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act4 見せちゃダメ
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しおりを挟む「シャノン先生…?」
「え、あ…っ?!そう、そうなんだァ、あんなもっさりしてるのに意外だね。」
彼女の声にはっとする。私、今…何を思った?こんなに可愛くて…私を慕ってくれる後輩に対して醜い感情を持ちかけたことに気づいて自己嫌悪に陥った。
「協力するよ。なんかあったら言ってね」
「ありがとうございますっ」
自己嫌悪は振り切れに振り切れて私は協力まで申し出てしまう。そう言ったからには私は行動を徹底した。
「おい、今日昼メシ用務員室で食いに…」
「きょっ、今日は職員室でおしゃべりしたい気分だなぁって!それよりテレサ先生がエリスさんのこと探してましたよ!それじゃあ失礼します!」
昼休みに話しかけられても私とのやりとりは避けて彼女との接点を作り上げる。
「明日泊まりに来るだろ、何か食いたいものあったら買っておくが…」
「い、今生理中だから…っ、しばらくはできない!」
「生理…?」
それらしい嘘をついて彼の会話は最小限にする。このまま少しずつ縁を薄れさせるべきだろう。お互い納得した関係とはいえセックスを対価にデッサンさせてもらうなんて普通の関係じゃない。彼を真剣に想っている可愛い女の子がいる以上まともな人生を歩むべきだ。そうやっていくうちにエリスさんがテレサ先生と仲睦まじく会話しているところが目に入った。
「数学の教材なんて…持ってくださってありがとうございます…っ。でも怪我大丈夫ですか?」
「こんな重いの…1人で持つもんじゃないだろ。怪我も大丈夫だから、確か…3年の教室だったよな」
紳士的な彼にすれ違いざま驚いてしまう。私も教材運びを手伝ってもらったことはあるが「馬鹿か」「エロ女が運べねぇ量持ってんじゃねぇ」なんて余計な言葉ばかり付け足されていたような気がする。
「やっぱり若くて可愛げのある子の方がいいよね…」
ぽつりと漏れ出た声に自分が嫉妬しているようで首を振った。これでいいんだ、エリスさんが私以外にはちゃんとしている姿を見たら安心してテレサ先生の後押しもできる。…そう、思ってたのに。
「…なんで来てるんですか?」
金曜日の夜、玄関をノックする音がして出てみれば目の前にはエリスさんが立っていた。
「なんでって…学校じゃろくに話す暇無かったし、生理って辛いんだろ。メシ作りに来た。どうせその絵の具まみれの状態じゃ…まだメシも食わねぇで絵描いてたんだろ」
彼の言う通り、近々展覧会があるため絵を描くことに没頭していた。時計を見るともう8時─すっかり夜も更けている。
「で、でも…っ、私えっちなことできませんよ?」
「お前俺を何だと思ってんだ…んなこた分かってるよ。日頃から…特に水曜は世話になったから恩返しだ。」
私がいいと言う前にエリスさんは勝手に私の家に入っていった。そしてキッチンの方に向かうと持っていた紙袋から肉やら野菜やらを出す。
「ビーフシチュー食えるか?」
「うん…まぁ…」
「んじゃ待ってる間にはこれ食ってろ」
弁当箱のような容器にはトマトとブロッコリー、それにバジルソースがかかったサラダが入っていて、その香りが食欲をそそった。
「お、美味しそう…いいの?先に食べて」
「こんな時間までメシ食わないで腹減っただろ」
「…ってエリスさんこそ怪我してるんだから座っててくださいよ!私が作ります!」
「大したことねぇって言ってんだろ」
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