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第71話 スキルアップ
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リュウトなのかスオウなのかは判別つかないが、魔法の力で身体は綺麗になっていた。シーツも綺麗になっている。
手首の拘束も解かれており、乳首にはもう何もついていなかった。穴のあいていたパンツもない。ナツキは全裸のままベッドの上に転がっていた。
ふと視線を転じると、スオウはもういなかった。リュウトだけが、どこか気だるげに椅子に腰掛け、テーブルで肘をついている。ずっとナツキを見ていたようだった。
「……スオウは」
「ん? もうとっくに帰ったよ。あれからもう、何時間も経ってる」
「なんで俺、裸のままなの……」
「俺が見ていたかったから。ここはデジタルだし、風邪もひかない」
ナツキは寝転がったまま膝を抱えるようにして、小さくなった。
「俺、たぶんまたさらに性感の数値あがったよ。このスキルばかりが過剰なほど上昇してる。マズくない?」
「俺の理想の身体になってるってことだよ、ナツキ」
リュウトが微笑んだ。ナツキの眉根が寄る。
「エッチなことしか考えられない人になりそうで、怖い」
「ナツキがやりたい時はいつでもしてやるよ」
ナツキは小さくため息をついた。
「もう……普通にゲームできないかも。馬にも普通には乗れなくなってるし」
「どういうこと?」
「その……感じちゃって……」
ナツキは頬を赤く染めた。
「馬の背中の振動で……」
「それは大変だな」
リュウトが他人事のように言う。
ナツキはじろりとリュウトを軽くにらみつけた。
「性感のスキル、下げることはできないの?」
「できるよ」
「…………っ!」
ナツキは目を見開いた。
だが、リュウトは左右に首を振る。
「できるけど、させたくない。ナツキは今のまま育てていきたい」
「俺は育成ゲームかよ」
「調教系のね」
ふふっとリュウトが笑った。
「いいこと教えてやろうか。性感のスキルがあがると、いくつか新しいことが増える」
「なに?」
「精液がエネルギーになる。ライフが回復したり、傷が治ったり、強くなって戦いが有利になったりもする」
「なんだよそれ」
ナツキは思わず笑ってしまった。
「そのうち、ナツキのほうから欲しがるようになるよ。なんてね」
「セックスなんて消耗するだけだと思ってたのに」
「ここはゲームだからね。なんでもありなんだよ」
ナツキは寝転がったまま端末を操り、スキルの画面を開いた。
なにかポイントがたまっている。性感のスキルを上げすぎて、それに付随する何かがたまっているようだ。もしかしたらサキュバスやインキュバスにでも転職できるようになるのだろうか。
ポイントを割り振ると、本当に精液でライフが回復したり、傷が治ったりできるようになった。なんだか変な気分だ。
「リュウト」
「ん?」
「その……口で、してみても、いい?」
「いいよ」
リュウトの返事はあっさりとしていた。緊張や戸惑いを覚えているのはナツキのほうだけのようだ。
ナツキはベッドから降りて、リュウトの足元へと近づいた。
リュウトが両足を開く。その間にナツキは収まった。
リュウトのズボンに手をかけた。柔らかい。ナツキは布を下げ、中にあるものを取り出した。萎えている。
唇を寄せた。
手を添えてキスをした。何度も、何度も。舌先を覗かせ、竿を舐める。あっという間に育った。手の中のものは硬くなり、どんどん張り詰めていく。
裏筋に舌を這わせ、カリの部分も舐め、先端にも吸いつく。尿道口に舌先を押し当て、ちろちろと舐める。
リュウトの手のひらが、ナツキの頭に乗った。よしよしと優しく撫でるような動きを見せた。
「いつの間に覚えたの?」
「わかんない。たぶん、俺にされたことを、そのままやってるだけ」
「素質ありすぎだよ」
ナツキは目の前の怒張を口に入れた。頬をすぼめながら、頭を前後に揺らす。リュウトが小さくビクッとした。
「気持ちいいよ、ナツキ」
褒めるように頭を撫でる。ナツキはそれが気持ちよくて、まぶたを閉じた。
達するまで行為は続いた。やがてリュウトが低くうめき、ナツキの喉に白濁が降りかかる。ナツキはためらいなく喉を鳴らした。
「……んっ、んくっ」
ほう、と息をつきながらナツキが顔を離した。
確かに疲れが取れるような、何かみなぎったものを感じる。エネルギーになっているような気がする。
「やばい……」
「ん? なにが?」
「もし、病みつきになってしまったらどうしよう」
リュウトがナツキの髪を撫でた。
「そうだね。諸刃の剣だね。麻薬のようなものだよね」
「やっぱり、これは取り消す。怖い」
「ナツキがそう思うなら、そうすればいいよ」
口元を拭ったナツキは、端末のステータス画面を開き、先ほど振り分けたポイントを取り消そうと思ったが、やり方がわからなかった。
「……あれ?」
「どうした?」
「一度振り分けてしまったら、もう元には戻せないみたいなんだけど……」
「ああ、ゲームあるあるだね」
リュウトが微笑んだ。
キッとナツキがリュウトをにらむ。
「知ってただろ。戻せないこと」
「ああ、うん、まあね」
「俺はこの先、精液を欲しがる生き物になってしまうのか……っ、なんか、イヤだ」
