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第二部
第91話 ロナの心内
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「ん、いいよ」
ロナは快く頷いてから、自分の太腿の上で眠っている相棒を眺めた。
そうしてしばし、彼と出会ってからの二週間に満たない……しかし自分の人生の中で最も充実していた時を振り返る。
「……じゃあ話すね」
やがて内容がまとまった彼女は、ポツリポツリと、少しずつ彼との思い出を語りはじめた。
里を出たは良いものの、例の称号のせいで一向に仕事が見つからず、金も尽き、路地裏で行き倒れになったところから────。
暴漢に襲われそうになり、助けられる形でザンと出会ったこと。
ザンは事故で呪われたばかりだったこと。
そんな状況なのに、助けてくれた上で二万ベル分もご飯をご馳走してくれ、さらに宿まで用意してくれたこと。
一緒に開けたパンドラの箱の中に、『強制互角』が入っていたこと。
ザンは呪われた身とその『強制互角』との相性の良さをすぐに見つけ、それを利用したダンジョン攻略に誘ってくれたこと。
初めて、男の人と一緒の部屋で寝たこと。……いかがわしい手出しをしてこなかったこと。
本当にダンジョン攻略を簡単に済ませてしまえたこと。
そうして【究極大器晩成】から解放されたこと。
宝具をたくさん譲ってくれたこと。
人生で初めての友達になってくれたこと……!
それから、それから ────。
こうしてロナは今日までの全てを叔父に話した。
そして彼女自身も、話せば話すほどに、自分がどれほどザンの世話になっているかを改めて思い知る。
ロナが語り終わると同時に、それまで静かに聞いていた叔父は、自分の顎に手を添えながら話を切り出した。
「ふむッ。あの里で過ごすよりはよっぽど楽しそうで何よりだが……どうにも小僧の世話になりっぱなしのようだなッ」
「そう! そうなの……! な、なにか恩返しする方法ないかな?」
「もしや、そのうち全ての恩を精算するつもりなのか?」
「うん……」
「ハハハッ、そりゃ無理だな!」
ザスターはそう、キッパリと返答した。
自分の知る人間の中で、もっともなんでもできる人に匙を投げられたロナは、ショックを受けて目を丸くする。
しかし、そんな彼女をよそに叔父はまだ話を続けた。
「いいか? まず、その小僧はダンジョン攻略を好き放題できる力を持っている。故に普通にモノや金で返す意味があまりない」
「う、うん……」
「ならばコイツが命の危険に晒された時、身を挺して守るか? 残念ながらそれも違う。お前達は側からみれば補助魔法役と近接武器 兼 盾役のような関係だろッ? 盾役が魔法役を守るのは至極当然、ただの仕事だッ! むしろ、共に行動していてコイツが傷を負ったら基本的には貴様のミスだ」
「……だ、ね」
今言われたことは、ロナだって元から理解していた。
しかし改めてそう言われると、どれほど自分のしようとしていることが無謀かを思い知らされる。
ただ、自分は、ザンに恩返しをしたいだけなのに。
「ま、状況だけで言えばあのバカ四人衆も一緒だなッ。どうやら、小僧は周りに恩を振り撒く体質みたいだ。稀に居るんだよなー、そういうヤツ。ちなみにオレ様もそうだッ! ……まあ、このまま一緒に居れば、むしろ『恩』が積み重なってく一方だろうなッ!」
「そう、だね……」
「だが、実は一つだけ……お前にしかできない、全ての貸しをある程度、帳消しにする方法があるんだがッ……!」
「え、ええっ!?」
ロナはまた、別の意味で目を丸くする。
それと同時に内心で、こんな簡単にそんなことを思いつくなんてやっぱり自分の叔父はすごいのだと、尊敬し直した。
「ほ、ほんとっ⁉︎」
「知りたいか?」
「うん、うんっ! 知りたいっ!」
『恩返し』ではなく『貸しを帳消しにする』と言ったのには違和感を感じたが、それでもロナは聞かずにはいられなかった。
彼女は時折、ザンに対して申し訳なさで胸がいっぱいになる。その瞬間から解放されたかった。
一方で叔父はこれから悪戯をする悪ガキのような邪悪な笑みを浮かべるが……彼女はそのことに気がつかない。
「フッ、ならば教えてやろうッ! それはなッ……」
「そ、それは?」
「お前が小僧のもとに嫁げば良いのだッ! 仕事上の相棒ではなく、人生の相棒……つまり家族になってしまえば、貸し借りなど些細な問題になるッ! どうだ?」
「……ふぇ?」
「ふぇ、じゃなくて」
「え、あ、いゃ……ぇ、えええ⁉︎」
叔父から放たれる所謂「お前ら結婚しろ」という言葉は、ロナを戸惑わせるには十分であった。
予想通りの初々しい反応を、性悪な叔父は楽しみながら、さらに畳み掛けるよう言葉をかける。
「ハハハハハッ、なにか問題があるか? お前、そいつのこと好いてるだろうッ?」
「や、そ、すっ……すすす、すっ……!」
「落ち着け。そして冷静に……そうだ正直になれッ。本人は寝てるし、聞いてるのはオレという身内だけだ。ほれ、話しちまえよー、なッ?」
幼い頃から知っている姪が、今、恋をしている。
