19 / 38
18
しおりを挟む調理を終えた夫人は小声でロレンを呼ぶと、そのままリシャーナが止める間もなく帰り支度をしてしまった。
「今はあなたの研究室で働いているのよね? あの子のことをどうかよろしくお願いします」
家を出た夫人を追いかけたところで、恭しく頭を下げられてしまった。夫人に倣ったロレンまで深く腰を折るものだから、リシャーナは飛び上がるような勢いで制止する。
ようやく頭を上げてくれた二人にほっとしつつ、リシャーナはそろそろと訊ねた。
「ユーリスには、会っていかれないのですか?」
「……一度でも面と向かって会ってしまうと、歯止めが効かなくなってしまいそうだから。だから、いいのです」
微苦笑して答えた夫人に、リシャーナはそれ以上なにも言えなかった。
ピンと伸びた背筋の、美しい後ろ姿が去って行くのを見送った。二人の姿が人影に阻まれて見えなくなってようやく、静かに階段を上って部屋へと戻る。
すると、ドアの音でちょうどユーリスが目を覚ました。
「ユーリス、目が覚めましたか?」
「リシャーナ? ……どうして、きみがここに」
どうやら自分が招き入れたときのことは覚えていないらしい。
ユーリスの瞳は熱に浮かされつつも、今度はしっかりリシャーナに焦点を合わせている。ぐっすり眠ったから、少し回復したのだろうか。
「伏せっていると聞いて、心配でお見舞いに来たんです。ちゃんとあなたが玄関を開けて招いてくれたんですよ?」
「そうなのか……うっ」
「あ、無理に起きないでください」
上体を起こしたユーリスが顔を歪めたので、すかさずリシャーナは彼の背中を支えた。
厚手のマントのない寝間着一枚の背中からは、じっとりとした湿り気のある高い体温が伝わってくる。
見舞いが目的であったことに相違はないが、体調を見た上であの魔獣に関して訊ねてみようとも思っていた。
(でも、この調子だと無理そうかな)
情報は速いほうがいいだろうが、今すぐにどうにかしないといけないものでもない。
魔獣のことは騎士団も把握しているし、調査かつ一般市民が巻き込まれないよう、周辺には結界とともに騎士が複数持ち場につけている。
今はゆっくり休んでもらって、そのあとで訊けばいい。そう思い直したときに、ユーリスは顔を上げるのも辛い様子で、ぐったりと猫背のまま呟いた。
「すまない……わざわざ俺の見舞いのために」
「気にしないでください。ちょうど訊きたいこともありましたし……」
迷惑をかけた――そう言うユーリスがあんまりに気にした様子だったから、その心労を減らせればとつい口をついてしまった。
言ってから、リシャーナは言葉選びを間違えたと思った。
「訊きたいこと? それは一体……」
興味を示し、すぐに反応したユーリスに内心で頭を抱える。
(ゆっくり休んでもらおうって決めたばっかりなのに……!)
あんな言い方をしたら、真面目なユーリスは用件を訊いてくるに決まっている。そして、聞いたからにはそれに対して彼は真摯に答えるだろう。
ゆっくり休むどころじゃないじゃないか。
(この方面に用事があったとか、そんなふうに言えば良かった!)
リシャーナ個人のことであれば、彼は配慮の出来る人だからむやみに踏み込んで訊いたりはしなかったはずだ。
しかしここまできて誤魔化すのも、余計な気苦労をかけそうでリシャーナは素直に、出来るだけさっぱりした口調で言った。
「先日の魔獣の件です。ユーリスが知っている様子だったので、話が聞けたらなと思っただけですから」
「ああ、この前の」
ふとユーリスが、重たそうに首を上げてリシャーナをひたと見た。若緑の瞳だけでじっくりと検分するようにリシャーナの全身を巡った視線が、安堵するように柔らかくなった。
「リシャーナはもう元気そうだな……良かったよ」
「ユーリスが魔力を分けてくれたおかげです」
「あれだけじゃ遅かれ早かれきみの身は危険だった。騎士団が迅速に処置をしてくれたからだよ」
と、ユーリスはなにかを思い出したように口を閉じた。
「ユーリス? どうしたのですか?」
「いや……駆けつけた騎士団員のなかに、あのマラヤンという男がいたんだが……」
再びピッタリ唇を合わせたユーリスは、言葉にすることを躊躇うようだった。
若緑色の瞳が、動揺を示すようにゆらゆらと揺れる。
「きみたちは……本当に関係を終えたのだろうか?」
「ええ……そうですが?」
どうしてそんなことを聞くんだろう。
首を捻りつつ頷いたが、ユーリスはリシャーナの言葉を正面から受け止められないようだ。
追求したいのを抑えるように一文字に口を閉じ、揺れる瞳を布団に落とす。
そのとき、ユーリスはいつもバングルをはめていた手首を、もう一方の手で無意識に縋るように触れた。
しかし、思った感触がなかったせいか、途端にぎょっとしてワタワタと周囲を見渡し始める。
熱で浮かされた顔が一瞬で青くなったものだから、リシャーナも慌てて自分の荷物からユーリスの探し物を出した。
「魔法具なら私が預かっています」
言うがいなや、ユーリスらしからぬ乱暴さで奪い取ろうとしたその手を、リシャーナは少し仰け反ることで避けた。
――なぜ? と、ユーリスの瞳が裏切られたような痛みを持ってリシャーナを見た。
