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誰か助けて

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結局僕が残した分はリースさんがペロリと食べてくれた。すごい!日本の某番組、テ○ビチャンピオンの大食い選手権に出れそう。

その後、ダンさんが、僕の足裏の怪我を治してくれた。なんとダンさんは光魔法の使い手だった。
傷を治してもらう瞬間、足裏がこれまで以上に痛み、思わず声を漏らしてしまった。
「マオ君、痛い思いをさせてすいません。治癒には魔法を使う側の魔力を必要とするのですが、その時にどうしても痛みが生じるのです。今回、マオ君は傷の深さも範囲も大したことありませんので、これくらいで済みましたが、もっとひどい傷になればなるほど治療時の痛みも大きくなるのです。」

そうなんだ。魔法って凄く便利なものだと思ってたけど、デメリットもあるんだね。

「ダンさん、治してくれてありがとうございます。確かに痛みは感じましたが大丈夫です。」



そんなこんなで、お昼ごはんを食べたあと少しゆっくりして、リースさんは書類仕事を再開した。僕は午前中と同じようにリースさんの膝の上です、はい。

んー、トイレに行きたくなっちゃった。
「リースさん、僕お手洗いに行ってきてもいいですか?」

「ああ、なら一緒に行こう」

「え?1人で大丈夫ですよ?」

「だが、場所がわからねぇだろ?」

「じゃあ場所だけ教えてください。トイレくらい1人で行けますから」
忙しいリースさんを僕のトイレなんかに付き合わせちゃダメだもん。

「…わかった。トイレはこの執務室を出て左に進んだ先の突き当たりだ。1階にもあるが、そっちは冒険者が使うから、マオは2階のトイレを使ってくれ」

「わかりました。じゃ行ってきますね」



えーっと、部屋を出て左の突き当たり……。あった!ここだね!
あれ?誰かいる?
「あれ?坊主、こんなところに1人でどうしたんだ?

作業服っぽい服装の男の人がモップを持ってトイレにいた。

「あの、今日はリースさんに連れてきてもらって…。トイレ使ってもいいですか?」

「ギルマスの知り合いか?すまんが、今は清掃中なんだ。少し待ってもらうか、1階のトイレを使ってくれ」

「そうですか、わかりました。1階のトイレお借りしますね」
早くトイレを済ませたかったから僕は1階のトイレを使うことにした。冒険者の人が使うって言ってたけど、僕が使っちゃダメとは言われてないし大丈夫だよね。

1階に降りて、受付のお兄さんにトイレの場所を聞いて用を済まし、手洗い場で手を洗っていると、ガタイのいい男の人が入ってきた。
フードの中見られたら大変だ。早く出よう。そう思ったとき
「あ?何でこんなとこにガキがいるんだ?」

わっ、話しかけられちゃった。どうしよ、何て言えばいいのかな。とりあえず、無視はダメだよね。
「あっあの、僕は今日たまたまここにいるだけで、冒険者ではありませんので。あっ、でも怪しいものでもありません。」

「そんなにフード深く被って怪しいものではありませんって。そんな嘘が通じると思ってんのか?怪しくないならフード取ってみろよ」

どうしよう。余計怪しまれた??
「フ、フードは訳あって取れないんです。すいません、僕急いでますので、これで失礼します。」
早くリースさんのところに戻ろう。そう思ってトイレの出口に向かおうとしたとき
ガシッ!!!
「う゛っ……」
思いきり肩を掴まれた。

「いっ痛い、痛いです。離してください。」
何とか腕を振りほどこうと、もがいていると、その拍子に被っていたフードが取れてしまった。

「えっ?おっお前、その髪と目の色……。」
僕を掴んでいた男の人は僕の顔を見た瞬間、目を見開き固まった。
やばい、見られちゃった。あれだけ他の人には知られちゃいけないってリースさんに注意されてたのに。
オロオロしていると、
「ビックリしたぜ。黒を持つ人間なんてお伽噺の中だけだと思ってたのによぉ。これは良いもん見つけたぞ。おまけにとんだ美人だ。」
ニヤニヤしながら値踏みするような視線に僕は恐怖し、足がガクガク震えてしまう。

僕が動けないでいると、いきなり腰を掴まれ抱き寄せられた。突然のことで声が出せない。
「ちーっとガキすぎるが、十分楽しみそうだ」
そう言って僕のシャツの裾から手をいれてきた。

肌の上を湿った手が這っていく。あまりの不快感に鳥肌が立つ。
「いやー、いやだ。やめてください」
僕はやっと出せた声と共に必死に抵抗するが、体格差がありすぎてまるで効いてない。

「いいねー、その悲鳴。そそるぜぇ。ほら、もっと鳴いてみろよ」

男の手はそのまま上がってきて僕の乳首を強く摘まんだ。
「あっやめて!いたい、いたいー」
そのままクニクニと捏ねたり、爪で引っ掻いたりと男の手は止まらない。
怖くて怖くて、涙が滲む。

そして、ブチブチブチという嫌な音と共にシャツのボタンが飛び散った。
え?と思ったときにはシャツが完全にはだけていた。そのままトイレの壁に押さえつけられ、ガブッと首筋に噛みつかれる。
「あ゛あ゛ああぁぁー」
痛みと恐怖に、涙がポロポロと落ちる。

「お前はこれから俺のものになるんだぜ。その噛み跡が証拠だ。気持ちよくしてやるからよ」
不気味な笑みを浮かべながら、そう言われると
この先に待っていることを嫌でも分かってしまい、この世界に来てから一番信用している人の名前を無我夢中で叫ぶ。

「リースさん!リースさんたすけてーー」

僕が叫んだと同時にトイレの入り口のドアが勢いよく開き、その直後、ゴキッ、ボキッという音と共に男が遠くに吹っ飛んだ。

何が起きたか理解できてない僕だったけど、さっきまで嗅いでいた匂いに包まれ、リースさんに抱き締められているんだとわかった。
「マオ、遅くなってすまない。もう大丈夫だ。」

「リース…さん?…リースさん、リースさん!!ぼくっ、ぼくっ……」
さっきまでの恐怖でいつの間にか過呼吸になっていた僕はうまくしゃべることが出来ず、そのまま意識を失った。








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