
懐かしいセーラー服とヒョウ柄の着ぐるみのような衣装を引っ張り出しチセは身体に当てた。
「まあ、可愛いね」
「まーた。興味なさそうですね」
「う、うん。あんまり興味ないかな。ごめんね」
ふくれて彼女は衣装を戻した。そしておもむろに僕に近づき両手を包み込むように握り目を覗き込んできた。
「先生ってどんなタイプの女性が好きなんですか?」
まっすぐに邪気のない好奇心が見える瞳だった。
「わからない」
正直に答えた。
「占い師なのに?」
「うん。なんでだろうね」
「人のことはよくわかるのに変ですね」
「だね」
チセは手を握ったまま目を伏せ「アタシのこと教えてください」と呟いた。
「前に鑑定してあげたじゃない」
「ううん。もっと深く。セックスのことが知りたいの。アタシの。どうしても集中できなくて」
「気持ちよくないの?痛いとか」
「いえ。どっちかっていうと気持ちいいと思います。でもなんか飽きちゃう」
「相手がおんなじことばっかりやってるのかもよ。そんなに気にすることないって」
「お願い、せんせ。抱いて。もっと深く感じてみたいの。先生ならできると思う」
淫靡さがまるでない真摯な目が僕を貫く。
「だめだよ。彼氏だっているんだから」
「ううん。もう別れたちゃった。あと、アタシ仕事もやめました。来週からしばらくアメリカに行くんです」
「えっ」
急な話に驚いてチセを見返した。
「去年から考えていたんです。もっともっといろんなことを知りたくて」
「大丈夫なの?いきなり」
「アメリカは学生のころに留学してたのでそんなに心配ないです」
「そうか」
「お願い。お餞別くださいませんか?」
こんなにしおらしいチセを初めて見て僕はドキリとした。双子座の小悪魔的な一面がチラチラ垣間見え僕を翻弄しそうだ。一言も発せずじっとしている僕の手を引いて「突っ立ってないでお風呂いきましょー」と明るく誘った。とりあえず引っ張られるままバスルームに向かう。
「へー。ここはかわいんだあ」
浴室はモザイクタイルが貼ってあり丸い浴槽は小ぶりで二人入るとすし詰めになりそうだ。チセは浴槽をシャワーで流して湯を張り始め、備え付けの小袋を見つけ袋を破き中の液体を入れた。
「バブルバスになりますね」
嬉しそうに湯と泡を眺めている。ぼんやり眺めているとチセは服を脱ぎ始め僕のネクタイも外し始めた。
「あ、ちょっ、と」
「往生際が悪いですよ。遊んでください」
器用にネクタイを外されシャツのボタンにまで手がかかったので僕は「いいよ」と自分で外した。
のろのろと服を脱ぐとすっかり小さな浴槽は泡まみれになっている。チセはすんなりした背中を見せて泡の中に突入していく。
「せんせっ。はやくはやく。きもちいーですよお」
泡の中にもぐったり顔を出したり活きのいい魚のように飛んだり跳ねたりしている。僕も少し愉快な気分になって浴槽に入った。
「ちょっと狭いね」
「そうですね。でもラブホってこんなもんじゃないんですかね」
ふっと両手にのせた泡を吹きかける。
「こらこら」
「せんせえの眼鏡外した顔初めて見た」
「ぼんやりしてるって言いたいんだろう?」
「うーん。こっちのほうが優しく見える」
にっこりしたチセはじっと見た後唇を重ねてきた。
「ん、むぐ、うむ」
小さくて薄い唇は小鳥のようについばんでくる。いつの間にか身体も密着してきていてほっそりとした身体が僕の上で漂っている。
「先生って着痩せするんですね。こんなに逞しいなんて」
「ただの薪割効果だよ」
「そうなんだあ」
チセの手が僕の肩から胸を撫でる。お返しに臀部から背中を撫で上げた。
「ベッドいきましょうよ」
