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ハードモードすぎて辛い。
目が覚めたら全て終わった後でした。
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「んん、すしぃ~すしがくいたぁぃ~」
「リンシャ様!?どんな寝言ですかそれ?しかも寿司って、名前は忘れてしまいましたが東の皇国の食べ物ではありませんか…何でそんなものをご存知なのやら。お料理の本なんて持ってきたかしら…」
ブツブツとカーナのつぶやく声が聞こえる。この国にも寿司があるのか。東の皇国ねぇ。どんな国なのか気になるな。
「……んん……!?、寿司あるの!?白米食いたい!!」
「お、落ち着いてくださいリンシャ様!急に起きられるのはお体に悪うございますよ!?」
「あ、あぁ、すまんつい…」
とまぁ寿司につられ飛び起きた俺。丸一日起きなかったらしい。
徐々に意識が戻ってくる。
「おい、あの後エミリーはどうなったんだ!?止めたのは一体誰だったんだ、それよりもカーナ、顔は大丈夫なのか!?」
「ちょ、リンシャ様、ちゃんとお答えしますので、顔が近いです、さすがの私でもこの近さは耐えかねます、」
「ご、ごめん?」
昨日俺はあの場で気絶したらしい。
そしてあの場を止めたのは父であるジスだそうだ。
俺が学園に通うことを知れば、必ず文句を言いに来ると予想をつけたカーナは、ジスに現実を見せるチャンスだと思い、ジスが仕事に行ったと偽り、俺の隣の部屋に待機させていたらしい。
案の定エミリーは俺の部屋まで来て怒鳴り散らしていた。花瓶で俺を殴ろうとしたのは想定外だったらしく、正直ヒヤヒヤしたらしい。
ジスが止めに入り、見られていたことを知ったエミリーは狂ったように笑いだし、想像を超えた自白をし始めたそうだ。
「『なによ!全部もう台無しじゃない!悪魔に魂まで売ったのに、これもそれも全てあの女とこの豚野郎のせいよ!』と、エミリー様はおっしゃいました。」
「エミリーは悪魔と契約していた…?」
「左様でございます。」
この世界において悪魔と契約するのは重罪である。
悪魔と契約すると階級にもよるが、精神魔法が使えるようになるらしい。
悪魔を召喚する術式を知っているのは王族と1部の貴族だけ。
それに、悪魔を召喚するのには生贄になる自らが手を下した死体が1つ必要と言う噂は有名だ。
死体…まさか、
「エミリーが契約に使った生贄ってまさか…」
「そのまさかにございます。エミリー様はリーデルア様の亡骸を生贄に捧げたと言っていました。」
「そんなっ……」
寒気が止まらない。実の母が悪魔の生贄に。考えるだけで吐きそうだ。
エミリーの言い分はこうだった。
ずっとジスが好きだったが全く相手にされなかった。
ジスが婚約し、エミリーにも婚約相手がいたため諦めようとする。
数年後、偶然悪魔の召喚方法を知り、どうせなら憎きリーデルアを生贄にしてやろうと、アルマディカ公爵家が主催したパーティーで、リーデルアに毒を盛る。
リーデルアの火葬直前に亡骸を盗み出し、儀式を始めた。
悪魔と契約し、精神魔法を操れるようになったエミリーは、傷付いたジスに近づき、精神魔法をかけ、再婚まで持ちこんだそうだ。
恐ろしい話である。
「エミリー様は捕まり、今は国の機関で事情聴取では無いでしょうか。」
「そういえば、なんであの時エミリーは精神魔法を使わなかったんだ?使えば逃げたり何事も無かった事にすることだってできたはず…」
「それがですね、エミリー様が妙なことを叫ばれていたんです。」
「妙?」
「えぇ、『私なんかよりよっぽどこいつのが悪魔よ!さっきこいつと目が合った時から精神魔法が使えない!悪魔との契約が無条件で無効化されたのよ!有り得ない!』と。」
「なんだそれ。」
「私にも分かりません。ですが確かにリンシャ様の瞳には不思議な力があるような気はしますよ!見ていると吸い込まれるような…」
また調子のいい事を喋りだしたカーナは置いておこう。
もしかしたらこれはいわゆる、転生チート特典!なのでは無いか?!
