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僕の正体
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その後熱が引いたり上がったりを繰り返して結局ベッドから起きれたのは1週間後だった。
その間リースさんはずっと傍にして看病してくれた。
「リースさんご迷惑お掛けしてごめんなさい。もう元気になりましたから大丈夫ですよ」
「あぁ。だがまだ病み上がりなんだ。無理はしちゃいけねぇよ」
そう言って元気になった今でも抱っこされている。
ソファーで膝の上に乗せられてくつろいでいると
「なぁマオ。陛下が言ってた話覚えてるか?」
「…はい。僕のことを公表するって」
「そうだ。俺もしばらく悩んでたんだけどよ、公表した方がいいと思うんだ」
「え?じゃあ…」
「心配するな。俺はマオから離れねぇよ。マオと城に住む」
「…わかりました。あの家に戻れないのは寂しいけど、リースさんと一緒なら僕も頑張ります」
「おぉ!マオ元気になったのか!?心配しておったのだぞ」
「マオ!会いたかったです。もう大丈夫なのですか?」
「ご心配お掛けしてごめんなさい。もう元気です」
執務室を訪ねると王様とウィル殿下がいた。
「陛下、先日の提案について返事させていただきます。単刀直入に申しますと、提案を受けるつもりです。ですが、条件がございます。私もマオと一緒に城に住まわせていただきたい。」
リースさんが僕の腰に腕を回しながら提案の返事をする。
「うむ。わかった。ではそなたの部屋も城に用意しよう」
「いえ、私の部屋はいりません。マオと同室でお願いします」
「リース殿何を言っているのです?マオが体調を崩しているときは泣く泣く許しましたが、本来なら同室など認められません。マオは私の婚約者なのですよ?私の部屋で共に暮らすのです」
ウィル殿下が机を叩き立ち上がる。
え??僕、ウィル殿下の婚約者になったつもりないんだけど!!
「殿下がいつマオの婚約者になったのですか?マオの婚約者は私です。私たちは既に身も心も深く繋がっているのです。殿下であろうと私たちの邪魔は許しません」
リースさぁーん!身も心もって言っちゃったけどエッチしたことバレてないよね…?
僕が顔を赤くしてオロオロしていると、王様が間に入ってくれた。
「お前たち落ち着かんか!マオ、リースと結婚する予定なのか?できれば息子と結ばれて欲しかったのだがこればかりは仕方ない。」
「はっはい。僕はリースさんと結婚したいです。」
ぎゅっとリースさんに抱きつく。
「…そうか、わかった。王族は養子を作ることが出来んのでな。マオは平民のままになってしまうが、城の中では既に尊い存在となっておる。誰もマオを平民扱いはしないであろう。」
「待ってください父上!私はマオを諦めません。私はマオを愛しているのです!」
「ウィル。マオの幸せを壊してはならん。…私はもうマオに嫌われるようなことはしたくないのだ。」
最後の方は小さい声だったから王様が何を言ったのか分からなかった。
ウィル殿下は拳を強く握りしめ震えている。
王様はそんなウィル殿下を部屋から追い出して僕たちに向き直る。
「ところでマオ。魔力鑑定は済んでおるのか?」
「はい。街で鑑定しました」
「そうか、私も内容を確認しておきたいのだ。もう1度鑑定してもよいか?」
ちらっとリースさんを見ると頷いたので了承した。
王様の側近さん??が水晶を持ってきてくれたんだけど、ギルドの時よりも大きい。
「これギルドの水晶より大きいですね」
「あぁマオは上級水晶に触るのは初めてだったな。あの時は下級水晶しか無かったから、属性や魔力量までしか分からなかったが今回はスキルは称号もわかるんだ」
へぇーと思いながら水晶に手をかざし魔力を流す。
前回と同様透明のパネルみたいなものが浮き上がる。
名前:マオ・サトウ
年齢:16歳
魔力量:∞
体力:300
属性:聖属性
伴侶:無し
住居:ヴェルディ
職業:無職
スキル:最上位治癒魔法(※)、魔力譲渡(※)
称号:異世界人、神の愛し子の再来
状態:健康、不老(※)
どどどどどうしよう!!!
異世界人って書いてある!!
