50 / 80
第50話 現実世界
しおりを挟む
ログアウトした。
「……また、びちゃびちゃだ……」
起き上がった那月は、吐精で股間が大変なことになっているのを嫌そうに眺めた。
度重なる絶頂で頭がおかしくなりそうだ。何か別の生き物に作り変えられている気分だった。
服を脱いで股間を綺麗にして新しい服を着る。はぁ、とため息をつきながら時計を見た。まだ日曜日の朝だ。
空腹を満たすために那月はカップラーメンを作り、久しぶりにテレビをつけて、もそもそと食った。自分で身体のあちこちに触れてみるが、感度があがっているようなこともない。あれはあくまでもゲームの中だけの感覚なのだ。
ヴァーチャルであんな気持ちいいセックスばかりしていると、リアルではできなくなりそうな気がしてくる。
(勃つのかなー俺)
カップラーメンを食べ終わってから、ズボンと下着をずり下ろす。萎えた股間をそっと握り、ゆるゆると刺激を与えてみた。
(……あれ?)
硬くならない。刺激が足りないのだろうか。
リュウトとスオウにいいようにされていた時を思い返してみた。すると、みるみる手の中のものが膨れ上がる。
(うあー……マジかよ)
二人からめちゃくちゃに犯されていた時を思い返した。痛いほど手の中のものが硬くなる。
(嘘だろ。マジかよ……っ)
那月は熱に突き動かされるように、手の中のモノをしごいた。
「あっ……あっあっ……」
慌ててティッシュで尿道口を塞ぐ。ビクビクと全身が震えた。
「ぅあっ……はっ……はぁっ、はぁっ……」
イッてしまった。二人にやられているところを思い出しながら。
「……やべぇ。俺、やべぇ。マジでヤバイ……」
さああああっと青ざめる。このままではまともな生活が送れなくなってしまう。
「ゲームはしばらく控えよう。そうしよう。正常に戻さないと」
那月はしばらくログインしないことを心に誓った。
月曜日になり、大学へと向かった。まだ頭のどこかが変になっているような気がしていたが、それをなんとか振り払いながらキャンパスの敷地内へと入る。
リュウトとスオウとのセックスにはある種の中毒性があり、またあの感覚になってみたいような欲望が頭をもたげそうになる。何度も脳裏にちらつくあの光景を、那月は必死で忘れようとした。
「先輩、おはようございます」
いきなり声をかけられ、那月は内心でビクッとしながら振り向いた。高校時代からの腐れ縁の後輩の、富谷辰泰だった。
「……あぁ、おはよう」
「昨日、連絡したんすよ。シカトなんてひどいじゃないですか」
「……ああ、ごめん……忘れてた」
「ひどいなあ」
責める言葉を放ちながらも、辰泰はそれほど気にしていない素振りを見せる。
並んで歩きながら、ちらちらとこちらを見るので、那月は思わず軽くにらんだ。
「なんだよ」
「いや、ちょっと見ない間になんか色っぽくなったなあって」
「…………っ」
バッと那月の顔が赤く染まった。辰泰がびっくりした顔で那月を見つめる。
「……え?」
「いや、なんでもない……今のは忘れろ」
那月は逃げるように駆け出した。置き去りにされた辰泰はぽかんとした顔で立ち尽くす。
「……先輩」
それから辰泰は少し意味深な表情を浮かべ、わずかにニヤけた。
講義の内容が頭に入ってこない。
那月は教室の席でぼんやりしていた。ゲームのせいで脳が疲れているのかもしれない。ゲーム中は寝ているのではなく、覚醒した状態のまま横たわっているだけなのだ。寝不足なのも那月をおかしくさせている要員なのかもしれない。
やはり脳裏に何度もあの光景がちらついてくる。リュウトやスオウと快楽に耽っている時や、絶頂の瞬間にボスモンスターに殺された時のこと。思い出すだけで勃起しそうになるので、那月は必死で振り払う。
(数字のことでも考えよう。計算式)
頭の中で計算式を唱えた。それでなんとか治まったが、これでは先が思いやられる。那月はため息をついた。
「……また、びちゃびちゃだ……」
起き上がった那月は、吐精で股間が大変なことになっているのを嫌そうに眺めた。
度重なる絶頂で頭がおかしくなりそうだ。何か別の生き物に作り変えられている気分だった。
服を脱いで股間を綺麗にして新しい服を着る。はぁ、とため息をつきながら時計を見た。まだ日曜日の朝だ。
空腹を満たすために那月はカップラーメンを作り、久しぶりにテレビをつけて、もそもそと食った。自分で身体のあちこちに触れてみるが、感度があがっているようなこともない。あれはあくまでもゲームの中だけの感覚なのだ。
ヴァーチャルであんな気持ちいいセックスばかりしていると、リアルではできなくなりそうな気がしてくる。
(勃つのかなー俺)
カップラーメンを食べ終わってから、ズボンと下着をずり下ろす。萎えた股間をそっと握り、ゆるゆると刺激を与えてみた。
(……あれ?)
