悠久の大陸

第34話 初めての二輪挿し

　リュウトがおもむろに指示を出し始める。
「じゃあ、スオウはうつ伏せのナツキを抱いて仰向けに。俺が後ろから挿れるから」
「こんな感じ？」
　スオウがナツキを抱きすくめながら、仰向けに転がった。否応なくナツキはスオウの上にまたがる形になり、不覚にもスオウの胸の温もりに心地よさを感じてしまった。ぴったりフィットしている。
　スオウの胸板にうつ伏せのまま身を預けて頬を乗せ、尻だけ突き出すような体勢だった。位置を調整するようにリュウトがナツキの腰を持ち、ゆっくりと尻を落とさせる。
　少しこぼれた白濁の伝い落ちる窄まりは、まるで物欲しそうにパクパクと収縮を繰り返している。もうさんざん与えられた場所なのに、飢えているみたいで恥ずかしかった。
　せわしなくひくつく熟れた桃色の孔に、優しくリュウトの指が触れた。
「早く挿れてほしそうだ」
「……あっ……」
　ビクッとしてスオウに抱きつく。
　リュウトの手で、さらに尻が下へと落とされた。そこに待つのは、スオウの興奮が止まらない反り返った屹立。今か今かと待ち望んでいる。
　物欲しげな窄まりに、透明な蜜を垂らす先端が当たった。
「ひゃあ……っ」
　硬くて大きい。熱い。
　ぬちゅりと音を立てながら、狭い孔に入ってきた。ずぶずぶと奥まで来る。
「んんっ、あぁっ」
　ナツキがもがいた。
　よしよしとなだめるように、スオウがナツキの髪や背中を撫でる。
「俺ともキスしようか」
　スオウがそう言いながら、ナツキの頬を持ち上げる。唇が重なり、舌が絡みついてきた。濃厚な口づけ。
「んぅっ……んっ」
　下から緩やかに体内を突かれながらのキスは、気持ちがよかった。ナツキの意識が遠のいていく。
「ナツキ、腰が揺れてる」
　後ろから眺めていたリュウトから指摘され、ナツキはたちまち恥ずかしくなった。まるで自分から求めているみたいだ。
　リュウトが眺めるのをやめ、二人に近づいた。ナツキの尻を撫でる。
「……んっ、やぁ……」
　リュウトが背後からナツキの腰を抱いた。スオウがぴたりと動きを止める。リュウトは、スオウを飲み込んでいる熱い窄まりに指を這わせた。ひくんとナツキの喉が鳴る。
「キツキツだな。指一本も入る気がしない」
　ナツキは思わず身をすくめた。
「……やだぁっ……挿れるな……」
「……あぁ、でも、指一本なら入りそうな気がしてきた」
　吐息混じりにそう言うと、リュウトは強引にねじ込むように、境い目から人差し指を押し込んだ。
「……うっ、……んっ」
　ビクビクッとナツキが小さく跳ねる。
「感じてるんだね、ナツキ」
「…………っ」
　その通りだったが認めたくはなかった。認めたら何かが終わるような気がしていた。
「ふっ……くっ……」
　ぞくぞくと全身を震わせているナツキを、スオウがなだめるように優しく抱きしめる。
　リュウトはゆっくりと、スオウを飲み込んでいる窄まりのふちを指先でなぞった。
「ナツキのここはとても敏感だね」
「んっ、はぁっ……」
「そろそろ挿れるよ」
　リュウトがナツキの腰をつかんだ。スオウの屹立に重ね合わせるように、リュウトも突き入れていく。ナツキの全身が粟立った。びりびりする。
「あっ、はっ、やぁっ……ひっ……」
　ナツキが嫌がるように首を振った。スオウが優しく撫でながらなだめる。
「息を吸って、吐いて。ナツキ、力抜いて」
「やっ、むり……っ」
　ナツキの窄まりは限界なほど開かれていた。強引にリュウトに押し込まれ、息をするのも苦しい。狭い器官に大きなものを二本も飲み込まされ、ナツキは全身がしびれるのを感じていた。
「ひっ……あっ、くぅっ……」
　痛いのか痛くないのかもよくわからない。ただ、みっちりと埋まった二本の屹立が、ナツキを容赦なく責め立ててくるのだけは確かだった。
「あ、いく……っ、頭、変になる……っ」
「まだ挿れただけだよ」
　リュウトがくすりと笑う。
「おな、か、苦し……」
　全身によくわからない汗が吹き出す。ナツキはめまいに襲われた。助けを求めるように、スオウにしがみつく。もう何も考えられない。
　リュウトがゆっくりと腰を突いた。スオウも下から突き上げてきた。二人は同時に動くのではなく、それぞれのタイミングで好き勝手に動いていた。ぬちぬちと卑猥な音が鳴り、ナツキの意識が遠のいていく。
　もう力が入らない。がくがくと熱く震える身体は、スオウに抱きしめられている。リュウトはがっしりとナツキの腰をつかんでいた。
　熱に浮かされるようにナツキは喘ぐ。
「あぁっ、んっ……ふぁっ、いや、むり、動くな……っ」
　リュウトがナツキの尻をそっと撫でた。
「二人分入ってるの、わかる？　ナツキのお尻は貪欲だな。ふたつも飲み込んじゃうなんて」
　リュウトがからかうような口調で告げる。ナツキはもう恥ずかしいのか恥ずかしくないのかさえ、わからなくなってしまった。
「かわいくて、いやらしいお尻だね」
　容赦なくリュウトが腰を叩きつけてきた。スオウがそれに連動した。バラバラだった二人の動きが、だんだんと揃い始める。そのせいで、威力が増した。
「うっ、うぁっ、あっ」
　ナツキの目の前に星が飛ぶ。もうなにがなんだかわからない。
　少しずつ突き上げる速度が増して、ナツキの身体が否応なく揺さぶられる。
「やぁっ、やめっ……いくっ、出るっ、やだっ……」
　快感が頂点に達し、頭が真っ白になった。
　ドクンッと身体が跳ねた。ナツキの下腹部で勃ちあがっていたものから、白濁が溢れ出していた。飛び散ったそれが、スオウの腹を汚してしまう。
　背後のリュウトが手を伸ばし、よしよしとナツキの髪を撫でた。
「二人の男にお尻突かれて気持ちよくなっちゃうなんて、ナツキはイケナイ子だな。お仕置きしてあげないと」
　リュウトが深い場所まで入って来て、ナツキは小刻みに揺らされた。その刺激はスオウにも響くので、彼は耐えるように唇を噛み締めている。
「んっ、くっ……あっ、はっ」
　ナツキはどろどろに蕩けそうになった。異様なほど気持ちいい。くらくらした。身体が限界を訴えている。昇りつめる。全身が張り詰めた。
「ひゃ、ぁあ、あっ、やっ、もうっ……むりっ……」
　快感が臨界点を超えて、ナツキは打ち上げられた魚のように盛大に跳ねる。今度は射精を伴わないドライオーガズムだった。そんなナツキをスオウが強く抱きしめる。
　激しく収縮するナツキのそこに食いしめられて、スオウとリュウトはほぼ同時に、ナツキの中に精を放っていた。
「ひあ、ぁ、ぁぁっ……」
　二人分の本流を勢いよく注ぎ込まれ、ナツキはそのまま気が遠くなり、スオウの上に崩れ落ちた。
　身体の痙攣が止まらない。吐息が熱い。意識も朦朧とする。快感が強すぎてビクビクと震えるナツキを、スオウがよしよしとあやした。
「ナツキ、よかったよ……すごくよかった。頑張った」
「うん、ナツキ、よくできた。素晴らしかったよ」
　リュウトも背後から手を伸ばして、ナツキの髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
　褒められて、喜んでいいのか悲しむべきなのか、ナツキにはよくわからなかった。二人の男たちから性的対象として扱われている時点で、悲しむべきことのような気もしたからだ。
　でも、褒められるのは少しうれしかった。