幼い子供の信頼を裏切ったような――そんなひどい罪悪感で胸が痛んだ。
「今はダメです。体が弱ってるのに魔力を抑制したりしたら、さらに悪化します」
そう言って、ユーリスの視界に入るよう本棚の上に置く。
すぐにでも飛び出したそうに体を疼かせたユーリスだが、リシャーナの言葉が正論だとよく分かっているらしい。
ちらちらと気にしつつも、黙って布団の中にいた。
魔法具はヘルサ経由でリシャーナへと返却されたものだ。
ヘルサのほうは、洞窟に落ちていたという騎士団から預かってくれていたらしい。
(あんなに焦って探すぐらいなのに、私のために外してくれたんだ……)
医師からは、同行者が魔力補給をしてくれたため大事に至らなかったと聞いている。そして、洞窟に落ちていたという魔法具の存在。
二つから導き出される結論に、リシャーナの胸が甘酸っぱく締めつけられた。
ただ喜ぶだけにしてはどうにも甘さをもたらす鼓動に、自分でも不思議に思う。
リシャーナが身のうちの感情に戸惑っていると、不意にユーリスが鼻をくんと鳴らした。
「……いい匂いがする」
ぽつりと独りごちて胃をさする様子が、小さな子供みたいにあどけなくて思わず笑みが零れた。
「体を治すには栄養をとるのが一番ですから。勝手ではありますが、キッチンを使わせていただきました」
――食べられそうですか?
訊くと、ユーリスはこれまた子どものようにこくりと頷いた。
温めなおした粥を器に盛ってユーリスに差し出す。
すると、温かな湯気を吸い込んだ彼の体がほっと弛緩した。
そうして器の粥を見下ろしたユーリスは、目を瞠った。
「これは……」
一目で見抜くところに、彼にとって夫人のこの料理がどれだけ馴染み深いものであったのかが察せられる。
緑の双眸が、信じられないとばかりに瞳孔を小さくしていた。
戦慄く唇と手で、ユーリスはそろそろと粥をひと匙すくって食べた。
途端、ぐっと鼻頭に皺を寄せて口をへの字に曲げた。まるで、こみ上げる懐かしさや感動を堪えるように。
強くかみ締めた口が、彼の感情の強さを表していた。
「これを作ったのは……」
ユーリスは、それ以上言葉に出来ないようだった。言葉にすることを諦め、無心で粥を食べていく。
研究室や食堂で、ユーリスとは何度も一緒に食事をしたことがある。
一口ずつ静かに飲み込むゆったりとした食べ姿は、綺麗でほっと見惚れるほどのものだ。
それなのに今は、温かい粥を運んではその熱気をはふはふと飛ばし、匙を持つ手は休まることを知らない。
彼がこんなに急いで食す姿を見るのは初めてだ。
目の前のそれがまるで泡沫の夢とでも思っているのか、消えてしまう前に味わいたいという、彼の望みが透けて見えた。
言葉を話さない代わりに、彼の瞳は雄弁だった。味わうごとに潤みを増して煌めいた瞳からは、はらりと静かに涙が滑り落ちた。布団に吸い込まれた涙を気にもとめず……いや、もしかしたら食事に夢中で、ユーリスは自分が泣いていることにも気づいていないのかもしれない。
半分ほど食べたところで、ユーリスはようやく落ち着きを取り戻した。涙の跡に気づいて恥ずかしそうに頬を拭う。
「その、これはどうして……?」
問いかける言葉が見つからない様子で、ユーリスは漠然とした問いを投げた。
その戸惑いに、リシャーナは内心で同調した。
(まさかユーリスのお母さんと偶然会ったなんて思わないよね)
どうして母と同じ味が出せるのか。ユーリスの眼差しには期待と疑念が複雑に絡み合っている。
頷いてあげたい。けれど、夫人とも約束した手前、ハッキリと申し出るのも悪い気がした。
「買い出しのとき、親切なご婦人に会いまして……その方が作るのを手伝ってくださったんです」
ユーリスは察しの良い男だ。これだけできっと分かってくれる。
そしてリシャーナの思った通り、ユーリスはその一言で理解できたようだ。
泣き笑いのように顔をふにゃりと歪め、彼は「そうか」とただ一言言った。
二度と味わうことが出来ないと思っていたものとの遭遇――そこに溢れるユーリスの思いが、リシャーナの胸を熱くする。一方で、どことなく薄暗い感情が喜びの裏でざわめいていた。
火で炙られたように胃がじわじわと熱と重たさを持っていくこの感情は、嫉妬だ。
見せつけられた家族の絆が眩しくて、醜態を晒して勘当されてもなお愛されているユーリスが、リシャーナは恨めしいのだ。
――どうして……
胸の内で、糸田清花が慟哭している。
どうして私は家族と離れなくてはならなかったの。どうしてユーリスは一緒にいられるの。まだ繋がっていられるの。
彼には一切非のない、理不尽な恨みだ。
理不尽だと自覚があるからこそ、リシャーナは内頬を噛んで決して表層には出したりしない。
よかったねと、喜んでいるのも嘘ではないのだ。微笑ましさだけを顔にのせるの。
本心を隠し、仮面を被るのはこの十数年でずいぶんと上手くなったはずだろう。
まだ騒がしい胸中には知らぬ振りで、リシャーナは自身を奮起した。
そのおかげか、それともユーリスが自身のことでいっぱいいっぱいだからか、彼がリシャーナの異変に気づく様子はない。
――どうして、どうしてユーリスは貴族にあるまじき行いをしたのに、家族に愛されているの!
