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僕はおとな?

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思い切り泣くとスッキリした。
「リースさん、すいません服濡らしてしまいました」気づけばリースさんの胸元がビッショリ濡れてしまっている。

「こんくらい構わないさ。落ち着いたか?」

「はい、取り乱してしまいすいませんでした。もう大丈夫ですから」

「そうか。泣きたいときは思い切り泣けばいい。だがな1人で泣くのはダメだ。泣くときは必ず俺の腕の中で泣けよ?」

どうして他の人の前で泣いちゃダメなんだろうと思ったけど、僕が泣いてる姿なんて誰も見たくないよね。リースさんは優しいから気を遣ってくれてるのかな。
「リースさん、ありがとうございます。僕なんかに気を遣ってもらって」

「…うん、わかってねぇな」
ボソッとリースさんが何か呟いたがよく聞こえなかった。

「それはそうとマオ!一つ確認しときたいんだが、さっき魔力鑑定で15歳と出てたが、あれは間違いないのか?」

「はい、僕は15歳です。もうすぐ16歳になりますよ」

「まじか」
「信じられません」

リースさんとダンさんが僕を頭から足先まで確認するように見つめている。
「えーっと、僕は何歳くらいに見えるのですか?」

「10歳くらいだな「ですね」」

え?僕ってそんなに幼く見えるの?確かにチビで童顔だけどさ。こっちの世界の人はみんか大きいから余計に僕が小さく見えるんだ。

「まさか成人しているなんてな。驚いたが、逆に言えば遠慮しなくていいってことだな」
なんだかリースさんが嬉しそうだ。どうしたんだろう。それよりも
「僕って成人しているんですか?成人はいくつからですか?」

「15歳だ」

15歳?日本では最近18歳から成人扱いされるようになったけど、この世界はもっと早いんだね。
僕も成人してるってことは、いつまでもリースさんに甘えっぱなしは良くないよね。ちゃんと働いて自立しなきゃ。

「僕が成人しているなら、どこかで働くことは可能ですか?今はリースさんのおうちにお世話になってますけど、ずっとっていう訳にはいきませんし、できれば住み込みで働けるところがありがたいのですが」

「だめだ!そんなことは許さん!!」
バンっとテーブルを叩きながら立ち上がったリースさんにビックリして身体が跳ねた。

「あっ、えーとすまない。マオ、お前はこの国の生活には慣れてなさそうだし、魔法もまだ覚えてないだろう?そんな状態で、働くのは難しいと思うぞ?それにずっとフードを被って仕事するわけにはいかないだろう?」

確かに僕はこの世界についてまだ何も知らない。そんな僕ではどこも雇ってくれないだろうし、逆に迷惑をかけるかもしれない。フードに関しては、内職とかならなんとかなるかも知れないけど。どちらにせよまずはこの世界についての勉強と、生活魔法を覚えることだよね。

「わかりました。リースさんの言う通りですよね。僕、何も知らないのに働きたいなんて言っちゃってごめんなさい。」

「いや、わかってくれればいいんだ」
リースさんはホッとした表情で、ソファーに座り直した。

よし、さっそく明日から魔法の練習頑張ろう!!


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