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性教育
しおりを挟む騎士団の訓練は本当にすごかった。団員たちが僕では絶対できないような運動量を普通にこなすのもすごかったけど、何より僕の旦那様がカッコ良過ぎた。
大きな剣で、相手の剣をヒラリとかわし、隙をついて次々団員たちを倒していくんだ。
あの剣すごく重そうに見えるけど、見た目ほど重くないのかな。
訓練が終わったら触らせてもらおう!
結果、剣はすごく重くて僕は持ち上げることもできなかった。
腕をプルプルさせながら頑張っていたらリースさんに小動物を見るような生ぬるい目で見られた。
うぅ・・・情けない。
僕も鍛えようかな。
僕が教会での仕事の時は、リースさんがついてきてくれてリースさんが仕事の時は僕がついていく。
そんな生活が1年続いた。
今ではあの事件のことは吹っ切れて、誰とでも普通に話すことができる。
これもリースさんのおかげだ。
リースさんがいなかったら僕はきっと今も塞ぎ込んでいると思う。
そんなある日、いつものようにリースさんと熱い夜を過ごした後まったりしていると
「マオ・・・俺たちの子供が欲しくねぇか?」
「え?子供・・・?」
「あぁ、最近考えてたんだ。もちろん、無理強いはしねぇよ?」
「あの・・・僕がいた世界では男の人は子供を産めなかったんです。だから、自分が子供を産むことがいまいち想像できなくて。でも嫌なわけじゃないんです。ただ知識がないから少し怖くて。」
「そうか、ならまずは知ることから始めよう」
その数日後、マシューという人が僕を訪ねてきた。
なんとこの人、ハリスさんの奥さんらしい。
出産経験がある人から話を聞いた方がいいだろうと、リースさんが呼んでくれたんだ。
「お初にお目にかかります。ハリスの伴侶マシューでございます。本日は黒の君にお会いでき大変光栄でございます。」
水色の長髪に銀色の瞳のマシューさんはとっても綺麗な人だった。
「初めまして。マオと言います。あの・・・黒の君と呼ばれるのはちょっと恥かしくてできればマオと呼んでほしいのですが。」
「かしこまりました。ではマオ様、本日は懐妊から出産までの話をお聞きになりたいということですが」
「はっはい!僕あまりそういう知識がなくて。僕もリースさんとの・・・子供がいつかできたらなって思うから。」
「ふふっかしこまりました。私がお教えできることは全てお話しましょう」
「よろしくお願いします」
今部屋には僕とマシューさんの二人だけだ。
リースさんには1年前あんなことがあったから二人きりにするのはダメだって言われたんだけど、こういう話を旦那様の前で聞くのは恥ずかしいからと部屋から出て行ってもらった。
マシューさんはハリスさんの奥さんだから何も心配はない。
「それでは早速、懐妊するまでの流れを説明致しましょう。まずは魔力玉という赤子のもととなるものが必要でございます。」
「魔力玉・・・聞いたことあります」
「魔力玉は教会でもらうことができます。しかし、もらった時点ではただの魔力を含んだ球に過ぎません。その魔力玉を母体・・・つまりマオ様の体に挿入し、その状態で情を交わすのです」
「球を入れたままそのっ・・・エッチするんですか?」
「はい。魔力玉に直接相手方の精液をかけなければいけないのです。」
「・・・なるほど。その玉はどのくらいの大きさなんですか?」
「そうですね・・・このくらいです」
マシューさんが指で輪っかを作ってくれたそれはピンポン玉くらいの大きさだった。
「・・・思ったより大きいですね」
「そうですね。マオ様はお体が小さいですから少々負担が大きいかもしれませんね。しかも一番奥まで挿入しなければいけませんから。」
「・・・頑張ります。」
「魔力玉が無事に受精卵に変わると、卵は魔力を栄養源として大きくなります。魔力は母体のみではいけません。相手方の魔力も必要ですので頻繁に性行為を行ってください。」
「頻繁に・・・。」
「受精するかどうかは運ですので、もしだめだったとしても落ち込まないでください。私も何回か挑戦したのちに子を授かりましたから。」
「そうなのですね。わかりました」
「卵はだいたいマオ様の拳サイズまで大きくなります。期間は半年ほどです。出産したのちに卵が割れて中から魔力が溢れ、それが人の形となります」
「え???待ってください、卵の状態で産むんですか???」
「そうです。」
異世界恐るべし。人が卵で生まれたらこれはもう哺乳類ではないのでは?
やっぱり色々聞いといてよかった。
でも、一番重要なことがまだ聞けていない。
「あの・・・産むのはどこからですか」
「排泄孔です」
やっぱりーーーー!
僕大丈夫かな。あの小さな穴から僕の拳が出てくるんだよ?
・・・でもリースさんのあの大きなモノを挿れてるから意外と大丈夫なのかもしれない。
「あの、卵が大きくなったら・・・えっちはしないほうがいいですようね?」
「そんなことはありません。卵は生まれるまで魔力を必要としますからね」
じゃあ生まれるまでの半年間えっちざんまいってこと??
僕の体が先に根を上げるかもしれない。
こうして僕の性教育は無事に終わりました。
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