【完結】乙ゲー世界でもう一度愛を見つけます

瀬川香夜子

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 見舞いに訪れた日から、ユーリスは数日とせずに研究室に元気な姿を現した。
 相変わらずフードを被ってはいるが、その下の顔色は随分と血色がよい。
 それに安堵したリシャーナが出迎えていると、気づいたヘルサも顔を出してユーリスの快方を喜んだ。
「俺があの魔獣に覚えがあったのは、本で似たような生き物を見たことがあったからです」
「本? 私も随分と魔獣関連の本は読みあさってるけど見たことがないな……」
 首を捻ったヘルサが口髭を撫でながら言った。眼鏡の奥の瞳は、どこかわくわくと輝いていた。
「専門書とかではないんですよ。俺も子どもの時に買ってもらったもので……絵本なんです」
 ユーリスは苦笑して答えた。
「絵本、ですか?」
 思わず訊いたリシャーナに、ユーリスは頷く。
 そして彼の告げたタイトルは、リシャーナには覚えのないものだった。しかし、ヘルサは違ったようだ。
「それはたしか古代語の本だよね? 現代語訳があったのは知らなかったなあ」
 感心した様子のヘルサに、ユーリスはきょとりとして首を振った。
「いえ、あれは現代語訳はありません」
「じゃあ、きみは古代語が読めるのかい?」
「はい。専門書などは時間もかかりますが……絵本や一般書籍であればそこまで時間はいりません」
 あっさりと言ったユーリスに、ヘルサが驚きを示した。リシャーナも、彼の隣で同様に驚いていた。
 思い出されるのは、先日ユーリスの本棚で見つけた本だ。
 古代語の本を持っていることは把握していた。しかし、まさか解読まで出来るほどだとは想わなかったのだ。
 二人から驚愕の眼差しで見つめられ、ユーリスは少し居心地が悪そうに身じろいだ。
「子どもの時からほとんど部屋にこもりがちで、時間だけはありましたから」
 弁解するように言われ、つい頷いて理解を示してしまう。けれど、古代語は時間があるからいって解読できるものでもないのだ。ましてやユーリスは当時子どもで、専門家から手ほどきを受けたわけでもない。
(本当に頭がいいんだなあ……)
 と、リシャーナは彼の有能ぶりに感心してしまう。
 高価な古代書が彼の部屋にあることに驚いていたが、ユーリスが読めるというのなら納得出来る。
 あれはザインロイツがコレクションとして揃えたのではなく、ユーリスのために用意したものなのだろう。
 そんなリシャーナの憶測を肯定するように、ユーリスが言った。
「邸では本ばかり読んでましたから。両親はいくらでも用意してくれましたが、俺のほうが申し訳なくなってしまって……そんなときに趣向を変えてわざわざ子ども向けの古代語の絵本を買ってきてくれたんです」
 古代語だから普通の本より時間がかかるから良いのだと、ユーリスはよく知った口ぶりで語った。
「絵本かあ……たしかに絵本には、子どもでも分かるように様々な教訓が練り込まれているからね」
「ええ。絵本ではその生き物はチーチャムと呼ばれ、チーチャムの赤い瞳は人を惑わせて危険に誘い込むとされていました」
「子どもたちが万が一にでも被害に遭わないようにということかな……」
「チーチャムは怖い魔女の使いであり、子どもたちを惑わして人食い魔女の元へ連れて行く……そんな話なのですが、挿絵に描かれた魔女の姿が、白い花弁のような真っ白な姿で……」
「まさかチムシーの花?」
 つい口をついたリシャーナに、ユーリスは真剣な顔で肯定した。
「昔から、チムシーとチーチャムは共生関係にあったのかもしれません」
 ユーリスの仮説に、思わずヘルサが唸った。
「そうか……チーチャムはあくまで魔獣。魔獣の中での生存競争に敗れたのか、なにか理由があってチーチャムだけが絶滅。そして、チムシーは今の形態に落ち着いたのか」
「ですが、どうしてあそこに一体だけ残っていたのか……それが分かりません」
 渋い顔で言ったユーリスの疑問に、ヘルサも難しい顔で呻く。
「そうなんだよね……周辺の捜索に当たっている騎士団からも、ほかに怪しい生き物は見ていないと言うし……」
 三人で頭を突き合わせてうんうんと悩んだが、これといった仮説が立てられるわけでもなく、その場は一旦解散となった。
 ユーリスはその絵本が図書館にもないか確認に行くというので、リシャーナも同行した。
 ほんの少し前を行くユーリスとの距離に違和感を覚えながらも、リシャーナはさっきまでのことを思い出して訊ねた。
「それにしても、まさかユーリスが古代語を読めるとは思ってもいませんでした」
「一応、それを専攻にこの学園の高等部に通っていたんだよ」
 微苦笑したユーリスの言葉に、リシャーナは「あっ」と口を閉じる。
(そっか……よく考えれば、ユーリスだって高等部に通っていたんだから、なにかしら学びたい専門知識があったんだよね……)
 本来、嫡男であれば中等部の六年のみであとは領地に戻るものだ。
 高等部に進むということは、ネノンのように学びだいという希望あってのもの。
 それなのにユーリスは、自身の体の疾患のせいで、途中で諦める形となった……。
 暗い顔で黙ってしまったリシャーナに、その心情を察したユーリスが慌てる。
「もともと領地に戻るところだったのを、当時の指導教員からせっかくだからと勧められて進学したんだ。俺自身、どうしてもと思っていたわけでもないし、そこまで気にしていないよ」
 軽い口調で逆にリシャーナが励まされてしまった。だからリシャーナも、暗い顔はしまいこんだ。
「それにしても、ユーリスのいうその絵本が学園にあるでしょうか……?」
「ほかの専門書籍と比べると児童書は流通量が多いらしい。両親が手に入れることが出来たのもそういった背景からだし、学園にあってもおかしくはないと思うんだ」
「でも、古代語で書かれた書物は一律禁帯出きんたいしゅつ扱いで持ち出しは禁止させているんじゃ……」
 もちろん上に訴えかけ、許可をもらえば外へと持ち出せはするだろう。
 けれど、果たして調査のためとはいえ、そう簡単に許可が出るだろうか。物にもよるが、その古代書の一冊で小国が買えるほどの金銭が動くこともあるのだ。
「そればっかりは訊いてみるしかないな」
 ダメならダメで、俺の持っているものがあるから。
 ユーリスは笑ってそう言った。だが、リシャーナには彼がその案にあまり乗り気には見えなかった。
(小さい頃からずっと家で読み続けていた大事な本だから、かな……)
 ユーリスにとって、あの本たちと自身の居場所――自宅と密接した関係にあるのだろう。
 本とは、自分の休める場所にあるものであり、その場所でさらに気を紛らわせるための人心地つくための鍵でもある。
 きっとユーリスにとって部屋は宝箱で、あの本たちは宝物なのだと思う。
 それを安らげる場所の外へ持ち出すのは、どうにもしっくりこずに気分が悪いのかもしれない。
 そもそも、ユーリスから話を切り出したのにその本を持ってこなかった時点で察するものがある。
 普段の彼であれば、実際に見たほうが理解できると、ヘルサやリシャーナのために持ってきそうなものなのだから。
(あるといいな……)
 リシャーナはぽつりと思った。
 思い出されるのは、家具の少ない部屋に置かれた壁一面の本たち。
 そして、夫人の言っていた言葉。
 ――絵本をあげたのよ。そしたらあの子、すごくはしゃいで喜んでね……
 あの一冊一冊には、リシャーナの想像もつかない思い出たちがたっぷりと宿っているのだ。
 たかが本一冊。されど本一冊。
 外に出られず、部屋でじっとしてばかりだった幼いユーリスを救った本たち。
 もし図書館になかったなれば、ユーリスのことだから嫌だなどと言わず、サッパリした顔で自宅から持ってくるだろう。
 平然と笑って本を寄越すユーリスの顔が簡単に想像出来て、リシャーナはなんとなくムッとするような思いだった。

 図書館に入って受付でネノンに訊くと、彼女は丸眼鏡の奥で瞳を爛々と輝かせた。
「古代書が見たいのね!? いいわよ、いきましょう!」
 二人よりもよほどわくわくした顔で、ネノンは受付に「退室中」の立て札を置き、呼び出しベルを設置した。
 特別な魔法がかかったベルは、図書館内の雰囲気を壊さぬよう、音が鳴るわけでもなく、管理者であるネノンにのみ知らせを送ることができるという。
 ネノンの固有の魔力を判別しているのかな……と、リシャーナが感心してベルを眺めている数秒で、ネノンはあっという間に進んでしまった。
 ユーリスに呼ばれてリシャーナも慌てて追いかける。
 図書館の奥まったところには、管理者しか入れないように魔法のかかった重厚な扉があった。
 ネノンが扉に自身の許可証をかざすと、パッと淡い光りが弾けるように鍵が解除されて扉が開く。
「二人も入って大丈夫だよ」
 遠慮して入り口で立ち止まっていたリシャーナたちを、彼女は手招きして呼びつけた。
「私たちもよろしいのですか?」
「古代書は貸し出し書籍じゃないから、この部屋を通って地下に行くしかないの」
 二人が入ったことを確認したネノンは、指を宙でスライドさせて扉を閉めると再び施錠した。
 部屋自体はさほど広いものでもなかった。リシャーナの研究室と同じぐらいだろうか。
 事務作業を行っていると見られる、資料や本の積み重なった机が三つ……そして、革張りの大きなソファが一つ。けれど、ソファーの上も紙束や本が綺麗に積まれていて、本来の用途で使われていないのは明らかだった。
 受付カウンターでは出来ない作業や、図書館職員の休憩所を兼ねているのだろうとリシャーナは推測した。
 三つの机というのも、ちょうど書庫管理官の数と一致する。
 残りの二人は基本裏作業で好きなだけ本に関わっているので、新人の自分が受付仕事を押しつけられるのだとネノンが嘆いていたのを思い出す。
 そのほかの職員の姿は見えないので、昼休憩で外に出ているか、休日かのどちらかだろう。
 ネノンは部屋の奥にもう一枚あった扉の前に立って、なにやら魔力を集中させた指先で文字を描いている。
 察するに、扉の鍵を開けているのだろう。
 建物や図書館の入り口にあるように、魔法具を置くタイプではなく、この扉自体に高度な魔法がかかっているらしい。
 開けようとする者の魔力が、施錠を許可された者と一致するか……そして、そこから導き出される鍵となる合い言葉が一致しないといけない二重ロックのものだ。
 ネノンはさほど魔力量が多いわけでもないので、だいぶ神経を使ったようだ。鍵が開いたことを確認すると、ほっとした顔で振り返った。
「さあさあ行くわよ! こんなことでもないと入れないからね!」
 意気揚々と腕を振ったネノンに先導されて地下への石階段を下りていく。
 鍵が開くと自動で明かりが点く仕組みになっているらしく、暗くはないが意外と幅が狭く高さがあるものだから、ほんの少し不安を覚えた。
 すると、その不安を感じ取ったかのように、前を行くユーリスが振り返って手を差しだした。
「リシャーナ、ここ古くなっているから気を付けて」
 見ると、年季の入った階段に、わずかだが亀裂が見えた。
「ありがとう、ユーリス」
 手を重ねて支えられるように慎重に下りる。そんな二人には目もくれず、ネノンは鼻歌でも歌うようなご機嫌具合でどんどん進んでしまった。
 ようやく辿り着いたときには、ネノンが涎でも垂らしそうな勢いで興奮していた。
 あっちへこっちへとふらふらする彼女に、思わず二人とも呆れてしまう。
「あ、ごめんごめん。用がないとここには来れないからさ、ちょっと嬉しくって」
 我に返ったネノンが髪を掻くと、バレッタが落ちて硬い音を立てた。慌てて拾い上げたネノンは、眼鏡を直しながら二人に確認をとる。
「絵本を探してるんだよね? たしか大まかに分類分けされてると思うから……」
 あっちかな――と、ネノンは三人から見て右の方を指で示した。
「私も最初の案内で少し覗いただけだから、その本があるかまでは分からないんだけど……」
「やっぱり書庫管理官でもそう簡単に入ることは出来ないんですね」
「定期的に掃除とかはするし、王宮や研究所から要請があれば本を用意することはあるけどね。読めもしないのに頻繁に来てたら疑わしく思われてもしょうがないからさ」
 読めなくたって、一冊ずつページをめくってみたいのに……、とネノンはしょんぼりした様子で肩を落とした。
「だが、図書館内がそうであるように、この地下も本の管理はしているだろう? 蔵書リストはないのかい?」
 ユーリスの質問に、リシャーナもあっと思い直す。
(そうだよ。蔵書リストでまず確認をとれば、本があるかどうか地下に来なくても分かったのに)
 古代書は歴史的価値もあるものだ。その本をしまい込んでいるだけ――なんてことは絶対にないだろう。
 どうしてネノンはリストを確認しなかったのか。
 不思議そうな二人の視線に、ネノンはギクリと肩を揺らした。そして、ギギッと錆びた機械人形のように振り帰ると、気まずそうに視線をそろそろと避けた。
「だって……」
「だって?」
「そんなことしてなかったりしたら、せっかく地下に来る機会がなくなっちゃうじゃない!」
 と、自身の欲望満点の答えが返ってきて、やはり二人は呆れて笑ってしまったのだ。