古道具屋で話し合っていた頃から、ザスターは彼女の態度を見てそれに気がついており……そして先程、膝枕を嬉々として受け入れたことから確信に変わった。
それからずっと、こうしてからかってやろうと思っていたのだった。
面倒くさいタイプの親戚と化した彼は、姪っ子がその顔を彼女自身の髪のように真っ赤にするのを見て、より一層ニヤニヤを深める。
当のロナはそれから三分ほどモジモジした後、たどたどしく、ゆっくりと、口を開いた。
「どして、わかたの……?」
「お、認めるか」
「……」
ロナは黙って頷いた。
頷くしかなかった、事実だから。
「ハハハハハ! それはな。お前、古道具屋でそいつの服の袖を掴んで話してただろッ。好きでなければそんなことできん。非常にわかりやすかったぞ」
「……うっ‼︎」
「それにな、竜族ってのは己で認めた異性に惚れやすい特性もあるッ。故に幾つも一生モノの恩をそいつから受け取ったのなら、お前が惚れるのも仕方あるまいッ」
「……ぁう、うぅ……っ!」
恥ずかしさが頂点に達したロナは、ついに両手で自分の顔を隠す。
叔父に言われた内容だけでそうなったのではない。「わかりやすかった」と言われ、思い出したのだ。
いままで接してきたお店の店員さんや、数日だけ滞在した『リブラの天秤』の冒険者達が、ザンと二人で居るときに向けてくる、謎の温かな視線のことを。
つまりそれは、そういう意味だったのだと気がついてしまった。
「で、どうなんだッ。恩返しという縛りを無くせて、好きな相手と永く過ごせるッ! コレはいいんじゃないかッ? 言っておくが、オレ様は貴様らの結婚に賛成してやってもいいぞッ! その小僧はなかなか面白いからなッ」
ザスターにとってそれは、茶化し一割、本音九割の言葉であった。
彼は今までロナの反応を、ただ無意味に面白がっていたわけではない。
この年齢まで虐げられていた姪を直接救い出すことができなかった後悔が、今も心の片隅にある。
それに対して、王都に来てからも希望を見出せず精神的に弱っていたであろう彼女を、ザンという少年はたった数日のやり取りで、すっかり笑顔にして見せた。
故に任せるべきだと判断した。
もはや、彼女をもっとも幸せにできるのは彼なのだと考えていた。
それに、ザン自身もロナにだいぶ気があることは、思い出話を聞いてなんとなく察した。好きでもなければやらない行動ばかりしていたためだ。
故にこうして、ザスターはロナの背中を一押ししてみたのだったが……。
彼女は顔を隠したまま、首を横に振ったのだった。
「……むり」
「なに?」
「無理だよ、私じゃザンに釣り合わない……」
「……なッ! ……そ、そうか」
ザスターはそれでも竜族かと、一瞬怒鳴りそうになった。
が、しかし。
環境のせいで種族の中ではかなりの気弱に育ってしまった彼女が、こうして恋愛に対しても弱腰になってしまうことは、事前に予測しておくべきだったと、むしろ反省をする。
そして、すぐに考えを改め、新たな提案をすることにした。
「ならば仕方ないッ……」
「……うん」
「しかし、そんなので初恋を諦めるのはもったいないよなッ」
「……ん?」
「ならばどうだ? 恩返しに注意を向けるのは一旦やめ、そいつに見合うよう努力を重ねるッてのは! 努力は好きだろ、お前」
「え……あ、そ……そっか! そっか‼︎ そうだよね! そ……そうするよッ!」
叔父は、世間的には普通のことを言った。
しかし里の者達と同様に……なんならそれ以上に自分で自分を否定して続けてきたロナにとって、それは新しい発想だった。
今の自分じゃダメでも未来の自分なら釣り合うかもしれない、そういう発想はなかったのだ。
こうして彼女の中で、新しい目標ができる。
そんなやる気を燃え上がらせた彼女を見て、ザスターは、こうなったらザンが告白する方が早そうだなと考えたのであった──── 。
◇◇◇
=====
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ロナは快く頷いてから、自分の太腿の上で眠っている相棒を眺めた。
そうしてしばし、彼と出会ってからの二週間に満たない……しかし自分の人生の中で最も充実していた時を振り返る。
「……じゃあ話すね」
やがて内容がまとまった彼女は、ポツリポツリと、少しずつ彼との思い出を語りはじめた。
里を出たは良いものの、例の称号のせいで一向に仕事が見つからず、金も尽き、路地裏で行き倒れになったところから────。
暴漢に襲われそうになり、助けられる形でザンと出会ったこと。
ザンは事故で呪われたばかりだったこと。
そんな状況なのに、助けてくれた上で二万ベル分もご飯をご馳走してくれ、さらに宿まで用意してくれたこと。
一緒に開けたパンドラの箱の中に、『強制互角』が入っていたこと。
ザンは呪われた身とその『強制互角』との相性の良さをすぐに見つけ、それを利用したダンジョン攻略に誘ってくれたこと。
初めて、男の人と一緒の部屋で寝たこと。……いかがわしい手出しをしてこなかったこと。
本当にダンジョン攻略を簡単に済ませてしまえたこと。
そうして【究極大器晩成】から解放されたこと。
宝具をたくさん譲ってくれたこと。
人生で初めての友達になってくれたこと……!
それから、それから ────。
こうしてロナは今日までの全てを叔父に話した。
そして彼女自身も、話せば話すほどに、自分がどれほどザンの世話になっているかを改めて思い知る。
ロナが語り終わると同時に、それまで静かに聞いていた叔父は、自分の顎に手を添えながら話を切り出した。
「ふむッ。あの里で過ごすよりはよっぽど楽しそうで何よりだが……どうにも小僧の世話になりっぱなしのようだなッ」
「そう! そうなの……! な、なにか恩返しする方法ないかな?」
「もしや、そのうち全ての恩を精算するつもりなのか?」
「うん……」
「ハハハッ、そりゃ無理だな!」
ザスターはそう、キッパリと返答した。
自分の知る人間の中で、もっともなんでもできる人に匙を投げられたロナは、ショックを受けて目を丸くする。
しかし、そんな彼女をよそに叔父はまだ話を続けた。
「いいか? まず、その小僧はダンジョン攻略を好き放題できる力を持っている。故に普通にモノや金で返す意味があまりない」
「う、うん……」
「ならばコイツが命の危険に晒された時、身を挺して守るか? 残念ながらそれも違う。お前達は側からみれば補助魔法役と近接武器 兼 盾役のような関係だろッ? 盾役が魔法役を守るのは至極当然、ただの仕事だッ! むしろ、共に行動していてコイツが傷を負ったら基本的には貴様のミスだ」
「……だ、ね」
今言われたことは、ロナだって元から理解していた。
しかし改めてそう言われると、どれほど自分のしようとしていることが無謀かを思い知らされる。
ただ、自分は、ザンに恩返しをしたいだけなのに。
「ま、状況だけで言えばあのバカ四人衆も一緒だなッ。どうやら、小僧は周りに恩を振り撒く体質みたいだ。稀に居るんだよなー、そういうヤツ。ちなみにオレ様もそうだッ! ……まあ、このまま一緒に居れば、むしろ『恩』が積み重なってく一方だろうなッ!」
「そう、だね……」
「だが、実は一つだけ……お前にしかできない、全ての貸しをある程度、帳消しにする方法があるんだがッ……!」
「え、ええっ!?」
ロナはまた、別の意味で目を丸くする。
それと同時に内心で、こんな簡単にそんなことを思いつくなんてやっぱり自分の叔父はすごいのだと、尊敬し直した。
「ほ、ほんとっ⁉︎」
「知りたいか?」
「うん、うんっ! 知りたいっ!」
『恩返し』ではなく『貸しを帳消しにする』と言ったのには違和感を感じたが、それでもロナは聞かずにはいられなかった。
彼女は時折、ザンに対して申し訳なさで胸がいっぱいになる。その瞬間から解放されたかった。
一方で叔父はこれから悪戯をする悪ガキのような邪悪な笑みを浮かべるが……彼女はそのことに気がつかない。
「フッ、ならば教えてやろうッ! それはなッ……」
「そ、それは?」
「お前が小僧のもとに嫁げば良いのだッ! 仕事上の相棒ではなく、人生の相棒……つまり家族になってしまえば、貸し借りなど些細な問題になるッ! どうだ?」
「……ふぇ?」
「ふぇ、じゃなくて」
「え、あ、いゃ……ぇ、えええ⁉︎」
叔父から放たれる所謂「お前ら結婚しろ」という言葉は、ロナを戸惑わせるには十分であった。
予想通りの初々しい反応を、性悪な叔父は楽しみながら、さらに畳み掛けるよう言葉をかける。
「ハハハハハッ、なにか問題があるか? お前、そいつのこと好いてるだろうッ?」
「や、そ、すっ……すすす、すっ……!」
「落ち着け。そして冷静に……そうだ正直になれッ。本人は寝てるし、聞いてるのはオレという身内だけだ。ほれ、話しちまえよー、なッ?」
幼い頃から知っている姪が、今、恋をしている。
古道具屋で話し合っていた頃から、ザスターは彼女の態度を見てそれに気がついており……そして先程、膝枕を嬉々として受け入れたことから確信に変わった。
