きいちごの恋

めぐみ

文字の大きさ
上 下
18 / 41

18

しおりを挟む






「あぁっ、は、ぐぅ…ッぁあ…もう…っ、ははっ…一週間は出ねぇな…っ」

ベイリーさんはゼェゼェと肩で息をしながらやっとペニスを抜いた。それもそのはず、1時間も挿入したままだったからだ。その体力の消耗は私も同じでただでさえセックスで絶頂を繰り返していたのに追加で1時間入りっぱなし出されまくりの超長期コースだったのだ。膣からは大量の精液が漏れ出て、とても一人分を受け止めたとは思えない。流石にまずいと思ったのかベイリーさんは私を見てギョッとすると裸のままキッチンの方へと駆けて行った。
その時、背中が露わになって11年前の傷痕がまだしっかりと残っていた。セックスが終わったらどんな文句を言ってやろうと思っていたのにそれを見てしまったらそんな気持ちは萎んでしまう。

「嬢ちゃん、水…飲めるか?」

「はい、ありがとうございます」

ベイリーさんはコップに入れた水を持ってきて私の横に腰掛けて、私を座らせるとコップを手渡した。声を上げっぱなしだった喉が水で潤されてここまで水が美味しいと感じたのは初めてだった。

「部屋、ザーメンくせぇな…ちょっと寒いが、窓開けるぞ?」

窓を開けて戻ってきたベイリーさんは私の隣に座って、まだ足りないのか頭や額、鼻にキスを繰り返す。尻尾も左右に揺れて大層ご機嫌な様子だ。

「近いうちに婚儀もしような、まぁ…初夜を人に見られんのはアレかもしれねぇが」

「そ、それより、本当に…私みたいな子どもがベイリーさんみたいな素敵な人と結婚していいんですか?」

「ったりめぇだろ、というか俺はもう嬢ちゃんを他の野郎に渡してやりたくねぇよ。さっき散々好きだって刻み付けてやっただろ?…まだ足りないか?」

ニヤニヤと笑いながら言われるものだから私は慌てて首を振った。アレで足りないはずがない。

「そういえば11年前の傷痕…まだ残ってたんですね…」

「あー…失敗したな、嬢ちゃんが気ィ使わないように気を付けてたのに…見られちまったか。いいんだよ、アレは俺が好きで勝手にしたこと、あそこで庇ってなきゃ俺が一生後悔してた。嬢ちゃんの姉ちゃんも一緒だと思うぜ。」

慰めるように私の頭を撫でられると、その優しさが嬉しくてギュッとコップを握りしめた。

「それより嬢ちゃん、俺も喉渇いたから水くれねぇか?口移しで」

「へぇわっ?!!!!く、口移し?!」

「おじさん喉渇いたなー早く欲しいなー」

急かすようにそう言うベイリーさんに唾を飲み込んで一気に水を口に含んだ。そしてそれをベイリーさんの口にキスで流し入れる。緊張して辿々しい手つきだったからか、口の隙間から水が漏れて顎をつたっていく。

「おいしいな、嬢ちゃん…」

その言葉を返す間も無く、顎から首筋にかけて伝った水を舐め取られてしまう。くすぐったくてびくっと体が反応してしまうが、次第に気持ち良くなっていく。私の手からコップを奪われてそれをサイドボードに置かれ、そのまま両手をギュッと握り締められる。そしてそのまま口移しの延長のようにキスをした。

「は、ふ…っぅ、ん…っ、ぁあ…っんむ…」

「は、ちゅる…っむ、ぅ、んんっ」

厚い舌が絡まって何度もしているはずなのに指も絡めて握られながらキスされると愛しさが溢れて私も指を握り返した。

「嬢ちゃん、好きだ…すっげぇ好き…」

唇が離れたと思ったらそのままベッドに体重をかけて倒れ込まされてぎゅーっと強く手を握られた。そのまましばらくそのままの状態だったが不意にベイリーさんが口を開いた。

「年甲斐もなく…いろいろとごめんな。嬢ちゃんには大人の余裕ってやつ見せてやりてぇのに…どうもうまくいかねぇ。ガッついてダセェとこばっか見せちまう」

そんなこと気にしてたのかとまじまじと彼を見つめると居心地の悪そうな顔をした。

「その視線にはどういう意味があるのか聞いていいのか?」

「へへっ…ベイリーさんもそんな風に考えてくれてたんだと思うと嬉しくって…でも私、そのままのベイリーさんが好きですよ。そもそも、私も…ベイリーさんに見合った女性なのか不安です。ベイリーさんの記憶の私は…13歳の小娘でしょうし」

「ありがとな、嬢ちゃん…お嬢ちゃんも心配する必要ねぇよ。あんなちっせー可愛い女の子だった嬢ちゃんが、女として魅力的になって俺に懐いてくりゃ…おじさんにも破壊力抜群だし、な?」

ぐしゃりとやや乱暴に撫でるベイリーさんの悪戯っぽい笑みになんだか照れ臭くなって顔を見ていられない。その胸に顔を擦り寄らせて抱きつくように彼の腰あたりに指を這わせるとふわふわとしたものに触れた。もしかして…いや、もしかしなくともベイリーさんの尻尾だろう。

「嬢ちゃん、くすぐってぇよ」

フリフリと尻尾が揺れ、私の腕をたしなめるように優しく叩いた。

「ベイリーさんは私のことよく触るのに…?」

「嬢ちゃんも尻尾以外だったらどこ触れてもいいぞ。ただ尻尾の付け根は性感帯でな、あんまり触られるとムズムズしちまう。」

じゃあ、と私はベイリーさんの頭を撫でた。ベイリーさんもそこに触れられるのは予想外だったみたいで目を瞬かせた後気持ちよさそうに私の胸元に擦り寄ってくる。犬のようにキューンと喉を鳴らして甘えてきた。

「ベイリーさん、可愛い」

「どうもこの姿だと犬っぽい部分がでちまう、ん…もっと、おじさんのこと撫でてくれるか?」

珍しいところを見るものだ。いつもは妹という立場から甘やかされる事が多いため、人から甘えられるのに弱い。母性本能がくすぐられて、ベイリーさんの頭をそっと包み込んで撫でた。

「嬢ちゃんの匂い…落ち着くな。気持ち、良くなってきた…」

ベイリーさんの目蓋がトロンとしてきて、声もゆったりとしたものになる。

「おやすみ、ベイリーさん」

「ん、嬢ちゃん…おやすみ、愛してる」

私も眠りに誘われていたというのにベイリーさんの甘ったるい言葉に完全に意識が覚醒されてしまったのだが。

「私も、愛してます。昔から…」

そう言って頬に口付けをして…幸せな眠りについたのだった。






木苺の花言葉は『後悔』『謙遜』そして『愛情』

END
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

性欲の強すぎるヤクザに捕まった話

古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。 どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。 「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」 「たまには惣菜パンも悪くねぇ」 ……嘘でしょ。 2019/11/4 33話+2話で本編完結 2021/1/15 書籍出版されました 2021/1/22 続き頑張ります 半分くらいR18な話なので予告はしません。 強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。 誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。 当然の事ながら、この話はフィクションです。

ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~

taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。 お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥ えっちめシーンの話には♥マークを付けています。 ミックスド★バスの第5弾です。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜合体編〜♡

x頭金x
恋愛
♡ちょっとHなショートショートつめ合わせ♡

処理中です...