約束は後先を考えて！

act2 約束は守りましょう

１

「あー…出る出る、は、ぁあ…っ、足りねぇな」

「んっ、お、なか…っあつい…」

初めてを失ってから1週間後。私は2回目を迎えていた。今日はベビードールを着たまま、パンツを横にずらされて陰茎を挿入されていた。
彼が達すると同時にそれは引き抜かれ、ベビードールを捲ったお腹の上に精液を吐き出される。白くて熱い未知のそれに驚きつつもそれに腕を伸ばすとその手を掴まれてお腹をタオルで拭われた。

「ザーメン舐めるならこっち、舐めて」

「な、舐めるなんて言ってない！っていうか…っ、ペニスっ、顔に近付けないでよ…っ！」

「もっかい挿れっから…精子ついたまま挿れてもいいならいいけど？」

半ば脅しのようにそう言われて渋々眼前にある少し芯を取り戻したそれを口に入れた。勿論舐めるのも初めてで、どうして良いか分からない。

「口の中で竿…舐めて。精液垂れてるとこ綺麗に舐めとって」

口の中に苦味が広がって一瞬吐き出しかけるが頭に添えられた彼の手がそれを許さない。鼻で呼吸をしながら舌を動かした。

「は、あ…っ、舌はっ…拙いけど…エロい格好してフェラされんのたまんね…っ、ちんぽにクるな…」

その言葉通り彼の陰茎は硬さを完全に取り戻して舌で確認できるほど血管を浮き上がらせている。舌で形をなぞるように裏筋の窪みを舐めると頭上から吐息のような甘い声が聞こえてくる。彼に散々鳴かされている分こういう彼を感じるのは気分がいい。
そして先端から精液とはまた違う体液が滲み出てそれを舐めると彼の腰がビクンッと強張って私の顔を引き離した。

「先っぽ…弱いから今日はフェラこれで終わり。初めてにしては上出来じゃねぇか」

もうすっかり慣れ親しんでしまったその頭を撫でる動作を受け入れて体を彼に預けた。

「きもち、よかった？」

「いや、くすぐったかった」

せっかく人が初めて奉仕したのに容赦ない言葉が浴びせられる。嘘でもいいから少しくらい褒めてくれたっていいじゃないか。

「でも興奮はした…拙い分征服欲ってのか？俺が教えこんでやったっていう…それが満たされた気はするな」

私をベッドに寝かせて上から覆いかぶさるようにしてそう言われると本当に彼に征服されているようで不覚にもときめいてしまう。1週間ぶりの顔面の威力は直視するのも躊躇うほどだ。

「それに…気持ち良くしてくれるのはコッチの役目だろ？」

今度はパンツのサイドの紐を解いて秘部を隠す布地を取り去った。一度散々好き放題突かれたそこはぐちゃぐちゃに濡れていてベッドのシーツを汚す。
エリスさんの形をすっかり覚え込んだそこは陰茎を押し当てられるだけでひくんと入口を疼かせた。しかしここで冷静になるとさっきのセックスでデッサンの清算はした筈だ。このまま流されまいと彼の胸を押して2回戦を回避しようとする。

「なんだよ、もう一回…したくねぇのか？」

「デッサン分はえっちもうしたじゃないですか！」

私の言葉にエリスさんは目を丸くした後にため息をついた。

「あのな、俺とお前は対等な関係なの。お前がデッサンしたいタイミングで俺に体を差し出すように俺も俺がセックスしたいタイミングでセックスしてデッサンさせてやる。」

「た、対等って8割エリスさん都合じゃないそ…っひゃ！」

反論しようとするとずんっと陰茎が押し込まれてお腹の中をいっぱいにする。ナカの感触を楽しむように根元までぐぅっと押し込まれ、睾丸がお尻に当たった。

「あー…ぐちゃぐちゃしたまんこが吸い付いてきてたっまんねぇ…完全に俺の形に広がってフィットしてくれる感じっていうの？処女を俺好みに作り替えんのっていいな」

「やだっ、おく…っぐりぐり、しな、いでぇ」

「よし、奥な？ここかァ？」

しないでと言ったところを執拗なほどに責め立てられて、逆に縋り付くように抱きついてしまう。これじゃあもっとしてと言っているようで嫌なのにしっかり体重までかけられて逃げ場を失う。お腹を突き破るような勢いで腰を動かされ、行き場を失った愛液がそのたびに隙間から溢れ出した。

「やっ、やぁっ…きもちぃっ！おかしく、なるからぁ…っ、たすけて…っ」

「あーあー、すっげぇ音…俺も、きもちいい…いっぱいイけよ？ほら、ここの腹の裏…っ、好きだろ？ははっ…顔とろけて、可愛いな」

ゴリゴリと陰茎がいいところを抉って何度も痙攣を繰り返した。こんないやらしいことをしているというのに無邪気に目を細めて笑う顔が至近距離にあって私の方がどういう顔をしていいか分からなくなる。
逃げるように彼の胸に顔を埋めると汗と石鹸が混じり合った匂いがやけに心地よく感じた。

「どうした？そんなに抱きついたりして」

「エリスさんの…っ、におい、すき…っで、あ、んんっ」

「あー…ったく、またかっわいいこと言って…もっといっぱいくっつくか？」

その問いに頷くと動きを中断して私の正面についたベビードールのホックを外した。肩紐を外して全裸になるとぴったりと肌を合わせるように抱きしめてくれる。