40 / 378
40話 ギルドでの初仕事でございます!
しおりを挟む朝食を二人が起きちゃう前に用意した。
チーズとパンだなんだけど、手持ちの食料だと朝食はこの程度しか作れない。
ベットのほうからモゾモゾと何かが音が聞こえた後、二人分の欠伸も聞こえた。
うちの美人双子姉妹が起きたみたいだね。
「ふぁぁ……アイリスちゃん、おはお~」
「おはよー…あー、よく寝た」
【お二人とも、朝ごはんの用意ができております。顔を洗って着替えたら食べましょう】
「「うん~」」
私の言葉に従って、二人とも顔を洗って着替える。
その着替えシーンを私は小石視点を悪用して覗く。
別に堂々とみても良いんだけど覗いた方が、こう……気持ちが高揚する。うひひ。
着替え終わった二人は、朝食が並べてあるテーブルの前の椅子に腰掛け、朝食を食べ始めた。
ものの3分で完食した。
朝食を食べ終わったし、歯磨きをさせなが。今日私達がすべきことを決目ようと思う。
【今日はどうしますか?】
「ふー、ひょーひゃへ、まふはおひごとひないほへ (うーん、そーだね、まずはお仕事しないとね) 」
「ほふほひょひょほうほいいほーおほう。おはねがはひほ、はひもはひはらはいほんへ (ぼくもその方がいいーと思う。お金が無いと、何も始まらないものね) 」
あ、これ、歯磨きさせながら話すのは失敗だったね。…明日からは朝食をとりながら1日の目標を決めよう。
【…歯磨きしながら会話をするのは失敗でしたね。明日は朝食を食べながら話しましょう】
「ふん。ほーはへ (うん、そーだね)」
ロモンちゃんとリンネちゃんは洗面台まで行き、歯磨きを終えてきた。
やっとこれでまともな話し合いができるね。
「ふぅ、で、どんな依頼をする?」
「うーん、どーしよーかなぁ…最初だし、討伐系の依頼が良いかな」
「じゃあそうしよっか。早くあと3万ストンを貯めて、参加費用を作らないとね! ね? アイリスちゃんはどう思う?」
【私もそれで良いと思います】
「じゃあ、きっまりー!」
私達はすぐに準備をし、ギルドに向かった。
ギルドはすでに人で賑わっている。
「まず、掲示板みよ」
「そだね」
掲示板の前で立ち止まり、依頼の紙をざっと見てみる。
本当にいろんな依頼があるね。
例えば、
〔治癒魔法で兵士に癒しを!
条件:ペアが使える方なら誰でも。女性が好ま
しい
報酬:回復して頂いた兵士の数×1800ストン!
女性の場合は2000ストン!
詳細:女性冒険者の皆様、是非お願いします〕
だとか、
〔建設のお手伝い
条件:力に自信があるならば、誰でも!
報酬:1日11000ストン。働きによりボーナス
有っ!
詳細:アットホームな職場です!!〕
とか、
〔娘に魔法を教えて下さい。
条件:上級の魔法使いの方。
報酬:1回6時間で40000ストン
詳細:お願いします〕
そんな感じで、いろいろあったね。
ていうか、2枚目、ブラック企業かな?
その中から私達3人が選んだのは、
〔セントピー退治
条件:セントピー5匹討伐
報酬:3万ストン
詳細:倒したセントピーはこの依頼を受けてれ
れた方のものです。畑を荒らすセントピ
ーの討伐をお願いします。〕
これだった。
その依頼紙を剥がし、金髪の受付嬢のところに持っていく。
昨夜の受付嬢とは別の受付嬢だ。
「これ、受けに行きます」
「かしこまりました。ご依頼の場所は_____」
私達はこの依頼人が指定した場所を教えてもらい、ギルドを出て、その場所に向かった。
城下町内での依頼だったから、そんなに移動時間はない。
やっぱり、私がいともたやすく侵入と言う名の出入りを繰り返しても誰も気づかないあたり、割とここの警備はザルなのかもしれない。
街中にセントピーが入り込んで畑を荒らしてるんだもんね。
「ついた、ここだね」
「私達の初仕事だよ! アイリスちゃん、探知お願い」
【御意】
現場である、かなり草が茂っている場所に着いた私達。
私はその場所に向かって探知をした。
探知に引っかかったのは、およそ7匹のFランクの反応。5匹じゃなかったんだね。
【この草原の中に、7匹の反応がありました】
「よし! アイリスちゃん、魔流真砲をぶっ放しちゃって!」
「今回はぼくの出番がなさそうだね」
魔流真砲をその草むらめがけて放つ。
その水色の7つの砲弾は、私が探知し指定した通りの場所に飛んでいき、何かに被弾した。
そして、アイテム探知でセントピーの死骸を探し、全てを回収してきた。
【以上ですね】
「もう終わっちゃった」
「でも、これだけで3万ストン貰えるんだもん、良い仕事だったね!」
【そうですね】
さっさとギルドへもどり、受付にセントピーの討伐部位をリンネちゃんは提示した。
「はい、確認しました。これが3万ストンですね。お受け取りください! それにしてもお二人共、初めての仕事なのにすごく手際が良いですね!」
「あ、どうもありがとうございます!」
金髪の美人の受付嬢さんは私達をそう、褒めてくれた。
私達はその3万ストンを受け取った。
「やった! これで20万ストン達成だね」
「うん、じゃあ今から冒険の店に行ってセントピー売ってこようね」
私達はまたすぐにギルドをでて、冒険の店へと足を踏み入れた。
そしてすぐにセントピーを売却する。
計14700ストンとなった。
「この14700ストン、どうしようか?」
【アイリスちゃん、どう使えば良いかな?】
今、私達に必要なのはより強力な武器なんだけど、それは私個人で稼いだお金で買うから良いとして、冷蔵庫代わりの食料保存用のスペーカウの袋が欲しい。
大体、それは10000ストンで十分だろうから、残った4700ストンは食材費だね。
いや、家計簿がつけられるような手頃な手帳とペンも買いたい。
【10000ストンを、食料貯蔵用のスペーカウの袋を買うために使いましょう】
「うん、わかった! それでいこう」
「残りのお金はどうするの?」
【4700ストンのうち、2000ストンはお金の管理をするための手帳を2冊とペンを買いたいのです。2700ストンは食材費です】
「お金の管理は大切だもんね。私、今日はハンバーグがいいな」
「あ、ぼくも」
【かしこまりました】
買うものが決まった私達は、冒険の店内にある道具屋で、スペーカウの袋(容量10000ストン分)と、700ストンの手帳と2冊、1200ストンのペンを一本を買った。
用は済んだから、冒険の店から退店する。
「よし、じゃあ次は食料だね」
「うん、でもその前にさ、ぼくはもう1つ依頼を受けた方がいいと思う。ぼく達が使えるお金がもう2700ストンしかないし……」
確かに、2700ストンじゃ数日分しか食料は買いこめないよね。
私もその方がいいと思う。
【良いですね、ではどんな依頼を受けます?】
「うん、ぼくは既に目星はつけてるんだけど_____」
◆◆◆
「はぁ……癒されるぅ~」
「お前、どっちの娘がタイプ? 俺は長髪の娘の方かな?」
「俺は短髪の娘かな。あのスラリとした身体がなんとも……」
見回り兵士達ががそう、ヒソヒソと超小声で呟いている。
二人を性的な目で見てないよね?
だからあまり私はこの仕事をお勧めしたくなかったんだけど……。
二人はなんでこの依頼が女性優遇かわからなかったみたいで、『回復するだけでだから』って、リンネちゃんとロモンちゃんは認識してた。
これで、依頼内容を考察してから受けることを学んでくれると良いんだけど。
ただ、二人に手を出したらここにいる男全員半殺しにしてくれるわ。
因みに、リンネちゃんもリペアムまで使えるよ。
今回使ってるのはペアだけどね。
私は兵士達を回復させている二人を用心深く見ている。
「いやぁ、お嬢ちゃん達、可愛いねぇ」
「あ、ありがとうございます!」
「お嬢ちゃん剣士だろ? 回復魔法使えるなんて珍しいね~」
それにしても、この場にいる兵士約37名が全員ロモンちゃんとリンネちゃんの動向を目で追っているのは、若干危険な感じがしなくもない。
結局、兵士達の話し相手をしながらの回復作業だったから、全員をペアで回復し終わるのに1時間かかった。
「ご苦労だったな! ははははは! これが報酬金だ、受け取ってくれ」
仕事が終わり、見回り兵士長から渡された報酬は80000ストン。
本来の報酬より6000ストンも多い。
「あれ……? 6000ストンも多いですよ?」
「がはははは、二人のおかげで兵士達皆、機嫌が良いからな! 色をつけたのだ!」
「ありがとうございます!」
「がははは、また、頼むぞ」
私達は仕事が終わったので、兵士集会所から出る。
入ってから出るまでずっと男の兵士達全員に凝視され続けるってどんな気分なんだろ?
「なんか…お金は良かったけど、男の人達の目が怖かったね」
「そだね……女性を優遇してたのは、下心があったからかも」
「うん、今度からはちゃんと内容を見てから考えよう」
良かった、気づいてくれたみたいだね。
0
お気に入りに追加
1,775
あなたにおすすめの小説
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
【完結】異世界で幽霊やってます!?
かずきりり
ファンタジー
目が覚めたら、豪華絢爛な寝室……に、浮かぶ俺。
死んだ……?
まさかの幽霊……?
誰にも認識されず、悲しみと孤独が襲う中で、繰り広げられそうな修羅場。
せめて幽霊になるなら異世界とか止めてくれ!!
何故か部屋から逃げる事も出来ず……と思えば、悪役令嬢らしき女の子から離れる事が出来ない!?
どうやら前世ハマっていたゲームの世界に転生したようだけど、既にシナリオとは違う事が起きている……。
そして何と!悪役令嬢は転生者!
俺は……転……死?幽霊……?
どうなる!?悪役令嬢!
ってか、どうなるの俺!?
---------------------
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています。
転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活
高梨
ファンタジー
ストレス社会、労働社会、希薄な社会、それに揉まれ石化した心で唯一の親友を守って私は死んだ……のだけれども、死後に閻魔に下されたのは願ってもない異世界転生の判決だった。
黒髪ロングのアメジストの眼をもつ美少女転生して、
接客業後遺症の無表情と接客業の武器営業スマイルと、勝手に進んで行く周りにゲンナリしながら彼女は異世界でくらします。考えてるのに最終的にめんどくさくなって突拍子もないことをしでかして周りに振り回されると同じくらい周りを振り回します。
中性パッツン氷帝と黒の『ナンでも?』できる少女の恋愛ファンタジー。平穏は遙か彼方の代物……この物語をどうぞ見届けてくださいませ。
無表情中性おかっぱ王子?、純粋培養王女、オカマ、下働き大好き系国王、考え過ぎて首を落としたまま過ごす医者、女装メイド男の娘。
猫耳獣人なんでもござれ……。
ほの暗い恋愛ありファンタジーの始まります。
R15タグのように15に収まる範囲の描写がありますご注意ください。
そして『ほの暗いです』
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる