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第19話 救出
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とにかく助かったらしいことだけを把握し、ナツキはそのままぐったりとして、まぶたを閉じた。もう何も考えたくない。
だが、近くに何かの気配を感じて、うっすらとまぶたを開けた。リュウトだった。顔を覗き込んでくる。
「大丈夫か?」
「……そう見える……?」
皮肉混じりの声でナツキは返事をした。喘ぎすぎて喉が嗄れている。疲労困憊でもう何もしたくない。涙やよだれで顔もぐちゃぐちゃだ。尻は得体の知れない液体を放たれて、すっかりぐちょぐちょだ。
「……リュウト、これは、何?」
透明なクッションをふにふにと揉みながらナツキが問いかけた。
何も見えないが、確かにここにある。感触だけがある。
「俺の魔法。ゲームだから落ちても死なないけど、一応ね」
「……落ちても死なないのか……」
ナツキは、ほぅ、と小さく息をついた。震える自分の手を見つめる。
「死ぬっていう恐怖は本物だったけどな……」
「それよりナツキ、その体勢はどうにかできないのか」
「へ?」
指摘されて、初めてナツキは自分の状態を確認した。
ズボンと下着を破られて、あられもない状態になっていた。そのままぐったりと、透明なクッションの上でしどけなく仰向けになっていた。
下腹部もむき出しで、尻からは中に出された粘液が伝い落ちている。さんざんいいようにもてあそばれた孔は、なぜか物欲しそうにひくひくと収縮している。身体だってまだ熱い。
「そんなこと言われても、俺、卑猥な蔓にずっと犯されてたんだから……」
「知ってる。見てたから」
はっきりと言われてしまうと急に恥ずかしくなってくる。ダメージは大きいが、死にたいと思うほどではなかった。不幸な事故に遭った、そう思うしかなかった。起きた出来事があまりにもひどすぎて、頭が追いついていないだけかもしれない。精神面も今のところはなんとか大丈夫そうだった。冷静でいられている。
ナツキは透明なクッションの上でゆっくりと身を起こした。
視線が気になり、顔をあげる。
「……リュウト?」
彼のナツキを見る目が、何か変だ。そのことに気づいて思わず名前を呼んだ。リュウトがドキリとした顔をする。
「なに?」
「なんか……変な目で俺のこと見てる」
「まさか。気のせいだろ」
「いや、見てる」
ナツキは、剥き出しになっていた股間を手で隠した。
「絶対変な目で見てる」
「わかったから、とりあえずそこから降りて。俺のローブ貸してやるから村の宿に行こう。そこで風呂をもらって、綺麗にしないと」
「……歩けない」
ナツキの足腰はガクガクと震えて、すっかり力が入らなくなっていた。
「しょうがない、おぶってやるよ」
間髪入れずにリュウトが言う。透明のクッションがスッと消えた。
「あっ」
ナツキが地面に落下して、尻もちをついた。怪我はしていないが、地味に痛い。
大きな茶色のローブが目の前に出てきて、ナツキを覆った。裾が足首まであるので、確かにこれなら隠せそうだ。
「ほら」
リュウトがしゃがんで背中を見せた。ナツキは少し気恥ずかしかったが、意を決して全身を預けた。軽々とリュウトが立ち上がる。
「急ぐぞ。また襲われたらたまったもんじゃないからな」
「う、うん」
リュウトは細身な青年だと思っていたが、こうして密着してみると頼もしかった。しなやかな筋肉で全身が覆われている。
ナツキを背負っているのに速度が遅くなることもなく、むしろ小走りなのではないかと思えるような早さで森を突っ切って行った。
やがてウラクの村に着いた。夜なので辺りは寝静まっている様子だった。
リュウトは迷わず宿屋へ向かった。部屋はほとんど埋まっているが、一部屋だけ空いているということで、そこに案内された。部屋は狭いし、ベッドはひとつしかない。
「ナツキ、ローブを脱いで、こっちに来て」
リュウトがベッドに腰掛けるなりそう言い出したので、ナツキは一瞬警戒した。
「……え、なんで」
リュウトはなんでもないような顔で急かしてくる。
「いいから早く。あいつらにいろいろされた身体の様子を確かめるから」
ナツキは頬を少し赤く染めながら、しぶしぶローブを脱いだ。ひどい有様だった。
布が破れて剥き出しになった股間が恥ずかしくて、つい両手で隠す。
そのままベッドに座るリュウトの前に立つと、いきなり腰に手をかけられ、ズボンを脱がされそうになった。ナツキは慌てる。
「えっ、ちょっ、なにすっ」
「いいから、じっとしてろ。見る必要があるんだから」
「……見る……必要……?」
ナツキはじっと耐えることにした。
リュウトは照れる様子もなくナツキのズボンに手をかけ、ゆっくりと脱がしてきた。ボロボロになったズボンと下着を床に放られると、ナツキの下半身には何も身につけていない状態になる。
つい、手で股間を隠すと、リュウトの手で左右にどかされた。
「…………っ」
ナツキは耐えるように唇を噛み締める。恥ずかしさのあまり心臓はバクバクとするし、冷や汗も吹き出してきた。
リュウトは黙ったまま、しばらくナツキの股間を眺めていたが、ふいに顎をしゃくった。
「ベッド、乗って」
「えっ?」
リュウトは真顔で言い放った。
「お尻のほうも確認するから」
「え……」
ナツキは泣きそうな顔でリュウトを見つめた。
「……やだ……」
「やだ、じゃない。蔓の粘液だらけの股間と尻で何を言ってるんだ」
「……風呂に」
「見るほうが先」
リュウトは折れなかった。
ナツキは耐えるように唇を噛み締め、しぶしぶベッドに乗った。
だが、近くに何かの気配を感じて、うっすらとまぶたを開けた。リュウトだった。顔を覗き込んでくる。
「大丈夫か?」
「……そう見える……?」
皮肉混じりの声でナツキは返事をした。喘ぎすぎて喉が嗄れている。疲労困憊でもう何もしたくない。涙やよだれで顔もぐちゃぐちゃだ。尻は得体の知れない液体を放たれて、すっかりぐちょぐちょだ。
「……リュウト、これは、何?」
透明なクッションをふにふにと揉みながらナツキが問いかけた。
何も見えないが、確かにここにある。感触だけがある。
「俺の魔法。ゲームだから落ちても死なないけど、一応ね」
「……落ちても死なないのか……」
ナツキは、ほぅ、と小さく息をついた。震える自分の手を見つめる。
「死ぬっていう恐怖は本物だったけどな……」
「それよりナツキ、その体勢はどうにかできないのか」
「へ?」
指摘されて、初めてナツキは自分の状態を確認した。
ズボンと下着を破られて、あられもない状態になっていた。そのままぐったりと、透明なクッションの上でしどけなく仰向けになっていた。
下腹部もむき出しで、尻からは中に出された粘液が伝い落ちている。さんざんいいようにもてあそばれた孔は、なぜか物欲しそうにひくひくと収縮している。身体だってまだ熱い。
「そんなこと言われても、俺、卑猥な蔓にずっと犯されてたんだから……」
「知ってる。見てたから」
はっきりと言われてしまうと急に恥ずかしくなってくる。ダメージは大きいが、死にたいと思うほどではなかった。不幸な事故に遭った、そう思うしかなかった。起きた出来事があまりにもひどすぎて、頭が追いついていないだけかもしれない。精神面も今のところはなんとか大丈夫そうだった。冷静でいられている。
ナツキは透明なクッションの上でゆっくりと身を起こした。
視線が気になり、顔をあげる。
「……リュウト?」
彼のナツキを見る目が、何か変だ。そのことに気づいて思わず名前を呼んだ。リュウトがドキリとした顔をする。
「なに?」
「なんか……変な目で俺のこと見てる」
「まさか。気のせいだろ」
「いや、見てる」
ナツキは、剥き出しになっていた股間を手で隠した。
「絶対変な目で見てる」
「わかったから、とりあえずそこから降りて。俺のローブ貸してやるから村の宿に行こう。そこで風呂をもらって、綺麗にしないと」
「……歩けない」
ナツキの足腰はガクガクと震えて、すっかり力が入らなくなっていた。
「しょうがない、おぶってやるよ」
間髪入れずにリュウトが言う。透明のクッションがスッと消えた。
「あっ」
ナツキが地面に落下して、尻もちをついた。怪我はしていないが、地味に痛い。
大きな茶色のローブが目の前に出てきて、ナツキを覆った。裾が足首まであるので、確かにこれなら隠せそうだ。
「ほら」
リュウトがしゃがんで背中を見せた。ナツキは少し気恥ずかしかったが、意を決して全身を預けた。軽々とリュウトが立ち上がる。
「急ぐぞ。また襲われたらたまったもんじゃないからな」
「う、うん」
リュウトは細身な青年だと思っていたが、こうして密着してみると頼もしかった。しなやかな筋肉で全身が覆われている。
ナツキを背負っているのに速度が遅くなることもなく、むしろ小走りなのではないかと思えるような早さで森を突っ切って行った。
やがてウラクの村に着いた。夜なので辺りは寝静まっている様子だった。
リュウトは迷わず宿屋へ向かった。部屋はほとんど埋まっているが、一部屋だけ空いているということで、そこに案内された。部屋は狭いし、ベッドはひとつしかない。
「ナツキ、ローブを脱いで、こっちに来て」
リュウトがベッドに腰掛けるなりそう言い出したので、ナツキは一瞬警戒した。
「……え、なんで」
リュウトはなんでもないような顔で急かしてくる。
「いいから早く。あいつらにいろいろされた身体の様子を確かめるから」
ナツキは頬を少し赤く染めながら、しぶしぶローブを脱いだ。ひどい有様だった。
布が破れて剥き出しになった股間が恥ずかしくて、つい両手で隠す。
そのままベッドに座るリュウトの前に立つと、いきなり腰に手をかけられ、ズボンを脱がされそうになった。ナツキは慌てる。
「えっ、ちょっ、なにすっ」
「いいから、じっとしてろ。見る必要があるんだから」
「……見る……必要……?」
ナツキはじっと耐えることにした。
リュウトは照れる様子もなくナツキのズボンに手をかけ、ゆっくりと脱がしてきた。ボロボロになったズボンと下着を床に放られると、ナツキの下半身には何も身につけていない状態になる。
つい、手で股間を隠すと、リュウトの手で左右にどかされた。
「…………っ」
ナツキは耐えるように唇を噛み締める。恥ずかしさのあまり心臓はバクバクとするし、冷や汗も吹き出してきた。
リュウトは黙ったまま、しばらくナツキの股間を眺めていたが、ふいに顎をしゃくった。
「ベッド、乗って」
「えっ?」
リュウトは真顔で言い放った。
「お尻のほうも確認するから」
「え……」
ナツキは泣きそうな顔でリュウトを見つめた。
「……やだ……」
「やだ、じゃない。蔓の粘液だらけの股間と尻で何を言ってるんだ」
「……風呂に」
「見るほうが先」
リュウトは折れなかった。
ナツキは耐えるように唇を噛み締め、しぶしぶベッドに乗った。
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