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 長い夏休みが終わった九月。心機一転して高校生活に臨むものの、夏休みの終了とともに暑さが引いてくれるものではない。
 残暑が厳しい陽差しにぐったりとしながら、香月かづき撫子なでしこはショッピングモールの自動ドアをくぐった。商業施設内に広がる冷えた空気は、汗ばんだ肌に触れると寒いほどだ。ぶるりと体を震わせながら、撫子は前を行く二人の女子生徒の後を追った。
 平日の夕方ということもあるのか、想像していたよりも人影は多くない。
「撫子くーん! こっちだよー!」
 周囲を見渡していると、不意に前から大きな声で呼ばれた。見ると、莉子りこ麗奈れなが、案内板の前で大きく手を振っている。
 声に反応した行き交う人々は、つられて顔をこちらに向けた。そして、男である撫子を見ると驚いたように眼を丸くする。それに撫子は、苦い思いがした。
(そりゃ男で撫子なんて名前、ビックリするよね)
 この十七年で嫌というほど感じた視線は、振り返ってハッキリと眼にしなくたって、自分がどんなふうに見られているのか分かってしまう。
 居心地の悪さを感じつつも、驚く彼らの気持ちも分かる。だから撫子はこういうとき、お互いのために周囲のことなんて気づいてません、とばかりにしれっとした顔をするのだ。
 今回もそうやって気づかないふりをして二人のもとに駆け寄った。
(そういえば、最近はこんなふうに見られること少なかったな……)
 途中でそんな疑問が湧いて、すぐに気づいた。いつも一緒にいる友人たちは撫子のことを「なっちゃん」と渾名で呼ぶからだと。
 撫子は自分の名前が好きではない。だがそれを誰かに話したことはない。そんなことをしたって現状は変わらないし、聞いた相手に気を遣わせるだけだと分かっているからだ。
 名付けたのは母だ。父はどこの誰かも知らない。
 撫子の母は、いわゆる水商売というものをして生計を担っていた。
 赤ん坊だった撫子を初めて抱いたときに、母は客からもらったある花を思い出して名前をつけたという。それが撫子だ。
 こんなことを明け透けに喋ったりしたら、距離を取られるに決まっている。誰かに余計な配慮をかけるぐらいなら、撫子一人が我慢をして生きるほうがずっといい。
 だが、「なっちゃん」と呼ぶ友人のおかげで、日々の煩わしさが少なくなって助かっているのは事実だ。
 ふとここにはいない、学校でいつも一緒にいる友人たちの姿を思い描いて自然と口の端が上がった。
 高校入学時からまだ一年半ほどの付き合いだが、友人たちとの学校生活は存外楽しいものだ。
 撫子が追いつくと、長い黒髪を揺らしながら莉子が振り仰いだ。
「アパレルショップは一階が多いから、下から順番に回って行く感じでもいい?」
「うん、大丈夫だよ! せっかくの機会だもん、莉子ちゃんが楽しく見て回れるようにしよ。俺のことは気にしなくて良いからさ」
 もともと今日は、莉子の買い物に付き合うためにここに来たのだから。
 撫子が笑って頷くと、莉子はほっとした顔で隣にいた麗奈とどこのお店から行こうか、と弾んだ様子で話を始めた。
 ここからにする? いやこっちのお店からにしない? わいわいと話し合う二人を、撫子はその背後で微笑ましく――けれど一歩引いたところで傍観するように見守っていた。

「わあ、やっぱ秋物たくさんある! ほら莉子、これ可愛くない?」
「麗奈ちゃん麗奈ちゃん、こっちも可愛いよ」
 店に入るやいなや、二人は眼をキラキラさせてあれこれと色んな服を手に取った。その輝きや興奮はいくつ店舗を回っても色あせることはなかった。
 二階フロアの最後の店舗に入ってもまだ、二人は最初の頃のように元気で楽しそうな声を上げていた。撫子は微笑まじりに後ろで聞いていたが、目的のものはいいのかなあ、と内心で心配にもなった。
 撫子と二人は友人でも、ましてやクラスメイトでもない。ただ学年が同じなだけの、話をしたこともない同級生だ。
 それがなぜこの三人で出かけているかというと、それは莉子に頼まれたからだった。
 莉子は現在、同じ塾のある生徒に恋をしているらしく、今度の週末の塾の日に告白をするつもりだという。
 そのときの勝負服を一緒に選んで欲しいという話だった。
 最初のうちは二人とも色んな服を見比べていたのだが、時間が経つうちに勝負服云々ではなく、普通に買い物を楽しんでいるようだった。
(勝負服はいいのかなあ……)
 夏休み明けの始業式後そうそうに撫子のもとを訪れたぐらいだから焦っているはずだ。頼み込まれたときの彼女たちの切迫した様子を思い返し、また撫子の不安が募った。
 楽しそうに見ているところ言いにくいけれど、そろそろ一声かけたほうがいいかもしれない。
 そう思い、気を遣って少し距離を開けていた撫子は二人のところに足を向けようとした。が、不意に眼に入った洋服に足を止める。
 それはパステルカラーのシンプルなトレーナーだった。袖口からはふわりと柔らかなレースが覗いていて可愛らしい。
(眞(ま)梨(り)ちゃんに似合いそうだな……)
 三つ下の中学生の妹を思い出して、撫子はそれを手に取った。ショート丈なのが、活発な印象の眞梨によく合いそうだ。
 最近ファッションに興味が出てきたみたいで、よくファッション誌を開いては楽しそうにしている。フリルが多い女の子らしい服のページで手を止めてじっと見ているものの、眞梨は自分には似合わないと懸念しているみたいなのだ。
 撫子からすれば、眞梨がよく着ているラフなトレーナー主体の格好だって、フリフリした可愛らしい格好だってなんだって似合うと思う。
 といっても、本人が納得しないんじゃ着てはくれないだろう。けれど――。
(このぐらいのレースなら眞梨ちゃんでも着やすいかも……)
 撫子はそれとなく値札を確認した。
(あ、全然安い……)
 高校生のお小遣いでもおつりが来る。普段から使わずに貯め込んでいくだけの撫子では、余計に財布の紐も緩くなる。
 買ってしまおうか。そんな考えが頭を過った。しかし撫子はじっと数秒見下ろしてからその服をハンガーラックに戻す。
 名残惜しく眼で追いつつも、
(俺が選んだのなんか気に入ってもらえるか分かんないしね……)
 と、諦めた。
 今日家に帰ってから、こんなのがあったよと教えてあげれば良い。それで眞梨が興味を示しても示さなくても、どちらでもいい。
 もし興味をもってくれたら一緒にお店に来よう、それで気に入って彼女が欲しいというのなら、少し早い誕生日プレゼントとして買ってあげよう。
(……そうなったらいいな)
 眞梨の喜ぶ顔を想像して、撫子の顔に薄く笑みが浮かんだ。そうして顔を上げたとき、二人のほうから一際はしゃいだ声が届いた。
「わあ、これ可愛い~! 身長高いし、莉子に合うんじゃない?」
「ほんと? このピンクとか可愛いよね?」
 手に取っているのは淡いピンクのシャツワンピースだ。丈は長めで、ピンクでも落ち着いた雰囲気がある。麗奈の言うように、たしかに女子の中でも背丈がある莉子にはよく似合うだろう。
「いいの見つかった?」
 ひょいと後ろから顔を覗かせた撫子に、二人はあっと口を開けた。すっかり撫子のことを忘れていたらしい。が、やっと当初の目的を思い出せたようだ。
 目的を見失っていた自覚がある二人は、撫子に慌てて言い訳まじりの謝罪を告げた。
 二人の慌てように、そんなに楽しかったのかな、と彼女たちの夢中具合に思わず笑ってしまった。
「あ、でも莉子暖色すきだしさ、このワンピースちょうどいいんじゃない?」
 気を取り直した麗奈が、ワンピースを莉子に合わせながら言うと、莉子もはにかんで頷いた。
 せっかくの大事な日だし、自分の好きなものでオシャレしたほうが緊張も和らぐだろう。撫子もそう思って声をかけようとしたときだった。
 あっ、と莉子がなにかに気づいて声を上げた。彼女は同じ売り場からもう一つ服を手に取った。
「これ水色もあるんだ……あ、緑もある」
 ピンクのワンピースを麗奈に預けたまま、莉子は色違いのその二つを両手に持ち、悩むように見比べた。それに麗奈が意外そうに眼を丸くした。
「珍しいね。寒色系ってあんまり着ないじゃん」
「そうなんだけどさ……坂木(さかき)くん、前に大人っぽい雰囲気の子が好きだって言ってたんだよねえ」
 そこで莉子は、ちらりと撫子を見た。
「やっぱり、男の子ってこういう大人っぽい雰囲気のほうがドキッとするかな?」
 ピンクって子どもっぽいよね? と訊かれて、撫子は咄嗟に否定しかけた。
 そんなことないよ、自分らしくいるのが一番じゃない?
 けれど、莉子のどこか期待した瞳を眼にしてしまうと、途端に撫子は言葉を詰まらせた。
 通っている高校では、女子生徒から好きな人の誕生日プレゼントや、初デートに着ていく服など、男子の意見が聞きたいからと買い物に誘われることがよくある。
 そんな大事な日に撫子の意見が参考に扱われることには、相手の男の子に申し訳ないと思う。けれど、撫子がやっているのなんて一緒にお店を回るか、意見を訊かれたときに当たり障りのないことを答えるぐらい。
 それに、撫子にそういったことを頼む子たちは、自分の不安や緊張をなくすための後押しを求める人ばかりなのだ。
 莉子もそうだ。自分の好みよりも、相手の理想に合わせたい。普段とは違う自分の姿を見て欲しい。そんな背伸びしたがる子どものようなキラキラした期待が、彼女の眼には宿っていた。その期待の奥で、撫子に頷いて欲しいと願っている。
(そうだよね……出来ることなら少しでも相手によく思って欲しいよね)
 その思いに、撫子は内心で大いに共感した。
(告白を断られることはすごく怖いだろう)
少しでも断られる可能性を低くしたい、と思うのはきっと当然のことだ。
 それが自分らしさを前面に出した結果であるならば、より自分自身が傷を負う可能性も高くなる。自分をさらけ出す怖さを理解できるだけに、安易に自分らしくいったほうがいいとは言えなかった。
「ピンクも明るくて可愛いとは思うけど……そうだね。相手の子の好みに合わせたほうが成功の確率も上がるかも。それに普段と違う雰囲気の莉子ちゃんにドキッとしてくれるかもしれないしね」
 これで不安がちょっとでもなくなるのなら――と、撫子は大きく口の端を上げてニッコリと告げた。
 すると、莉子もほっとしてじわじわと笑みを広げていく。莉子は両手の緑と水色を交互に見比べ、彼女はやがて水色のワンピースを選んだ。
「結局そっちにするの?」
「うん。今回は水色買ってみる」
 頷いた莉子に、麗奈は持っていたピンクの服を置く。
「まあ、たまにはいつもと違う服買うのもいいよね。気分一新してさ」
 麗奈の言葉にわくわくした顔で頷いた莉子は、撫子を振り返る。
「撫子くん、ありがとね」
 頬を赤くさせた少女然とした愛らしい彼女の笑みに、撫子の中に報われたような喜びが広がる。と同時に、虚しさのような空っぽな感情が撫子の体を支配した。
 求められているなら。期待されてるなら、その言葉を言わないと――。強迫観念にも近いその思いは、撫子の体いっぱいに広がって、内側から体の輪郭を脅かしているようだった。
 だが、そんなことおくびにも出さず、撫子は笑顔で居続けた。
「俺は大したことしてないよ。気に入ったのに出会えてよかったね」
「うん!」
 大きく頷いた莉子は、麗奈とともにレジのほうへと向かっていった。撫子は二人の背中を見送ると、静かに店舗を出て正面の通路脇に佇んで待つことにした。
 ここなら、店から出てきた二人の視界に入るだろう。
 腕時計に眼を落とすと、もうすぐ十八時をさすところだ。
 自宅までは、ショッピングモールのすぐの隣にある駅からバスに乗って十五分。バスを下りたあとはさらに十分ほど歩くので、このまま解散すれば十八時半過ぎには家に着くだろう。
(そのぐらいなら雅(まさ)海(み)さんもちょうど帰ってきてるかな……)
 自分を引き取ってくれた養母も、いつもそのぐらいの時間に帰ってきているのだ。
 帰宅したらそのまま雅海と一緒に夕飯の支度に入れば良いかな、と撫子は頭の中でスケジュールを組んだ。
 考えながら賑やかなモール内を見渡すと、ふとショーウィンドウに映った自分の姿に眼がとまった。
 ショーウィンドウには、真っ白な半袖シャツにグレーのスラックスというシンプルな夏服を着た細身の青年が映っていた。
 少しつり目気味な男にしては大きな瞳も、小さな薄い唇も、美人ともてはやされていた母によく似ている。運動とは無縁のために細身で、おまけに白い肌のせいか中性的な印象だが、百七十半ばはある身長のおかげで女性に間違えられたことはない。
(髪の毛だけは、お母さんとは似てないよな……)
 遠い思い出の中の母は、明るい茶髪を緩く巻いていた。けれど、撫子は寝癖知らずのサラサラと流れる黒髪だ。
 ということは、これは父由来のものなのか。考えたって撫子は父を知らない。
 もしかしたら母は染めていたのかもしれないけれど、実際のところどうだったのか撫子は知らない。今さら知ることも出来ない。
 母のことを思い出すと、いつだって胸の奥がずっしりと重くなった。胸の辺りから黒いもやもやした気持ちが体に広がっていくのを感じながら、撫子は素知らぬ顔で行き交う人をなんとなしに眼で追った。
 この黒いもやは、撫子の体の中にずっとあるものだ。普段は気づかないほど小さくなっているくせに、言いたかった言葉を飲み込んだとき、黒いもやは大きくなって存在を主張してくる。
 ――自分らしく、自分の好きな服でいいんじゃないかな。
 さっき莉子に言ってあげたかった言葉が、頭に浮かんだ。咄嗟に撫子はごくりと唾を飲み込む。迫り上がったなにかを奥に押し込むように。
 放っておけば、言葉は輪郭を無くしていつしか消える。ただし、体の奥にほんの少し重石を残す。霞のようなうっすらとした黒いもやがそれだった。
 黒いもやは心の内に少しずつ溜まっていく。それでも、一つ一つの言葉はもう体を成していないのだから、撫子からするとないのと一緒だ。
(大丈夫。今日も耐えればいい)
 体の中をさまよった言葉が、諦めて崩れていくのを待っていればいい。
 そうやって、ざわつく心を落ち着かせた。
 そのとき、黒いもやの奥の奥――意識しないと分からないほど深いところに、未だに輪郭を保った言葉が存在していることに気づいたが、撫子は反射的に意識を逸らした。なにがひた隠しにされているのか本能では分かっていた。だがそれは、いまさら考えても仕方のないことだ。
 掘り起こして言葉にしたって、それを受け取ってくれる人はもうどこにもいないから。だから撫子は、自分でも忘れてしまうほどの遠い記憶の奥に、その言葉を置き去りにする。
「お待たせ~」
「撫子くん待たせてごめんね」
 無事に買えたと、ショップの袋を掲げて莉子が笑った。店を出てきた二人の満足そうな笑顔に、撫子の中の黒いもやが少しだけ薄らいだ気がする。
 一仕事終えたとばかりに、莉子が息をついた。
「今日付き合ってもらっちゃったし、ご飯奢るよ」
 フードコートとレストラン街、どっちがいい?
 首を傾げた莉子の言葉に、撫子は笑みをのせつつも残念だと眉を落とした。
「ごめんね、夕飯は家族と食べるって決めてて……俺のことは気にしないで、せっかくだから二人で美味しいもの食べてきて」
 ね? と口の端を上げて笑顔を深めると、二人はそういうことならと揃って頷いてくれた。
 バスの時間があるから。撫子はそう言って、急でごめんねと謝りながらその場で二人とは別れた。
 ――撫子くん、夕飯は必ず家族と食べてるって本当だったんだね。
 ――やっぱ仲いいんだね。うちなんか喧嘩ばっかだから羨ましいよ。
 背後から莉子と麗奈の声が届き、撫子はひとりでに苦い顔をした。
(そんなに噂みたいに広まってるの……?)
 撫子は学校で、女子生徒たちからは恋愛相談係なんて呼ばれている。べつに自信満々にアドバイスをしたり、恋愛を成就させたりといった大層なものではない。今日みたいに買い物に付き合って後押しをしたり、友人を交えた教室でのお菓子パーティーで彼氏の愚痴を聞いたりするだけだ。
 相談……というよりは、体の良い聞き役だろう。
 きっかけは友人の片想い話をよく聞いていたから、それをきっかけに他の女子も私も私もと声をかけてきてくれたに過ぎない。二年生に上がってからはそう頻繁にではなくなったが、今日のように頼まれることはときどきある。
 誰と出かけても教室で話をしていても、夕暮れの六時を目安に家に帰っているので、きっとそこから女子の間で話が回っているのだろう。
(仲がいいって言っていいのかな……)
 まず家族と呼んでいいのかも分からない、と撫子は思った。自分がそう呼ぶのは烏滸がましいとさえ感じた。だって一緒に住んでいる雅海も尚(たか)紀(のり)も眞梨も、撫子とは血が繋がっていないから。撫子だけが、血が繋がっていない。
 眞梨は正真正銘、雅海と尚紀の娘だが、撫子はそうではない。便宜上家族と呼称してはいるけれど、それは周囲に詳しい事情を話すのは気が引けるからだ。
(家族になれたらいいな……とは思うけどね)
 しかし、それは土台無理な話だろう。
 遠ざかっていく二人の声はすぐに聞こえなくなった。撫子は暗くなった気持ちを振り切るように顔を上げ、ショッピングモールを後にした。


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