バレちゃったよぉ
他に書いてあることはよくわからないけど、王様もリースさんも目を見開いて固まっている。
とにかく謝らなきゃ!嘘ついてたわけじゃないけど隠してたし
「ごっごめんなさい!僕、実は違う世界から来たんです。信じてもらえないだろうし怪しまれると思って隠してました」
頭を下げて謝ると、2人ともハッとして
「マオ…そうだったのか。俺はてっきり性奴隷にされていたんだと思ってた。勘違いして悪かったな」
「まさか異世界人だとは。じゃが黒目黒髪はこの世界には存在せんからな。言われてみれば当たり前か」
性奴隷!?リースさん何て勘違いを…。
「マオはどうやってこの世界に来たんだ?」
「それが…僕もよくわからないんです。いきなり光に包まれて気がついたらリースさんと出会ったあの草原にいました」
「そうか。神の愛し子と書いてあるし神の仕業だろうな。再来ということは500年前の黒目黒髪をした人物を指しているのか」
「ふむ。他にも気になる記載がある。マオ※の部分を開けてくれぬか?補足があるはずだ」
「わかりました」
※の部分を見せてくださいって心の中で念じる。
最上位治癒魔法…魔力を流し込んだ相手の状態を回復する。魔法による副作用なし。
魔力譲渡…粘膜から相手に魔力を譲渡することができる。譲渡した魔力の有効期間は10日間。
不老…愛するものからの精液摂取により不老となる。1回の摂取で30日間有効。寿命は変化なし。
え?エッチしたら不老になるの???
何これ!このチート必要なの??
でも寿命は変わらないって書いてある。別に長生きできるって訳じゃないんだね。
「陛下…私も魔力鑑定してよろしいでしょうか。この記載が本当なら私の魔力も変動しているはずです」
そういえばリースさんの鑑定見たことないなぁ。
ていうか、もうエッチしましたって言っちゃってるよぉ。
「ふむ。ではリース鑑定してみよ」
名前:リース
年齢:35歳
魔力量:20000
体力:7000
属性:火属性
伴侶:無し
住居:ヴェルディ
職業:ヴェルディギルドマスター
スキル:上級剣術、上級格闘術
称号:炎術の猛者
状態:健康
「こっこれは…魔力が5000も増えている!!」
「なんと!!5000も!これは驚きだ。しかし…これは外に漏れれば大変なことになるな。」
「そうですね。我々3人だけの秘匿といたしましょう」
「それがよいな」
なんだか僕のよくわからないうちに話が進んでる。
「よいかマオ。属性についてはもう隠すことは出来ぬが、ほかの項目は誰にも知られてはいかんぞ?悪用されかねん」
「わっわかりました!」
「大丈夫だマオ。必ず俺が守るからな」
なんだか不安になっちゃったけどリースさんと一緒なら大丈夫な気がする。
それにしても僕の体力300ってどうなんだろう。
リースさんは7000って書いてあったけど…。
「それからマオの体力は幼児並みだからな。生まれたばかりの赤子がだいたい100くらいだ。長距離を歩いたり重たいものを持っちゃいけねぇぞ?」
え?僕貧弱認定されちゃったの…?
その間リースさんはずっと傍にして看病してくれた。
「リースさんご迷惑お掛けしてごめんなさい。もう元気になりましたから大丈夫ですよ」
「あぁ。だがまだ病み上がりなんだ。無理はしちゃいけねぇよ」
そう言って元気になった今でも抱っこされている。
ソファーで膝の上に乗せられてくつろいでいると
「なぁマオ。陛下が言ってた話覚えてるか?」
「…はい。僕のことを公表するって」
「そうだ。俺もしばらく悩んでたんだけどよ、公表した方がいいと思うんだ」
「え?じゃあ…」
「心配するな。俺はマオから離れねぇよ。マオと城に住む」
「…わかりました。あの家に戻れないのは寂しいけど、リースさんと一緒なら僕も頑張ります」
「おぉ!マオ元気になったのか!?心配しておったのだぞ」
「マオ!会いたかったです。もう大丈夫なのですか?」
「ご心配お掛けしてごめんなさい。もう元気です」
執務室を訪ねると王様とウィル殿下がいた。
「陛下、先日の提案について返事させていただきます。単刀直入に申しますと、提案を受けるつもりです。ですが、条件がございます。私もマオと一緒に城に住まわせていただきたい。」
リースさんが僕の腰に腕を回しながら提案の返事をする。
「うむ。わかった。ではそなたの部屋も城に用意しよう」
「いえ、私の部屋はいりません。マオと同室でお願いします」
「リース殿何を言っているのです?マオが体調を崩しているときは泣く泣く許しましたが、本来なら同室など認められません。マオは私の婚約者なのですよ?私の部屋で共に暮らすのです」
ウィル殿下が机を叩き立ち上がる。
え??僕、ウィル殿下の婚約者になったつもりないんだけど!!
「殿下がいつマオの婚約者になったのですか?マオの婚約者は私です。私たちは既に身も心も深く繋がっているのです。殿下であろうと私たちの邪魔は許しません」
リースさぁーん!身も心もって言っちゃったけどエッチしたことバレてないよね…?
僕が顔を赤くしてオロオロしていると、王様が間に入ってくれた。
「お前たち落ち着かんか!マオ、リースと結婚する予定なのか?できれば息子と結ばれて欲しかったのだがこればかりは仕方ない。」
「はっはい。僕はリースさんと結婚したいです。」
ぎゅっとリースさんに抱きつく。
「…そうか、わかった。王族は養子を作ることが出来んのでな。マオは平民のままになってしまうが、城の中では既に尊い存在となっておる。誰もマオを平民扱いはしないであろう。」
「待ってください父上!私はマオを諦めません。私はマオを愛しているのです!」
「ウィル。マオの幸せを壊してはならん。…私はもうマオに嫌われるようなことはしたくないのだ。」
最後の方は小さい声だったから王様が何を言ったのか分からなかった。
ウィル殿下は拳を強く握りしめ震えている。
王様はそんなウィル殿下を部屋から追い出して僕たちに向き直る。
「ところでマオ。魔力鑑定は済んでおるのか?」
「はい。街で鑑定しました」
「そうか、私も内容を確認しておきたいのだ。もう1度鑑定してもよいか?」
ちらっとリースさんを見ると頷いたので了承した。
王様の側近さん??が水晶を持ってきてくれたんだけど、ギルドの時よりも大きい。
「これギルドの水晶より大きいですね」
「あぁマオは上級水晶に触るのは初めてだったな。あの時は下級水晶しか無かったから、属性や魔力量までしか分からなかったが今回はスキルは称号もわかるんだ」
へぇーと思いながら水晶に手をかざし魔力を流す。
前回と同様透明のパネルみたいなものが浮き上がる。
名前:マオ・サトウ
年齢:16歳
魔力量:∞
体力:300
属性:聖属性
伴侶:無し
住居:ヴェルディ
職業:無職
スキル:最上位治癒魔法(※)、魔力譲渡(※)
称号:異世界人、神の愛し子の再来
状態:健康、不老(※)
どどどどどうしよう!!!
異世界人って書いてある!!
バレちゃったよぉ
他に書いてあることはよくわからないけど、王様もリースさんも目を見開いて固まっている。
とにかく謝らなきゃ!嘘ついてたわけじゃないけど隠してたし
「ごっごめんなさい!僕、実は違う世界から来たんです。信じてもらえないだろうし怪しまれると思って隠してました」
頭を下げて謝ると、2人ともハッとして
「マオ…そうだったのか。俺はてっきり性奴隷にされていたんだと思ってた。勘違いして悪かったな」
「まさか異世界人だとは。じゃが黒目黒髪はこの世界には存在せんからな。言われてみれば当たり前か」
性奴隷!?リースさん何て勘違いを…。
「マオはどうやってこの世界に来たんだ?」
「それが…僕もよくわからないんです。いきなり光に包まれて気がついたらリースさんと出会ったあの草原にいました」
「そうか。神の愛し子と書いてあるし神の仕業だろうな。再来ということは500年前の黒目黒髪をした人物を指しているのか」
「ふむ。他にも気になる記載がある。マオ※の部分を開けてくれぬか?補足があるはずだ」
「わかりました」
※の部分を見せてくださいって心の中で念じる。
最上位治癒魔法…魔力を流し込んだ相手の状態を回復する。魔法による副作用なし。
魔力譲渡…粘膜から相手に魔力を譲渡することができる。譲渡した魔力の有効期間は10日間。
不老…愛するものからの精液摂取により不老となる。1回の摂取で30日間有効。寿命は変化なし。
え?エッチしたら不老になるの???
何これ!このチート必要なの??
でも寿命は変わらないって書いてある。別に長生きできるって訳じゃないんだね。
「陛下…私も魔力鑑定してよろしいでしょうか。この記載が本当なら私の魔力も変動しているはずです」
そういえばリースさんの鑑定見たことないなぁ。
ていうか、もうエッチしましたって言っちゃってるよぉ。
「ふむ。ではリース鑑定してみよ」
名前:リース
年齢:35歳
魔力量:20000
体力:7000
属性:火属性
伴侶:無し
住居:ヴェルディ
職業:ヴェルディギルドマスター
スキル:上級剣術、上級格闘術
称号:炎術の猛者
状態:健康
「こっこれは…魔力が5000も増えている!!」
「なんと!!5000も!これは驚きだ。しかし…これは外に漏れれば大変なことになるな。」
「そうですね。我々3人だけの秘匿といたしましょう」
「それがよいな」
なんだか僕のよくわからないうちに話が進んでる。
「よいかマオ。属性についてはもう隠すことは出来ぬが、ほかの項目は誰にも知られてはいかんぞ?悪用されかねん」
「わっわかりました!」
「大丈夫だマオ。必ず俺が守るからな」
なんだか不安になっちゃったけどリースさんと一緒なら大丈夫な気がする。
それにしても僕の体力300ってどうなんだろう。
リースさんは7000って書いてあったけど…。
「それからマオの体力は幼児並みだからな。生まれたばかりの赤子がだいたい100くらいだ。長距離を歩いたり重たいものを持っちゃいけねぇぞ?」
え?僕貧弱認定されちゃったの…?
応援ありがとうございます!
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