 ネノンはときおり余所に意識を持って行かれながらも、三人で粗方探し終えたが目的の本は見つからなかった。
 タイトルは読めずとも特徴的な表紙なので、ユーリスからはあれば一目で分かると言われていたのだが……。
 渋るネノンを連れて地上に出る。
 無人だった部屋には黒髪の青年がいて、地下から上がってきた三人に驚いていた。
 まだ年若くリシャーナたちとそう変わらない年代に見える彼も、この図書館の管理官らしい。
 ネノンが訳を伝えると、「僕も行きたかった!」ととても悔しそうにしていたので、管理官になる人間はやはり本に対して熱すぎる思いを抱えているようだ。
 もう一回地下に行かないかとお願いされたが、さすがにもう日暮れ近くだ。
 曇りガラスからさす陽差しは、色を濃くし始めているので、今からだと時間的に厳しいものがある。
 ユーリスが丁重に断わると、彼はあからさまにがっくりと項垂れた。
「一応蔵書リストもみてみよっか……えーっと」
 引き出しから取り出した厚みのある冊子を、ネノンがパラパラとめくっていく。しかし、探していた本の名前はやはりなかったらしい。
「ごめんね。やっぱりうちでは置いてないみたい」
「いいんだ。気にしないでくれ」
 笑って礼をいうユーリスの横顔に、リシャーナは気が急くような気分になってネノンに訊ねた。
「ここ以外で、古代書を保管している場所はないでしょうか?」
 驚いたようにリシャーナを見るユーリスと裏腹に、訊かれたネノンとその隣でリストを覗き込んでいた男性はけろりと言った。
「王立図書館があるよ」

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