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ハードモードすぎて辛い。
なんて良い子なのか
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俺が自己紹介を終え席に着くと、今までびくともしなかった中年の先生が、のそのそと顔のタオルをたたみ喋り出した。
「どーやら終わったみたいだな~。にしても、今年は随分とハズレくじを引かされた気分だよ。第三王子様に、嫌な噂が耐えない謎の引きこもり公爵息子。それから今日は来てないが、あの問題児くんもこのクラスに居るようだし?不安要素しかなくて先生は心配だよ。はぁ~あ、まぁ厄介事だけは起こすなよ~。」
先生それ言って大丈夫なの!?俺はまだしも、第三王子不安要素扱いして首飛ばないのか……ま、まぁここ学園だし関係ない……のか?
先生の言動によってなのか、なにか締まらない空気が流れている教室に、凛とした声が響く。
「イリナ先生。いくら知った顔ばかりだからといっても、あまりそう言う本音を生徒の前で漏らすものじゃありませんよ。それに、今年は見慣れない顔もいますので、しっかりガイダンスして頂きたいです。」
「ほいほい。わかりましたよ王子様ー。だからそのキラキラ爽やかスマイルをしまってくれー。」
どうやら中年先生はイリナというらしい。
パッと見はだらしない酒飲み中年だが、流石はゲームに登場するキャラだ。顔が良い。
身なりをきちんとしたら死ぬほどモテそうだ。
イリナ……イリナ……うーん、ゲームにいたか?思い出せない。
ヴィクトル王子と同じクラスならこの先生も少なからず、ストーリーに出ているはずなんだが。それによく良く考えればヴィクトル王子のいるクラスには、主人公も居るはずなのだ。誰だ。全くそれっぽい人物が見当たらない。というかそれっぽい見た目の人物が多すぎて誰かわからないというべきか?たしか主人公は、男爵家の息子だったはずだ。
「じゃ、一応ガイダンスでもするか~。」
そう言って喋り出すイリナ先生。
どうやら今日はこの話を聞いたら解散らしい。明日実技や筆記などの基礎力を測定して授業に入るそうだ。1年前の成長を図るための最初の測定らしい。
「それから前期には~」
と1年の予定を軽く説明してくれた。本当に軽くだが。聞いてる限りでは前世で通っていた学校とあまり変わらなさそうだ。テストがあり、季節ごとに行事があり。という感じだ。
「まぁ、俺は楽しむ暇なんてないだろうけどね。」
「って感じだー。じゃ、今日伝える事伝えたから、明日に向けて帰って早く寝ろ~。解散!」
そうイリナ先生は言い放ち教室を出ていく。
その後を追うように生徒たちもまばらに教室を出ていった。
チラチラ色んな人が俺を見ていたが、誰一人として俺に声をかける者はいなかった。
「ま、変な噂ばっかだし、喋りかけるも何も無いよな。俺ってば見世物~……。はぁ、もう昼か、どっかで適当に飯でも食うか。ここ食堂あるって言ってたよな。今日もやってるだろうか。」
「ね、ねぇ!良かったら一緒にサンドイッチ食べない?!貴族様の口に合うかはわからないけど…母さんがいっぱい作ってくれたんだ!」
急だったのでびっくりした。自分に話しかける人なんていないと思って油断していた。
後ろを振り向くと、そこにはリュンイが居た。
「ダメ、かな……?」
「だ、ダメじゃ無いけれど……」
少し寂しそうな顔をするリュンイを見て思わず言ってしまったが、リュンイをこれからの事に巻き込む訳にはいかないとさっき決めたじゃないか!