照明を少しだけ落として二人でベッドに入った。小ぶりな胸に舌を這わせるとくすぐったがり身体をくねらせる。全身を軽くタッチし感じる場所を僕は探すことにした。
「あっ」
ぴくっと彼女はかすかに身体を震わせた。――手か……。指先を一本ずつしゃぶる。
「あ、なに、そんなとこ。やだ、センセ……」
完全な性感帯とは言い難いがチセの体温が上昇し頬がピンクに染まっていくのがわかる。指をしゃぶり手の甲にキスをし手首を軽く噛みながら乳首をいじった。
「あはっ、ん、ああん、な、なんかきもちいっ」
文字通り手放せないなと思いながら手から肩までを愛撫し、同時に局部を攻める。肩を噛んでいるころにはもう薄い花びらと淡い茂みは濡れてぐしょぐしょだった。
「チセちゃんって感じやすいんだね。もうこんなだよ」
「え、やだ」
チセの愛液にまみれた人差し指と中指を見せつけ、そのまま彼女の口に擦り付けた。
「自分の味知ってるのかな?」
「そ、そんなこと、知りませんっ」
怒ったように目を見開く彼女の口に指を入れる。
「ちゃんと知らないとだめだよ。特に自分の事はね」
「んむうっ、うう、ふう」
指を抜き差ししながら黙って僕は肉棒を挿入する。ぐじゅっ、ずぶっと普段の軽快なチセから想像できないような濁音が鳴り響く。
「ああああっ、ひっ、い、いきなりっ、あっ、はあっ、だめ、あう」
「チセちゃんは予想できると飽きちゃうだろ、ほら、もっと入るよ」
残りを全て彼女の中に納めてしまい奥をぐりぐりついた。チセの内部は繊細で押し出されるようなきつさを感じる。こっちが進めないと戻されてしまいそうだ。
双子座の飽きっぽさを考慮して僕はコロコロ体位を変え、愛撫する場所も変えた。
「あっあっあっ、はっ、あう、あっ、あ、あん」
短いスタッカートのような喘ぎ声が部屋に響く。小鳥のさえずりのようで可愛らしい。正常位から後背位に変え乳首をいじるころにはもうくすぐったがることはなかった。そして小さな包皮に包まれた花芽をいじってやると大きな声を上げた。
「ああああっ」
イキそうになったのがわかり指先の回転を緩めると「あああ……」と残念そうなうめき声を出した。尻を振って催促をするので叩いてやった。
「あんっ、痛っ、せんせっ、ひどっ、いい、う。も、もう、指止めないでえ」
泣きそうな声で懇願してくる。
「チセはすぐ飽きちゃうからね」
「やだあ、あ、あんっ。うん、んん、はうん」
お望み通りに人差し指の回転を上げ花芽をいじりあげると「ぐぅっ」とつぶれたような声を上げチセは達した。ここからが本番だ。
おそらくチセは男の射精と同様にクリトリスでイクともう続きのセックスには執着しないだろう。気だるげに這いつくばるチセを仰向けにすると満足げな顔で荒い息をしている。身体を抱き起し対面座位にした。
「おしゃべりしようか」
「え、なに?おしゃべりって」
「自分がイッたら終わりじゃないんだよ?」
「あ、そんな……」
図星をつかれたようで顔をそむける。
「ちゃんとこっち向いて。これは鑑定なんだからね。真面目にやらなきゃダメだよ」
「え、鑑定?」
驚いて丸い目をするチセが可愛らしい。
「そうだよ。いつものようにおしゃべりをしなさい。腰を動かしながらね」
「そ、そんなあ」
僕はチセの細い腰を持ち前後に動かす。
「ああ、くう」
少しずつ刺激と快感がよみがえってきたようだ。
「どこが気持ちよかった」
「あ、あの、あん、指が、き、きもち、よくて。あん、あと肩も」
丸い肩をかじってやるとやはり性感帯なのかヴァギナがしまる。
「ほかには?指でイッたんじゃないだろう?」
言葉攻めも効くのだろうか。また締め付けてくる。
「やだ……」
「ちゃんと言いなさい」
