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第4話
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王子は屹立を根元まで押し込むと、ゆっくりと動き始めた。彼が動くたびに水音が鳴り、シンデレラはたちまちおかしな気分になっていく。
「あっ……はぁっ……はっ、あぁっ……」
王子はシンデレラの苦しげに身じろぐ肢体を見つめつつ、緩急つけながら腰を打ち込んでいく。
「……いい締めつけだ、シンデレラ。気持ちいいよ」
「……王子……さま……」
シンデレラはいきなり、くるんとうつ伏せにされた。腰だけを高く持ち上げるような体勢にされ、背後から力強く突き上げられる。
「んぅっ……あぁっ……」
打ち込まれるたびにパチュパチュと音が鳴る。いいようにされていることはわかっていたが、王子を騙した自分が悪いのだから仕方がない。
それよりも下腹部から脳天にかけて、何度も快感が駆け抜ける。腕に力が入らず、上半身を支えられないので、頬をシーツに押しつけたまま耐えた。
「……待っ……て、何かが……何かが……っ」
身体に異変を感じてシンデレラは慌てた。聞こえているのか聞こえていないのか、王子はお構いなしで彼女を突いてくる。むしろ腰の速度が増してきて、シンデレラは嬌声をあげた。
シーツを思い切りつかむ。
「ひゃあああぁぁぁあああ……っ!」
ビクンビクンと身体が跳ねた。ほぼ同時に王子が低くうめき、彼女の体内に熱いものを注いでくる。それが何なのかもよくわからないまま、シンデレラはその場に崩折れた。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
王子がゆっくりと腰を引き、シンデレラの中から出て行った。中に出されたものが溢れて腿を伝う。唾液すらうまく飲み込めなくなっていたシンデレラは、呼吸が整うまでその場で動けなかった。
王子はそんな彼女をしばらく眺めた後、おもむろに口を開いた。
「シンデレラ、あなたに罰を与えたい」
ぐったりとしたままシンデレラはギクリとした。王子を騙した罰はこれだけではなかったようだ。ぎゅっと目を強くつむり、シンデレラは内心で覚悟を決めた。
「僕と結婚しろ」
「……えっ……?」
耳に飛び込んできた言葉に、シンデレラは驚いて顔をあげた。何を言われているのか、よくわからなかった。
「……罰……なのに、結婚……?」
罰と結婚が結びつかない。問いかけるように王子を見つめていると、彼はシンデレラの頭のてっぺんから爪先まで眺めてから、口を開いた。
「高貴の令嬢のふりをして僕を騙した罪の罰だ。本来ならこの程度では済まされなかっただろう。知ってしまったのが僕だけでよかった。僕さえ黙ればそれで済むのだから」
「……王子様……」
シンデレラは動揺で震えた。潤んだ眼差しで王子を見つめていると、ぎゅっと抱きしめられる。指先で髪をすくわれ、緩くかきあげられるようにされ、王子の唇が近づいてきた。
「受けてくれるね? 僕のプロポーズを」
「……はい。……はい、王子様……」
シンデレラの声は感涙で震えていた。
二人は再びベッドで重なった。仰向けになったシンデレラの上にぴったりと王子が重なり、互いに抱きしめ合う。シンデレラの足が爪先までピンと伸び、ベッドがギシギシと音を立てた。
嬌声をあげるシンデレラを、王子は容赦なく責め立てる。濃厚な時を過ごしているうちに、空は白々と明けてきた。
昼間には、王子がシンデレラを伴って、多くの人々の前へと現れた。昨晩の舞踏会で、途中から王子がいなくなってしまったことでざわざわしていたが、王子の突然の婚姻発表に、なんとなくみんなどういうことなのか察した。
大勢いた娘たちの中からたった一人を選んで、濃厚な時間を過ごしていたのだろう。
シンデレラはいつものボロボロの服ではなく、素敵なドレスに身を包まれていた。昨晩、王子と一緒に踊って目立っていた娘だと人々は気づき、なるほどと納得した。
「明日には婚姻の儀を迎える」
王子の隣に並んでいるのがシンデレラだとわかり、継母と二人の姉が悔しがる。着飾れば美しくなる娘だということは知っていた。知っていたからこそ、ボロボロの服を着せ、ボサボサの髪にさせ、地味な雑用ばかりさせ、舞踏会に連れて行かずに置き去りにしたのだ。
一気に手の届かない存在になったシンデレラは、顔を寄せてくる王子の口づけを受けた。
「未来永劫ずっと幸せにするよ、シンデレラ。だからずっと僕を愛していてくれ」
「はい、王子様。未来永劫、私はあなたを愛し続けます」
シンデレラは心の中で、どこの誰だか知らない親切な魔法使いのおばあさんに感謝した。彼女がいなければ、こんな未来にはならなかっただろう。感謝しても感謝しきれない。どうしてシンデレラを助けてくれたのかはわからないままだったが、いつかまた会えるだろうか。