「でもリュンイ君。僕は見ての通り嫌われ者だから。僕と一緒にいたら君まで変な噂が流れちゃうかも知れないよ?」
「ん?リンシャ君が嫌われ者だとは思わないけど…俺貴族様の事情とか知らないしね。まぁそんなの関係ないって!俺がリンシャ君と仲良くしたいと思ったんだ!他の人は関係ないよ!」
この子は聖人なのだろうか。そんな真っ直ぐな瞳で見つめられたら俺も断りずらいじゃないか……
「せ、せめて人目の無いような所とかで食べようか…」
「一緒に食べてくれるんだね!?やった!!場所ならいい所があるから任せてよ!」
「どーやら終わったみたいだな~。にしても、今年は随分とハズレくじを引かされた気分だよ。第三王子様に、嫌な噂が耐えない謎の引きこもり公爵息子。それから今日は来てないが、あの問題児くんもこのクラスに居るようだし?不安要素しかなくて先生は心配だよ。はぁ~あ、まぁ厄介事だけは起こすなよ~。」
先生それ言って大丈夫なの!?俺はまだしも、第三王子不安要素扱いして首飛ばないのか……ま、まぁここ学園だし関係ない……のか?
先生の言動によってなのか、なにか締まらない空気が流れている教室に、凛とした声が響く。
「イリナ先生。いくら知った顔ばかりだからといっても、あまりそう言う本音を生徒の前で漏らすものじゃありませんよ。それに、今年は見慣れない顔もいますので、しっかりガイダンスして頂きたいです。」
「ほいほい。わかりましたよ王子様ー。だからそのキラキラ爽やかスマイルをしまってくれー。」
どうやら中年先生はイリナというらしい。
パッと見はだらしない酒飲み中年だが、流石はゲームに登場するキャラだ。顔が良い。
身なりをきちんとしたら死ぬほどモテそうだ。
イリナ……イリナ……うーん、ゲームにいたか?思い出せない。
ヴィクトル王子と同じクラスならこの先生も少なからず、ストーリーに出ているはずなんだが。それによく良く考えればヴィクトル王子のいるクラスには、主人公も居るはずなのだ。誰だ。全くそれっぽい人物が見当たらない。というかそれっぽい見た目の人物が多すぎて誰かわからないというべきか?たしか主人公は、男爵家の息子だったはずだ。
「じゃ、一応ガイダンスでもするか~。」
そう言って喋り出すイリナ先生。
どうやら今日はこの話を聞いたら解散らしい。明日実技や筆記などの基礎力を測定して授業に入るそうだ。1年前の成長を図るための最初の測定らしい。
「それから前期には~」
と1年の予定を軽く説明してくれた。本当に軽くだが。聞いてる限りでは前世で通っていた学校とあまり変わらなさそうだ。テストがあり、季節ごとに行事があり。という感じだ。
「まぁ、俺は楽しむ暇なんてないだろうけどね。」
「って感じだー。じゃ、今日伝える事伝えたから、明日に向けて帰って早く寝ろ~。解散!」
そうイリナ先生は言い放ち教室を出ていく。
その後を追うように生徒たちもまばらに教室を出ていった。
チラチラ色んな人が俺を見ていたが、誰一人として俺に声をかける者はいなかった。
「ま、変な噂ばっかだし、喋りかけるも何も無いよな。俺ってば見世物~……。はぁ、もう昼か、どっかで適当に飯でも食うか。ここ食堂あるって言ってたよな。今日もやってるだろうか。」
「ね、ねぇ!良かったら一緒にサンドイッチ食べない?!貴族様の口に合うかはわからないけど…母さんがいっぱい作ってくれたんだ!」
急だったのでびっくりした。自分に話しかける人なんていないと思って油断していた。
後ろを振り向くと、そこにはリュンイが居た。
「ダメ、かな……?」
「だ、ダメじゃ無いけれど……」
少し寂しそうな顔をするリュンイを見て思わず言ってしまったが、リュンイをこれからの事に巻き込む訳にはいかないとさっき決めたじゃないか!
「でもリュンイ君。僕は見ての通り嫌われ者だから。僕と一緒にいたら君まで変な噂が流れちゃうかも知れないよ?」
「ん?リンシャ君が嫌われ者だとは思わないけど…俺貴族様の事情とか知らないしね。まぁそんなの関係ないって!俺がリンシャ君と仲良くしたいと思ったんだ!他の人は関係ないよ!」
この子は聖人なのだろうか。そんな真っ直ぐな瞳で見つめられたら俺も断りずらいじゃないか……
「せ、せめて人目の無いような所とかで食べようか…」
「一緒に食べてくれるんだね!?やった!!場所ならいい所があるから任せてよ!」
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