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第77話 お風呂
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結局、ほだされた那月は、辰泰と別れることなく、そのまま泊まることになった。
正確に言えば、動けなくなっていた。
「はぁ……」
辰泰に湯船まで運んでもらった那月は、ぼんやりとしながら深く息を吐いた。
湯の中に沈み込みそうになる。万が一溺れても、きっと辰泰が助けてくれるだろう。
まだ脳は煮えたようになっていて、うまく思考が働かない。
「大丈夫? お湯、しみない?」
さんざん酷使してきた張本人のくせに、心配もしてくる。
「うん……今のところは大丈夫」
湯が入らないように、きゅっと足も閉じている。
酷使された孔は、辰泰が抜いた後もぱっくりと口を開き、しばらくは物欲しそうにパクパクと開閉していた。筋肉が収縮を繰り返していたので、なかなかおさまらなかったのだ。
温かい湯の中にいると眠ってしまいそうになる。まだ中に出された精液はそのままだ。きっとこぼれたぶんが湯に溶け出しているのだろうが、那月のために用意されたお湯なので、問題ないのだろう。
辰泰は浴槽の外で、ボディーソープで全身を洗っている。
「那月、寝るなよ。溺れるから」
「……ん……」
眠いのか、のぼせているのか、だんだんわからなくなってくる。
「那月、那月、出るよ」
辰泰が手を伸ばし、肩をつかんでゆさゆさとしてくる。那月はハッとした。
促されるままに浴槽から出た。
洗い場に座らされる。座る辰泰の足の間に置かれ、辰泰の胸にもたれるような形になった。
「はい、足開いて」
膝をつかまれ、左右に大きく足を開かされた。
恥ずかしい格好に、那月は内心で焦る。
「ひゃあぁ……っ」
背後から回った辰泰の指が、ひくつく窄まりへと入ってくる。
「あっ、なにっ……」
「何って、中にたっぷりと出した俺の精液を掻き出すんだよ。奥に出したから、あんまり出てこないかもしれないけど」
那月は嫌な予感がした。それはただの口実で、目的は違うのではないか。
くちゅっと濡れたような音が鳴る。
「は……っ」
差し込まれた辰泰の人差し指と中指が、ぐちゅぐちゅと抜き差しを繰り返した。掻き出す動きと言うよりも、刺激してくる動きだった。
「うっ、くっ」
「那月のイケナイ前立腺はここかな」
指の腹が、舐めるようにその辺りをさすってくる。那月は頬を紅潮させ、呼吸を乱しながら、辰泰の胸に全身を預けた。
「あっ、うっ……」
「締めつけてくるね。気持ちいい?」
耳元で辰泰が囁いてきた。
「乳首が寂しそうだ」
もう片方の手が那月の胸に迫り、小さく尖る突起を指先でつまみあげられた。
きゅっきゅっと絞り出すように乳首が押し潰される。
那月は思わずのけぞった。
「いっ、あっ、いく……っ」
びくんびくんと辰泰の胸の中で小さく跳ねた。
「乳首弱いんだな。かわいい」
辰泰が背後からぎゅうっと那月を抱きしめる。
「那月、好きだよ。愛してる」
「……たつ……っ」
那月はのぼせたようになりながら、全身で辰泰を感じていた。
辰泰のことは嫌いじゃない。むしろ好きかもしれない。恋愛感情とは違う好きだが、嫌いではない。友達とセックスしているような感覚だ。
こんな中途半端な感情のまま、本当に続けてしまっていいのだろうか。
那月はもうよくわからなくなってしまった。
辰泰はぼんやりする那月の髪にドライヤーをかけた。
「まだ寝ちゃダメだよ」
「……ん……」
新品のパジャマを着せられていた。那月のために買ったものらしい。
セックスは過激だが、それ以外は至れり尽くせりだ。
(……こんなに甲斐甲斐しいヤツだったっけ……?)
以前の辰泰をもう思い出せない。
セックスしたことない頃の辰泰を、もう思い出せない。
正確に言えば、動けなくなっていた。
「はぁ……」
辰泰に湯船まで運んでもらった那月は、ぼんやりとしながら深く息を吐いた。
湯の中に沈み込みそうになる。万が一溺れても、きっと辰泰が助けてくれるだろう。
まだ脳は煮えたようになっていて、うまく思考が働かない。
「大丈夫? お湯、しみない?」
さんざん酷使してきた張本人のくせに、心配もしてくる。
「うん……今のところは大丈夫」
湯が入らないように、きゅっと足も閉じている。
酷使された孔は、辰泰が抜いた後もぱっくりと口を開き、しばらくは物欲しそうにパクパクと開閉していた。筋肉が収縮を繰り返していたので、なかなかおさまらなかったのだ。
温かい湯の中にいると眠ってしまいそうになる。まだ中に出された精液はそのままだ。きっとこぼれたぶんが湯に溶け出しているのだろうが、那月のために用意されたお湯なので、問題ないのだろう。
辰泰は浴槽の外で、ボディーソープで全身を洗っている。
「那月、寝るなよ。溺れるから」
「……ん……」
眠いのか、のぼせているのか、だんだんわからなくなってくる。
「那月、那月、出るよ」
辰泰が手を伸ばし、肩をつかんでゆさゆさとしてくる。那月はハッとした。
促されるままに浴槽から出た。
洗い場に座らされる。座る辰泰の足の間に置かれ、辰泰の胸にもたれるような形になった。
「はい、足開いて」
膝をつかまれ、左右に大きく足を開かされた。
恥ずかしい格好に、那月は内心で焦る。
「ひゃあぁ……っ」
背後から回った辰泰の指が、ひくつく窄まりへと入ってくる。
「あっ、なにっ……」
「何って、中にたっぷりと出した俺の精液を掻き出すんだよ。奥に出したから、あんまり出てこないかもしれないけど」
那月は嫌な予感がした。それはただの口実で、目的は違うのではないか。
くちゅっと濡れたような音が鳴る。
「は……っ」
差し込まれた辰泰の人差し指と中指が、ぐちゅぐちゅと抜き差しを繰り返した。掻き出す動きと言うよりも、刺激してくる動きだった。
「うっ、くっ」
「那月のイケナイ前立腺はここかな」
指の腹が、舐めるようにその辺りをさすってくる。那月は頬を紅潮させ、呼吸を乱しながら、辰泰の胸に全身を預けた。
「あっ、うっ……」
「締めつけてくるね。気持ちいい?」
耳元で辰泰が囁いてきた。
「乳首が寂しそうだ」
もう片方の手が那月の胸に迫り、小さく尖る突起を指先でつまみあげられた。
きゅっきゅっと絞り出すように乳首が押し潰される。
那月は思わずのけぞった。
「いっ、あっ、いく……っ」
びくんびくんと辰泰の胸の中で小さく跳ねた。
「乳首弱いんだな。かわいい」
辰泰が背後からぎゅうっと那月を抱きしめる。
「那月、好きだよ。愛してる」
「……たつ……っ」
那月はのぼせたようになりながら、全身で辰泰を感じていた。
辰泰のことは嫌いじゃない。むしろ好きかもしれない。恋愛感情とは違う好きだが、嫌いではない。友達とセックスしているような感覚だ。
こんな中途半端な感情のまま、本当に続けてしまっていいのだろうか。
那月はもうよくわからなくなってしまった。
辰泰はぼんやりする那月の髪にドライヤーをかけた。
「まだ寝ちゃダメだよ」
「……ん……」
新品のパジャマを着せられていた。那月のために買ったものらしい。
セックスは過激だが、それ以外は至れり尽くせりだ。
(……こんなに甲斐甲斐しいヤツだったっけ……?)
以前の辰泰をもう思い出せない。
セックスしたことない頃の辰泰を、もう思い出せない。
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