「あっ……はぁっ……はっ、あぁっ……」
王子はシンデレラの苦しげに身じろぐ肢体を見つめつつ、緩急つけながら腰を打ち込んでいく。
「……いい締めつけだ、シンデレラ。気持ちいいよ」
「……王子……さま……」
シンデレラはいきなり、くるんとうつ伏せにされた。腰だけを高く持ち上げるような体勢にされ、背後から力強く突き上げられる。
「んぅっ……あぁっ……」
打ち込まれるたびにパチュパチュと音が鳴る。いいようにされていることはわかっていたが、王子を騙した自分が悪いのだから仕方がない。
それよりも下腹部から脳天にかけて、何度も快感が駆け抜ける。腕に力が入らず、上半身を支えられないので、頬をシーツに押しつけたまま耐えた。
「……待っ……て、何かが……何かが……っ」
身体に異変を感じてシンデレラは慌てた。聞こえているのか聞こえていないのか、王子はお構いなしで彼女を突いてくる。むしろ腰の速度が増してきて、シンデレラは嬌声をあげた。
シーツを思い切りつかむ。
「ひゃあああぁぁぁあああ……っ!」
ビクンビクンと身体が跳ねた。ほぼ同時に王子が低くうめき、彼女の体内に熱いものを注いでくる。それが何なのかもよくわからないまま、シンデレラはその場に崩折れた。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
王子がゆっくりと腰を引き、シンデレラの中から出て行った。中に出されたものが溢れて腿を伝う。唾液すらうまく飲み込めなくなっていたシンデレラは、呼吸が整うまでその場で動けなかった。
王子はそんな彼女をしばらく眺めた後、おもむろに口を開いた。
「シンデレラ、あなたに罰を与えたい」
ぐったりとしたままシンデレラはギクリとした。王子を騙した罰はこれだけではなかったようだ。ぎゅっと目を強くつむり、シンデレラは内心で覚悟を決めた。
「僕と結婚しろ」
「……えっ……?」
耳に飛び込んできた言葉に、シンデレラは驚いて顔をあげた。何を言われているのか、よくわからなかった。
「……罰……なのに、結婚……?」
罰と結婚が結びつかない。問いかけるように王子を見つめていると、彼はシンデレラの頭のてっぺんから爪先まで眺めてから、口を開いた。
「高貴の令嬢のふりをして僕を騙した罪の罰だ。本来ならこの程度では済まされなかっただろう。知ってしまったのが僕だけでよかった。僕さえ黙ればそれで済むのだから」
「……王子様……」
シンデレラは動揺で震えた。潤んだ眼差しで王子を見つめていると、ぎゅっと抱きしめられる。指先で髪をすくわれ、緩くかきあげられるようにされ、王子の唇が近づいてきた。
「受けてくれるね? 僕のプロポーズを」
「……はい。……はい、王子様……」
シンデレラの声は感涙で震えていた。
二人は再びベッドで重なった。仰向けになったシンデレラの上にぴったりと王子が重なり、互いに抱きしめ合う。シンデレラの足が爪先までピンと伸び、ベッドがギシギシと音を立てた。
嬌声をあげるシンデレラを、王子は容赦なく責め立てる。濃厚な時を過ごしているうちに、空は白々と明けてきた。
昼間には、王子がシンデレラを伴って、多くの人々の前へと現れた。昨晩の舞踏会で、途中から王子がいなくなってしまったことでざわざわしていたが、王子の突然の婚姻発表に、なんとなくみんなどういうことなのか察した。
大勢いた娘たちの中からたった一人を選んで、濃厚な時間を過ごしていたのだろう。
シンデレラはいつものボロボロの服ではなく、素敵なドレスに身を包まれていた。昨晩、王子と一緒に踊って目立っていた娘だと人々は気づき、なるほどと納得した。
「明日には婚姻の儀を迎える」
王子の隣に並んでいるのがシンデレラだとわかり、継母と二人の姉が悔しがる。着飾れば美しくなる娘だということは知っていた。知っていたからこそ、ボロボロの服を着せ、ボサボサの髪にさせ、地味な雑用ばかりさせ、舞踏会に連れて行かずに置き去りにしたのだ。
一気に手の届かない存在になったシンデレラは、顔を寄せてくる王子の口づけを受けた。
「未来永劫ずっと幸せにするよ、シンデレラ。だからずっと僕を愛していてくれ」
「はい、王子様。未来永劫、私はあなたを愛し続けます」
シンデレラは心の中で、どこの誰だか知らない親切な魔法使いのおばあさんに感謝した。彼女がいなければ、こんな未来にはならなかっただろう。感謝しても感謝しきれない。どうしてシンデレラを助けてくれたのかはわからないままだったが、いつかまた会えるだろうか。
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