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290話 さらに重い空気でございます!
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思い返せば、最初の魔王軍幹部、サナトスファビドの毒に対処できるのは私だけだったからまあ、それは仕方ないし、次のグラブア……あいつに関しても私が偶然知り合ったんだし、というか目をつけられてたわけで戦わざるを得なかった。でも残り二匹にはケル君の推理は当てはまる。
今回の事件が始まってからケル君の頭脳がキレッキレなので注目してた人は多かったのか、ガーベラさんとのただの話し合いにも関わらず今の話は結構聞かれていたみたい。あ母さんもおじいさんもしっかりと。
「そう、そうよね……なんで私達、自分の可愛い娘を進んで死地に送り出すような真似を……」
「ワシやグライド君が居たとはいえ。そうじゃよ、そもそも最初からノアとグライド君、あるいはワシがクロと二人で魔王軍幹部討伐に向かっておれば……」
今日はネガティブになりやすい空気だということもあり、先程から重なってお母さんとおじいさんは精神的にダメージを受けている様子。それに気がついたロモンちゃんとリンネちゃんは二人の元に寄って行きなぐさめ始めた。ならそっちは双子に任せるとして、私はケル君ともうすこし推理を深めようかしら。
そう思っていた矢先、急に、今までよりもズシリと空気が重くなった。それは比喩表現であるというレベルではなく、実際に吸ってる空気全てが重さを持ったような感じ。普通じゃない。嫌な空気だな程度に単純に考えていい代物ではない。
「うっ……!? はぁ……はぁ……な、なんだ!?」
「くぅ……ん」
「ガルルルル……ル……」
「い、息がはぁ……はぁ……苦し……」
【こ……これは……なんだゾ……?】
どうやら私だけではなく、全員に等しくこの山に登ってる最中みたいな症状は起こっているみたい。私でもこの状態を緩和させるのは無理ね。回復魔法の分野じゃないし、空気自体を作り出す魔法なんてないし。ここにいる人達は全員もれなく城に仕えてるか冒険者だから鍛えてるだろうしこの空気の重さでも大丈夫だろうけど、もし外でも同じなら一般の人はどうなってるのかしら。体の弱い老人などはへたすると……。
兵士さんのうち三人くらいが城内と外の様子を見てくると言って重そうに体を引きずりながらゆっくりと上へと続く階段を登っていった。しばらくしてそのうち一人が、様子を見に行った他二人とは別の、かなり慌てた様子の兵士さんを連れてやってきた。
ロモンちゃんとリンネちゃんになぐさめてもらっていたおじいさんは、一度二人の元を離れ、戻ってきた二人の兵士さんの側による。
「どうだったんじゃ? 何かあったのか?」
「はっ……! 城内もやはりここと同じように、空気が重たく、呼吸がしにくい環境へと変わっていまし……ふぅ。おそらく外も同じかと」
「そうかそうか、で、お主は?」
「はっ……! 実は預言者様が騒ぎ出しまして、国王様がジーゼフ総騎士団長様を呼んで来いと、仰っているそうで……はぁ……ふぅ……」
「ワシだけで良いのか?」
「まずは……貴方様に預言者様の言い分を聞いていただき……それから判断してもらう……という、ことで……。ま、魔物に関わるのでノア騎士団長様もお呼びする可能性はあるとのことです」
「……そう、わかったわ。じゃあ呼ばれるまで私はここで調査を続けてる」
「ではジーゼフ様」
「ああ。あとは皆、任せたぞ。ノアはここの指揮をとりなさい」
おじいさんと兵士さん二人は地下室を去った。
