悠久の大陸

彩森ゆいか

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第58話 もっとほしい

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「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
 激しく息をつく那月の尻の窄まりに、まだ生温かい液体を塗り込められる。辰泰の指先が息づく窄まりに進入し、中の粘膜をぐちゃぐちゃとかき回してきた。
 那月が思っていた以上にそこは敏感になっていて、ズキズキと妙に疼く。今すぐ欲しいと思っているのだ。この身体が。
「……あぁっ……」
「すごく締め付けてくる。那月のここ。ほしいの?」
「……ぅん……」
 那月は紅潮した顔で、目を潤ませながら小さくうなずいた。
 辰泰は指をずぶずぶと埋め込んで抜き差しを繰り返していたが、ふと動きを止めて奥のほうの前立腺を指の腹で転がすようにした。びくんっと那月がのけぞり、目を見開く。
「ひっ……」
 喉がひくんと鳴り、那月の平らな胸が激しく上下した。生理的な涙がこめかみを伝い、小刻みに震えている。
「……だめ、だめ、だめ……いく、いく、い……っ」
「ここ気持ちいいの?」
「……きもちい、きもちい、あたま変になる……っ」
 那月がそう訴えたところで、ふっと指が消えた。
「あっ……」
 那月の唇から名残惜しそうな吐息が漏れる。
「ほしい?」
 問いかけられて、那月は壊れた人形のようにこくこくとうなずいた。
 仰向けの体制のまま両足を大きく開かれる。間に割り込んだ辰泰が、怒張を窄まりにあてがった。
(入ってくる)
 那月は待ちわびていたような気持ちになり、急に切なくなった。大きなものが強引に狭い粘膜を押し広げてくる。そこに何かを埋められるのが、当たり前のことのように思えるようになってしまった。
 もっと奥、もっと奥、もっと奥。ぐちゃぐちゃにしてほしい。そんな願望が頭をもたげ、那月は自分で自分が信じられない。この身体はこんなにも淫乱だったのかと愕然とする一方で、もともと自分はこういう人だったのではないかとさえ思えてくる。
 辰泰の膨らんだ先端が、那月の前立腺をごりごりと刺激してくる。何度も目の前で星が散り、意識が朦朧とする。
 那月は半ば身体を折り畳まれているような状態で、辰泰に強く抱きしめられながら、奥のほうをこねられた。突かれるのではなく、こねられている。浮いた足が否応なくピンと張り詰め、辰泰が動くたびにゆらゆらと揺れる。
「んっ、んっ、んっ、んっ、んっ……」
 うめくような声がもはや誰のものなのかもよくわからない。
 中が熱くて充血しているのが自分でもわかる。どうなっているのかは不明だが、気持ちいいのは確かだ。昼間はあんなになかなか入らなくて痛かったはずなのに、まるで辰泰の形を覚えてしまったかのように今はスムーズだ。
 もはや性器と化した尻は快楽を貪ることしか知らず、本来の機能など忘れてしまったかのようだった。
 辰泰の動きが大胆になる。ギリギリまで引き抜かれて、ズンと根元まで突き入れられた。長いストロークに粘膜が悲鳴をあげそうになる。そんな風にされても気持ちよくなってしまうこの身体は、どこか壊れてしまったのかもしれない。
 やがてまた早いテンポで中を突かれ、那月はされるがままになる。前立腺を容赦なく突き上げられ、ビリビリと全身に電流のようなものが走る。肌が粟立つのも気持ちよすぎるせいだ。
 硬くしこる乳首はピンと張り詰め、時折、辰泰の指先で弾かれる。そのたびにじわりと快感が広がり、下腹部の熱はますます強くなった。
 自分ではもはやどうすることもできなかった。身体のコントロールがきかない。辰泰の意のままにされていることはわかっていたが、そこから抜け出すことは不可能だった。
「……あぁっ、いくっ、いくっ……!」
 口をついて出る言葉はそんなものばかりで、那月はびくんっとのけぞると、がくがくと揺れた。もう何度目の絶頂かわからないが、ずっとイッているような気がした。
 数えきれないほど口づけられ、口腔内に唾液を流し込まれる。苦しいので必死で嚥下するしかなく、飲むと辰泰が嬉しそうに笑う。口の中も性器かと思うほど敏感になっており、辰泰の指が入ってきてしゃぶらされた。もはや全身が性感帯だった。
 ヴァーチャルはシミュレーションで、今は実践なのだ。那月はぼんやりとそう思った。脳だけで感じていた快感を、今は全身の神経で感じている。ゲームの中でなかば強引に覚えさせられた快感は、肉をともなうと三倍も四倍も倍増する。
(……もう、だめ……死ぬ……っ)
 気が遠くなるほどの絶頂を感じながら、那月はとうとう意識を手放した。
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