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プロローグ
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「ぁ…んむ…っ」
ほんの一カ月前までは何も知らなかった。そんな私が裸で、男の人とベッドの上でキスをしている。相手は優しく私の焦げ茶のショートヘアを撫でると少し唇を離して穏やかな声で言葉を紡いだ。
「そう、少しずつでいい…」
作り物のような赤い瞳、後頭部にできた十字の傷のせいで剃られた頭、顎に生えた髭、左耳にだけつけられた二つの輪状のピアスと一見柄の悪い相手の男性はその見た目に反して甘やかすような仕草で私を蕩けさせる。
少しでも彼に追いつけるように、彼の舌の動きを真似るようにそのまま大胆に舌を動かしてみる。彼のの舌裏をなぞると顔がビクッと強張って、しかしそのまま舌を絡め取られて反撃されてしまう。そのまま後頭部を引き寄せられて、何度も何度も角度を変えて互いの唾液を混ぜ合わせた。
「ん、は、む…っ、ん…」
苦しいはずなのに気持ちいい。彼の舌の感触に夢中になって舐め合うたびにもっと欲しくなる。
「ンッ…ぁ…こう、いう…っとき、わたしって…どう、してれば…っ」
やってもらうばかりで相手も気持ちいいのか不安になる。それをそのまま口にすると彼の唇がゆっくり弧を描いた。
「女の子は何もしなくていいんだよ…ただ気持ちよければ反応してくれると嬉しい。全部隠さないで、俺に見せてくれないか?」
「でも、助けてもらってるのに…ンッ、こんな、私ばっかり…っ」
「君ばかりじゃない…俺もこうやって…触れて反応してくれる度、すごく気持ちいい。柔らかくて、可愛くて、甘い香りに癒されてる…」
一見怖い見た目の彼からの優しく甘い言葉に胸がむず痒くなって彼の背中に腕を伸ばした。彼の後頭部を撫でると少し頬を赤らめた相手と目が合った。
「君がいいなら、目一杯甘やかして…離れられなくしちまってもいいか?」
そうしてその甘い罠に脚を思い切り沈めてしまう。なぜこんなことになったのか、記憶を辿るととある実験が全ての始まりだった。
古来より蛇は神の遣いとして神聖な生き物として崇められていた。それにより蛇を殺した者には『ノロイ』が降りかかる。
───蛇の獣人、始祖の精霊××の書 68ページより参照
ほんの一カ月前までは何も知らなかった。そんな私が裸で、男の人とベッドの上でキスをしている。相手は優しく私の焦げ茶のショートヘアを撫でると少し唇を離して穏やかな声で言葉を紡いだ。
「そう、少しずつでいい…」
作り物のような赤い瞳、後頭部にできた十字の傷のせいで剃られた頭、顎に生えた髭、左耳にだけつけられた二つの輪状のピアスと一見柄の悪い相手の男性はその見た目に反して甘やかすような仕草で私を蕩けさせる。
少しでも彼に追いつけるように、彼の舌の動きを真似るようにそのまま大胆に舌を動かしてみる。彼のの舌裏をなぞると顔がビクッと強張って、しかしそのまま舌を絡め取られて反撃されてしまう。そのまま後頭部を引き寄せられて、何度も何度も角度を変えて互いの唾液を混ぜ合わせた。
「ん、は、む…っ、ん…」
苦しいはずなのに気持ちいい。彼の舌の感触に夢中になって舐め合うたびにもっと欲しくなる。
「ンッ…ぁ…こう、いう…っとき、わたしって…どう、してれば…っ」
やってもらうばかりで相手も気持ちいいのか不安になる。それをそのまま口にすると彼の唇がゆっくり弧を描いた。
「女の子は何もしなくていいんだよ…ただ気持ちよければ反応してくれると嬉しい。全部隠さないで、俺に見せてくれないか?」
「でも、助けてもらってるのに…ンッ、こんな、私ばっかり…っ」
「君ばかりじゃない…俺もこうやって…触れて反応してくれる度、すごく気持ちいい。柔らかくて、可愛くて、甘い香りに癒されてる…」
一見怖い見た目の彼からの優しく甘い言葉に胸がむず痒くなって彼の背中に腕を伸ばした。彼の後頭部を撫でると少し頬を赤らめた相手と目が合った。
「君がいいなら、目一杯甘やかして…離れられなくしちまってもいいか?」
そうしてその甘い罠に脚を思い切り沈めてしまう。なぜこんなことになったのか、記憶を辿るととある実験が全ての始まりだった。
古来より蛇は神の遣いとして神聖な生き物として崇められていた。それにより蛇を殺した者には『ノロイ』が降りかかる。
───蛇の獣人、始祖の精霊××の書 68ページより参照
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