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第46話 無茶振り
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「ナツキ、弱にしたから起きろ。そのまま他の装備もつけて、ゲーム続けるぞ」
「……え?」
思考の鈍ったナツキでも、その意味に驚く。
「……むり……この状態で旅なんて、むり……」
「じゃあ慣れるまでスイッチ切ってやる。自分で無理なら俺が装備つけてやるけど」
リュウトは再びナツキの背後から彼の手をつかむと、ステータス画面を開いた。アナル調教ベルトはそのままで、他の装備を足していく。
「……むりだよ、リュウト。戦えない」
「無理でも頑張ってナツキ」
「俺が言うのもなんだけど、つくづく鬼畜だよな、おまえ」
呆れたような感心したような声でスオウが言う。
リュウトがナツキの耳元に唇を寄せた。
「勝手に装備はずしたら、お仕置きするからね、ナツキ」
「…………っ」
ゾクゾクッとナツキが震え上がった。これ以上のことが想像つかなくて、ただただ怯える。
「さ、行くぞ」
リュウトがベッドから降りた。ナツキは震える足でよろよろと床に立つ。そんなナツキをスオウが支えた。
「……だめ。違和感が。中にずっと入ったまま歩くのなんて、むり……」
「なんか急にすごくかわいくなったな、ナツキ。舌足らずな喋り方になって」
スオウが嬉しそうに言う。どこかウキウキワクワクしている様子の彼を、ナツキはつい睨んだ。しかし迫力がないのか、スオウは平気そうだ。
「ねえ、リュウト、むり。頼むから、このままゲームは」
「ダメだよナツキ。そんなにお仕置きされたい?」
「……がんばります……」
ナツキはシュンとして、おとなしく歩き出した。歩くたびに体内のバイブがどこかに当たる。振動やピストンがなくても変な感じだった。身体から力が抜けていく。
「歩けるか?」
横からスオウが腰を抱いてきた。反射的にビクンッと小さく跳ねてしまう。
「んっ……」
「今、感じた?」
「触られると、ちょっと……どうしても」
「反応しちゃう?」
「…………」
ナツキは熱っぽく頬を染めたまま、小さくうなずいた。息もあがる。
「……感度が、あがりすぎてて……」
「色っぽくてかわいいよ」
スオウは褒め言葉のつもりで言ったのだろうが、ナツキはあまり嬉しくなかった。
宿屋を出ると眩しかった。天候はよく、空も鮮やかな青さだ。
こんな爽やかな空の下で、バイブを体内に突っ込んだまま歩くなんて。
ウラクの町の役場に着くと、リュウトがクエストを吟味しはじめた。
「ナツキってまだダンジョンには入ったことなかったんだっけ」
「……メインストーリーのダンジョンなら入ったけど……」
「それ何話の?」
「第一話」
「初歩の初歩じゃないか。弱いモンスターしか出ないやつだ」
「……ほとんどスオウが倒してくれた」
「さっさとメインストーリー終わらせたかったからな」
二人の会話にスオウが口を挟む。
「よし、じゃあダンジョンに入るか。合成材料用のアイテムもいろいろ入るし」
リュウトが選んだのは『ザラクのダンジョンをクリアする』だった。
「……ザラク……」
思考が鈍ってぼんやり反芻するナツキの傍で、スオウが少し焦る様子を見せる。
「そのダンジョン、ナツキにはちょっと強くないか?」
「だからいいんじゃないか。高い経験値が入る。ナツキのレベルももっとあがるぞ」
リュウトはあっけらかんと言い放った。スオウの眉間にしわが寄る。
「本気でバイブ突っ込ませたまま戦わせるつもりかよ」
「ナツキには今まで経験してないことを経験してもらう。ゲームなんだから多少の無茶も大丈夫だ。ナツキの本体は傷つかない」
「身体はそうだろうけど、心は?」
スオウから真面目に問われ、リュウトが一瞬だけ無言になった。
「……さんざんナツキを犯したヤツが言う台詞じゃない」
「俺は、本気でナツキのことが」
「ナツキが俺にもおまえにも恋愛感情がないことはわかってるんだろ?」
リュウトにはっきりと言われ、スオウが口ごもった。
「一方通行の片想いだって、わかってるんだろ? 俺もおまえもナツキを抱いたんじゃない。犯してるんだ。嫌がるナツキをむりやり性玩具にしてる。自覚しろ。愛してるって言葉で誤魔化すんじゃない」
「…………」
スオウが悔しそうに唇を噛む。
リュウトはナツキの肩をつかんだ。ビクッとナツキが小さく跳ねる。
「あっ……」
「肩も性感帯なのか。ナツキの身体はすごいな」
耐えるようにナツキが小さく震える。熱い呼吸が唇から漏れた。
「……ねえ、もう、取って。取りたい……」
「だめ」
「立ってるだけでもつらい」
「だめ。耐えて」
「……あぁ……」
ナツキの唇から深いため息がこぼれ落ちた。くらくらとめまいがする。
今、自分の足で歩いているのか、止まっているのかさえも、よくわからない。
意識が朦朧とする。
「さ、ナツキ、行くよ」
リュウトが促した。ナツキは戸惑う眼差しで彼を見上げる。
「……どこへ……」
「だから、ザラクのダンジョンだ。スオウ、おまえも来いよ、ナツキが心配なら」
「言われなくても行くよ」
スオウは拗ねたような顔で返事をした。
「……え?」
思考の鈍ったナツキでも、その意味に驚く。
「……むり……この状態で旅なんて、むり……」
「じゃあ慣れるまでスイッチ切ってやる。自分で無理なら俺が装備つけてやるけど」
リュウトは再びナツキの背後から彼の手をつかむと、ステータス画面を開いた。アナル調教ベルトはそのままで、他の装備を足していく。
「……むりだよ、リュウト。戦えない」
「無理でも頑張ってナツキ」
「俺が言うのもなんだけど、つくづく鬼畜だよな、おまえ」
呆れたような感心したような声でスオウが言う。
リュウトがナツキの耳元に唇を寄せた。
「勝手に装備はずしたら、お仕置きするからね、ナツキ」
「…………っ」
ゾクゾクッとナツキが震え上がった。これ以上のことが想像つかなくて、ただただ怯える。
「さ、行くぞ」
リュウトがベッドから降りた。ナツキは震える足でよろよろと床に立つ。そんなナツキをスオウが支えた。
「……だめ。違和感が。中にずっと入ったまま歩くのなんて、むり……」
「なんか急にすごくかわいくなったな、ナツキ。舌足らずな喋り方になって」
スオウが嬉しそうに言う。どこかウキウキワクワクしている様子の彼を、ナツキはつい睨んだ。しかし迫力がないのか、スオウは平気そうだ。
「ねえ、リュウト、むり。頼むから、このままゲームは」
「ダメだよナツキ。そんなにお仕置きされたい?」
「……がんばります……」
ナツキはシュンとして、おとなしく歩き出した。歩くたびに体内のバイブがどこかに当たる。振動やピストンがなくても変な感じだった。身体から力が抜けていく。
「歩けるか?」
横からスオウが腰を抱いてきた。反射的にビクンッと小さく跳ねてしまう。
「んっ……」
「今、感じた?」
「触られると、ちょっと……どうしても」
「反応しちゃう?」
「…………」
ナツキは熱っぽく頬を染めたまま、小さくうなずいた。息もあがる。
「……感度が、あがりすぎてて……」
「色っぽくてかわいいよ」
スオウは褒め言葉のつもりで言ったのだろうが、ナツキはあまり嬉しくなかった。
宿屋を出ると眩しかった。天候はよく、空も鮮やかな青さだ。
こんな爽やかな空の下で、バイブを体内に突っ込んだまま歩くなんて。
ウラクの町の役場に着くと、リュウトがクエストを吟味しはじめた。
「ナツキってまだダンジョンには入ったことなかったんだっけ」
「……メインストーリーのダンジョンなら入ったけど……」
「それ何話の?」
「第一話」
「初歩の初歩じゃないか。弱いモンスターしか出ないやつだ」
「……ほとんどスオウが倒してくれた」
「さっさとメインストーリー終わらせたかったからな」
二人の会話にスオウが口を挟む。
「よし、じゃあダンジョンに入るか。合成材料用のアイテムもいろいろ入るし」
リュウトが選んだのは『ザラクのダンジョンをクリアする』だった。
「……ザラク……」
思考が鈍ってぼんやり反芻するナツキの傍で、スオウが少し焦る様子を見せる。
「そのダンジョン、ナツキにはちょっと強くないか?」
「だからいいんじゃないか。高い経験値が入る。ナツキのレベルももっとあがるぞ」
リュウトはあっけらかんと言い放った。スオウの眉間にしわが寄る。
「本気でバイブ突っ込ませたまま戦わせるつもりかよ」
「ナツキには今まで経験してないことを経験してもらう。ゲームなんだから多少の無茶も大丈夫だ。ナツキの本体は傷つかない」
「身体はそうだろうけど、心は?」
スオウから真面目に問われ、リュウトが一瞬だけ無言になった。
「……さんざんナツキを犯したヤツが言う台詞じゃない」
「俺は、本気でナツキのことが」
「ナツキが俺にもおまえにも恋愛感情がないことはわかってるんだろ?」
リュウトにはっきりと言われ、スオウが口ごもった。
「一方通行の片想いだって、わかってるんだろ? 俺もおまえもナツキを抱いたんじゃない。犯してるんだ。嫌がるナツキをむりやり性玩具にしてる。自覚しろ。愛してるって言葉で誤魔化すんじゃない」
「…………」
スオウが悔しそうに唇を噛む。
リュウトはナツキの肩をつかんだ。ビクッとナツキが小さく跳ねる。
「あっ……」
「肩も性感帯なのか。ナツキの身体はすごいな」
耐えるようにナツキが小さく震える。熱い呼吸が唇から漏れた。
「……ねえ、もう、取って。取りたい……」
「だめ」
「立ってるだけでもつらい」
「だめ。耐えて」
「……あぁ……」
ナツキの唇から深いため息がこぼれ落ちた。くらくらとめまいがする。
今、自分の足で歩いているのか、止まっているのかさえも、よくわからない。
意識が朦朧とする。
「さ、ナツキ、行くよ」
リュウトが促した。ナツキは戸惑う眼差しで彼を見上げる。
「……どこへ……」
「だから、ザラクのダンジョンだ。スオウ、おまえも来いよ、ナツキが心配なら」
「言われなくても行くよ」
スオウは拗ねたような顔で返事をした。
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