10 / 37
09
しおりを挟むサニーラのことは医師に任せ、リシャーナは図書館への道を急いだ。
医務室を出る直前、医師はリシャーナに向かって頭を下げた。
「サニーラさんもユーリスさんの事情は把握しています。けれど、あの時の恐怖が体に染み付いていて、自分でも制御出来ないのでしょう……」
ユーリスを助手から外せとまでは言わない。しかし、二人への配慮を……とのことだ。
もちろん言われずともそうするつもりだったので、リシャーナはしっかりと頷いた。
(ヒロインなら、なにをされたって最後には笑顔で許しそうなのにな……)
ゲームの中の話は椎名からの又聞きだが、アニメの中でのサニーラはいつもそうだった。
平民出身でほかの貴族から距離を取られて一人ぼっちでも、その明るさに魅入られたある子息から執拗に追いかけられ手篭めにされそうになっても……。
淋しさも恐怖も感じる。けれど、いつだって拳を強く握ってとことん前に進む女の子。
他人の弱さも罪も、全部許して受け止める聖人のような少女なのだ。
「とりあえず、サニーラが学園に来ている講義の日を把握して、ユーリスと鉢合わせしないようにしないと……」
小走りで図書館に駆け込むと、リシャーナはカウンターに本を置き、身を乗り出してネノンに訊ねた。
「ネノン、ここにユーリスは来ませんでしたか?」
「ユーリスってあのフードの助手の人だよね?」
眼鏡の奥で目をしばたたかせ、ネノンはこくりと頷いた。
「少し前に随分慌てて本を返しに来たよ。私に渡すだけ渡してすぐにどっか行っちゃったけど」
なにかあったの? ――心配そうに問いかけた彼女に、リシャーナは曖昧に笑った。
「これ全て返却でお願いします。あ、あとユーリスがどちらに向かったか分かりますか?」
「どこに行ったかは分かんないけど、図書館を出てあっちに走って行ったよ」
そう言ってネノンが指さす方向を確認し、短く礼を言ってからリシャーナも図書館を飛び出した。
「リシャーナが走ってるなんて……槍でも降るのかしら」
ぽかんとしたネノンの言葉は、リシャーナの耳には届かなかった。
(どうして講義棟のほうに来たのかな……)
早足でネノンの指さした方向へ向かいながら、リシャーナは思う。
逃げるとなると、自分の慣れた場所に戻ろうとするものではないか。そのほうが本人も安心できるだろう。
リシャーナはてっきり研究室のほうへ戻っているものだと思っていたのに、見当違いな方向だったので内心で首を傾げた。
(あ、研究室はあくまで私に宛てがわれた場所だがら避けたのかも……)
だからこそユーリスは、人の視線を避けるために、人のいない方へと進んだのだ。
事務棟や研究棟ではみなが不規則に動き回るので、いつ誰に会うか分からない。
けれど、講義棟であれば、講義の時間はきっちりと決まっているので人の動きの予測がつきやすいのだ。
現に、今は講義時間なので、生徒の姿は見えない。
回廊を進んでいる途中、リシャーナはふと中庭の茂みの影に違和感を覚えて立ち止まった。
「……ユーリス」
膝を抱えるように項垂れたユーリスの姿に、リシャーナは切なくなって彼の名前を独りごちる。
「ユーリス、ここにいたんですね」
気を取り直して声をかけながらゆっくり近づくと、彼は顔を上げないまま肩をびくつかせた。
「すまない、急に飛び出してしまって……」
「いえ、本の返却ありがとうございました」
少し離れた距離で立ち止まって、リシャーナは言った。
むしろあの状況でよく図書館に行けたものだと思う。そんな真面目さがユーリスのいいところだとは思うが、今はそれがひどく苦しく感じられた。
「サニーラは動揺していたので医務室に連れて行きました……それと、先生から話を聞きました。あなた方二人になにがあったのか……勝手に聞いてしまってすみません」
ユーリスから息を詰める気配がして、リシャーナの罪悪感がちくちくと刺激された。
どう声をかけていいのか迷っているうちに、講義終了の鐘が響いた。
校内に響き渡る鐘に、二人は咄嗟に顔を上げた。
