どこで何を間違えたのだろう

寿山 千穂

文字の大きさ
上 下
22 / 46
中学校

1

しおりを挟む
中学入学の直前嬉しい話を親から聞いた。

親の転勤とともに東京へ引っ越していた幼なじみがまた地元に帰ってくるとの事だった。

小学生の間、ずっと年賀状や親を介しての近況報告など少しばかりのやり取りをしていた。

入学式の日、クラス発表を見に行くと幼なじみの姿があった。

「達也!」

数年ぶりにあった幼なじみは身長も伸び、かっこよくなっていた。

クラスは隣同士だったが、部活も柔道部と剣道部で活動場所が柔剣道場だったため、交流も増えて途中まで一緒に帰ったりしていた。

小学一年生で引っ越していた達也はあまり知り合いもいなかったからか、「未央、教科書貸して~」、「未央!今日部活終わりに近所の文具屋寄ろう」と顔を出していた。

私もテスト期間には「達也!勉強教えて!」「宿題やってないの!助けて!」と頼っていた。

久しぶりの幼なじみとの学校生活、小学生から仲の良かった友達もいて、部活も楽しかった。

ただ純粋に楽しんで学校に通っていた。

ある日の放課後、部活もなかったので、達也に勉強を教えてもらうために教室に残っていた。

1度も話したことの無い同級生の女の子たちが私以外誰もいない教室に入ってきて「ねぇ」と急に話しかけられた。

「達也くんとどういう関係?」

恋愛にもさほど興味がなく、当時全く達也を異性として見ていなかった私は質問の意味が分からなかった。

「小さい頃から知ってる幼なじみだけど、、、」

「ふーん。達也くんのこと呼び捨てで呼んだり、一緒に帰るのやめてよ、ムカつくから。」

「なんで?昔から達也って呼んでるから今更変えるのも、、、」

「とにかく、やめてよね!じゃないと知らないから!」そう言い捨てて去っていった直後、達也がきた。

「未央、顔暗いけどなんかあった?体調悪い?」

「なんでもないよ!達也、今日はここ教えて!」

達也には心配かけたくなくて、何も無かったように過ごした。

達也への対応を変えることもしなかった。

それがどうなるのか分かっていなかった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。 2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。 毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

子宮頸がんになりまして

☆よこやん☆
エッセイ・ノンフィクション
がんが見つかったのは30歳。さあこれから結婚、出産を本格的に考え始めた矢先の出来事でした。 今若い世代から増えている子宮頸がん。 当時の闘病、心情などを描いていきます。

処理中です...