この国の王様がおじいさんを呼び出しね。それも預言者が騒ぎ出したから。……本では災害やら魔物の甚大な害やらを日々予知する預言者が必ずどの国にも居て、実際この国の預言者もいくつもの預言をし、最悪の事態を回避したりしてきたらしいというのを見かけたことが何度もある。人間の中にもおじいさんみたいに、半魔半人レベルの特異な能力を持ったら人がいるし、そういう類、そういう血筋の人間なんでしょう。世襲制らしいし。そんな人が騒ぎ出してる……? まあこの空気事態どう考えても普通じゃないし……何かあるって考えない方がおかしいけど。
「ふぅ。まず体調が悪い人はいない?」
「ノア団長こそ……なんともないんですか? 娘さんたちも……」
そういえば空気が重くて辛いとはいえ、私含めてロモンちゃんもリンネちゃんもケル君もほかの兵士さん達ほど苦しんでる様子はないわね。あ、ガーベラさんも。普段から結構ハードに鍛えてるからかしら。
ただ、今はケル君とベスさん以外の犬の魔物はへばってもう動けなさそうだし、そもそもロモンちゃんとお母さん以外の魔物使いさん達もアウト。調査をこれ以上続けるのは無理そうね。
「んー、ひとまず私の部隊の子達は自分のパートナーのケアに入って。他の兵士達は様子を見ながら各所で援助するように」
「は……はっ!」
「まともに動けるのは私達だけみたいだし、調査はケルとベスだけで続けましょうか。……あと、彼氏君」
「は、はいっ」
「悪いんだけど手伝って? それにしても貴方も私達と同じくらいかそれ以上に鍛えてるのね?」
「……自分の彼女をいざという時守れないのは嫌なので」
「ふふ、そっかそっか」
む、ガーベラさんったらなにもこんな大人数いるところで言わなくていいじゃない。魔物や本人のケアをしてる兵士さんや魔物使いさん達がニヤニヤしてるわ。元気がないんじゃなかったのかしら。
そういうわけでガーベラさんも本格的に加わって私達身内だけでの調査が始まった。一番頭がいいであろうケル君がこれからなにを見るべきか述べた。
【軽くまとめると、オイラとママ以外にも亀の魔物の臭いを感知したことで、ここにそいつが侵入したことはわかったゾ。今からすべきはどういった方法で城内に入り込み、どうやって持ち出して脱出したかを調べることだゾ】
「それで、どうするの?」
【まずママとオイラが頑張って、臭いの濃さの違いで通った道順を暴いてみるゾ。絵が上手なアイリスが経路を書き、リンネとガーベラが細かな記録を、ノアとロモンはオイラ達の感覚を研ぎ澄ますため、魔人融体するんだゾ】
「ねぇ、アイリス。俺ってケル君を見るたびに思うんだけど、あの子って人間でいえば双子より年下なんだよね? 本当にそうなんだよね?」
「ええ……まだまだ子供です。ちょっと自信なくなってきましたが」
私達はケル君の指示した通りに頑張って調査をした。休憩中の兵士さん達より症状は軽いとはいえ、重たい空気の中で慎重に調査をこなすのは大変だった。魔人融体してるロモンちゃんとお母さんは、一旦休ませなきゃいけなくなったし。だから三十分くらいしかまともにできなかったかしら。でも大方、相手がどのように部屋を動き回ったかもわかったし収穫はあった。
「うー……」
「はぁ……はぁ……あー、疲れたわ……」
「お母さん、ロモン、大丈夫?」
「私の回復魔法で多少楽になりませんかね?」
【やってみるんだゾ……ん?】
私が二人に最大の回復魔法を唱えようとしたその時、階段からまた慌てて誰かが降りてくる音がした。さっきの兵士さん二人だ。相変わらず体調悪そう。お母さんじゃ対応はちょっとキツそうなので私がその二人の相手をすることにした。
「今度はどうされました?」
「よ、預言者様と国王様がお呼びです……!」
「お母さんをですか?」
「いえ、預言者様が……魔王軍幹部討伐に表立って活躍した人物全員を連れて来いと! ですのでリンネ殿、ロモン殿、アイリス殿、ケル殿にもお越しいただきたい」
「私たちですか……?」
預言者さんが私たちのことを呼んでいて、国王の元へ来いと言っている。つまり、私は初めてこの国の国王と対面するということになるのかしら。……デートのためにいい服着ておいてよかったわ。
#####
次の投稿は6/10です!
今回の事件が始まってからケル君の頭脳がキレッキレなので注目してた人は多かったのか、ガーベラさんとのただの話し合いにも関わらず今の話は結構聞かれていたみたい。あ母さんもおじいさんもしっかりと。
「そう、そうよね……なんで私達、自分の可愛い娘を進んで死地に送り出すような真似を……」
「ワシやグライド君が居たとはいえ。そうじゃよ、そもそも最初からノアとグライド君、あるいはワシがクロと二人で魔王軍幹部討伐に向かっておれば……」
今日はネガティブになりやすい空気だということもあり、先程から重なってお母さんとおじいさんは精神的にダメージを受けている様子。それに気がついたロモンちゃんとリンネちゃんは二人の元に寄って行きなぐさめ始めた。ならそっちは双子に任せるとして、私はケル君ともうすこし推理を深めようかしら。
そう思っていた矢先、急に、今までよりもズシリと空気が重くなった。それは比喩表現であるというレベルではなく、実際に吸ってる空気全てが重さを持ったような感じ。普通じゃない。嫌な空気だな程度に単純に考えていい代物ではない。
「うっ……!? はぁ……はぁ……な、なんだ!?」
「くぅ……ん」
「ガルルルル……ル……」
「い、息がはぁ……はぁ……苦し……」
【こ……これは……なんだゾ……?】
どうやら私だけではなく、全員に等しくこの山に登ってる最中みたいな症状は起こっているみたい。私でもこの状態を緩和させるのは無理ね。回復魔法の分野じゃないし、空気自体を作り出す魔法なんてないし。ここにいる人達は全員もれなく城に仕えてるか冒険者だから鍛えてるだろうしこの空気の重さでも大丈夫だろうけど、もし外でも同じなら一般の人はどうなってるのかしら。体の弱い老人などはへたすると……。
兵士さんのうち三人くらいが城内と外の様子を見てくると言って重そうに体を引きずりながらゆっくりと上へと続く階段を登っていった。しばらくしてそのうち一人が、様子を見に行った他二人とは別の、かなり慌てた様子の兵士さんを連れてやってきた。
ロモンちゃんとリンネちゃんになぐさめてもらっていたおじいさんは、一度二人の元を離れ、戻ってきた二人の兵士さんの側による。
「どうだったんじゃ? 何かあったのか?」
「はっ……! 城内もやはりここと同じように、空気が重たく、呼吸がしにくい環境へと変わっていまし……ふぅ。おそらく外も同じかと」
「そうかそうか、で、お主は?」
「はっ……! 実は預言者様が騒ぎ出しまして、国王様がジーゼフ総騎士団長様を呼んで来いと、仰っているそうで……はぁ……ふぅ……」
「ワシだけで良いのか?」
「まずは……貴方様に預言者様の言い分を聞いていただき……それから判断してもらう……という、ことで……。ま、魔物に関わるのでノア騎士団長様もお呼びする可能性はあるとのことです」
「……そう、わかったわ。じゃあ呼ばれるまで私はここで調査を続けてる」
「ではジーゼフ様」
「ああ。あとは皆、任せたぞ。ノアはここの指揮をとりなさい」
おじいさんと兵士さん二人は地下室を去った。
この国の王様がおじいさんを呼び出しね。それも預言者が騒ぎ出したから。……本では災害やら魔物の甚大な害やらを日々予知する預言者が必ずどの国にも居て、実際この国の預言者もいくつもの預言をし、最悪の事態を回避したりしてきたらしいというのを見かけたことが何度もある。人間の中にもおじいさんみたいに、半魔半人レベルの特異な能力を持ったら人がいるし、そういう類、そういう血筋の人間なんでしょう。世襲制らしいし。そんな人が騒ぎ出してる……? まあこの空気事態どう考えても普通じゃないし……何かあるって考えない方がおかしいけど。
「ふぅ。まず体調が悪い人はいない?」
「ノア団長こそ……なんともないんですか? 娘さんたちも……」
そういえば空気が重くて辛いとはいえ、私含めてロモンちゃんもリンネちゃんもケル君もほかの兵士さん達ほど苦しんでる様子はないわね。あ、ガーベラさんも。普段から結構ハードに鍛えてるからかしら。
ただ、今はケル君とベスさん以外の犬の魔物はへばってもう動けなさそうだし、そもそもロモンちゃんとお母さん以外の魔物使いさん達もアウト。調査をこれ以上続けるのは無理そうね。
「んー、ひとまず私の部隊の子達は自分のパートナーのケアに入って。他の兵士達は様子を見ながら各所で援助するように」
「は……はっ!」
「まともに動けるのは私達だけみたいだし、調査はケルとベスだけで続けましょうか。……あと、彼氏君」
「は、はいっ」
「悪いんだけど手伝って? それにしても貴方も私達と同じくらいかそれ以上に鍛えてるのね?」
「……自分の彼女をいざという時守れないのは嫌なので」
「ふふ、そっかそっか」
む、ガーベラさんったらなにもこんな大人数いるところで言わなくていいじゃない。魔物や本人のケアをしてる兵士さんや魔物使いさん達がニヤニヤしてるわ。元気がないんじゃなかったのかしら。
そういうわけでガーベラさんも本格的に加わって私達身内だけでの調査が始まった。一番頭がいいであろうケル君がこれからなにを見るべきか述べた。
【軽くまとめると、オイラとママ以外にも亀の魔物の臭いを感知したことで、ここにそいつが侵入したことはわかったゾ。今からすべきはどういった方法で城内に入り込み、どうやって持ち出して脱出したかを調べることだゾ】
「それで、どうするの?」
【まずママとオイラが頑張って、臭いの濃さの違いで通った道順を暴いてみるゾ。絵が上手なアイリスが経路を書き、リンネとガーベラが細かな記録を、ノアとロモンはオイラ達の感覚を研ぎ澄ますため、魔人融体するんだゾ】
「ねぇ、アイリス。俺ってケル君を見るたびに思うんだけど、あの子って人間でいえば双子より年下なんだよね? 本当にそうなんだよね?」
「ええ……まだまだ子供です。ちょっと自信なくなってきましたが」
私達はケル君の指示した通りに頑張って調査をした。休憩中の兵士さん達より症状は軽いとはいえ、重たい空気の中で慎重に調査をこなすのは大変だった。魔人融体してるロモンちゃんとお母さんは、一旦休ませなきゃいけなくなったし。だから三十分くらいしかまともにできなかったかしら。でも大方、相手がどのように部屋を動き回ったかもわかったし収穫はあった。
「うー……」
「はぁ……はぁ……あー、疲れたわ……」
「お母さん、ロモン、大丈夫?」
「私の回復魔法で多少楽になりませんかね?」
【やってみるんだゾ……ん?】
私が二人に最大の回復魔法を唱えようとしたその時、階段からまた慌てて誰かが降りてくる音がした。さっきの兵士さん二人だ。相変わらず体調悪そう。お母さんじゃ対応はちょっとキツそうなので私がその二人の相手をすることにした。
「今度はどうされました?」
「よ、預言者様と国王様がお呼びです……!」
「お母さんをですか?」
「いえ、預言者様が……魔王軍幹部討伐に表立って活躍した人物全員を連れて来いと! ですのでリンネ殿、ロモン殿、アイリス殿、ケル殿にもお越しいただきたい」
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預言者さんが私たちのことを呼んでいて、国王の元へ来いと言っている。つまり、私は初めてこの国の国王と対面するということになるのかしら。……デートのためにいい服着ておいてよかったわ。
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