フードの下で青ざめるユーリスの横顔に、リシャーナはいてもたってもいられず、バングルをしていないほうの彼の手を掴んで無理矢理引っ張り起こした。
「リ、リシャーナ? どこに……」
「ここじゃあ人が来ます」
そこまで言って、これだとユーリスは不安になるかと首だけで振り返って微笑んだ。
「実は人が来ないとっておきの場所があるんです」
少し急ぎ足で向かったのは、講義棟から正門とは反対に進んだ場所にある広場である。
校内を巡る遊歩道からは少し外れなければならず、奥まったところにあるので人は滅多に来ない。
一応とばかりに芝生の広がるそこにはベンチが置かれているものの、校内にはカフェテラスや食堂、ラウンジなどの充実した憩いのスペースは多々あるので、ここまでわざわざ来る者はいないのだ。
そもそもここを知っているという人間自体も少ないと思う。
リシャーナは学生時代に得た自身の経験から、ベンチではなく茂った木々の一つの根元に腰を下ろした。
「ここなら滅多に人が来ませんから安心してください」
どうぞ、と木を挟んで反対側へ促せば、まだ混乱が収まっていないのかユーリスはぼんやり頷いてのろのろと座り込んだ。
二人の間に木を置き、背中合わせの状態で静かに座る。
ユーリスはリシャーナがいてもなにも言わなかった。彼を放っておけなくて、リシャーナはそれを勝手に了承と受け取り、ぼんやりと木にもたれて頭上を見た。
(もうないか……)
リシャーナは高等部に入学してから、ときどき隙を見ては一人でこの広場に来ては人心地ついたものだ。
学内には多くの木々や植物が存在し、よく野鳥が巣を作っている。
リシャーナが一年生の終盤にさしかかった初夏の頃に一度巣をつくっているところを見たが、今は影も形もない。
(そういえば、マラヤンと出会ったのってここだったっけ……)
高等部に入学してからたまたま見つけたこの広場に、リシャーナはときどきやってきては人心地ついていた。
いつものように一休みしにやってきたある日、木の根元に雛が一羽落ちていたのだ。
近くに親鳥の姿はなく、頭上を見るとそこには鳥の作った巣が見えた。
――ああ、あそこから落ちたのか。
理解してからは早かった。
きょろきょろと周囲を見渡して誰もいないことを確認すると、リシャーナは雛に向かって魔法をかけた。
ふわりと浮かべた雛をなんとか巣まで戻してリシャーナはほっと胸を撫で下ろす。
――家族は一緒がいいもんね。
微かに聞こえる雛の鳴き声に、リシャーナは微笑んだ。
「もう落っこちたりしたらダメだよ」
そう言って講義棟に戻ったのだが、数日して再びここを訪れたとき、木の根元ではあの雛が地面に力なく横たわっていた。
明らかにすでに力尽きているのがわかり、リシャーナは駆けよって膝をつくと、その雛を両手ですくい上げた。
「どうして……」
思わず頭上を見上げるが、そこには親鳥から餌を与えられている数羽の雛の合唱が聞こえた。
元気に鳴く雛の声と、それに応える親鳥の姿は、こんなときじゃなければ微笑ましく見守れたのだろう。しかし、リシャーナの手には温もりのない雛がいて、この子のことなど初めから知らないように騒ぐ鳥たちの様子に、リシャーナは切なさを覚えた。
不意にそのとき、ほかの雛たちと手の中の雛の大きさに差があることに気づく。
遠目ではあるが、見比べるとよく分かる。明らかに死んだ雛のほうが体が小さい。
「あ……」
頭を過った知識に、リシャーナの体は一瞬で冷えた。
「親鳥の間引き……」
鳥の中には、複数いる雛のうち、体の小さいものや餌を上手く食べられずに弱った雛を親鳥が殺してしまい、その子の分をほかの雛に餌を与えて巣立ちの可能性を上げるものがいると、聞いたことがある。それが親鳥の間引きである。
この雛は自分で誤って巣から落ちたのではなく、親によって落とされたのだ。
よくよく見てみると、小さな雛の体には細かい傷がいくつも見られた。多分、親やほかの雛にくちばしでつつかれて攻撃されていたのだ。
(そんなことも知らずに私は……!)
手に載せた雛を、そっと胸に抱くように体を丸めた。
胸が潰れそうな思いだった。
どうしてこの子は家族から見捨てられなければならなかったのだろう。動物の本能故だと言われてしまえばそれまでだが、それでもリシャーナには悲しくてたまらなかった。悲しさとやるせなさと、そして雛に自分を重ねた恐怖が体の中でぐるぐるとない交ぜになる。
――出ておゆきなさい。
母の冷たい声が頭に蘇る。本当の貴族ではないと知られた自分も、いつかこうして捨てられるのだろうか。
「……あのとき、拾ってあげれば良かったね」
ぽつりと後悔の念が落ちた。
貴族の中では動物を飼育するものも多い。リシャーナに飼育経験はないが、ハルゼライン家であれば人脈もお金もある。育てようと思えば育てられた。
そうすれば、この雛は今も元気だったかもしれない。自分を捨てた家族を遠く見上げながら死ななくたって良かったはずだ。
弔ってあげたいけれど、さすがにここに埋めるのは可哀想だろう。
リシャーナは少しの慰めにでもなればと雛を自身のハンカチで包み、その上からそっと撫でて立ち上がった。
あまり人目につく場所はまずいと考え、少し離れた桜の木の近くに埋めることにした。ここなら、毎年綺麗な花が咲く。
貴族の子女が土を掘り返す道具など借りに行けないので、リシャーナは自分の手でどうにか穴を掘った。
上手く掘れずに四苦八苦していると、不意にリシャーナに影が差す。
「貸して。僕がやろう」
そこには銀髪を揺らした美しい青年がいて、リシャーナが答えるよりも早く、彼は制服のままなんの躊躇いもなく膝をついた。それがマラヤンだった。
マラヤンは粛々と穴を掘り進めてある程度形が出来ると、「ほら」とリシャーナを優しく促した。
ハンカチになにが包まれているのかなんて、彼は全く気にする素振りは見せなかった。まるでなにが起きたのか全て知っているように、彼はなにも訊かず、そしてリシャーナを労るように優しかった。
(あの後からだっけ……マラヤンから話しかけられるようになったのって……)
その後、リシャーナの婚約が破談になり、その少しあとにマラヤンから想いを告げられたのだ。
久しぶりにマラヤンのことを思い出した気がする。それほど時間が経ったわけでもないが、リシャーナの胸に突き刺さるような痛みはやってこない。
(最近じゃ一人でいることの方が少なかったからかな……)
そういえば家族の夢を見る頻度も減っている気がする。
リシャーナがそんなことを思っていると、不意に背後でユーリスが口を開いた。
「サニーラ男爵令嬢との話を聞いたんだろう」
幻滅しただろう、とユーリスが嗤う気配がした。
「あんな醜態を晒し、なにより女性を傷つけ怖がらせた俺がのうのうと生きていることに、自分でも嫌気がさすんだ」
自身を卑下して――というよりも、彼の言葉は本心からそう思っているようだった。いや、実際にそう思っているのだ。貴族とは、そういうものだから。
弱みをみせるな。なにがあっても狼狽えるな。堂々と背筋を伸ばして生きていかねばならない。
それが一度でも崩れれば、その者には落伍者としての烙印が押されることになり、一生貴族社会では生きてはいけない。
「情けないだろう……今の俺はこうして人の視線を遮断して、このバングルをしていないと外にも出られないような、そんな情けない人間なんだ。これがないと、またあんなふうに誰かに魅入って迷惑をかけてしまうんじゃないか。そう思うと恐ろしくてたまらないんだ」
自身を卑しめたように嗤うユーリスに、リシャーナの胸に浮かぶのは圧倒されたような気後れした感情だ。
こういうふうに自分との違いをまざまざと見せつけられると、リシャーナは絶対に貴族になることは出来ないのだと実感する。
生まれたときから貴族の理念が絶対の正義だと信じて生きてきたユーリスは、正気に戻ったときどれほど絶望しただろう。自分のしたことを恥じ、死すら頭を過るほどにユーリスは追い詰められていた。そんな彼の魔力的欠陥が分かるまでの半年間を思うと、どうにもやるせない気持ちになる。
ユーリスの心情を推し量るだけでリシャーナの胸は痛んだ。と同時に、その憐憫のなかにふつふつと大きくなっていく感情は怒りに近かった。
――ああ、どうして貴族って人はこうなのだろう。
「情けないですか?」
「え?」
つい漏れてしまった言葉とともに、リシャーナは振り返った。同じように振り返っていた驚いた様子のユーリスと顔を合わせる。
「弱い姿をみせることが、そんなにいけませんか? 完璧に出来なければ価値はないのですか?」
この世界に生まれて十八年。心の中でふつふつと溜まっていた疑問が、怒りがとめどなく溢れてくる。
なにより、ユーリスは自らの意志でサニーラを傷つけたわけではない。
たしかに彼女を傷つけたことは事実である。それについて謝罪をするまではいいとしても、こうして家族から捨てられ、生きていることが間違いだとでもいうように追い詰められていい人ではない。
ほんの二週間ほどの付き合いであるが、ユーリスの人となりはある程度理解しているつもりだ。
彼は決して、ここまで苦しみ抜かなければならないような人ではない。
「……なにかに縋って生きることは、間違いでしょうか?」
「リシャーナ……」
――ゲームでぐらい、自分に都合のいい世界がみたいじゃん。
遠い記憶の中の椎名の言葉に、内心でリシャーナはあのときと同じように答えた。
(そうだよね。間違いなんかじゃないよね)
「誰だって、なにかに……誰かに支えられて生きています。それは決して間違いでもなければ情けなくもありません」
乱暴に見れば、貴族だって貴族の理念に縋っているとも言える。
静かに、けれど大きな感情のこもったリシャーナの声に、ユーリスは衝撃を受けたように聞き入り、その潤む碧眼の煌めきに目を奪われていた。
冬の乾いた風が木々を揺らし、ユーリスのフードをさらった。
現れた若緑色の輝きを真っ直ぐに見据えたまま、リシャーナは彼のバングルのはまった腕をそっと両手で握りしめる。
「作成者として光栄に思うと言ったはずです。これを作った私が、あなたを救えたことを誇りに思っているのです。それ以上になにがいるというですか」
自分の試作品がこの人を救ったと言われた時の高揚感は、リシャーナの研究に対する考えをほんと少し変えてくれた。
前の世界のことを忘れるためにただ惰性で続けていた研究に、今は目的が出来た。
(この人を治してあげたい)
こんな不完全なものではなく、ちゃんとしたものを発明して、この人を助けたい。
貴族であらねばと常に気を張り続け、家族から捨てられることを恐れるだけの自分の人生が、変わった気がしたのだ。
「情けないなんて思うことはありません。それは人として当たり前のことです」
力強い言葉で、リシャーナは締めくくった。
勝手に触れてしまったことを心の中で詫びながら、彼の腕を優しく離す。
支えをなくした腕は、そっと芝生を撫でるように落ちた。
ユーリスはリシャーナを見つめたまま、手探りで自身のバングルをもう一方の手で掴んだ。
まるで、そこにバングルがあることをしっかりと確かめているようだ。
真っ直ぐに突き刺さるユーリスの視線に、負けじと見ていると、揺らめいた鮮やかな緑の虹彩から不意に、はらりと一粒涙が落ちた。
なめらかな頬を滑り落ちたのを合図にするように、ユーリスがくしゃくしゃの顔で笑った。
「ふ、ふふ……本当にきみは、つくづく貴族らしくないな」
なにかを深く心に刻んだような、晴れやかな笑顔のなか――しかし、その双眸だけが涙の気配を滲ませていた。
彼の言葉に咄嗟にヒヤリとしたものの、それはこの世界での癖のようなもので、リシャーナもどうしてか晴れ晴れしい気持ちだった。
――さすが私のお姉ちゃんだよね!
遠く返ってきた鈴の声に背中を押されるように、リシャーナの胸にじわじわと誇らしさが湧き上がった。
13
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
愛されたくて悪役令嬢になりました ~前世も今もあなただけです~
miyoko
恋愛
前世で大地震に巻き込まれて、本当はおじいちゃんと一緒に天国へ行くはずだった真理。そこに天国でお仕事中?という色々と規格外の真理のおばあちゃんが現れて、真理は、おばあちゃんから素敵な恋をしてねとチャンスをもらうことに。その場所がなんと、両親が作った乙女ゲームの世界!そこには真理の大好きなアーサー様がいるのだけど、モブキャラのアーサー様の情報は少なくて、いつも悪役令嬢のそばにいるってことしか分からない。そこであえて悪役令嬢に転生することにした真理ことマリーは、十五年間そのことをすっかり忘れて悪役令嬢まっしぐら?前世では体が不自由だったせいか……健康な体を手に入れたマリー(真理)はカエルを捕まえたり、令嬢らしからぬ一面もあって……。明日はデビュタントなのに……。いい加減、思い出しなさい!しびれを切らしたおばあちゃんが・思い出させてくれたけど、間に合うのかしら……。
※初めての作品です。設定ゆるく、誤字脱字もあると思います。気にいっていただけたらポチッと投票頂けると嬉しいですm(_ _)m
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
【番外編】貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
譚音アルン
ファンタジー
『貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。』の番外編です。
本編にくっつけるとスクロールが大変そうなので別にしました。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる