美少年は異世界でヤンデレに囲われます

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ダンside

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「さぁ、ギルマス!マオ君のことを聞かせてもらいますよ」

「あぁ、わかってるって。さっきも言ったがマオは昨日草原を散歩してるときに、木の下で寝ているのを見つけたんだ」

「え?寝てたんですか?まだ夜じゃないとは言え、そんなところで寝ていては危険なのでは?」

「俺もそう思って、慌てて起こしたさ。マオが眼を開けたときにはさすがの俺も驚いたけどな。なんたって黒目黒髪なんだからよ。」

「黒目黒髪の人物がいれば、瞬く間に世間に広まるでしょうに、そんな話は聞いたことがありませんね。」

「あぁ、だからマオは今までどこかに幽閉されていたとしか思えない。しかも、自分がどうしてここにいるのかわかっていないようだったし、見つけたときは半袖半パンだったんだ。どう考えても外に出る服装じゃねぇ。あんな愛玩奴隷みたいな格好じゃ襲ってくれと言ってるようなもんだ」

「では、幽閉されていたところから逃げ出した、もしくは主人に捨てられたということですか?」

「おそらくな。詳しいことはマオ自身から聞いたわけじゃないが、状況を整理するとそれで間違いないだろう」

「そうですか。黒目黒髪にあの美貌ですしね。良からぬ奴らに目をつけられてもおかしくないですね」

「あぁ、それにマオは魔法の存在も知らなかったんだ。マオが逃げ出さないように余計な知識はつけないように徹底していたんだろう。腹立たしい」

「そんな、魔法を知らずに育ったというのですか?」

「その証拠に、自分にどれ程の魔力があり、どの属性を持っているのか知らないんだ」

「この国では5歳になれば国民全員が魔力鑑定を受ける決まりになっているのに、人としての最低限の人権さえ与えられていなかったという訳ですね。なんと不憫な」

「だからまずはギルドにいってマオの魔力鑑定をしようと思ってる。お前も協力してくれ。」

「そういうことでしたら、喜んで協力させていただきます。しかし、ギルマス。今高性能の水晶は他のギルドに貸し出し中でして、今あるのはせいぜい魔力量と属性を鑑定する水晶しかありませんよ?」

「まぁ、とりあえずは普通の水晶でいいだろう。他の項目は別に急がなくてもいいんじゃないか?とりあえずは生活魔法を使えるようになるのか目標だしな」

「わかりました。では私も一緒にギルドに行っても?」

「あぁ、よろしく頼む」

「ところで、マオ君のことはこれからどうするのですか?ギルマスがずっと保護するわけではないでしょう?孤児院を探しますか?」

「いや、マオは俺の家で暮らす。その代わり家事を手伝ってもらう予定だ」

「え?ギルマスの家に??もしかして……、マオ君を恋人にするつもりではないでしょうね」

「……」

「ギルマス!いけませんよ。彼はまだ未成年です。それに今まで辛い目に合ってきたのです。そんな彼に性的接触は絶対にダメですよ」

「わかってる!!俺だって未成年に手を出そうなんて思ってねぇよ。まずは俺のことを信用して頼ってもらえるようにするさ」

「……絶対ですからね」

こうして、私はギルマスがマオ君に手を出さないようにきつくお灸を添えながらも、ギルマスのことを疑いの眼で見てしまうのでした。













次回からマオ視点に戻ります。
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