硬くならない。刺激が足りないのだろうか。
リュウトとスオウにいいようにされていた時を思い返してみた。すると、みるみる手の中のものが膨れ上がる。
(うあー……マジかよ)
二人からめちゃくちゃに犯されていた時を思い返した。痛いほど手の中のものが硬くなる。
(嘘だろ。マジかよ……っ)
那月は熱に突き動かされるように、手の中のモノをしごいた。
「あっ……あっあっ……」
慌ててティッシュで尿道口を塞ぐ。ビクビクと全身が震えた。
「ぅあっ……はっ……はぁっ、はぁっ……」
イッてしまった。二人にやられているところを思い出しながら。
「……やべぇ。俺、やべぇ。マジでヤバイ……」
さああああっと青ざめる。このままではまともな生活が送れなくなってしまう。
「ゲームはしばらく控えよう。そうしよう。正常に戻さないと」
那月はしばらくログインしないことを心に誓った。
月曜日になり、大学へと向かった。まだ頭のどこかが変になっているような気がしていたが、それをなんとか振り払いながらキャンパスの敷地内へと入る。
リュウトとスオウとのセックスにはある種の中毒性があり、またあの感覚になってみたいような欲望が頭をもたげそうになる。何度も脳裏にちらつくあの光景を、那月は必死で忘れようとした。
「先輩、おはようございます」
いきなり声をかけられ、那月は内心でビクッとしながら振り向いた。高校時代からの腐れ縁の後輩の、富谷辰泰だった。
「……あぁ、おはよう」
「昨日、連絡したんすよ。シカトなんてひどいじゃないですか」
「……ああ、ごめん……忘れてた」
「ひどいなあ」
責める言葉を放ちながらも、辰泰はそれほど気にしていない素振りを見せる。
並んで歩きながら、ちらちらとこちらを見るので、那月は思わず軽くにらんだ。
「なんだよ」
「いや、ちょっと見ない間になんか色っぽくなったなあって」
「…………っ」
バッと那月の顔が赤く染まった。辰泰がびっくりした顔で那月を見つめる。
「……え?」
「いや、なんでもない……今のは忘れろ」
那月は逃げるように駆け出した。置き去りにされた辰泰はぽかんとした顔で立ち尽くす。
「……先輩」
それから辰泰は少し意味深な表情を浮かべ、わずかにニヤけた。
講義の内容が頭に入ってこない。
那月は教室の席でぼんやりしていた。ゲームのせいで脳が疲れているのかもしれない。ゲーム中は寝ているのではなく、覚醒した状態のまま横たわっているだけなのだ。寝不足なのも那月をおかしくさせている要員なのかもしれない。
やはり脳裏に何度もあの光景がちらついてくる。リュウトやスオウと快楽に耽っている時や、絶頂の瞬間にボスモンスターに殺された時のこと。思い出すだけで勃起しそうになるので、那月は必死で振り払う。
(数字のことでも考えよう。計算式)
頭の中で計算式を唱えた。それでなんとか治まったが、これでは先が思いやられる。那月はため息をついた。
27
お気に入りに追加
438
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
松本先生のハードスパンキング パート1
バンビーノ
BL
中学3年になると、新しい学年主任に松本先生が決まりました。ベテランの男の先生でした。校内でも信頼が厚かったので、受験を控えた大事な時期を松本先生が見ることになったようです。松本先生は理科を教えていました。恰幅のすごくいいどっしりした感じの先生でした。僕は当初、何も気に留めていませんでした。特に生徒に怖がられているわけでもなく、むしろ慕われているくらいで、特別厳しいという噂もありません。ただ生活指導には厳しく、本気で怒ると相当怖いとは誰かが言っていましたが。
初めての理科の授業も、何の波乱もなく終わりました。授業の最後に松本先生は言いました。
「次の授業では理科室で実験をする。必ず待ち針をひとり5本ずつ持ってこい。忘れるなよ」
僕はもともと忘れ物はしない方でした。ただだんだん中学の生活に慣れてきたせいか、だらけてきていたところはあったと思います。僕が忘れ物に気がついたのは二度目の理科の始業ベルが鳴った直後で、ほどなく松本先生が理科室に入ってきました。僕は、あ、いけないとは思いましたが、気楽に考えていました。どうせ忘れたのは大勢いるだろう。確かにその通りで、これでは実験ができないと、松本先生はとても不機嫌そうでした。忘れた生徒はその場に立つように言われ、先生は一人ずつえんま帳にメモしながら、生徒の席の間を歩いて回り始めました。そして僕の前に立った途端、松本先生は急に険しい表情になり、僕を怒鳴りつけました。
「なんだ、その態度は! 早くポケットから手を出せ!」
気が緩んでいたのか、それは僕の癖でもあったのですが、僕は何気なくズボンのポケットに両手を突っ込んでいたのでした。さらにまずいことに、僕は先生に怒鳴られてもポケットからすぐには手を出そうとしませんでした。忘れ物くらいでなぜこんなに怒られなきゃいけないんだろう。それは反抗心というのではなく、目の前の現実が他人事みたいな感じで、先生が何か言ったのも上の空で聞き過ごしてしまいました。すると松本先生はいよいよ怒ったように振り向いて、教卓の方に向かい歩き始めました。ますますまずい。先生はきっと僕がふてくされていると思ったに違いない。松本先生は何か思いついたように、教卓の上に載せてあった理科室の定規を手に取りました。それは実験のときに使う定規で、普通の定規よりずっと厚みがあり、幅も広いがっしりした木製の一メートル定規です。松本先生はその定規で軽く素振りをしてから、半ば独り言のようにつぶやいたのでした。「いまからこれでケツひっぱたくか……」。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる