死にたがりの独白

空

つり橋を渡っていった先の
ただ芝の生えただけの丘に
一人寝転んで空を見上げる

故郷よりもずっと冷たくて
故郷よりもずっと広い空だ

浮雲の早く流れていくのが
無情にも訪れる明日に似て

私のもう一つの故郷だとは
未だ確信して言えない空に
私は本当の故郷の夢を見る

いつまで私は囚われたまま
この空を見上げ続けるのだ

あの町はもはや変わり果て
僅かな面影しか残さぬのに

何もかも忘れてしまえたら
この空を故郷と呼べようか

もはや心は疲れてしまった

過去に留まることもできず
未来を夢むこともできない

死にたい訳ではないけれど
ああもう何も考えたくない