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番外編2
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そうと決まれば行動は早い。ベイリーはハーヴィルと話を終え別れると夜中すぐ出られるように荷物の準備をした。念の為サバイバルナイフを装着する予定のベルトに差したところでその問題の妻が姉との買い物から帰ってくる。
「ベイリーさんただいま!」
「よう、嬢ちゃん。今日は何買ってきたんだ?」
自然に振る舞おうとソファーに腰掛けていると愛らしい妻が抱きついてそのまま口付けをした。結婚して三ヶ月、まだまだ甘い関係性は保ててる筈だ。生理の日以外は毎晩セックスしているし、こういった愛情表現も頻繁にしている。浮気なんてあり得ない。
「へへっ、今日はね~お野菜が色々安かったから野菜たっぷりのシチューにしよっかなって思ってます」
「お!シチューか、そりゃ楽しみだな」
敢えて声色を明るくして気丈に振る舞ってみたが不安は拭えない。何よりエリーはベイリーからしたら若くて可愛い。枯れたオジサンなんかより他の若くて生き生きとした美男子なんて選び放題のはずなのだ。
「やっぱ嬢ちゃんよォ…俺が夕飯作るからエッチしたいんだが、ダメか?」
「えっ?!今ですか?」
「今」
そう思うとすぐ不安になってしまう。こういうことは良くないと思っていながらも愛情を伝えたい、刻みたい、確かめたいなんて思って彼女の体を引き寄せた。
「じゃあ…一緒にお風呂入りましょっか!」
こうやってめんどくさいオジサンの要求にも笑顔で受け入れてくれるのだ。接すれば接するほどなぜ彼女が自分が選んだ理由がわからなくなる。出会った時は見た目が物凄く好みだとか言われた気がするが、ハーヴィルと違って美中年というタイプでもないしこんな平凡で独占欲の強いオジサンなんて一年もしたら飽きられてしまうんじゃないか、なんて女々しいことが頭をぐるぐると駆け巡った。
「ベイリーさん何か難しいこと考えてます?なんか、悩んでたり…」
向かい合いながら浴槽に浸かっていると、エリーから鋭い質問を投げかけられる。彼女からしたらベイリーの様子がおかしいなんてお見通しなのだ。
「オジサンねぇ…結構めんどくさい男なわけよ」
「めんどくさい…?」
「そ、嬢ちゃんのこと好き過ぎて空回りしちまうっていうか…こんな歳で何言ってんだって話だけど、ホラ…嬢ちゃん可愛いだろ?他の若い男ンとこ言っても文句言えないっていうか」
ねぇ?と曖昧な言葉を紡ぐ自分が情けなくなってくる。不安を相手にぶち撒けるのではなく自分が好かれ続けるよう努力しろってことは充分分かってはいるのだ。
そんなベイリーとは裏腹にエリーは彼の膝の上に乗って上機嫌に抱きついてくる。この温度差にベイリーは思わず首を傾げた。
「私ばっかりベイリーさんのこと好きだと思ってたから…そう思ってくれてたなんて嬉しいです」
「……………………………………………マジ?」
「へへっ、ベイリーさんもそんなこと考えるんですね。でも私がよそ見するなんて無いですよ、ベイリーさん…顔も声も体格も、優しいところも大好きですもん…寧ろ私には勿体無いくらい」
エリーの腕がベイリーの背中に回って11年前の傷痕を優しく愛撫する。ベイリーの体は一瞬強張るが、それを受け入れるようにエリーの背中に腕を回した。
「それに昔からの憧れで命の恩人さんのお嫁さんになれるなんて私世界一幸せですから」
欲しい言葉をくれる目の前の妻に愛おしさが溢れ出す。無邪気な笑みを浮かべる唇に自分のそれを重ねて、やがて浴室に舌が絡み合う音が響いた。
感じる相手の熱と柔らかい肌の感触に思春期の少年よろしく股間が熱くなる。「寝室行こっか」と言うと彼女はぎこちなく頷いてベイリーの首に腕を回した。愛する妻が応えてくれたのだからと床が濡れるのも気にせず彼女を抱き上げて寝室へと足早に向かう。
「嬢ちゃん」
そうしてゆっくりベッドに横たわらせてそのまま覆い被さり、華奢な身体を抱きしめる。素肌の感触から伝わる彼女の激しい心音に自然と頬が緩んだ。
「ベイリーさんただいま!」
「よう、嬢ちゃん。今日は何買ってきたんだ?」
自然に振る舞おうとソファーに腰掛けていると愛らしい妻が抱きついてそのまま口付けをした。結婚して三ヶ月、まだまだ甘い関係性は保ててる筈だ。生理の日以外は毎晩セックスしているし、こういった愛情表現も頻繁にしている。浮気なんてあり得ない。
「へへっ、今日はね~お野菜が色々安かったから野菜たっぷりのシチューにしよっかなって思ってます」
「お!シチューか、そりゃ楽しみだな」
敢えて声色を明るくして気丈に振る舞ってみたが不安は拭えない。何よりエリーはベイリーからしたら若くて可愛い。枯れたオジサンなんかより他の若くて生き生きとした美男子なんて選び放題のはずなのだ。
「やっぱ嬢ちゃんよォ…俺が夕飯作るからエッチしたいんだが、ダメか?」
「えっ?!今ですか?」
「今」
そう思うとすぐ不安になってしまう。こういうことは良くないと思っていながらも愛情を伝えたい、刻みたい、確かめたいなんて思って彼女の体を引き寄せた。
「じゃあ…一緒にお風呂入りましょっか!」
こうやってめんどくさいオジサンの要求にも笑顔で受け入れてくれるのだ。接すれば接するほどなぜ彼女が自分が選んだ理由がわからなくなる。出会った時は見た目が物凄く好みだとか言われた気がするが、ハーヴィルと違って美中年というタイプでもないしこんな平凡で独占欲の強いオジサンなんて一年もしたら飽きられてしまうんじゃないか、なんて女々しいことが頭をぐるぐると駆け巡った。
「ベイリーさん何か難しいこと考えてます?なんか、悩んでたり…」
向かい合いながら浴槽に浸かっていると、エリーから鋭い質問を投げかけられる。彼女からしたらベイリーの様子がおかしいなんてお見通しなのだ。
「オジサンねぇ…結構めんどくさい男なわけよ」
「めんどくさい…?」
「そ、嬢ちゃんのこと好き過ぎて空回りしちまうっていうか…こんな歳で何言ってんだって話だけど、ホラ…嬢ちゃん可愛いだろ?他の若い男ンとこ言っても文句言えないっていうか」
ねぇ?と曖昧な言葉を紡ぐ自分が情けなくなってくる。不安を相手にぶち撒けるのではなく自分が好かれ続けるよう努力しろってことは充分分かってはいるのだ。
そんなベイリーとは裏腹にエリーは彼の膝の上に乗って上機嫌に抱きついてくる。この温度差にベイリーは思わず首を傾げた。
「私ばっかりベイリーさんのこと好きだと思ってたから…そう思ってくれてたなんて嬉しいです」
「……………………………………………マジ?」
「へへっ、ベイリーさんもそんなこと考えるんですね。でも私がよそ見するなんて無いですよ、ベイリーさん…顔も声も体格も、優しいところも大好きですもん…寧ろ私には勿体無いくらい」
エリーの腕がベイリーの背中に回って11年前の傷痕を優しく愛撫する。ベイリーの体は一瞬強張るが、それを受け入れるようにエリーの背中に腕を回した。
「それに昔からの憧れで命の恩人さんのお嫁さんになれるなんて私世界一幸せですから」
欲しい言葉をくれる目の前の妻に愛おしさが溢れ出す。無邪気な笑みを浮かべる唇に自分のそれを重ねて、やがて浴室に舌が絡み合う音が響いた。
感じる相手の熱と柔らかい肌の感触に思春期の少年よろしく股間が熱くなる。「寝室行こっか」と言うと彼女はぎこちなく頷いてベイリーの首に腕を回した。愛する妻が応えてくれたのだからと床が濡れるのも気にせず彼女を抱き上げて寝室へと足早に向かう。
「嬢ちゃん」
そうしてゆっくりベッドに横たわらせてそのまま覆い被さり、華奢な身体を抱きしめる。素肌の感触から伝わる彼女の激しい心音に自然と頬が緩んだ。
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