ざわつく胸の内……その中の一つの悲鳴が、リシャーナ自身の心を激しく衝いた。
愕然とした気持ちだった。
(私は、この世界の家族に愛されたいの……?)
導き出される答えに、内心でいやと頭を振る。
そんなことはない。リシャーナは現状をよく理解している。
自分は生粋の貴族でも、この世界の人間でもない。だからこそ、リシャーナが――糸田清花自身が愛されることなどありえない。
(ユーリスが愛されているのは、彼がこの世界の人間だから……)
生まれも育ちも、その精神も、彼は生粋の名門貴族の人間である。なにより、彼の犯した失態は、身体的な魔力の欠陥のせいであり、擁護できる部分がある。
――リシャーナとは、なにもかも違うのだ。
一時はぐつぐつと煮立つようだった感情が、不意に静まってスッと熱が引いていく。
(そう……ユーリスはこの世界の人だもんね)
助手になってくれて一緒に過ごす時間が長くなっていた。だから距離を間違えていたのかもしれない。
自分と彼との間に、リシャーナは見えない境界線をそっと引き直した。
それは自分自身への戒めでもある。
ユーリスが食べ終えると、遠慮する彼を布団にとどめてリシャーナは食器を片付けた。
洗って部屋に引き返す。すると、ユーリスは幾分もよくなった顔色で、バングルを手にしていたところだった。
「ユーリス……」
渋い顔をすると、彼は罰が悪そうに目を逸らした。
「すまない……どうしても落ち着かなくて。ただ食事をしたから調子がいいんだ……だから」
ちらりと懇願するように見られると、ハッキリとダメとも言いにくい。顔色がよくなったのは事実だから余計に。
(本当に無理そうならこうは言わないか……)
ここで自分の意地を通して無理をすると、結果としてリシャーナの手を煩わせることぐらい、彼なら簡単に察するだろう。
その上での判断だというなら、リシャーナがグチグチと指摘するのも憚られた。
「無理はしないでくださいね」
「ああ、分かっているよ」
バングルをはめたユーリスは、傍目に見てもほっと人心地ついたようだ。
そしてリシャーナと目を合わせると、どこか驚くように細く息を吸った。
「ユーリス?」
もしかして具合が悪くなったのだろうか。
心配したリシャーナがベッド脇に膝を立てて伺う。だが、顔色に別段変わったところはない。
体調が悪化したわけでもなさそうだ。
「いや、大丈夫だ……」
言いながらも、彼は茫漠とした表情でなにかを確かめるように自身の胸に手を当てた。
本当に大丈夫だろうか。
心配な表情を崩さないリシャーナに、ユーリスがふと呟く。
「バングルをはめても変わらないのは……どうしてだろう」
要領を得ない質問を、リシャーナはすぐに理解できなかった。
ユーリスは以前、バングルをしていない状態でサニーラの魔力へ惹かれる気持ちを、恋情だと思い込んでいた時期があったと思い出す。
もしかしたら、それを言っているのだろうか。
「バングルをしてもしなくても変わらないことがあるというなら、それこそあなたの本心ではないのですか?」
途端、ユーリスの瞳が見開かれた。その緑の光りに、草原を風が駆け抜けるような透明感をリシャーナは感じた。
なにかユーリスの中で一つのもやが晴れたような、そんな気がしたのだ。
「そうか……これが、俺の本心。本当に俺は……」
そう言ってリシャーナに合わさったその双眸には、どこかさっきまでとは違う光りを宿しているように見えた。
12
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる