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離すものか リースside
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マオの治癒魔法は想像以上だった。
どんな傷でもみるみるうちに治してしまう。
しかし、魔力が無限とはいえマオには体力がない。頻回に立ったり座ったりを繰り返し、忙しく走り回っているマオにはキツいだろう。
治療し終えた後、すぐに仮眠室に連れていって休ませてやらねば。
ダンに一言声をかけておこう。そう思い、ダンの居場所を確認するためにマオから目を離した。
その瞬間、教会の扉があき、強い風が吹いた。
まずい!!と思った時にはもう遅かった。
マオのフードが脱げて黒目黒髪が皆の前に晒された。
周りが騒がしくなる。
黒をもつものを目の当たりにし、皆驚いてる。
中にはマオを神だと言っているヤツもいる。
まぁ、どんな傷でもキレイに治してしまうマオの存在は神みたいなものだろう。
皆、マオに夢中になっている。
ダメだ、見るな。俺のものだ。俺のマオだ。
誰かの視界にマオが入るだけでも酷く嫉妬してしまう。
俺は素早くマオにフートを被らせ抱き上げた。
ダンに「後は頼む」と一言残し、俺の家に急ぐ。
家に戻り、誰にもマオを見られる心配がなくなりやっと安心できる。
「リースさん!ごめんなさい。僕っ、僕見られちゃいました。どうしましょう。」
泣きそうな顔で俺に謝るマオを強く抱き締める。
「大丈夫だ。何があっても俺が守る。そう約束しただろう?それに、マオはたくさんの人を治したんだ。胸を張ることはあっても謝ることなはい。」
「でも、ぼく…」
「心配するな。今日はたくさん動いて疲れただろう?早く休もう」
まだ何か言いたそうにしているマオを無理やり布団の中に入れた。
やはり、疲れていたんだろう。いつものように抱き締めてやると暫くして寝息が聞こえ始めた。
とは言え、問題は山積みだ。
マオの耳にあるピアスに口付けながら、これからのことを考える。
多くの人の目にマオの姿が晒されてしまった。
国の重鎮、すなわち国王の耳に入るのも時間の問題だ。
ここライム王国の現国王は先代王とは違い、あまり好戦的ではない。どちらかと言うと話し合いで解決しようとする男だ。
しかし、それは決して弱いと言うわけではない。
ありとあらゆるものに先手を打ち、相手に有無を言わせぬやり方なのだ。
つまり非常に頭の切れるヤツなんだ。
王位についてからは、賄賂、不正な取引を決して許さず、それらの罪を犯したものは貴族であっても容赦なく爵位の剥奪または降格を命ずる。
そのお陰で、平民の暮らしは随分とよくなり、清廉潔白を望む貴族からも厚い支持を受けている。
貴族の中には現国王に反感を抱いているものもいるようだが、すべての証拠を押さえられており、手も足も出せないようだ。
そんな男がマオの存在を知ってじっとしているわけがない。
近いうちに城から呼び出しがあるだろう。
もちろん、マオを1人で行かせはしない。
俺からマオを奪おうとするヤツは例え国王であろうと許しはしない。
それから2日後、城への登城命令が下された。
思ったより早いな。
わざわざ城から迎えの馬車が寄越された。
拒否できない上に、逃げられぬぞと言われているようなものだ。
俺たちは貴族じゃないから正装なんてものはない。
普段よりも少しだけ小綺麗な格好をするだけだ。
2人で馬車に乗り、その周りを騎士達が取り囲むように並走し城へ向かう。
「マオ。これから国王に会わなきゃならない。何を言われるかだいたい想像はつく。おそらく、マオを城の中に囲おうとするはすだ。だが、清廉潔白を謳っている王は無理矢理閉じ込めることはできない。いいか?城で保護してやろうなどと言われてもちゃんと断るんだ」
「わかりました。僕断ればいいのですね!」
そうだ、必ずマオは連れて帰る。
どんな傷でもみるみるうちに治してしまう。
しかし、魔力が無限とはいえマオには体力がない。頻回に立ったり座ったりを繰り返し、忙しく走り回っているマオにはキツいだろう。
治療し終えた後、すぐに仮眠室に連れていって休ませてやらねば。
ダンに一言声をかけておこう。そう思い、ダンの居場所を確認するためにマオから目を離した。
その瞬間、教会の扉があき、強い風が吹いた。
まずい!!と思った時にはもう遅かった。
マオのフードが脱げて黒目黒髪が皆の前に晒された。
周りが騒がしくなる。
黒をもつものを目の当たりにし、皆驚いてる。
中にはマオを神だと言っているヤツもいる。
まぁ、どんな傷でもキレイに治してしまうマオの存在は神みたいなものだろう。
皆、マオに夢中になっている。
ダメだ、見るな。俺のものだ。俺のマオだ。
誰かの視界にマオが入るだけでも酷く嫉妬してしまう。
俺は素早くマオにフートを被らせ抱き上げた。
ダンに「後は頼む」と一言残し、俺の家に急ぐ。
家に戻り、誰にもマオを見られる心配がなくなりやっと安心できる。
「リースさん!ごめんなさい。僕っ、僕見られちゃいました。どうしましょう。」
泣きそうな顔で俺に謝るマオを強く抱き締める。
「大丈夫だ。何があっても俺が守る。そう約束しただろう?それに、マオはたくさんの人を治したんだ。胸を張ることはあっても謝ることなはい。」
「でも、ぼく…」
「心配するな。今日はたくさん動いて疲れただろう?早く休もう」
まだ何か言いたそうにしているマオを無理やり布団の中に入れた。
やはり、疲れていたんだろう。いつものように抱き締めてやると暫くして寝息が聞こえ始めた。
とは言え、問題は山積みだ。
マオの耳にあるピアスに口付けながら、これからのことを考える。
多くの人の目にマオの姿が晒されてしまった。
国の重鎮、すなわち国王の耳に入るのも時間の問題だ。
ここライム王国の現国王は先代王とは違い、あまり好戦的ではない。どちらかと言うと話し合いで解決しようとする男だ。
しかし、それは決して弱いと言うわけではない。
ありとあらゆるものに先手を打ち、相手に有無を言わせぬやり方なのだ。
つまり非常に頭の切れるヤツなんだ。
王位についてからは、賄賂、不正な取引を決して許さず、それらの罪を犯したものは貴族であっても容赦なく爵位の剥奪または降格を命ずる。
そのお陰で、平民の暮らしは随分とよくなり、清廉潔白を望む貴族からも厚い支持を受けている。
貴族の中には現国王に反感を抱いているものもいるようだが、すべての証拠を押さえられており、手も足も出せないようだ。
そんな男がマオの存在を知ってじっとしているわけがない。
近いうちに城から呼び出しがあるだろう。
もちろん、マオを1人で行かせはしない。
俺からマオを奪おうとするヤツは例え国王であろうと許しはしない。
それから2日後、城への登城命令が下された。
思ったより早いな。
わざわざ城から迎えの馬車が寄越された。
拒否できない上に、逃げられぬぞと言われているようなものだ。
俺たちは貴族じゃないから正装なんてものはない。
普段よりも少しだけ小綺麗な格好をするだけだ。
2人で馬車に乗り、その周りを騎士達が取り囲むように並走し城へ向かう。
「マオ。これから国王に会わなきゃならない。何を言われるかだいたい想像はつく。おそらく、マオを城の中に囲おうとするはすだ。だが、清廉潔白を謳っている王は無理矢理閉じ込めることはできない。いいか?城で保護してやろうなどと言われてもちゃんと断るんだ」
「わかりました。僕断ればいいのですね!」
そうだ、必ずマオは連れて帰る。
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