泣きそうな顔で頭を抱えるナツキを、リュウトはズボンを直しながら微笑ましく眺めていた。
手首の拘束も解かれており、乳首にはもう何もついていなかった。穴のあいていたパンツもない。ナツキは全裸のままベッドの上に転がっていた。
ふと視線を転じると、スオウはもういなかった。リュウトだけが、どこか気だるげに椅子に腰掛け、テーブルで肘をついている。ずっとナツキを見ていたようだった。
「……スオウは」
「ん? もうとっくに帰ったよ。あれからもう、何時間も経ってる」
「なんで俺、裸のままなの……」
「俺が見ていたかったから。ここはデジタルだし、風邪もひかない」
ナツキは寝転がったまま膝を抱えるようにして、小さくなった。
「俺、たぶんまたさらに性感の数値あがったよ。このスキルばかりが過剰なほど上昇してる。マズくない?」
「俺の理想の身体になってるってことだよ、ナツキ」
リュウトが微笑んだ。ナツキの眉根が寄る。
「エッチなことしか考えられない人になりそうで、怖い」
「ナツキがやりたい時はいつでもしてやるよ」
ナツキは小さくため息をついた。
「もう……普通にゲームできないかも。馬にも普通には乗れなくなってるし」
「どういうこと?」
「その……感じちゃって……」
ナツキは頬を赤く染めた。
「馬の背中の振動で……」
「それは大変だな」
リュウトが他人事のように言う。
ナツキはじろりとリュウトを軽くにらみつけた。
「性感のスキル、下げることはできないの?」
「できるよ」
「…………っ!」
ナツキは目を見開いた。
だが、リュウトは左右に首を振る。
「できるけど、させたくない。ナツキは今のまま育てていきたい」
「俺は育成ゲームかよ」
「調教系のね」
ふふっとリュウトが笑った。
「いいこと教えてやろうか。性感のスキルがあがると、いくつか新しいことが増える」
「なに?」
「精液がエネルギーになる。ライフが回復したり、傷が治ったり、強くなって戦いが有利になったりもする」
「なんだよそれ」
ナツキは思わず笑ってしまった。
「そのうち、ナツキのほうから欲しがるようになるよ。なんてね」
「セックスなんて消耗するだけだと思ってたのに」
「ここはゲームだからね。なんでもありなんだよ」
ナツキは寝転がったまま端末を操り、スキルの画面を開いた。
なにかポイントがたまっている。性感のスキルを上げすぎて、それに付随する何かがたまっているようだ。もしかしたらサキュバスやインキュバスにでも転職できるようになるのだろうか。
ポイントを割り振ると、本当に精液でライフが回復したり、傷が治ったりできるようになった。なんだか変な気分だ。
「リュウト」
「ん?」
「その……口で、してみても、いい?」
「いいよ」
リュウトの返事はあっさりとしていた。緊張や戸惑いを覚えているのはナツキのほうだけのようだ。
ナツキはベッドから降りて、リュウトの足元へと近づいた。
リュウトが両足を開く。その間にナツキは収まった。
リュウトのズボンに手をかけた。柔らかい。ナツキは布を下げ、中にあるものを取り出した。萎えている。
唇を寄せた。
手を添えてキスをした。何度も、何度も。舌先を覗かせ、竿を舐める。あっという間に育った。手の中のものは硬くなり、どんどん張り詰めていく。
裏筋に舌を這わせ、カリの部分も舐め、先端にも吸いつく。尿道口に舌先を押し当て、ちろちろと舐める。
リュウトの手のひらが、ナツキの頭に乗った。よしよしと優しく撫でるような動きを見せた。
「いつの間に覚えたの?」
「わかんない。たぶん、俺にされたことを、そのままやってるだけ」
「素質ありすぎだよ」
ナツキは目の前の怒張を口に入れた。頬をすぼめながら、頭を前後に揺らす。リュウトが小さくビクッとした。
「気持ちいいよ、ナツキ」
褒めるように頭を撫でる。ナツキはそれが気持ちよくて、まぶたを閉じた。
達するまで行為は続いた。やがてリュウトが低くうめき、ナツキの喉に白濁が降りかかる。ナツキはためらいなく喉を鳴らした。
「……んっ、んくっ」
ほう、と息をつきながらナツキが顔を離した。
確かに疲れが取れるような、何かみなぎったものを感じる。エネルギーになっているような気がする。
「やばい……」
「ん? なにが?」
「もし、病みつきになってしまったらどうしよう」
リュウトがナツキの髪を撫でた。
「そうだね。諸刃の剣だね。麻薬のようなものだよね」
「やっぱり、これは取り消す。怖い」
「ナツキがそう思うなら、そうすればいいよ」
口元を拭ったナツキは、端末のステータス画面を開き、先ほど振り分けたポイントを取り消そうと思ったが、やり方がわからなかった。
「……あれ?」
「どうした?」
「一度振り分けてしまったら、もう元には戻せないみたいなんだけど……」
「ああ、ゲームあるあるだね」
リュウトが微笑んだ。
キッとナツキがリュウトをにらむ。
「知ってただろ。戻せないこと」
「ああ、うん、まあね」
「俺はこの先、精液を欲しがる生き物になってしまうのか……っ、なんか、イヤだ」
泣きそうな顔で頭を抱えるナツキを、リュウトはズボンを直しながら微笑ましく眺めていた。
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