美少年は異世界でヤンデレに囲われます

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リースさんと妊活を初めてから3週間が経った。
初日はすごく激しくて途中で気絶しちゃったし、そのあと熱も出しちゃって大変だったけど、初日以降は次の日に疲れが残らない程度に抑えてもらっている。


仕事も順調で、落ち着いた日々を過ごしている。

今日も午前中の仕事を終えて、昼食をとり今はリースさんの訓練指導を見学している。
と言っても僕は騎士団の詰所に作られた僕の部屋から外を見ているだけだ。

以前、外のベンチで見学していたら日差しが強くて熱中症になってしまい倒れてしまった。
それ以降外での見学は禁止されてしまった。

外で見た方が迫力があって興奮するんだけど、興奮しすぎて自分の体調にも気付けないからダメなんだ。
僕ってとことん弱いよね。

鍛えようとしてもそもそも体力が幼児並みの僕ができることはあまりにも少なすぎて早々に諦めた。






「マオ様、今城下で流行っている菓子です。召し上がりますか?」

窓から外を眺めていたら従者のエルマさんがお菓子を勧めてくれた。
一口サイズの丸いお菓子だ。カラフルな色でとても可愛い。

一つ食べてみると口の中で溶けていってとても美味しい。

「これすごく美味しいです。こういったものが城下にはたくさんあるんですか?」

「えぇそうですね。お菓子だけでなく様々な物がありますよ」

「そうなんですね。僕城下に行ってみたいです!!」

思えば城に来てから一度も城下に出たことがない。
お城には大きな庭もたくさんあって退屈はしないけど、城下への興味はある。
きっと日本とは全く違う景色なんだろうな・・・。
ヴェルディの街もそこそこ大きい街だったけど城下町はもっと賑わってるはずだよね。


「じょっ城下にですか??」

エルマさんが困ったような顔をした。

「どうしたの?・・・もしかして街に行っちゃダメとか??」

「いえ・・・ダメというわけではありませんが、行くとなると相応の警備が必要になりますのですぐにとはいきませんね」

「え?警備?大丈夫だよ?一人では行かないしリースさんにもついて来てもらえるようお願いしてみるから」

みんなでゾロゾロ歩くと邪魔になりそうだし、僕も気を使うからね。

「もちろんリース様もご一緒でしょうが、マオ様はすでに民にお披露目されておりますのでお顔がバレてしまっています。マオ様の周りを騎士たちで固めなければ、街がパニックになってしまいますよ?」

「え?パニック?どうして?」

「・・・マオ様は、聖魔法の使い手で尊い黒をお持ちです。マオ様を近くでみたいと思っている民は多いのです。」

「僕を近くで見たって何もないのにね?」

「マオ様・・・」

エルマさんがなんだか残念な子を見るような目で僕を見ている。
どうして?だって本当に僕を近くで見たって何もないのに。

「とにかくリース様に相談いたしましょう。」

「はい!!」









「だめだ!!!」

リースさんに相談したら速攻で却下された。

「え?どうしてですか?僕街を見てみたいんです。」

「街に行くこと自体はダメじゃねぇ。だが、俺とマオだけで行くわけにはいかねぇ。もちろんマオのことは俺が守る。だがないくら俺でも四方八方から押し寄せる人を遠ざけることはできねぇ。」

「大丈夫です。みんな僕に興味なんてありませんよ。」

見つかったとしても、あいつが聖魔法使うやつかー。チビだなって思われるくらいだよ。
チビって思われるのは悔しいけど、事実だから言い返せないだろうな。

「はぁーーー。とにかくしばらく考えさせてくれ。」

とっても大きなため息をついたリースさんを不思議に思いながら僕は城下に行ける日が待ち遠しくワクワクしている。













長らく更新を休んでしまい申し訳ありません。
こんなに休むつもりはなかったのですがプライベートが何かと忙しくこのようなことに。
これからは隔日で更新してまいります!
加えて今までの話を所々修正しております。
内容は大きく変わっておりませんが、辻褄があってなかったり言葉使いがおかしかったところをなおしています。
今までのストーリー忘れちゃったっていう人は是非最初から読んでみてください!


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