彼女の身体をまた倒し両足を肩に担いで上から下に向かって突いた。
「あぐううっ、ふ、深いぃい、あふう、うう」
突きながら花芽をいじると小さいが硬度を増し尖っている。
「もう、そこっ、だめええ」
「そこってどこ?ちゃんと言わないと」
「うううっ。く、くううりとおりすですううぅ」
「よくできました」
チセの片脚をおろし足と足の間へ入り込んで松葉崩しの体位をとった。まさかこの歳になってこんなアクティブな体位をとる羽目になるとは……。
「うっ、はっ、は。どう?深いのがいい?それとも浅いの?チセちゃんは両方かな」
「あああんんん、ああん、あうううう、どっ、どっちも気持ちいですうう」
ぐちゅぐちゅと音を立てながらチセの愛液が飛び散る。
「すごいな。マン汁まみれだ」
「やめてええ。せんせっ、やだああ、あうう」
「やだじゃないだろ。こんなにびちゃびちゃにして。おまんこ気持ちいいと言いなさい」
「いやっ、いやあん」
やはり言葉攻めが効果的らしく卑猥な言葉を投げつけられるたびに感度が増す様だ。
「言わないとやめるよ」
「ああ。やめないで……。うぅう。お、おまん、こきもち、いいですう。ううっ、ああう、あん」
「合格だよ」
僕も限界に達したので残念だがこの辺で終了だ。もう一度、クリトリスをいじって強引にイかせる。
「ぐうううっ。ひっ、ううう……」
「うっ、ぐっ、で、出る」
肉棒を引き抜き彼女の口へ持っていき精液をぶちまける。
「ううう、せんせのお汁う」
「ん、ふっ、ぜ、全部ちゃんと飲むんだよ。う、はっ、ふう」
従順にきちんと飲んでいる。しかし眉間にしわが寄り難しい顔つきをしているのがチセの可愛らしさを強調した。飲み終わったチセは複雑な表情をしつつも目が虚ろになっていきやがて眠ったようだ。さっきまでの情事が嘘のように健やかな寝息を立てている。僕は肩で息をしてまたバスルームに向かった。――老体に鞭打ちすぎだな。
目を覚ますと隣で眠っていたはずのチセは消えていた。慌てて起きだし眼鏡をかけて時計を見るといつもの起床時間である五時半だった。――帰ったのか。
あたりを見渡すとサイドテーブルにメモが残されていた。
『緋月先生 ありがとうございました。すごく素敵な夜でした。飽きる前にちょっと我慢すると気持ちいいんですね(笑)アメリカで頑張ってきます。双見チセ』
チセは万華鏡のような女の子だったと感想をもち、同時に彼女が自分が中学生のころに好きだった同級生に似ていたことを思い出した。当時の僕は今と変わらず地味で内向的だったのでより薄い存在だった。しかし好きだった同級生は屈託なく僕にも明るく声を掛けてきて遊びに誘ってくれた。――ただそれだけだったけど。
過去の恋が別の形で終結した気がする。なんとなく甘酸っぱい気持ちを感じて再び目を閉じた。
「今度ラブホ特集するんで調査ですよ。ほら一人じゃ入りにくいじゃないですかあ」
「いやいや。『ミートゥー』でそんな特集しないでしょ?」
「やっぱばれました?でも、こんなとこで揉めてたら変に思われますよ?早くこっちこっち」
強引に手を引かれホテル内に入ってしまった。ため息をついているとチセは楽しそうに部屋のパネルを眺め声を掛けてくる。
「見てみて、かわいいー。せんせ?今頃のラブホってエッチするだけじゃないんですよ?カラオケとか映画とか。パーティーだってできるし。全然嫌らしくないでしょう?」
「まあ今どきはそうだよね」
先月牛島夫妻とのラブホテルでの出来事を思い出しぼんやり答えると「あ、なんか。先生、最近来た事ありそうな言い方ですね」鋭く突っ込まれた。
「いや、なんか、なにかのニュースで見た気がして……」
しどろもどろの僕に不審な目を向けて
「ふーん。ま、いいですけど。ここ行きますよー」
とお構いなしで部屋を選びさっさと行ってしまった。――帰るとまずいだろうか。見失わないようについていった。
クリーム色の扉を開きチセは中から手を振って「はやくはやく」と僕を急かす。
ため息混じりに頷いて中に入った。
「うわっ」
あまりの明るさに目がくらんだ。
「これぐらい明るいと真昼間の公園って感じですね」
笑いながらチセは大きなやはりクリーム色のベッドに座ってスプリングを確かめながら弾んだ。
「そうだねえ。いきなり昼間になったような気分だよ」
部屋を見渡しているとチセはクローゼットから何やら衣装を取り出してくる。
「どう?せんせ。似合う?」
ナース服だ。
「んん?コスプレ?」
「そうそう、ここコスプレありみたい。ほらまだありますよー」
懐かしいセーラー服とヒョウ柄の着ぐるみのような衣装を引っ張り出しチセは身体に当てた。
「まあ、可愛いね」
「まーた。興味なさそうですね」
「う、うん。あんまり興味ないかな。ごめんね」
ふくれて彼女は衣装を戻した。そしておもむろに僕に近づき両手を包み込むように握り目を覗き込んできた。
「先生ってどんなタイプの女性が好きなんですか?」
まっすぐに邪気のない好奇心が見える瞳だった。
「わからない」
正直に答えた。
「占い師なのに?」
「うん。なんでだろうね」
「人のことはよくわかるのに変ですね」
「だね」
チセは手を握ったまま目を伏せ「アタシのこと教えてください」と呟いた。
「前に鑑定してあげたじゃない」
「ううん。もっと深く。セックスのことが知りたいの。アタシの。どうしても集中できなくて」
「気持ちよくないの?痛いとか」
「いえ。どっちかっていうと気持ちいいと思います。でもなんか飽きちゃう」
「相手がおんなじことばっかりやってるのかもよ。そんなに気にすることないって」
「お願い、せんせ。抱いて。もっと深く感じてみたいの。先生ならできると思う」
淫靡さがまるでない真摯な目が僕を貫く。
「だめだよ。彼氏だっているんだから」
「ううん。もう別れたちゃった。あと、アタシ仕事もやめました。来週からしばらくアメリカに行くんです」
「えっ」
急な話に驚いてチセを見返した。
「去年から考えていたんです。もっともっといろんなことを知りたくて」
「大丈夫なの?いきなり」
「アメリカは学生のころに留学してたのでそんなに心配ないです」
「そうか」
「お願い。お餞別くださいませんか?」
こんなにしおらしいチセを初めて見て僕はドキリとした。双子座の小悪魔的な一面がチラチラ垣間見え僕を翻弄しそうだ。一言も発せずじっとしている僕の手を引いて「突っ立ってないでお風呂いきましょー」と明るく誘った。とりあえず引っ張られるままバスルームに向かう。
「へー。ここはかわいんだあ」
浴室はモザイクタイルが貼ってあり丸い浴槽は小ぶりで二人入るとすし詰めになりそうだ。チセは浴槽をシャワーで流して湯を張り始め、備え付けの小袋を見つけ袋を破き中の液体を入れた。
「バブルバスになりますね」
嬉しそうに湯と泡を眺めている。ぼんやり眺めているとチセは服を脱ぎ始め僕のネクタイも外し始めた。
「あ、ちょっ、と」
「往生際が悪いですよ。遊んでください」
器用にネクタイを外されシャツのボタンにまで手がかかったので僕は「いいよ」と自分で外した。
のろのろと服を脱ぐとすっかり小さな浴槽は泡まみれになっている。チセはすんなりした背中を見せて泡の中に突入していく。
「せんせっ。はやくはやく。きもちいーですよお」
泡の中にもぐったり顔を出したり活きのいい魚のように飛んだり跳ねたりしている。僕も少し愉快な気分になって浴槽に入った。
「ちょっと狭いね」
「そうですね。でもラブホってこんなもんじゃないんですかね」
ふっと両手にのせた泡を吹きかける。
「こらこら」
「せんせえの眼鏡外した顔初めて見た」
「ぼんやりしてるって言いたいんだろう?」
「うーん。こっちのほうが優しく見える」
にっこりしたチセはじっと見た後唇を重ねてきた。
「ん、むぐ、うむ」
小さくて薄い唇は小鳥のようについばんでくる。いつの間にか身体も密着してきていてほっそりとした身体が僕の上で漂っている。
「先生って着痩せするんですね。こんなに逞しいなんて」
「ただの薪割効果だよ」
「そうなんだあ」
チセの手が僕の肩から胸を撫でる。お返しに臀部から背中を撫で上げた。
「ベッドいきましょうよ」
照明を少しだけ落として二人でベッドに入った。小ぶりな胸に舌を這わせるとくすぐったがり身体をくねらせる。全身を軽くタッチし感じる場所を僕は探すことにした。
「あっ」
ぴくっと彼女はかすかに身体を震わせた。――手か……。指先を一本ずつしゃぶる。
「あ、なに、そんなとこ。やだ、センセ……」
完全な性感帯とは言い難いがチセの体温が上昇し頬がピンクに染まっていくのがわかる。指をしゃぶり手の甲にキスをし手首を軽く噛みながら乳首をいじった。
「あはっ、ん、ああん、な、なんかきもちいっ」
文字通り手放せないなと思いながら手から肩までを愛撫し、同時に局部を攻める。肩を噛んでいるころにはもう薄い花びらと淡い茂みは濡れてぐしょぐしょだった。
「チセちゃんって感じやすいんだね。もうこんなだよ」
「え、やだ」
チセの愛液にまみれた人差し指と中指を見せつけ、そのまま彼女の口に擦り付けた。
「自分の味知ってるのかな?」
「そ、そんなこと、知りませんっ」
怒ったように目を見開く彼女の口に指を入れる。
「ちゃんと知らないとだめだよ。特に自分の事はね」
「んむうっ、うう、ふう」
指を抜き差ししながら黙って僕は肉棒を挿入する。ぐじゅっ、ずぶっと普段の軽快なチセから想像できないような濁音が鳴り響く。
「ああああっ、ひっ、い、いきなりっ、あっ、はあっ、だめ、あう」
「チセちゃんは予想できると飽きちゃうだろ、ほら、もっと入るよ」
残りを全て彼女の中に納めてしまい奥をぐりぐりついた。チセの内部は繊細で押し出されるようなきつさを感じる。こっちが進めないと戻されてしまいそうだ。
双子座の飽きっぽさを考慮して僕はコロコロ体位を変え、愛撫する場所も変えた。
「あっあっあっ、はっ、あう、あっ、あ、あん」
短いスタッカートのような喘ぎ声が部屋に響く。小鳥のさえずりのようで可愛らしい。正常位から後背位に変え乳首をいじるころにはもうくすぐったがることはなかった。そして小さな包皮に包まれた花芽をいじってやると大きな声を上げた。
「ああああっ」
イキそうになったのがわかり指先の回転を緩めると「あああ……」と残念そうなうめき声を出した。尻を振って催促をするので叩いてやった。
「あんっ、痛っ、せんせっ、ひどっ、いい、う。も、もう、指止めないでえ」
泣きそうな声で懇願してくる。
「チセはすぐ飽きちゃうからね」
「やだあ、あ、あんっ。うん、んん、はうん」
お望み通りに人差し指の回転を上げ花芽をいじりあげると「ぐぅっ」とつぶれたような声を上げチセは達した。ここからが本番だ。
おそらくチセは男の射精と同様にクリトリスでイクともう続きのセックスには執着しないだろう。気だるげに這いつくばるチセを仰向けにすると満足げな顔で荒い息をしている。身体を抱き起し対面座位にした。
「おしゃべりしようか」
「え、なに?おしゃべりって」
「自分がイッたら終わりじゃないんだよ?」
「あ、そんな……」
図星をつかれたようで顔をそむける。
「ちゃんとこっち向いて。これは鑑定なんだからね。真面目にやらなきゃダメだよ」
「え、鑑定?」
驚いて丸い目をするチセが可愛らしい。
「そうだよ。いつものようにおしゃべりをしなさい。腰を動かしながらね」
「そ、そんなあ」
僕はチセの細い腰を持ち前後に動かす。
「ああ、くう」
少しずつ刺激と快感がよみがえってきたようだ。
「どこが気持ちよかった」
「あ、あの、あん、指が、き、きもち、よくて。あん、あと肩も」
丸い肩をかじってやるとやはり性感帯なのかヴァギナがしまる。
「ほかには?指でイッたんじゃないだろう?」
言葉攻めも効くのだろうか。また締め付けてくる。
「やだ……」
「ちゃんと言いなさい」
彼女の身体をまた倒し両足を肩に担いで上から下に向かって突いた。
「あぐううっ、ふ、深いぃい、あふう、うう」
突きながら花芽をいじると小さいが硬度を増し尖っている。
「もう、そこっ、だめええ」
「そこってどこ?ちゃんと言わないと」
「うううっ。く、くううりとおりすですううぅ」
「よくできました」
チセの片脚をおろし足と足の間へ入り込んで松葉崩しの体位をとった。まさかこの歳になってこんなアクティブな体位をとる羽目になるとは……。
「うっ、はっ、は。どう?深いのがいい?それとも浅いの?チセちゃんは両方かな」
「あああんんん、ああん、あうううう、どっ、どっちも気持ちいですうう」
ぐちゅぐちゅと音を立てながらチセの愛液が飛び散る。
「すごいな。マン汁まみれだ」
「やめてええ。せんせっ、やだああ、あうう」
「やだじゃないだろ。こんなにびちゃびちゃにして。おまんこ気持ちいいと言いなさい」
「いやっ、いやあん」
やはり言葉攻めが効果的らしく卑猥な言葉を投げつけられるたびに感度が増す様だ。
「言わないとやめるよ」
「ああ。やめないで……。うぅう。お、おまん、こきもち、いいですう。ううっ、ああう、あん」
「合格だよ」
僕も限界に達したので残念だがこの辺で終了だ。もう一度、クリトリスをいじって強引にイかせる。
「ぐうううっ。ひっ、ううう……」
「うっ、ぐっ、で、出る」
肉棒を引き抜き彼女の口へ持っていき精液をぶちまける。
「ううう、せんせのお汁う」
「ん、ふっ、ぜ、全部ちゃんと飲むんだよ。う、はっ、ふう」
従順にきちんと飲んでいる。しかし眉間にしわが寄り難しい顔つきをしているのがチセの可愛らしさを強調した。飲み終わったチセは複雑な表情をしつつも目が虚ろになっていきやがて眠ったようだ。さっきまでの情事が嘘のように健やかな寝息を立てている。僕は肩で息をしてまたバスルームに向かった。――老体に鞭打ちすぎだな。
目を覚ますと隣で眠っていたはずのチセは消えていた。慌てて起きだし眼鏡をかけて時計を見るといつもの起床時間である五時半だった。――帰ったのか。
あたりを見渡すとサイドテーブルにメモが残されていた。
『緋月先生 ありがとうございました。すごく素敵な夜でした。飽きる前にちょっと我慢すると気持ちいいんですね(笑)アメリカで頑張ってきます。双見チセ』
チセは万華鏡のような女の子だったと感想をもち、同時に彼女が自分が中学生のころに好きだった同級生に似ていたことを思い出した。当時の僕は今と変わらず地味で内向的だったのでより薄い存在だった。しかし好きだった同級生は屈託なく僕にも明るく声を掛けてきて遊びに誘ってくれた。――ただそれだけだったけど。
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