上 下
17 / 21
ハードモードすぎて辛い。

ぼっちの辛さ。

しおりを挟む
あの後必死に走って講堂についた。死ぬほど疲れた。もう無理。迷子にならなくて良かった。

「ハァハァ…この距離でも疲れるなんて情けないな俺…早く座りてぇ。」

入口にいるお姉さんがきっと受付だろう。先生か?さすがに先生にまできつくする必要は無いはずだ。

「おはようございます。見ない顔ですね。もしかしてリンシャ アルマディカ君かな?」

「そうですね。リンシャ アルマディカです。これからお世話になります。」

「あら、それにしてもよくできたイケメンね。お顔がまるでお人形さんだわ。髪の毛もサラサラでお肌もツルツルね!羨ましいくらいだわ。先生は生徒に手を出す趣味はないけれど、色々これから大変そうね?うふふ。席は自由だから好きなとこに座ってくださいね。」

「そんな事ないですよw」

「えー、先生割と本音ですけど!」

そんな冗談を混じえる先生。
先生可愛いかったなーとか思いながら、講堂に入る。
隅にある暗くて光も当たらない、どこからも見えない様な1人席に座ることにした。引きこもりだったが故の癖なのかもしれない。前世なら普通に座った気がする。
それにしても広い。めちゃくちゃ広い。それに加え大量の椅子。高等部の進級生全員となると確かにこれくらいになるのか。ぼちぼち生徒が座っていく。今思ったのだが、ぼっちはあまりいない。エスカレーター式だからだろう。貴族にいたっては、社交界?みたいなのあるだろうしな。

「うわぁ、普通に学園生活送ろうとしても地獄じゃねーかよ……」

もう絶望的。気を紛らわせるために隣の壁とにらめっこ。何も面白くない。

「えー、みなさん……」

どうやら式が始まったようだ。







「眠い……」

何とか意識を保っているが眠い。多分喋っているのは校長だろう。

「この学園は貴族平民、身分など関係なく、皆で切磋琢磨し合いながら……」

お髭のおっちゃんが綺麗事を言っている。何が貴族平民平等なんだか。ゲーム内では圧倒的差別があったぞ。リンシャもそれに該当するが、その他の貴族もそーゆー奴がいた。

「どの世界も立場が弱い奴は生きにくいって訳か。」

前世で感じていた劣等感。そもそもなんで俺はあんな前世に帰りたいと思っているのだろうか?

「まぁ、考えても無駄か。」

難しい事を考えるのは嫌いだ。帰りたいと思ったから帰りたいのだろう。
校長が話し終えてからしばらくだった。どうやら式が終わるらしい。
ほぼ話を聞いていなかったが、まぁ、大丈夫だ。多分。

「生徒の皆さんは自分のクラスの教室まで移動してください。」

アナウンスが入り、みんな移動を始める。1人で大人数が群がる講堂の入口まで行くのは気が引ける。最後まで待つことにしよう。
俺はBクラスらしい。走ってあの場を去る前に確認した。
俺、できる男~。なんて、自己肯定感上げないとぼっちの学園生活はやってけない気がする。それにいじめっ子属性付き。友達なんて多分無理だ。
そんな事を思いながら、周りの人たちの会話に耳を向ける。

「なぁ見たか?さっきクラス表の前でダーウィン様が話してた相手。」

「あぁ見たよ。見ない顔だった。」

「だろだろ?しかもめちゃくちゃ美形で顔が陶器人形みたいだったぞ。まつ毛もばっさばさだし体ほっそいし。ほんとに生きてるのか不思議な感じがした。」

「遠すぎて会話聞こえなかったけど、ダーウィン様機嫌良さそうだったよな。」

はぇー、そんな人が居るのか。
1度見てみたいものだ。可愛い女の子といちゃいちゃしたいや……ま、無理だけど。B専の方居ませんかね。
と、へこんでいるうちに講堂にはほとんど人が居なくなっていた。

「俺もそろそろ教室いくか……」

重たい体を引きずるように講堂を後にした。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?

「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。 王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り 更新頻度=適当

ただの悪役令息の従者です

白鳩 唯斗
BL
BLゲームの推し悪役令息の従者に転生した主人公のお話。 ※たまに少しグロい描写があるかもしれません。

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます

瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。 そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。 そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。

BL
───…ログインしました。 無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。 そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど… ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・ 『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』 「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」 本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!! 『……また、お一人なんですか?』 なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!? 『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』 なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ! 「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」 ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ… 「僕、モブなんだけど」 ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!! ───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。

王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。

薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。 アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。 そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!! え? 僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!? ※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。  色んな国の言葉をMIXさせています。

優しい庭師の見る夢は

エウラ
BL
植物好きの青年が不治の病を得て若くして亡くなり、気付けば異世界に転生していた。 かつて管理者が住んでいた森の奥の小さなロッジで15歳くらいの体で目覚めた樹希(いつき)は、前世の知識と森の精霊達の協力で森の木々や花の世話をしながら一人暮らしを満喫していくのだが・・・。 ※主人公総受けではありません。 精霊達は単なる家族・友人・保護者的な位置づけです。お互いがそういう認識です。 基本的にほのぼのした話になると思います。 息抜きです。不定期更新。 ※タグには入れてませんが、女性もいます。 魔法や魔法薬で同性同士でも子供が出来るというふんわり設定。 ※10万字いっても終わらないので、一応、長編に切り替えます。 お付き合い下さいませ。

目覚めたそこはBLゲームの中だった。

BL
ーーパッパー!! キキーッ! …ドンッ!! 鳴り響くトラックのクラクションと闇夜を一点だけ照らすヘッドライト‥ 身体が曲線を描いて宙に浮く… 全ての景色がスローモーションで… 全身を襲う痛みと共に訪れた闇は変に心地よくて、目を開けたらそこは――‥ 『ぇ゙ッ・・・ ここ、どこ!?』 異世界だった。 否、 腐女子だった姉ちゃんが愛用していた『ファンタジア王国と精霊の愛し子』とかいう… なんとも最悪なことに乙女ゲームは乙女ゲームでも… BLゲームの世界だった。

影の薄い悪役に転生してしまった僕と大食らい竜公爵様

佐藤 あまり
BL
 猫を助けて事故にあい、好きな小説の過去編に出てくる、罪を着せられ処刑される悪役に転生してしまった琉依。            実は猫は神様で、神が死に介入したことで、魂が消えかけていた。  そして急な転生によって前世の事故の状態を一部引き継いでしまったそうで……3日に1度吐血って、本当ですか神様っ  さらには琉依の言動から周りはある死に至る呪いにかかっていると思い━━  前途多難な異世界生活が幕をあける! ※竜公爵とありますが、顔が竜とかそういう感じては無いです。人型です。

処理中です...