それからずっと、こうしてからかってやろうと思っていたのだった。
面倒くさいタイプの親戚と化した彼は、姪っ子がその顔を彼女自身の髪のように真っ赤にするのを見て、より一層ニヤニヤを深める。
当のロナはそれから三分ほどモジモジした後、たどたどしく、ゆっくりと、口を開いた。
「どして、わかたの……?」
「お、認めるか」
「……」
ロナは黙って頷いた。
頷くしかなかった、事実だから。
「ハハハハハ! それはな。お前、古道具屋でそいつの服の袖を掴んで話してただろッ。好きでなければそんなことできん。非常にわかりやすかったぞ」
「……うっ‼︎」
「それにな、竜族ってのは己で認めた異性に惚れやすい特性もあるッ。故に幾つも一生モノの恩をそいつから受け取ったのなら、お前が惚れるのも仕方あるまいッ」
「……ぁう、うぅ……っ!」
恥ずかしさが頂点に達したロナは、ついに両手で自分の顔を隠す。
叔父に言われた内容だけでそうなったのではない。「わかりやすかった」と言われ、思い出したのだ。
いままで接してきたお店の店員さんや、数日だけ滞在した『リブラの天秤』の冒険者達が、ザンと二人で居るときに向けてくる、謎の温かな視線のことを。
つまりそれは、そういう意味だったのだと気がついてしまった。
「で、どうなんだッ。恩返しという縛りを無くせて、好きな相手と永く過ごせるッ! コレはいいんじゃないかッ? 言っておくが、オレ様は貴様らの結婚に賛成してやってもいいぞッ! その小僧はなかなか面白いからなッ」
ザスターにとってそれは、茶化し一割、本音九割の言葉であった。
彼は今までロナの反応を、ただ無意味に面白がっていたわけではない。
この年齢まで虐げられていた姪を直接救い出すことができなかった後悔が、今も心の片隅にある。
それに対して、王都に来てからも希望を見出せず精神的に弱っていたであろう彼女を、ザンという少年はたった数日のやり取りで、すっかり笑顔にして見せた。
故に任せるべきだと判断した。
もはや、彼女をもっとも幸せにできるのは彼なのだと考えていた。
それに、ザン自身もロナにだいぶ気があることは、思い出話を聞いてなんとなく察した。好きでもなければやらない行動ばかりしていたためだ。
故にこうして、ザスターはロナの背中を一押ししてみたのだったが……。
彼女は顔を隠したまま、首を横に振ったのだった。
「……むり」
「なに?」
「無理だよ、私じゃザンに釣り合わない……」
「……なッ! ……そ、そうか」
ザスターはそれでも竜族かと、一瞬怒鳴りそうになった。
が、しかし。
環境のせいで種族の中ではかなりの気弱に育ってしまった彼女が、こうして恋愛に対しても弱腰になってしまうことは、事前に予測しておくべきだったと、むしろ反省をする。
そして、すぐに考えを改め、新たな提案をすることにした。
「ならば仕方ないッ……」
「……うん」
「しかし、そんなので初恋を諦めるのはもったいないよなッ」
「……ん?」
「ならばどうだ? 恩返しに注意を向けるのは一旦やめ、そいつに見合うよう努力を重ねるッてのは! 努力は好きだろ、お前」
「え……あ、そ……そっか! そっか‼︎ そうだよね! そ……そうするよッ!」
叔父は、世間的には普通のことを言った。
しかし里の者達と同様に……なんならそれ以上に自分で自分を否定して続けてきたロナにとって、それは新しい発想だった。
今の自分じゃダメでも未来の自分なら釣り合うかもしれない、そういう発想はなかったのだ。
こうして彼女の中で、新しい目標ができる。
そんなやる気を燃え上がらせた彼女を見て、ザスターは、こうなったらザンが告白する方が早そうだなと考えたのであった──── 。
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