など考えてみたものの、本当にエミリーが悪魔との契約無効になった証拠も無いので直ぐに違うだろうと結論づいた。
実母の件についても、本当は色々思う所があり、泣いてしまいたいが、この世界で生きていくには割り切らないと、これから生きていけない気がした。
「リンシャ様!?どんな寝言ですかそれ?しかも寿司って、名前は忘れてしまいましたが東の皇国の食べ物ではありませんか…何でそんなものをご存知なのやら。お料理の本なんて持ってきたかしら…」
ブツブツとカーナのつぶやく声が聞こえる。この国にも寿司があるのか。東の皇国ねぇ。どんな国なのか気になるな。
「……んん……!?、寿司あるの!?白米食いたい!!」
「お、落ち着いてくださいリンシャ様!急に起きられるのはお体に悪うございますよ!?」
「あ、あぁ、すまんつい…」
とまぁ寿司につられ飛び起きた俺。丸一日起きなかったらしい。
徐々に意識が戻ってくる。
「おい、あの後エミリーはどうなったんだ!?止めたのは一体誰だったんだ、それよりもカーナ、顔は大丈夫なのか!?」
「ちょ、リンシャ様、ちゃんとお答えしますので、顔が近いです、さすがの私でもこの近さは耐えかねます、」
「ご、ごめん?」
昨日俺はあの場で気絶したらしい。
そしてあの場を止めたのは父であるジスだそうだ。
俺が学園に通うことを知れば、必ず文句を言いに来ると予想をつけたカーナは、ジスに現実を見せるチャンスだと思い、ジスが仕事に行ったと偽り、俺の隣の部屋に待機させていたらしい。
案の定エミリーは俺の部屋まで来て怒鳴り散らしていた。花瓶で俺を殴ろうとしたのは想定外だったらしく、正直ヒヤヒヤしたらしい。
ジスが止めに入り、見られていたことを知ったエミリーは狂ったように笑いだし、想像を超えた自白をし始めたそうだ。
「『なによ!全部もう台無しじゃない!悪魔に魂まで売ったのに、これもそれも全てあの女とこの豚野郎のせいよ!』と、エミリー様はおっしゃいました。」
「エミリーは悪魔と契約していた…?」
「左様でございます。」
この世界において悪魔と契約するのは重罪である。
悪魔と契約すると階級にもよるが、精神魔法が使えるようになるらしい。
悪魔を召喚する術式を知っているのは王族と1部の貴族だけ。
それに、悪魔を召喚するのには生贄になる自らが手を下した死体が1つ必要と言う噂は有名だ。
死体…まさか、
「エミリーが契約に使った生贄ってまさか…」
「そのまさかにございます。エミリー様はリーデルア様の亡骸を生贄に捧げたと言っていました。」
「そんなっ……」
寒気が止まらない。実の母が悪魔の生贄に。考えるだけで吐きそうだ。
エミリーの言い分はこうだった。
ずっとジスが好きだったが全く相手にされなかった。
ジスが婚約し、エミリーにも婚約相手がいたため諦めようとする。
数年後、偶然悪魔の召喚方法を知り、どうせなら憎きリーデルアを生贄にしてやろうと、アルマディカ公爵家が主催したパーティーで、リーデルアに毒を盛る。
リーデルアの火葬直前に亡骸を盗み出し、儀式を始めた。
悪魔と契約し、精神魔法を操れるようになったエミリーは、傷付いたジスに近づき、精神魔法をかけ、再婚まで持ちこんだそうだ。
恐ろしい話である。
「エミリー様は捕まり、今は国の機関で事情聴取では無いでしょうか。」
「そういえば、なんであの時エミリーは精神魔法を使わなかったんだ?使えば逃げたり何事も無かった事にすることだってできたはず…」
「それがですね、エミリー様が妙なことを叫ばれていたんです。」
「妙?」
「えぇ、『私なんかよりよっぽどこいつのが悪魔よ!さっきこいつと目が合った時から精神魔法が使えない!悪魔との契約が無条件で無効化されたのよ!有り得ない!』と。」
「なんだそれ。」
「私にも分かりません。ですが確かにリンシャ様の瞳には不思議な力があるような気はしますよ!見ていると吸い込まれるような…」
また調子のいい事を喋りだしたカーナは置いておこう。
もしかしたらこれはいわゆる、転生チート特典!なのでは無いか?!
など考えてみたものの、本当にエミリーが悪魔との契約無効になった証拠も無いので直ぐに違うだろうと結論づいた。
実母の件についても、本当は色々思う所があり、泣いてしまいたいが、この世界で生きていくには割り切らないと、これから生きていけない気がした。
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